マクスウェル分布

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マクスウェル分布(-ぶんぷ)とは、熱力学的平衡状態において、気体分子速度が従う分布関数である。マクスウェル=ボルツマン分布と呼ばれることもある。気体分子運動論により導かれたが、より一般化されたボルツマン分布からも導かれる。

通常の静止した気体では、それを構成する分子の速度ベクトル \mathbf{v} は、その成分を vx,vy,vz とすると、次の式に従って分布する。


f(v_x,v_y,v_z) =
\left( \frac{m}{2 \pi kT} \right)^{3/2} 
\exp \left( \frac{-m\left(v_x^2 + v_y^2 + v_z^2\right)}{2kT} \right)

ここで m は分子の質量、k はボルツマン定数T は温度である。 この速度分布は、最初に見いだしたイギリスの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルにちなんで、マクスウェル分布と呼ばれる。

マクスウェル分布のもとでは、たとえばx方向の速度成分 vx の分布は上記の式を y,z 方向の速度成分で積分して得られ、


f_1(v_x) =
\left( \frac{m}{2 \pi kT} \right)^{1/2} 
\exp \left( \frac{-mv_x^2}{2kT} \right)

となって、左右対称なつりがね状の分布 正規分布 になる。 また、x, y, z 方向の各速度成分の分布は互いに独立で、

f(vx,vy,vz) = f1(vx)f1(vy)f1(vz)

が成り立つ。

また一方で分子の速さ v、すなわち

v = \sqrt{v_x^2 + v_y^2 + v_z^2}

の分布は最初の式で速度ベクトル \mathbf{v} を極座標で表して、方向に関して積分して得られ 


f(v) = 
4 \pi  v^2
\left( \frac{m}{2 \pi kT} \right)^{3/2} 
\exp \left( \frac{-mv^2}{2kT} \right)

となる。

これによれば、分子の質量が大きく温度が低いほど分布は密になり、分子の質量が小さく温度が高いほど分布は疎になる。25℃における希ガス中での分子の速さの分布をプロットしたものを図に示す。

最終更新 2009年3月2日 (月) 02:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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