ムーンサルトプレス
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ムーンサルトプレス(moonsault press)は、プロレスで用いられる空中技の一種で、ロープ上からの後方270度回転プレスである。考案者は初代タイガーマスク(斜め回転式)あるいは武藤敬司(縦回転式)[1]。
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[編集] 概要
リング四方に存在するコーナーポストによじ登り、リングのマットに対して背中を向けた状態からジャンプし、バック転をしながらリング上に横たわっている対戦相手めがけてボディ・プレスを仕掛ける。技を仕掛ける側の円弧を描くような動きが技の名称の由来となっている。
この技の問題点は、技を仕掛ける側が着地をする際に最初に両膝がマットに叩きつけられることや、不安定であるロープを踏み台にしてバック宙を決める運動が、人間の膝関節が本来持っている動きと逆の動きになってしまうことから、結果膝の半月板を損傷しやすいことである。
武藤敬司はフロリダ修行時代「この技だけで食っていた」と述懐しているが[2]、グレート・ムタのギミックで参戦していたWCW時代にこの技を多用したために、結果武藤の膝は変形し、満足に歩けないまでに傷んでしまった[3]。
空中技の中では比較的容易で見栄えもよいことから、この技を使用するレスラーは多いが、使うレスラーによって技の見た目には個人差がある。小橋建太など多くは、大きな弧を描くように跳躍し、体全体で上から叩きつける形であるが、武藤のムーンサルトプレスは上に跳ぶというより、斜め後方に勢いをつけて跳ぶという形になっている。
また、体格が大きい選手でも使用することが多く、ビガロやビッグバン・ベイダー、ヘッドハンターAなどがビッグマッチで使用した。
[編集] 名称の変遷
初代タイガーマスクが斜め回転式のものを使用していた時期にはラウンディングボディプレス[4]と呼ばれていた。その後、初代タイガーマスクが縦回転式のものを使用した際には古舘伊知郎がムーンライトコースターと呼んだ[5]。武藤敬司が縦回転式のものを使い始めた後にムーンサルトプレスの名称が登場し、こちらがより一般的になった。月面水爆という漢字名もある。
アメリカにこの技を紹介したのは武藤敬司(グレート・ムタ)であり、当時アメリカではMutaの名前から取って"MutaSault"や"Mu-Sault"と表記されることもあった[要出典]。
[編集] 派生技
すべて相手に背を向けた状態から仕掛ける。
[編集] アラビアンプレス
サブゥーが考案し使用するリバウンド式ムーンサルトプレス。リング内からリング外に向かって高くジャンプしてトップロープに尻餅をつき、両腿をトップロープにバウンドさせて後方へバック転ムーンサルトプレスを決める。サブゥーはよくパイプ椅子をリング内に持ち込み、それを踏み台にして敢行したりもした。ロブ・ヴァン・ダムのハリウッドスタープレスとは似て非なるものであった(アラビアン・プレスが直接トップロープに飛び座り込むのに対し、ハリウッド・スター・プレスはコーナー上へ立ってから座り込む)。しかし、最近はアラビアン・プレスとハリウッド・スター・プレスが混同して使用されている。
[編集] ハリウッド・スター・プレス
ロブ・ヴァン・ダムが考案した、リバウンド式ムーンサルトプレス。コーナー前でリング内に背を向けて立ち、コーナーを登ってコーナー最上段に尻餅をつき、同時にトップロープに両腿をバウンドさせるようにして後方へバック転しながら飛び、ムーンサルトプレスを敢行する。ジョン・モリソンは、一度捻りを加えたアラビアンプレスをスターシップ・ペインという名称で使用している。ドラゴン・キッドは、ジーザスという名前で使っている。金丸義信もよく使用する。本来は、サブゥーのアラビアン・プレスとは似ているが違う技(アラビアン・プレスが直接トップロープに飛び座り込むのに対し、ハリウッド・スター・プレスはコーナー上へ立ってから座り込む)であった。最近は両方とも同じ技として扱われる場合が多い。
[編集] スカイツイスタープレス
チャパリータASARIが開発した捻りを加えた伸身ムーンサルトプレスである。後方に270度、横に540〜720度、回転している。ウルティモ・ドラゴンのカンクーントルネードと同型。現在の主な使い手はジミー・ヤンで、ヤンタイムという名で使っている。なお。前向きから飛ぶ一回半捻りプレスもスカイツイスタープレスと呼称していた(当時、ASARI選手からTAKAみちのく選手が直接指導をしてもらい使用していた)。
[編集] フェニックス・スプラッシュ
ひねりを加えながら離陸し、その後は前方一回転してのプレス。計、縦450度、横180度回転。ハヤブサの必殺技。初代タイガーが「タイガー・トルネード・プレス」の名で考案したが、試合で使用したことはない。こちらを正調のムーンライト・コースターであるとする説もある。獣神サンダー・ライガーが「スターダストプレス」の名で、試合で初めて試みたが失敗に終わった(後述)。 離陸後すぐに180度ひねり、体を前に向けてからの450スプラッシュとするのが難易度的に低く、基本である(見た目的には振り返ってからの450スプラッシュ)。DDTの飯伏幸太がこの形のフェニックス・スプラッシュを得意としている。 その後、ハヤブサがひねりを加えずに離陸し、90度後方回転してから180度ひねりと360度前方回転を同時に行う(途中からひねりが入るため、体の向きを基準とする前後の回転方向が入れ替わる)という難易度の高いフェニックス・スプラッシュを完成させている。このタイプの場合観客に「何がどうなっているのか分からない」といわれるほどの不思議な回転を見せる。その後はこのタイプのフェニックス・スプラッシュをDRAGON GATEのB×Bハルクがハヤブサから直接指導を受け使用している。
[編集] スターダスト・プレス
獣神サンダー・ライガーが金本浩二戦で一度だけ披露した幻の必殺技。いわゆるフェニックス・スプラッシュの縦回転を行わず、セントーンの形で落ちそうになっている所から横に半ひねりを加えた、と言う形で披露した。元々ライガーが『獣神ライガー』を名乗る前にすでにスターダスト・プレスを完成させていたが、プロレス誌の記者一人に新日本の道場内でしか見せた事が無かった。結果的にはライガーが披露するより前に、他団体のハヤブサが同形の技を披露してしまったため、ライガーは金本戦で、また違った形のスターダスト・プレスを作り出し、試合後、『僕の(スターダスト・プレス)はこれでいいです』と言って当時の使い手ハヤブサの技と区別した。現在は同じ新日本の後輩にあたる内藤哲也が使用している。
[編集] ヴァルキリー・スプラッシュ
KAORUが開発した、ムーンサルトプレスにひねりを加え、セントーンの形で相手の上に背中から落下する技。ミラノコレクションA.T.が使用するアルマニッシュ・エクスチェンジは、ライオンサルトの形から同様にひねりを加えて、相手の上に背中から落ちる技である(ライガーの『スターダストが不細工だ、俺の技の方がキレがある』と発言した金本選手がこの技を一度だけ使用している)。
[編集] ラ・ケブラーダ
エプロンサイドから場外にいる相手にするムーンサルト。エプロンから仕掛けるのでコーナーからではなくロープの反動で回転する。技名の由来はメキシコ・アカプルコにある、飛び込みのパフォーマンスが行われることでも知られる断崖の名前。また英語圏では開発者であるウルティモ・ドラゴンの本名である「浅井」を冠して、アサイ・ムーンサルトの名称で呼ばれ、WWEをはじめとするプロレス団体でもアサイ・ムーンサルトの呼称が多用されている。ルチャリブレではペチョ・コン・ペチョ(胸と胸)とも呼ばれる。
[編集] ラ・ブファドーラ
ラ・ケブラーダとは逆にリング内にいる選手に、セカンドロープを使いムーンサルトアタックを行う技である。クリス・ジェリコのライオンサルト、ミラノコレクションA.T.のエンポリオ・アルマニッシュは、同じ要領で寝ている相手にプレスする技を使用する。丸藤正道はコーナー付近のトップロープで反動をつけて、さらに直角方向にあるロープで2段階式で反動するブファドーラ(ゲームでは名称はトライアングル・ブファドーラとされている)を一時期使用していた。 ハヤブサはこの技を失敗してしまい、結果半身麻痺に陥ってしまった。
[編集] ムーンサルト・フットスタンプ
ムーンサルトプレスにもう90度余計に回転を加え、ダブルフットスタンプで相手の腹部に落下する。福岡晶が開発し、現在はスコーピオなどが使用している。
[編集] ムーンサルト・ムーンサルト
飯伏幸太のオリジナル。一回目のムーンサルトはコーナートップからのムーンサルトで、この技を相手がよけた時にその場飛びのムーンサルトを出しフォールするという形をとる。一回目で着地した時には武藤のラウンディングボディプレスと同型だがさらにその場で次を出すと言うところにポイントがある。見せ技としても完成度が高いが、かなりの膝へのダメージが心配されるためか追随する選手がいない。
[編集] 脚注
- ^ 武藤敬司25周年記念 特別インタビュー第1弾
- ^ 武藤敬司25周年記念 特別インタビュー第1弾
- ^ 同じく若手時代にこの技をフィニッシング・ホールドとしていた小橋建太も同様に膝を痛め、5度の手術を繰り返すこととなる
- ^ 本来これはコーナーポストにのぼり、マットに背を向けた状態から1/4〜半ひねりを加えた宙返りで相手にボディを浴びせ、そのままフォールに入る技である。しかし、武藤が縦回転式を出したときに、実況アナウンサーの辻よしなりが、これもラウンディングボディプレスと呼んでしまった。
- ^ これが現在一般的に使われている縦回転式での最初の呼び名である。しかし、初代タイガーが使用したのは新日本プロレス所属時代の最後の試合となった寺西勇戦等数回のみで、寺西勇戦ではかわされ失敗に終わっている。その際に古館が「ムーンライトコースター自爆」と叫んでいる。
[編集] 関連項目
- ムーンサルト - 体操競技の月面宙返り
- ダイビング・ボディ・プレス
最終更新 2009年11月5日 (木) 03:11 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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