マッハ数

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マッハ数
Mach number
量記号 M, Ma
次元 1
SI単位 なし
  

マッハ数(マッハすう)は、流体の流れの速さと音速との比で求まる無次元数である。

名称は、この数値を最初に使ったオーストリア物理学者エルンスト・マッハに由来する。英語圏では、「マッハ」を英語読みして「マーク・ナンバー」または「マック・ナンバー」と呼ぶ。

目次

[編集] 定義

マッハ数 Ma は流体の相対速度 U 、音速 a とすると、

Ma = \frac {U} {a}

で求められる。

[編集] 物理的な意味

マッハ数は流れ場のもつ運動エネルギー内部エネルギーの比率、つまり流れ場における圧縮性の影響力を表している。このことから以下のような物理的意味を持っている。

圧縮性を考慮するか否かの指標
マッハ数が大きい=圧縮性の影響が大きい(概ね0.3より大きいとき)流れでは圧縮性を無視できない。
圧縮性に関する流れの相似条件
マッハ数の等しい流れでは圧縮性による影響が等しい、つまり圧縮性に関して相似であるといえる。さらにレイノルズ数と幾何学的特徴が一致すれば流れは完全に相似、すなわちあらゆる現象が同様に起こることになる。

[編集] マッハ数による流れ場の分類

先に述べたとおりマッハ数は流れ場における圧縮性の影響力を示している。このためマッハ数によって流れ場の特性が大きく変化することから、マッハ数を用いて以下のように流れ場が分類される。

亜音速流 subsonic flow (Ma < 0.7-0.8)
すべての流域で流速が音速に満たない流れ場。
遷音速流 transonic flow (0.7-0.8 < Ma < 1.2-1.25)
一部の流域で流速が音速を超えている流れ場。巡航速度で飛行する多くのジェット機周りの流れがこれにあたる。音速を超えた流域では衝撃波が発生している。
超音速流 supersonic flow (1.2-1.25 < Ma < 5)
全ての流域で流速が音速を超えている流れ場。衝撃波が全域に発生する。アフターバーナー使用時の超音速戦闘機スーパークルーズ機周りの流れがこれにあたる。
極超音速流 hypersonic flow (Ma > 5)
流速が全域で著しく音速を上回る流れ場。断熱圧縮による激しい発熱により流体が電離プラズマ化する。このような流体を実在流体とよぶ。一部の実験機や、大気圏通過時のロケット周りの流れがこれにあたる。

[編集] 誤用

気温 151気圧 (1013 hPa) の空気中(国際標準大気 (ISA) 海面上気温)での音速は約 340 m/s ( = 1225 km/h)となる。物体の速度をこの音速の何倍であるかで表した、マッハ○○という表現が用いられることがある。しかし、そもそもマッハ数は流速に対して定義される量であり、物体の移動速度を示すものではないという点から、この表現は誤用である。

一方、戦闘機の速度をfeet/hで表示するのは桁数が多く視認性で問題があるので、科学的にはマッハ数の誤用であっても、現在では各国軍隊とも便宜的にマッハ1=1225 km/h(気温 15℃、1気圧 (1013 hPa) の空気中:国際標準大気 (ISA) 海面上気温)の倍数で表示することが標準になっている。

音速は絶対温度気圧平方根に比例して変化する。地上での実験等ではこの差はほとんど問題とならないが、ジェット機の巡航高度となる対流圏上部~成層圏下部ではおおよそ300 m/s(≒1100km/h)と、地上との差が顕著になる。したがって単純に340m/sや1200km/hで換算するのは、特に高空での場合は誤りである。大気圏外の宇宙船などに対しては、マッハ数を考えること自体ができない。

さらに「マッハ」という言葉は一般には高速という印象が強く、文学映画アニメなどで高速をイメージさせる語として使用される事が多い(有名な例が『マッハGoGoGo』)。それらの中では「時速マッハ○○km」などという言い回しが使用される場合も散見される[要出典]が、明白な誤用である。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月27日 (木) 13:51 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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