マンガン酸塩
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マンガン酸塩(Manganate)とは、マンガン酸イオン MnO42− の塩の総称である。マンガン酸塩(例えばマンガン酸カリウム)は仮定種のマンガン酸 H2MnO4 の共役塩基である。マンガン酸塩は過マンガン酸カリウムの工業的合成法の中間生成物である。ときどき、過マンガン酸塩とマンガン酸塩は混同されるが、これらは全く異なる挙動を示す。
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[編集] 構造
MnO42−は、過マンガン酸イオンや四酸化オスミウムのような他の酸化物に類似した四面体構造をとる。通常、MnO42−とSO42−、CrO42−はそれぞれ近い構造をとる。これはそれらが固溶体を形成し、似たような溶解度を持つことを意味する。
[編集] 合成
マンガン酸イオンは強塩基状態の水中でのみ安定である。ゆえに、塩は不溶性の水酸化物を形成しないナトリウムやカリウムそしてバリウムイオンのような塩基性の金属と形成する。マンガン酸塩は二酸化マンガンの酸化または過マンガン酸塩の還元によって合成することができる。
Mn(VI)からMn(VII)への酸化には酸素では不十分である。したがって、Mn(VI)/Mn(VII)酸化には強酸化剤であるオゾンや塩素などが使われる。
[編集] 反応
MnO42−は仮定種のマンガン酸の共役塩基であるが、マンガン酸の遊離酸は不安定であり単離されない。しかし、半脱プロトン化酸は調査されている。したがって、HMnO4−のpKaは7.1である。MnO42−は酢酸イオンに比べて約100倍塩基性である[1]。低pHではマンガン酸は過マンガン酸と二酸化マンガンに不均化する。
[編集] 過マンガン酸、マンガン酸、次亜マンガン酸、亜マンガン酸
上の反応は可溶性マンガン酸化物(過マンガン酸とマンガン酸)の間の密接な化学関係を示している。この2種の他に以下のものが知られている。次亜マンガン酸 MnO43− は、マンガンの酸化数がVの青色のイオンで、MnO42−をpH>12で亜マンガン酸で処理したときに形成する。また、KMnO4を10M KOH中でH2O2で処理することによっても生成する。HMnO42−のpKaは13.7[2]で、これは高pHでも次亜マンガン酸溶液にはプロトン化された状態のものが非常に多く含まれていることを示す。過マンガン酸塩によるアルケンの酸化は次亜マンガン酸のエステル MnO2(OR)2- の仲介で進行する[3]。亜マンガン酸はマンガンの酸化数がIVの化学種で、二酸化マンガンを強塩基性溶液に溶解させることにより生成する。また、MnO44−はMnO43−の還元によっても生成する。
| 名称 | 化学式 | マンガンの酸化数 | 溶液の色 | 記事 |
|---|---|---|---|---|
| 過マンガン酸塩 | MnO4- | VII | 紫 | 反磁性、強酸化剤、多くの塩がある |
| マンガン酸塩 | MnO42- | VI | 緑 | 反磁性、強酸化剤、多くの塩がある |
| 次亜マンガン酸塩 | MnO43- | V | 青 | 反磁性、稀少、塩基 |
| 亜マンガン酸塩 | MnO44- | IV | 茶 | 反磁性、稀少、塩基 |
[編集] 用途
マンガン酸バリウムおよびマンガン酸カリウムは1級と2級アルコールの酸化に用いられる。1級アルコールは酸化されてアルデヒド、カルボン酸となり、2級アルコールは酸化されてケトンとなる。3級アルコールは酸化されない。この反応はジョーンズ酸化に似ている。
[編集] 脚注
- ^ Nyholm R.S. Woolliams P.R. (1986). “"Manganates(VI)"”. Inorganic Syntheses XI: 56–61.
- ^ Lee D.G. Chen T. (1993). “Reduction of Manganate(VI) by Mandelic Acid and Its Significance to Development of a General Mechanism for Oxidation of Organic Compounds by High-Valent Transition Metal Oxides”. Journal of the American Chemical Society 115: 11231–11236. DOI: 10.1021/ja00077a023.
- ^ Rush J.D. Bielski B.H. (1995). “Studies of Manganate(V), -(VI), and -(VII) Tetraoxyanions by Pulse Radiolysis. Optical Spectra of Protonated Forms”. Inorg. Chem. 34: 5832–8. DOI: 10.1021/ic00127a022.
[編集] 参考文献
- G. Procter, S. V. Ley, G. H. Castle “Barium Manganate” in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York. DOI: 10.1002/047084289.
- Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
[編集] 関連項目
- マンガン酸ナトリウム
- マンガン酸カリウム
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年7月22日 (水) 11:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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