メカニックデザイン

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メカニックデザインアニメ制作スタッフの役職名の一つ。

目次

[編集] 概要

アニメやSF作品に限らず、作中に登場するロボット戦闘機戦艦銃器等の架空、またはアニメ作画用にアレンジされた実在の機械をデザインする担当者をメカニックデザイナーと呼ぶ。以前は美術監督やアニメーターが兼任していたが、1970年代後半頃から独立した役職となっている。日本で最初に独立したメカニックデザイナーとなったのは『機動戦士ガンダム』のデザインで有名な大河原邦男2000年代に入ってからのアニメでは銃器デザイン、得物デザインと言った役職の細分化の傾向がある。


サンライズ資料室室長の飯塚正夫は「正確にはメカニカルデザインと呼ぶべきだ」と主張している。Mechanic Designは日本語に翻訳すれば「工員(整備員)デザイン」などとなり、これは英語としては意味の通らない語句である、というのがその根拠である。例えば『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の米国版ではMechanical Designと表記されている。近年ではプロダクションデザイン、あるいはデザインワークスという呼び方もあり、アニメのテロップで「メカニカルデザイン」と表記されることも多くなっている。

その一方で、特に北米のコアなアニメファンの中には、たとえ日本語でのクレジットが「メカニカルデザイン」であっても訳語としてMechanic Designをあえて使用するなど、「アニメ原理主義」とでも言うべき行動が見られる。もっとも、海外では既に「メカ」という言葉が日本風ロボット(またはいわゆる『リアルロボット』)を示す用語となっており、単に「メカデザイン」「メカデザイナー」と呼ぶのもおかしくはなく、また日本語でも英語でも意味の通る新造語でもある。

[編集] スポンサーとの関係

かつて、ロボットアニメのメインスポンサーは、主に玩具の製造会社が担っていた。これらの会社は、登場するメカをプラモデルや超合金(ダイカストモデル)として販売するために、先にメカを自社でデザインし、場合によっては玩具の試作品まで製作し、その上でそのメカが登場するアニメの制作をスタジオに依頼する形態が主流であった。当時のアニメ側のメカニックデザイン職は、このメーカー製玩具のデザインをアニメーションの動画として使用できるデザインへと置き換える事と、商品化を前提としない脇役メカのデザインが実質的な業務である事も少なくなかった。

最近の事例では、トミーの玩具シリーズであるゾイドが登場する同名のアニメが制作され、同製品の売上を伸ばしたが、これはTVアニメ化の20年近く昔から最初の同玩具(日本国内での商標名は異なる)が存在し、リバイバルとでもいうべき例である。

現在では玩具メーカーのデザイナーではなく、メカニックデザイン職として専門職か相応のノウハウを持つ人物が、企画立ち上げ期にアニメ・特撮など映像作品と玩具・立体造形物など関連商品の両面での使用を前提としたメカのデザインを行い、これが映像・関連商品の双方に反映されてゆく事が多い。番組の内容やターゲットとする視聴者層によっては、メカニックデザインの善し悪しやスポンサーの販売する玩具へのデザインの反映の出来不出来が、番組やスポンサーが収益の最大の柱として想定する玩具類などの関連商品の売り上げに大きな影響を及ぼす事がある。作品・メカデザイン・玩具のコンセプトが高評価を得て関連商品がヒットすれば、映像作品側についても視聴率面では想定以下であろうとも作品として成功という扱いとなる事がある(典型的な例としては『鋼鉄ジーグ』がある)。逆に高視聴率やアニメファンの高評価があっても関連商品の売上が低迷すれば、スポンサーが販売を打ち切って番組から降板し、映像作品側の放映打ち切りの主要因となる事もある。また、収益という意味では商業流通するガレージキットなどの版権収入も、現在では決して無視する事ができない要素になっている。つまり、メカニックデザイン職は多くのアニメ・特撮作品において商業面での成否の一端を直接左右する重責を担うことになる。

これらの事がある為、過去の作品の商業的成功でスポンサーであるメーカーから厚い信頼を得て、アニメ作品などでメカニックデザイン担当者についてスポンサーサイドによって指名がなされる、あるいは選定においてスポンサーサイドの意向が大きな影響を与えたとされるケースは古くより見られている。逆に、デザイン造形を玩具などに置き換える事が難しい、あるいは部品点数を減らせず高コストになる造形、小児向け玩具では重要なポイントである安全性や耐久性の確保に難がある、この様な傾向のデザインをするデザイナーは、たとえデザインが秀逸とアニメ・特撮のファン層から高い評価を与えられようとも、スポンサー、特に玩具メーカーからは好まれない。

[編集] デザインの要諦

アニメに登場して動くためには適度に線が少なく単純な形でなければならない。線が多かったり不規則な形をしていると、作画が困難になり経費がかさむためである(セルアニメに迷彩塗装のメカが少ないのはこのため)。また玩具製造会社の意見が強かった時代には、玩具としての面白さが優先され、奇抜な合体・変形機構や外観の迫力(角など)、豊富なバリエーション(強化部品や主人公メカの交代)が優先されていたが、近年はデザインの美しさや作品自体との調和が求められている。『新世紀エヴァンゲリオン』では、『拘束された強大な力』と言う庵野秀明のコンセプトに基づき、山下いくとによりデザインされた猫背な巨大兵器が登場するが、この作品の企画書を某会社に持ちこんだ際、アニメに登場するロボットのデザインはかくあるべしと逆に相手側から説教されたといわれる。

[編集] デザインのリファイン

特にライトノベルを原作とするアニメの場合、原作本にはすでに挿絵がつけられていることが多い。これらの挿絵には登場メカが描かれていることがあり、アニメ化に当たってこれらのデザインを一部修正して使用することがある。これらデザインのリファインもメカニックデザイナーの仕事である。この場合はメカニックデザイナーとは別にデザイン原案として挿絵画家の名前がクレジットに載る。またアニメの経験がないデザイナーの作品はそのままではアニメで動かすのが困難な場合があり、この場合もリファインを必要とする。この事例としては『∀ガンダム』のシド・ミードのデザインをメカニック作画監督の重田敦司がアニメ用にリファインした例がある。

[編集] メカニック作画監督

1990年代以降のアニメでは、特にメカ物を中心にメカニック作画監督(メカ作監)が置かれることが多い。すなわち従来は作画監督が一人で担当していた作業を、人物とメカとで分けるようになっている。2D中心の人物とは異なり、メカニックでは3DCGを多く扱うことも背景にある。

[編集] デザインの会社

スタジオぬえや戦船(現社名は株式会社セタ)、ビークラフトといったデザイン会社がある。これらの会社がメカニックデザインを担当した場合、デザイナーの個人名では無く会社名がクレジットされる。

[編集] 他の業界からの参入

この分野には他業種からの参加する人も多く、前述の『新世紀エヴァンゲリオン』にはデザイナーとして漫画家山下いくとあさりよしとおきお誠児が参加している。また『オーバーマンキングゲイナー』にはカプコン安田朗が参加している。宮武一貴は、ハヤカワSF文庫の表紙などのSFデザインが主流だがアニメの仕事も多い。

[編集] 主なメカニックデザイナー

その他アニメ関係者一覧も参照のこと

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月19日 (木) 08:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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