メチオニン

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メチオニン
構造式 スティックモデル
一般情報
系統名 (S)-2-アミノ-4-(メチルスルファニル)ブタン酸
略号 Met, M
分子式 C5H11NO2S
分子量 149.21 g/mol
SMILES C(N)(C(=O)O)CCSC
CAS登録番号 [63-68-3]
性質
融点 284 °C(分解)
溶解性 ギ酸に易溶、水にやや易溶
エタノールに極めて難溶
塩酸に可溶
水への溶解度
(g/100 g)
4.80 (20 ℃)
6.45 (40 ℃)
8.30 (60 ℃)
pKa 2.16
9.08
等電点 5.74
ファンデルワールス体積 124
密度 1.340 g/cm3
L体: 苦、弱い旨味を伴う(閾値 0.3mg/mL)
D体: 甘

メチオニン(methionine, メサイオニン)は必須アミノ酸のひとつで、側鎖に硫黄を含んだ疎水性アミノ酸である。

血液中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く作用がある。ピルビン酸へと代謝する経路が存在するため、糖原性をもつ。

硫黄移動経路によりシステインカルニチンタウリンの生合成や、レシチンリン酸化などリン脂質の生成に関与する。メチオニンが不適切な変換を受けると動脈硬化症が起こることがある。メチオニンはキレート剤でもある。メチオニンの誘導体である S-アデノシルメチオニン (SAM) はメチル基の供与体としてはたらく。

対応するコドンが単一なアミノ酸は2つだけであり、1つは AUG でコードされるメチオニン、もう1つは UGG でコードされるトリプトファンである。コドン AUG はリボソームmRNA からのタンパク質翻訳を「開始」させるメッセージを送る開始コドンとしても重要である。結果として真核生物および古細菌では全てのタンパク質のN末端はメチオニンになる。しかしながら、これは翻訳中のタンパク質に限るものであり、普通は翻訳完了後に修飾を受けて取り除かれる。メチオニンはN末端以外の位置にも出現する。

メチオニンを多く含む食物として果物野菜ナッツマメ科の植物があげられる。特にホウレンソウグリーンピースニンニク、ある種のチーズトウモロコシピスタチオカシューナッツインゲンマメ豆腐テンペに豊富に見られる。肉類では鶏肉牛肉魚肉など大部分のものに含まれる。

目次

[編集] 生合成

メチオニンはヒトの体内で作り出せない必須アミノ酸である。一方、植物や微生物はアスパラギン酸とシステインから生合成を行う。まずアスパラギン酸は β-アスパルテートセミアルデヒドに変換されるが、これはリシンスレオニンの生合成経路でも重要である。次にホモセリンアシルトランスフェラーゼによってホモセリンに良い脱離基が付加され、システインと反応してシスタチオニンとなる。これが開裂させられてホモシステインを与え、葉酸(テトラヒドロフォレート、THF)でメチル化されてメチオニンとなる。補因子として、シスタチオニン-γ-シンターゼとシスタチオニン-β-リアーゼは共にピリドキシル-5'-ホスフェートを、ホモシステインメチルトランスフェラーゼはビタミンB12を必要とする。

メチオニンの生合成経路

[編集] 他の生化学的過程

哺乳類はメチオニンを生合成できないが、様々な生化学的過程において利用している。メチオニンはメチオニンアデノシルトランスフェラーゼによって S-アデノシルメチオニンに変換され、これはメチルトランスフェラーゼによるメチル基移動に用いられる。メチル基の移動後は S-アデノシルホモシステイン (SAH) となり、アデノシルホモシステイナーゼでホモシステインに変換される。

ホモシステインの行く先は2つある。1つはメチオニンシンターゼによってメチオニンに戻る経路で、もう1つはシステインに変換される経路である。後者では、まずシスタチオニン-β-シンターゼでセリンと結合されてシスタチオニンとなる。次に(上記の生合成過程ではシスタチオニン-β-リアーゼで分解されるが)、シスタチオニン-β-リアーゼによってシステインと α-ケト酪酸になる。さらに α-ケト酸デヒドロゲナーゼによって α-ケト酪酸はプロピオニル CoA に変換され、これは3段階の過程を経てコハク酸 CoA へと代謝される。

メチオニンの生化学的過程

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年9月22日 (火) 10:51 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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