ヨシノボリ
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| ヨシノボリ属 Rhinogobius | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() カワヨシノボリ Rhinogobius flumineus |
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ヨシノボリ(葦登)は、アジアの熱帯・温帯域に広く分布する淡水性・汽水性のハゼの1グループである。ヨシノボリという呼び名は特定の種類を指さず、ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属 (Rhinogobius) に分類される魚の総称として用いられる。
目次 |
[編集] 特徴
成体の体長はどの種類も10cm前後である。体の模様は種類間でさまざまな変異があるが、目から鼻筋にかけて赤や黒の線が数本あるものが多い。
ロシア沿海地方から東南アジアまでの熱帯・温帯域に分布する。多くの種類に分かれるが、類似種が多いことなどの分類学的問題により種の総数は不明で、詳細な研究は現在進行中である。日本産は少なくとも13種に分けられる(後述)。
各地の川や湖沼、河口などに生息する。腹びれが変化した吸盤で川底の石や護岸にはりつくことができ、種類によっては水流が速い渓流にも生息する。これらの幼魚が川を遡上する時などは流れの横の濡れた岩場をさかのぼることもある。この様子から「葦にも登る」という意味でこの名がついたが、実際には自分から葦を登ることはない。
川底の藻類やデトリタスを食べることもあるが、食性はほぼ肉食性で、昆虫やミミズ、エビ、魚の卵や稚魚などを捕食する。空腹時には自分の体の半分くらいの大きい獲物にも貪欲に襲いかかる。よって飼育下では一緒に飼う動物の大きさに注意しなければならない。
オスは繁殖期になると縄張りを作り、縄張りに侵入する他のオスを激しく攻撃する。一方で川底の石の下に巣穴を掘ってメスを誘い、産卵を行う。巣穴には捨てられた空き缶などを使うこともあり、春から夏にかけて川の中の空き缶を拾うと中にこの魚が入っていたということがままある。他にウキゴリ、チチブなども空き缶をよく利用する。
産卵後はオスがメスを追い出して、巣穴で仔魚が孵化するまで卵を守る。孵化した仔魚は海へ降河し、海で成長して再び川をさかのぼる。ただし降河せずに一生を川ですごす種類や、海の代わりにダムや湖で成長するものもいる。
山地の渓流から都市部の河川までよく見られ、身近な川魚の一つに数えられる。人や地域によっては食用にされ、観賞用に飼育する人もいる。
[編集] 日本産ヨシノボリ類の分類
かつて日本に生息するヨシノボリ属魚種は「ヨシノボリ Rhinogobius brunneus」「ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus」の2種だけであるとされていたが、1960年に卵の大きさや鰭条数の違いからヨシノボリから分離される形で「カワヨシノボリ Rhinogobius flumineus(記載当時はTukugobius flumineus)」が新種記載された。
その後「ヨシノボリ」のそれまでは模様の違いから型として扱われていたものも、生態の違いなどからそれぞれ別種とみなされるようになってきため、学術的混乱を避けるために1989年に学名が未決定のまま、標準和名ならびに、学名の仮の代わりとして Rhinogobius sp. の後に、それぞれの種をアルファベット大文字2文字で表す方法が提唱された。現在までのところ日本に生息するとされるヨシノボリ属魚種は以下の通りである。
- ゴクラクハゼ Rhinogobius giurinus (Rutter,1897)
- 頬に迷路のような細かい模様があり、体の横に黒っぽい大きな斑点と青い小さな点が並ぶ。汽水域に多い。
- カワヨシノボリ R. flumineus (Mizuno,1960)
- 稚魚が海に降りず、一生を淡水で過ごすことが和名の由来。成魚の全長は4-6cmほどと小型。佃煮などで利用される。
- オオヨシノボリ R. sp. LD
- LDとは Large-Dark type の略。大きな河川に多い。成魚は全長12cmに達し、大型になることが和名の由来。
- クロヨシノボリ R. sp. DA
- DAとは DArk type の略。温暖な海域に面した、流れが速い小川に分布する。胸びれのつけ根が黒く、尾びれのつけ根に太い"Y"字型のもようがある。また、体色をよく変え、興奮すると体の横に黒い太い線が浮き上がる。黒っぽい体色のことが多いことが和名の由来。
- シマヨシノボリ R. sp. CB
- CBとは Cross-Band type の略。頬に細かいミミズのような模様がある。繁殖期のメスは腹が鮮やかな青色になる。和名は頬や各鰭の模様に由来する。
- トウヨシノボリ R. sp. OR
- ORとは ORange type の略で、オスの尾びれのつけ根に大きな橙色の斑点があることからこの名があるが、個体群によっては見られないものも多い。最も分布が広く、体の模様も地域差や個体差が大きい。現在ではさらに橙色型、偽橙色型、宍道湖型、縞鰭型の4型に分けられている。
- ルリヨシノボリ R. sp. CO
- COとは CObalt type の略。和名は頬に小さな青い点がたくさんあることに由来する。成魚の全長は10cmを超え、オオヨシノボリと同じくらいの大きさになることもある。急流を好み、分布地は各地に点在する。
- ヒラヨシノボリ R. sp. DL
- DLとは Depressed Large-dark type の略。和名は流れの速い川に適応して平たい体をしていることに由来する。
- アヤヨシノボリ R. sp. MO
- MOとは MOzaic type の略。他の何種類かのヨシノボリの持つ色彩的特徴をモザイクのように持っていることを特徴とする。
- アオバラヨシノボリ R. sp. BB
- BBとは Blue Belly medium-egg type の略。一生を淡水で過ごすが、卵の大きさがカワヨシノボリと稚魚が海に降りるタイプのヨシノボリとの中間の大きさをしているため、キバラヨシノボリとともに中卵型と呼ばれていた。抱卵した雌の腹部が青くなることが和名の由来。絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- キバラヨシノボリ R. sp. YB
- YBとは Yellow Belly medium-egg type の略。一生を淡水で過ごすが、卵の大きさがカワヨシノボリと稚魚が海に降りるタイプのヨシノボリとの中間の大きさをしているため、アオバラヨシノボリとともに中卵型と呼ばれていた。抱卵した雌の腹部が黄色になることが和名の由来。絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- オガサワラヨシノボリ R. sp. BI
- BIとは Bonin Island type の略。小笠原諸島に生息する。絶滅危惧IA類(CR)(環境省レッドリスト)
- トウカイヨシノボリ R. sp. TO
- TOとは TOkai type の略。東海地方に生息している。準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
- ビワヨシノボリ(仮称) R. sp. BW
- BWとは BiWa lake type の略。琵琶湖固有種で、全長4cmほどの小型種。情報不足(DD)(環境省レッドリスト)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- Mukai's Encyclopedia of Goby
- 瀬能宏・矢野維幾・鈴木寿之・渋川浩一『決定版 日本のハゼ』平凡社 ISBN 4582542360
- 川那部浩哉・水野信彦・細谷和海編『山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚』 ISBN 4635090213
最終更新 2009年11月24日 (火) 14:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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