貨物列車
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貨物列車(かもつれっしゃ)とは鉄道において貨物の輸送を目的とする列車であり、鉄道発祥以来運転されている。日本国内では新橋駅(後の汐留駅)と横浜駅(後の桜木町駅)の間で、1873年9月15日に運転されたのが始まりである。
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[編集] 形態
列車の形態としては貨車を機関車が牽引する形態が主流であるが貨車自体が動力を有する電動貨車や気動貨車、あるいは動力分散方式の貨物電車もみられる。また、客車と貨車を併結する混合列車(こんごうれっしゃ)という形態もある(後述)。
[編集] 営業区間
2007年現在の日本では日本貨物鉄道(JR貨物)がJR旅客鉄道会社の保有する線路(路線)の多くを借受ける形で営業(第二種鉄道事業者)しており、これに接続するごく少数の私鉄(例・秩父鉄道、三岐鉄道、工場地帯の臨海鉄道)や専用鉄道が末端部の輸送を受け持っているに過ぎない。
従来は鉄道が開業すれば旅客営業とともに貨物営業を行なうのはある意味当然であり、駅で貨物扱いを行うのも普通であった。地方の私鉄はもとより、大手私鉄でも狭軌線で戦前からの長い歴史を持つ会社のほとんど(例・東武鉄道、西武鉄道、名古屋鉄道、南海電気鉄道など)では旅客列車の合間を縫って貨物列車も多く運行されていた。しかし地方私鉄の路線自体の廃止や残った路線も次項で触れる1984年の貨物列車のシステムチェンジによってほとんどの会社で貨物列車が廃止・縮小され、大手では最後まで残った東武も2003年に貨物列車が全廃された結果、大手私鉄で(自社関連の車両輸送以外の)貨物列車を運行している会社は存在しない。
[編集] 運用と実情
大量輸送という観点からすれば鉄道による貨物輸送以前には船舶による輸送があり、そのために内陸部では運河が作られた。船舶による輸送には運河の建築に膨大な労力を必要とし、輸送力を増やすには船舶の大型化か船舶の数量を増やすしかなかった。鉄道の発明により、より少ない労力による輸送網を作り上げることが可能となり産業革命後大いに発展することとなった。
鉄道による輸送の利点は、貨車を増やすことで輸送力への需要に対応できることであった。貨車を増やし大量に輸送することが可能であることが鉄道の利点であったが、それは同時に時間における柔軟性を欠くことでもあった。モータリゼーションの発展による道路網の発達と輸送手段としてのトラックの進化により鉄道を利用する貨物輸送はきめの細かい貨物輸送の手段としての価値を失ってゆく。
鉄道が陸運の主力であった時代は鉱山や工場、建設現場などへは専用の鉄軌道(いわゆる「専用線」)が敷かれることが多く貨物輸送を主目的として開業する鉄道会社・線区も多かった。
日本においては鉄道開業以来、貨物列車を操車場で組替えながら貨車を継送し貨物を取扱う各駅で貨車を解結していくヤード輸送方式が主流であったがヤード経由の場合は荷物到着までに日数を要しかつ不確定であった事と高速道路網や高規格の国道の整備によってトラック輸送の輸送時間が飛躍的に短縮され、かつ鉄道利用の場合に発生する貨物の積み替えが不要になる事もあって高度成長期以降、一気に衰退して行った。
日本国有鉄道(国鉄)は合理化の一環として大きな赤字を生み出す貨物輸送体系を抜本的に見直す事になりヤード輸送方式は1984年2月1日に全廃され(1984年2月1日国鉄ダイヤ改正も参照)、コンテナ貨車および石油・化成品・セメント類などの物資適合貨車(専用貨車)を主体とした拠点間直行輸送のみとなった。同時に数多くの貨物取り扱い駅が廃止され、多くの専用線も使命を終えた。
元々日本では工業地帯が臨海部に集中し鉄道の規格も例えば軌間が1067mmの狭軌であり、地形が入り組んでいるため曲線区間が多いなど欧米に比べて制限の厳しいものであったため貨物列車は他種の輸送機関に対しての競争力が低くならざるを得なかったともいえる。
しかし近年は自動車・航空機による大気汚染や地球温暖化の深刻化などを受け、企業には環境保護の取り組みが社会的に要求される様になった事から環境負荷の低い鉄道貨物輸送を見直すモーダルシフトの動きが出ている。そのような中、佐川急便はJR貨物と共同でM250系貨物電車「スーパーレールカーゴ」を開発し東京~大阪間の深夜高速輸送を行っている。
しかしながら現在でも、コストの面から鉄道輸送を中止してトラック輸送に切り替える企業が存在する。この面では、日本においてはモーダルシフトがまだ定着していないとも言えよう。
欧米では現在においても最も安価で効率的な貨物の陸上輸送手段として物流の主役であり、特にアメリカ合衆国やカナダなど北アメリカでは海上コンテナを2段積みにした100両近い貨車を連ねた長大な貨物列車が運転されピギーバック輸送やデュアルモードトレーラーシステムなど、他の陸上輸送手段との連携も進んでいる。詳しくはIntermodal freight transportを参照されたい。
また、大陸横断鉄道を用いて従来船舶で輸送していた貨物を陸上輸送にシフトするランドブリッジ構想が提唱されている。高速な輸送が可能となる利点があるが一方で鉄道施設の近代化、通過国の関税上の扱い、盗難・損傷などの問題、密輸対策など課題も多い。欧州と中国沿岸部・ロシア極東部を結ぶユーラシアランドブリッジが有名である。
[編集] 混合列車
貨車はコキ10000形(1984年1月)
混合列車(こんごうれっしゃ)は鉄道において、旅客輸送と貨物輸送を1本の列車で行なう運行形態。
ローカル路線においては機関車の両数・乗務員や駅員などに幹線のようなゆとりがないケースが多いため、別個の列車により運行するより1本の列車にまとめた方が合理的な面がある。
その一方、貨車の入換に時間を要するため途中駅での停車時間を多く確保する必要がありその分旅客列車としての速達性が損なわれる。また、貨車の両数によっては客車がホームを外れるケースもある。さらに、客車の連結場所によっては機関車による暖房が使用できなくなることもある。これは客車の暖房は機関車から供給される蒸気を使用していたが、客車と機関車の間に引き通し用の蒸気管を持たない貨車が入ることで暖房用蒸気の供給ができなくなるためである。このため、肥薩線などのように機関車の次位に客車を連結しその後に貨車を連結していた例もある。ただし、この場合は入れ換え作業には不便となる。北海道や東北では蒸気管が使えない場合、ダルマストーブやウェバスト式・五光式などの暖房装置を用いていた。
また必ずしも客車列車によるものとは限らず貨物が僅少な路線の場合、宮之城線や旭川電気軌道など一部ローカル私鉄のように電車や気動車が貨車を牽引した例もある。この場合、駅での入換は客を乗せたまま行うことになる。逆に貨物が中心の鉄道では、貨物列車の最後尾にごく少数の客車を連結している例も見受けられる。
日本では、1987年の三菱石炭鉱業大夕張鉄道線の廃止をもって消滅した。
[編集] 関連項目
- 貨物線
- 臨海鉄道
- 専用鉄道
- 一般駅
- 貨物駅
- 操車場 (鉄道)
- 旅客列車
- 荷物列車
- 高速貨物列車
- モーダルシフト
- 通運
- 貨物時刻表
- 着発線荷役方式(E&S方式)
- コンテナ荷票
- エコレールマーク
- 鉄道郵便(略して鉄郵)
- 貨車
[編集] 参考文献
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年12月4日 (金) 20:58 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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