マセラティ・クアトロポルテ

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マセラティ・クアトロポルテ(Maserati Quattroporte)は、イタリアのマセラティ社が生産するEセグメントからFセグメントに属するラグジュアリーサルーン

1963年に初代モデルが発売され、2004年から発売された現行型は5代目にあたる。

5代目(マイナーチェンジ後)


目次

概要

高い運動性能と、高級サルーンとしての快適性を高次元でバランスした車であり、同社の最量産モデルでもある。

車名はイタリア語で「4, 4つの」を意味する「クアトロ」と「扉、門」の複数形を意味する「ポルテ」とを組み合わせできた複合語で、ボディ形状である「4ドア」の意味。


歴代モデル

初代(1963–1969年)

初代

初代はカロッツェリア・ピエトロ・フルアがデザインしたボディに4,100cc/256馬力エンジンを搭載した最高速度230km/hのスーパースポーツサルーンとして、1963年のトリノ・ショーでデビューした。1966年までに230台が生産されたところでエンジンが4,700cc/295馬力に強化され、引き続き1969年の生産終了までに約500台が作られた。4ドアのイタリアン・スーパーカーとして、イソ・リヴォルタ・フィディアと共にユニークな存在であった。日本にも当時のディーラー新東洋企業によって数台が輸入された。


2代目(1974–1978年)

2代目

1968年にシトロエン社の傘下に入ったマセラティ社が、初代の生産終了後5年を迎えた1974年のチューリン・モーターショーで、「クアトロポルテII」と命名しデビューさせた。シトロエン・SM のシャシーにベルトーネがデザインした4ドアボディを載せた、同社史上唯一のハイドロニューマチックサスペンション付きFWD車であった。

しかし、前年勃発した第一次オイルショック後の不況に加え、同社のメラクと同じV6エンジンが車重に対して相対的に力不足であったことから、1978年までに僅か13台が受注生産されただけに終わった。


3代目(1976–1990年)

3代目

マセラティ社をシトロエン社から買い取ったアレハンドロデ・トマソによって1976年に発表された3代目は、「クアトロポルテIII」と命名された。発表後は生産準備に手間取り、実際のデリバリーは1979年からとなった。設計は再び手堅い手法に戻り、フロアパンは親会社となったデ・トマソ社の4ドアサルーン・ドーヴィルのホイールベースを延長したものを用い、ジョルジェット・ジウジアーロによる明快なデザインのボディを架装している。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンの独立型。エンジンは1950年代以来同社伝統となっているV8・4カムで、4,200cc/255馬力が標準、4,900cc/300馬力もオプションで用意された。4,900ccモデルの最高速度は230km/hと公表されていた。

イタリアのスーパースポーツカーの伝統に則って設計され、メルセデス・ベンツ450SEL6.9を意識したビジネスマン向け高速サルーンとなった3代目は市場からの評価も高く、1984年までに1,876台、1984年には「マセラティ・ロイヤル」と改称して完全受注生産となったものの、1990年までに2,141台が生産された。

尚、この代以降のクアトロポルテは日本にも相当数が輸入されている。


4代目(1994–2000年)

4代目

フィアット社の傘下に入ったマセラティ社から1994年に登場した4代目は、マルチェロ・ガンディーニのデザインによる、先代よりもアグレッシブなデザインを持つ車で、当時の同社主力車種ビトゥルボのシャシーを流用したやや小型のモデルに生まれ変わった。しかし、同社のギブリ(二代目)と共通のV6・DOHC24バルブエンジンは2,800ccで280馬力、イタリア国内向け2,000ccでは306馬力を誇り、最高速度は3代目を大きく上回る260km/h(2,800cc)に引き上げられた。更に1997年には、同社のシャマルと共通のV8・3,200cc/326馬力ツインターボエンジンモデルが追加され、最高速度は6速マニュアルで275km/h、4速オートマチックでも265km/hにまで上昇した。

1998年に、マセラティ社がフェラーリ社の傘下となると(フェラーリ社自体もフィアットの傘下にあった)、フェラーリの技術が導入されるようになり、「クアトロポルテ・エヴォルツイオーネ」へとマイナーチェンジを受けた。

但し、新たに同社の経営者となったルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロの意向で、ダッシュボード中央の、ビトゥルボ以来同社のトレードマークの一つであったラ・サール製のアーモンド型の金時計は、ダッシュボードから外されてしまった。 また、量感豊かな本革シートや木目パネルを多用した内装の様子からは、その明るいカラーコディネートとも相まって、当時特に日本では「伊達男が似合う(乗る)車」としてのイメージが定着した。


現行型

5代目(2004年-)

マセラティ・クアトロポルテ(5代目)(マイナーチェンジ前)
フロント・ビュー
グレードはSports GT
バック・ビュー
グレードはSports GT
インテリア・ビュー
グレードはExecutive GT (DuoSelect)
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドア サルーン
エンジン 90°V8 4244cc
変速機 セミオートマティック
オートマティック
駆動方式 FR
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
全長 5052mm
全幅 1895mm
全高 1438mm
ホイールベース 3064mm
車両重量 1860kg(セミオートマティック)
1880kg(オートマティック)
トレッド 前:1582mm
後:1595mm
最小回転半径 6.15m
-このスペック表は試行運用中です-

4代目が生産中止されて以降、しばらく同社のラインナップから外されていたクアトロポルテであったが、2003年9月に開催された第60回フランクフルトモーターショーで再び5代目となる新型モデルが発表され、翌年春から欧州各国で順次デリバリーが開始された。 究極のイタリアンデザインを表現したとされる独特のエクステリアのデザインは、同社のモデルとしては半世紀ぶりにピニンファリーナ社が手がけたもので、当時同社に所属していた日本人カーデザイナー・奥山 清行によるもの。 開発に際しては、当時マセラティ社の親会社の立場にあったフェラーリ社の技術を積極的に採り入れており、性能・信頼性の両面で従来モデルより大幅に進歩し、実際市場からも好評価を得ている。搭載されるエンジンは4,200cc/400馬力のV8・DOHC32バルブで、フェラーリF430の物とベースが同じ。車両型式はGH-MQP。市場からは、その走行性能の高さやラグジュアリーな佇まい等から、「4ドア版フェラーリ」と比喩された。この手の中規模生産数の車の割には、エクステリアカラーの選択肢が比較的多いが、インテリアに至っては、その大部分をカラー・素材を数十の選択肢から発注時に選択する事が出来る。発表当初のグレード展開は、セミオートマティック・トランスミッション“デュオセレクト(DuoSelect)”を採用した“クアトロポルテ デュオセレクト(Quattroporte DuoSelect)”の単一グレードのみ。


ラインナップ追加

2005年9月に開催された第62回フランクフルトモーターショーでは、それまでのベースグレードに加え、新たに“クアトロポルテ エグゼクティブGT(Quattroporte Executive GT)”と“クアトロポルテ スポーツGT(Quattroporte Sport GT)”が追加されることとなった。

前者の“エグゼクティブGT”は、スタイリングとパッセンジャーカーとしてのラグジュアリーを求めるユーザーのために開発されたモデルで、エクステリアにはクローム加工が施されたメッシュのラジエーターグリルとサイドグリル、“Executive GT”エンブレムが装着されたBピラー、ポリッシュ加工が施された19インチホイールなど、専用のデザインが採用されているほか、インテリアにはウッドとレザーのコンビタイプステアリング、リアシート・コンフォートパックのほか、内装材と同じウッド製の折り畳み式リアテーブル、アルカンターラ製のルーフライニングなどエクステリア同様に専用の装備が装着されている。

一方、後者の“スポーツGT”は、スタイリングとドライバーズカーとしてのパフォーマンスを求めるユーザーのために開発されたモデルで、 エクステリアにはブラッククローム加工が施されたメッシュのラジエーターグリルやサイドグリル、赤いラインの縁取りが施されたトライデント・エンブレム、“Sport GT”エンブレムが装着されたBピラー、ダーククローム加工が施された20インチホイールなど、専用のデザインが採用されているほか、インテリアにはカーボンファイバー製のインストルメントパネル・フィニッシャー、アルミニウム製のペダルなどエクステリア同様に専用の装備が装着されている。 また、機構面でも、専用のセッティングが施されたトランスミッションやエキゾーストマニホールドスカイフック・サスペンションなど運動性能を強化する専用のテクノロジーも採用されている。

2007年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、既存のセミオートマティック・トランスミッション“デュオセレクト”に加え、新たにZF社と共同開発した6速オートマティック・トランスミッションを採用した“クアトロポルテ オートマティック(Quattrporte Automatic)”が追加された。これにより“クアトロポルテ デュオセレクト”及び“クアトロポルテ オートマティック”の各ベースグレードに“エグゼクティブGT”“スポーツGT”を設定した計6モデルがラインナップされることとなった。 尚、“オートマティック”の追加設定は同社の米国市場への本格進出を目論んでの戦略であり、「特に低速域ではデュオセレクトよりも運転し易い」という理由により「一般受け」する事となり、結果的に日本でも“オートマティック”を選択する購入者の割合が圧倒的となった。

さらに、2007年9月に開催されたフランフルトモーターショーでは、クアトロポルテの最上位グレードとして、“クアトロポルテ スポーツGT S(Quattroporte Sport GT S)”が追加された。“スポーツGT”との違いは、“スカイフック・サスペンション”を“シングルレートダンパー”に変更した“パッシブ・ダンピング・サスペンション・システム”の採用により、足回りが固められ、同時に車高をフロントで10mm、リアで25mm下げて低重心化が図られている。 ピレリ製タイヤも専用設計となり、リヤはサイズも拡大されている。またブレーキはブレンボ社との共同開発により、世界で初めてアルミと鉄の複合素材で作られたローターを採用、軽量化を図りながらもディスク径は330mmから360mmへと拡大され、キャリパーも1ピース構造の6ポットとされた事でストッピングパワーは更に増大されている。またエクステリアではドアハンドルがボディと同色塗装とされ、サイドウィンドー周囲のモールやエキゾーストパイプもブラッククローム塗装となる等、差別化が図られている。インテリアにはアルカンターラ製のルーフライニングとシート中央部のアルカンターラが標準装備とされ、フロントシートの形状自体も、よりサポート性の高いデザインへと変更されている。なお、ミッションはオートマチックのみの設定である。

さらに、2008年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、デュアル・モニターLCD 10.4インチ ヘッドレストタッチスクリーンやアームレスト収納式Bluetoothキーボードなど専用の装備を装着し、モバイルオフィス環境やエンターテイメント設備が高められた“クアトロポルテ コレッツィオーネ セント(Quattrporte Collezione Cento)”が追加された。ただし日本では正式ラインナップの扱いにはなっていない。


パフォーマンス

クアトロポルテには、同社のグラントゥーリズモにも搭載される90°V8エンジンが搭載されているが、セミオートマティック・トランスミッションを採用したモデルとオートマティック・トランスミッションを採用したモデルとでは各種スペックの詳細が異なっている。

最高出力 最大トルク 最高速度 0-100km/h加速 重量配分
セミオートマティック 295kW(401HP)/7000rpm 451Nm(46kgm)/4500rpm 275km/h 5.2秒 47:53
オートマティック 460Nm(47kgm)/4250rpm 270km/h 5.6秒 49:51


マイナーチェンジ

5代目(マイナーチェンジ後)

5代目クアトロポルテは主要マーケット全体で好調な売れ行きとなり、2008年には、同社グラントゥーリズモの本格展開も手伝い、マセラティ社の日本国内の販売台数は過去最大の580台を記録する事となった。 そんな中、2008年10月には5代目初のマイナーチェンジが実施された。基本構造や機関類は前期モデルを踏襲しているが、内外装の意匠が一部変更された。また、ミッションについては“デュオセレクト”が需要減を背景にラインナップから外され、“オートマティック”一本となった。更に、排気量を拡大した新グレード“クアトロポルテ S(Quattroporte S)”が追加された。これにより全体のラインナップは、ノーマルの“クアトロポルテ(Quattroporte)”と“クアトロポルテ S(Quattroporte S)”の2本立て(共にオートマチック)に集約された。

具体的な変更点は、まずエクステリアではいわゆるフェイスリフトが行われ、フロントノーズ部分が前面に張り出す形となり、それに合わせてバンパーもデザインが変わり、グリルもそれまでの横格子から縦格子へと変更され、更にヘッドライトもLEDのポジショニングランプを組み込んだデザインに変更となり印象が変わった。(これは同社のグラントゥーリズモのデザインとの調和を図る事も目的の一つであるとされる。)他にサイド・リヤスカートやサイドミラーのデザインも変更され、テールランプもLEDを基調とした物に変更された。一方、インテリアではナビの進化に伴い周辺パネル・ボタンのレイアウト・デザインが若干変更となった他、シートデザインの一部変更や、内装色・素材等も一部変更された。

新グレードとして追加された“クアトロポルテ S(Quattroporte S)”は、運動性能を向上させたパフォーマンスモデルで、エンジンがノーマルの4,200ccから4,700ccまで拡大され、出力が400馬力から430馬力まで上がっている他、ミッションもマネジメントシステム変更により変速速度が若干向上した。(エンジンは同社のグラントゥーリズモ Sに搭載されている物と同じ。)

更に2009年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、“クアトロポルテ S(Quattroporte S)”をベースに更なるパフォーマンスの向上を図った“クアトロポルテ スポーツGT S(Quattroporte Sport GT S)”が追加された。“クアトロポルテ S(Quattroporte S)”と比べ、排気系の改良により出力が若干向上し(430馬力→440馬力)、ミッションもマネジメントシステム変更により変速速度が更に向上した。また、“スカイフック・サスペンション”を“シングルレートダンパー”に改め、ダンパーとスプリングを硬め、車高も落とされた。内外装では、フロントグリルがブラック塗装となり形状も逆スラント(凸型から凹型)に変更され、トライデントロゴにも赤いラインが配され、ヘッドライトの仕上げはメタリックチタン塗装となった。更にドアハンドルもボディ同色塗装とされ、20インチホイールは専用デザインとされた。またインテリアでは、シートが同社の頭文字である“M”をあしらった縫い目の物が標準設定とされ、またインストゥルメントパネルはチタン系複合素材である“チタンテックス”が標準装備とされた。(これら改良による“S”と“スポーツGT S”の関係は、エンジン出力の関係等を除くと、丁度マイナーチェンジ前モデルの“スポーツGT”と“スポーツGT S”の関係に相当する)

これにより、クアトロポルテ全体のラインナップは、ノーマルモデルである“クアトロポルテ”と、排気量を上げパフォーマンス向上を図った“クアトロポルテ S”、それをベースに更なる性能向上を目指した“クアトロポルテ スポーツ GT S”の3本立て(全てオートマチック)となった。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズ


マセラティ S.p.A. ロードカータイムライン 1940-
タイプ 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代
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エントリー ビトゥルボシリーズ
4ドアGT ロイヤル
クアトロポルテ I II III IV V
GT A6 3500GT セブリング 228 ギブリII
ミストラル カリフ GT
5000GT ギブリ カムシン シャマル 3200GT クーペ
2+2 メキシコ キャラミ
インディ
ミッドシップ メラク
ボーラ
オーナー オルシ・ファミリー シトロエン P デ・トマソ FIAT フェラーリ FIAT
レーシングカー: 26M ・ 8C ・ V8RI ・ 6CM ・ 4CL/4CLT ・ 150S ・ ティーポ63 ・ ティーポ65 ・ 250F ・ 200S ・ 300S ・ 350S ・ 450S ・ ティーポ61(バードケージ) ・ ティーポ151 ・ ティーポ154 ・ MC12 GT1 ・ トロフェオ
ホモロゲーションモデル: バルケッタ ・ MC12
コンセプトカー: マセラティ・ブーメランバードケージ 75th
公式WEBサイト: MASERATI

最終更新 2009年10月22日 (木) 02:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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