ミッドシップ
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ミッドシップとは自動車におけるエンジンの搭載・設置法の一つ。「ミドシップ」などと表記されることもある。ミッドエンジン・リアドライブ(後輪駆動)からMRという略称もある。
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[編集] 解説
船体中心(=ミッドシップ)という言葉の通り、エンジンが車の中心付近に置かれる構造のこと。具体的には前輪軸と後輪軸の間で、運転席より後ろにエンジンを置く形式、という解釈が一般的。
コンポーネントとしては最も重量の大きいエンジンが車体中心に配置されるため、カーブで強い遠心力がかかってもアンダーステアやオーバーステアになりにくく、かつ、ステアリング操作に対する反応が速いという利点がある。
レーシングカーでの著名な例としては、アルファ・ロメオに立ち向かうため、国家予算をつぎ込み1934年にフェルディナント・ポルシェが設計した、アウトウニオン・Pワーゲンの「タイプA~D」がある。
1947年、クーパーが後のF3となるクーパー・500でミッドシップレイアウトを採用、その後F2やF1などにも拡大し、好成績を挙げたことから、他のコンストラクターも追従せざるを得ず、1960年代以降のレーシングカーでは標準的なレイアウトとなった。
市販車のスーパーカーやスポーツカーも、1960年代から付加価値のひとつとしてミッドシップを採用する例が見られるようになった。
しかしミッドシップレイアウトを採用すると、車室やトランクのスペースが大きく制限されてしまい実用性に欠けるため、一般的な乗用車に採用された例はほとんどない。またミッドシップ車は上級ドライバーが高速で運転する際には操縦性の面でメリットが大きいが、カーブでの進入で荷重移動を怠ると曲がらない、旋回中にアクセルを開けると外側に押し出される、限界スピードを超えて滑り出すとフロントエンジン車などに比べ姿勢の修正が難しいなど、一般ドライバーには向かないという意見もある。
ミッドシップはレーシングカーや高級スポーツカー(スーパーカー)にしか見られないものだった。しかしエンジン横置きの前輪駆動(FF)の小型乗用車のパワーユニットを用い、ミッドシップのスポーツカーを造るという手法(横置きミッドシップ)も登場した。フィアット・X1/9(後にベルトーネブランドに変更)などがそのさきがけで、量産車のパワーユニットを流用しているため価格も安く抑えられるメリットもあった。ポンティアック・フィエロ、トヨタ・MR2、ローバー・MG Fなどもこの手法で作られたミッドシップ車である。ただし横置きミッドシップはエンジンが後車軸のほとんど真上に位置する形になるため、エンジン重量の大きいものやホイールベースの長い場合、ミッドシップ本来の重量配分が得られない(前輪荷重不足)場合が多い。
前後比率は前4:後6~前3:後7程度が市販ミッドシップ車の前後重量比率である。そのためレーシングカーやスーパーカーの大半は、トランスミッションを含め、重心位置設定の自由度が高い縦置きである。
本格的レーシングカーでは、ホンダの最初のF1マシンであるRA271が、V12エンジンを横置きで搭載していた。2輪車メーカーとしての経験から、横置き(2輪車の大半はエンジン横置き)のほうが設計しやすかったため、という説がある。ただし整備性に難があったことに加え、1966年にF1のレギュレーション変更でエンジン排気量が3リッターに拡大され、V12エンジンのサイズ的に横置きが困難となったことから、同年のRA273以降は縦置き配置に改められている。
フェラーリでは、12気筒のフラッグシップはエンジン縦置きで、V6やV8の小型シリーズ(206 / 246 / 308 / 328系)は横置きエンジンだった。しかし途中(モンディアルT、348シリーズ以降)から、トランスミッションは横置きのまま、エンジンとクラッチを縦置きに変更している。フェラーリより早くにミッドシップを採用したランボルギーニのミウラは、V12エンジンをイシゴニス(Issigonis)レイアウトで横置きしていた。
市販車で12気筒などの長いエンジンを縦置きする場合、4気筒分程度が後車軸より後ろにある事が多く、マニアの間ではミッドシップと呼ぶべきかどうか議論の対象になることもある。
また、ルノー・クリオ(スポールV6)、ルノー・5(ターボ)の様に、FFのコンパクトカーをミッドシップに改造する例が見られる。 後年のNSXの開発基礎研究はCR-Xのミッドシップ版からであった、と開発責任者も語っている。
[編集] フロント・ミッドシップなど
一般にミッドシップといえば、運転席のすぐ後ろにエンジンを置き、後輪を駆動する方式のことを指す。しかし1978年に登場したサバンナRX-7が、前車軸と運転席の間にコンパクトなロータリーエンジンを置き、これを「フロント・ミッドシップ」と呼称した。これをミッドシップの一形態と見なす意見もある。
前車軸と運転席の間にエンジンが置かれるという構成自体は、19世紀の末から1950年代までのFR車では極一般的なレイアウトであり、近年に限られたアイディアではない。
また、有効床面積を最大限に確保するため(デッドスペースを減らすため)、大型バス、小型トラック、ミニバンの中には、車室の床下にエンジンを置き、後輪を駆動するという形式も存在する。
バスでは日野・ブルーリボン、やボルボ・B10M(アステローペ)など、軽自動車では、ホープ自動車の一連の貨物車、スズキ・エブリイの3代目など、ミニバンではトヨタの初代エスティマなどがこれに相当する。
自動車メーカーがこれらを「センタアンダーフロアエンジン」(日野)、「フロント・ミッドシップ」(マツダ、日産)、「センター・ミッドシップ」(ホンダ)と独自に呼称したため、いわゆるミッドシップ(運転席と後車軸の間にエンジンがある)を「リア・ミッドシップ」(RMR)と呼び細分化する場合もある。三菱・iが「リア・ミッドシップ」構成と主張している。それと同時に「フロント・ミッドシップは、狭義ではミッドシップとは呼べない」といった意見も存在する。
田宮模型のミニ四駆が「フロント・ミッドシップ」という呼称を採用したことがある(FMシャーシ、スーパーFMシャーシ。動力源は当然ながら内燃機関ではなく電気モーターである)。
[編集] 日本車に於けるミッドシップ
[編集] 乗用車
1984年(昭和59年)に、初代MR2(AW10系)が発売されるまで、所謂ミッドシップ乗用車は市販されていなかった。1989年(平成元年)、MR2がモデルチェンジ(SW20型)され、1990年(平成2年)には国産初のスーパーカーと賞されたホンダ・NSX、1991年のホンダ・ビート、1992年にマツダ・オートザムAZ-1と、バブル景気に乗って数台発売された。 しかし、デートカーとしては室内が狭く、後年のRV(ワゴン)ブームに押され、その多くが販売台数を稼げないまま発売・製造を中止した。 国産のミッドシップスポーツカーは2007年のトヨタ・MR-Sの製造中止を最後に途絶えており、現状ではその後の新車発売はない。 1990年に発売されたトヨタ・エスティマは前後の車軸間、床下にエンジンを横倒して搭載(スラント・ミッドシップと称した)、後輪を駆動させるアンダーフロア式のMR車であった。軽乗用車である三菱・iは、リアシート(ラゲッジ)下にエンジンをマウントするミッドシップとされる。
[編集] 商用車
軽トラック・軽ワンボックスバンに於いては、360cc時代の軽乗用車にRRレイアウトが多用されていた関係でスバル・サンバーやスズキ・キャリィなどRR車が多かったが、ホンダ・T360(後継のアクティ)はミッドシップレイアウトであった。後年、キャブオーバ式やアンダーフロア式のFRが増えて行く中で、アクティとその乗用版のバモス(2WD)はミッドシップレイアウトを貫いている。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年10月26日 (月) 07:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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