マイコプラズマ

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マイコプラズマ属
分類
ドメイン : 真正細菌
Bacteria
: テネリクテス門
Tenericutes
: モリクテス綱
Mollicutes
: マイコプラズマ目
Mycoplasmatales
: マイコプラズマ科
Mycoplasmataceae
: マイコプラズマ属
Mycoplasma
学名
Mycoplasma
Nowak 1929
下位分類(種)
  • M. gallisepticum
  • M. genitalium
  • M. hominis
  • M. hyopneumoniae
  • M. laboratorium
  • M. mycoides(タイプ種)
  • M. ovipneumoniae
  • M. pneumoniae
他に100種近く存在

マイコプラズマ (Mycoplasma) は、真正細菌の一属。一般の真正細菌に見られるペプチドグリカン細胞壁が無く、そのため細胞の形は不定形で可塑性がある。細胞膜は他の真正細菌のそれに比べて強度が高い。

ゲノムサイズが極めて小さく(55万-140万塩基対程度)、大半が合成培地で増殖できず、たいていの場合は多くの成長因子を必要とする。自然条件では特定の真核生物に寄生する。

目次

[編集] 分布

Mycoplasma属の多くは動物に寄生し、病原菌であるものが多い。 関節症をはじめ、肺炎などの原因となる。

[編集] コンタミネーション

細胞壁を持たないため細胞の形状に可塑性があり、0.22μmフィルターを通過する。 そのため、細胞培養に用いる培地は、ろ過滅菌してもしばしばマイコプラズマによるコンタミネーション(汚染)が見られることが多い。細菌や真菌のコンタミネーションでは汚染が目視することができ、培養細胞が死に至ることが多いためコンタミネーションの発見は容易であるのに対して、マイコプラズマのコンタミネーションでは顕微鏡下であっても小さすぎて目視することができず、また培養細胞と共存することが多いためコンタミネーションの発生を見逃しやすい。

マイコプラズマのコンタミネーションによる影響としては、培地の栄養の消費による培養細胞の成長阻害の他、マイコプラズマの直接の作用による代謝経路への影響や、遺伝子発現への影響が確認されている。 そのため、細胞を用いた実験結果の正しい評価のためには、マイコプラズマのコンタミネーションがないことを確認する必要がある。

検出のためのゴールドスタンダードは培養法であるが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)やEIA法、核染色法(ヘキスト染色法/Hoechst Stain Method)でも検出が可能である。 培養法は種の同定や検出率で優れているが、結果が得られるまでに時間がかかり、種の同定には熟練が必要である、という欠点がある。また、培養の困難な菌も存在する。 一方PCR法やEIA法はその日の内に結果を得ることも可能であるが、特定の種しか検出できない。 ヘキスト染色法も測定に要する時間は短いが、染色されたものがマイコプラズマであるのか細菌等の核やデブリであるのかを見分けるには熟練が必要である。 最近ではマイコプラズマの酵素を利用したマイコアラート法(MycoAlert® Mycoplasma Detection Kit:Lonza社)のような30分以内での測定が可能な製品もできてきており、検出をルーチンで行うことも簡単になってきた。

[編集] 医療におけるマイコプラズマ

マイコプラズマはしばしばヒトにおいて非定型肺炎を引き起こす。 主に幼児、小中学生が感染する肺炎。

[編集] 疫学

オリンピックが行われる年に流行する(4年に1度流行する)傾向があるとして「オリンピック」とも呼ばれるが、近年はこの傾向が薄れつつある。

[編集] 症状

dry coughと呼ばれる喀痰を伴わない咳をする事が多い。発熱は38.5℃を越えることもある。頭痛、咽頭痛、刺激性の咳(乾性の咳)倦怠感などのいわゆる感冒様症状を呈する。消化管へのウイルス感染によって嘔吐、下痢、腹痛などの症状を来たす事もある。最近では、大人が感染して重症化するケースが急増している。また、症状が呼吸器を中心としたものから消化器症状を併発、もしくは消化器症状を中心としたものへと移り変わってきている傾向がある。

[編集] 診断

病原体の直接証明として分離培養、PCR蛍光抗体法がある。血清診断としてはペア血清による診断が確実である。迅速診断としてIgM測定が可能である。

[編集] 治療

マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質がよく用いられる。ケトライド系、リンコマイシン系、ニューキノロン系薬剤も有効である。細胞壁を持たないため、ペニシリン系、セフェム系の薬剤は効果がない。

だが、現在ではマイコプラズマの全体の約15%は耐性菌と言われており、上記の薬では効果がない可能性がある。

最終更新 2009年11月29日 (日) 14:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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