ミズグモ

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ミズグモ
分類
界:  動物界 Animalia
門:  節足動物門 Arthropoda
綱:  クモ綱 Arachnida
目:  クモ目 Araneae
科:  ミズグモ科 Argyronetidae
属:  ミズグモ属 Argyroneta

ミズグモ(水蜘蛛、Argyroneta aquatica)は、世界で唯一水中生活をするクモである。ヨーロッパから日本を含むアジアまで、旧北区に広く分布する。

[編集] 特徴

ミズグモは、ほぼ完全に水中生活ができる、世界で唯一のクモである。水際で生活するクモや、時々水中で活動するクモは珍しくないが、水中生活と言って良いのはこの種だけである。

節足動物門クモ綱クモ目・ミズグモ科に属するミズグモは、体長1cm位の黒っぽいクモである。全身が毛深いこと以外には、近縁のタナグモ科のものとほとんどかわらない。水中を泳ぐときには、体の表面を覆う微毛の間に空気の層ができるので、銀色に光って見える。水中では水草をたどって歩き、また足を掻いて泳ぐことができる。ヨコエビなどの小型の甲殻類水生昆虫といった水中の小動物を捕らえて餌とする。

また、水中にを作る。巣は糸を重ねてできた膜によるドームで、ここに空気を蓄え、その中で休息する。空気は水面に出て、後ろ足の間と腹部の微毛の間に通常より厚い空気の層を抱えるようにして潜り、巣内に放すことを繰り返して集める。餌はこの巣に持ち帰って食べる。卵嚢もこの巣の中に作る。

ただし水中生活への適応は、例えば昆虫のゲンゴロウのような完全なものではなく、時折り陸上に出て体を乾かさなければならない。水槽内で飼育する時、水草などが入っていても、水面から出ていられる場所を作らないと、次第に体の表面に空気を維持できなくなり、水底に沈んでしまう。この段階で取り出し、体を乾かしてやれば回復するらしいが、放っておくと溺死する。

日本では、1930年京都市深泥池(みどろがいけ)で吉沢覚文が初めてミズグモを発見・採集したが、それから数十年の間、2回めが1941年の北海道厚岸、3回めが1977年にまた京都と、きわめてまれに報告されるだけであった。この後全国で発見例が増え、北海道から九州まで分布することが判明した。北海道道東地方では確実な観察例が多いが、継続的な生息を確認できない所が多い本州以南では絶滅が危惧されている。きれいな湿原の、浅くて水草が多いところで、なおかつ大型魚のいない場所でなければいないので、生息条件が厳しい。

[編集] 間違われやすいクモ

日本でミズグモが観察されることは北海道道東地方を除くとかなり少ないが、それ以外の各地でミズグモを見たとの観察談は珍しくない。それらは大抵の場合、違うクモと見誤ったものが多く含まれると考えられる。

よく間違えられるのは、キシダグモ科に属するハシリグモの仲間である。イオウイロハシリグモ、スジブトハシリグモなどである場合が多い。いずれも大柄でたくましい体格のクモで、地上や草の上を歩き回って昆虫などを捕食する。また走るのが速く、運動性に富む。上記の2種は、特に池や水田の周辺に生息し、よく水面にアメンボのように浮かび、走りまわることがある。何かに驚くと水中に飛び込み、水底に潜る。水中では、体表に空気の層ができて銀色に見えるのもミズグモと同じである。また、アオグロハシリグモは渓流の周辺に生活し、やはり水中に潜ることがある。

これらのクモは、水面や水中を行動できるだけでなく、時には水生動物を捕らえることがある。水田のオタマジャクシを捕らえた例や、金魚の養殖槽へ金魚の稚魚を捕らえに入ったりすることが知られている。また、水面を足で叩き、小魚を誘って捕らえるとの観察がある。

他に、コモリグモ類も水辺に生息する種が多く、水面に走り出る場合がある。

それ以外にも、アメンボの別名としてミズグモを使う場合、ウミグモを誤ってミズグモと呼ぶこともあるようである。また、水蜘蛛といえば、忍者が水面を渡るのに用いたという器具の名でもある。

[編集] 怪異

松谷みよ子の『現代民話考』などで、「水くも」と呼ばれる怪異が報告されている。

川岸にいると、足や木の根に絹の様な糸が巻きつき、水中に引き込まれる。
青い蜘蛛が足に糸を巻きつける様子が記述されている。
後述の例と異なり、糸の主は目撃されていない。
道端に魚が沢山落ちているが良くみると、絹のような糸がついていて、辿ると近くの田んぼの真ん中にいる「人」の手から糸が伸びている。
人型の「それ」は白い者であったり、泥まみれであったりする。
魚の他に鳩やイタチの死骸である場合もある。

河童の仕業とも言われるが定かでない。

最終更新 2009年10月30日 (金) 05:39 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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