ライトトレーラー

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ライトトレーラー

ライトトレーラーとはキャンピングトレーラーなどの軽量なトレーラーの通称。センターアクスル式フルトレーラーが多い。大型トレーラーと比較して簡易な主ブレーキが認められ、接近式や慣性式になっていることが多い。連結装置も小型簡易で、垂直耐荷重はあまり大きくない。そのため、重積載むけの大型貨物トレーラーとは別分野の存在といえる。運送業務使用は少なく、個人のレジャー使用(主に小型モーターボート水上バイク、分解したグライダーなどの輸送、キャンピングトレーラー)がほとんどである。

ライトトレーラーの中でも、総重量3,500kg、総重量2,000kg、総重量1,500kg、総重量750kgを区切りに扱いが異なる。

総重量3,500kg未満の場合、慣性式ブレーキや電気式ブレーキなど簡易な主ブレーキでよい。分離ブレーキが必要。

総重量2,000kg未満の場合、総重量2トン未満限定けん引免許でもけん引できる。乗車定員は0名で、緩衝装置(サスペンション)の装着が免除。

総重量1,500kg以下で1軸の場合、分離ブレーキの代わりに、連結装置の地面への接触を防止し連結状態を保つことができるチェーンも使用できる。(保安基準細目第8条)

総重量750kg以下の場合、一部を除いてけん引免許が不要で、条件によりブレーキ装着免除になる。

目次

[編集] 種類とナンバー

一般的な荷台をもつ貨物の「バントレーラ」「フルトレーラ」と、特定の積載物に合わせた特種用途自動車の「ボートトレーラ」「オートバイトレーラ」「グライダートレーラ」「タンクトレーラ」等、用途上の特種用途自動車「電源トレーラ」「キャンピングトレーラ」などがある。普通、小型、軽(検査対象)、検査対象外軽、付随車に分かれる。なお、ポールトレーラーとセミトレーラーは、トラクタに大きく荷重がかかるために、このジャンルでは認められていない。ドリー式のフルトレーラーも公道では見られない。なお、総重量2,000kg未満のものは乗車定員は0名と決められている(保安基準五十三条)。ナンバー交付のためには自賠責の加入・重量税・自動車税の納付義務があるが、金額は通常の自動車と比べて安い。

[編集] 中板

キャンピングトレーラーのほか船・液体・粉体などの特定貨物専用積載車は、黄色880ナンバー(軽特種)白色800ナンバー(小型特種・普通特種)になる。

荷台や荷箱がついた汎用貨物(カーゴ)トレーラーは、黄色480ナンバー(軽貨物)で2年車検、白色400や100ナンバー(小型貨物・普通貨物)は1年車検になる。

  • 軽・小型・普通の違いは、積載重量と車体サイズの違いである。全長3.4m、全幅1.48m、全高2.0m、最大積載重量350kg以下の場合、軽自動車検査協会に書類を持ち込めば、軽になる。全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m、最大積載重量2,000kg以下の場合、小型になる。それ以上は普通。

この中には軽自動車(4輪)・250ccを超えるサイドカー(側車付オートバイ)・250ccを超えるオートバイで牽引可能な軽量トレーラーも含まれている。トレーラーは車検つきのものになる。

特殊な例として、2輪車でけん引する1輪トレーラー(100kg積み・ブレーキ付・要車検)の市販車が国内に存在する。この連結器は専用品を使う。後部反射器は通常サイズのものを1枚だけ使用している。

[編集] 小板

軽2輪・側車付軽2輪・小型特殊自動車で牽引する場合、トレーラーは、法令上検査対象外軽自動車(360cc時代の軽自動車規格)でよい。実際には、全長3.0m、全幅1.3m、全高2.0mに収まるような市販トレーラーは、少数派である。

  • 軽2輪用1軸2輪トレーラーも、1輪トレーラーも、小板6ナンバーになる。360cc軽4輪貨物と同じナンバーだが、分類番号は1桁で、66ではなく6になる。小板で1桁分類番号は「検査対象外軽自動車」の証。特種の場合は0。過去には、連結分部を第5輪と呼ぶことから車輪に見立てて軽3輪貨物扱いと解釈され、3ナンバーが発行された例もある。
  • 以前は大型特殊自動車(中板99ナンバー)であった農耕用車両は、法改正により新小型特殊自動車(要大特免許)となったため、法令上は検査対象外軽トレーラーを牽引することもできるようになった。
  • 一般的に市販されている軽2輪の単車重量では、トレーラーのブレーキが必須となる。小型特殊自動車での牽引も、時速15km/hで制動できる程度のブレーキ性能であることから、重量のある実用的な農耕用トレーラーでは、ブレーキ装置が必須なケースがある。
  • 総重量750kgを超えるトレーラーにブレーキとけん引免許が必要なことは、車検があるものと同様である。

[編集] 小板・車検不要にならないケース

  • 検査対象外軽自動車のトレーラーは、全長3.0m、全幅1.3m、全高2.0m、最大積載重量350kg以下となっているため、このうちの1つでも超えた場合。
  • 同じトレーラーを、車検のある自動車や250cc超の二輪車で牽引する場合。

なお、車検があるものを、軽2輪等の車検がない車両で牽くことは、ブレーキ等の条件が満たされれば差し支えない。

[編集] ナンバーなし

125ccまでの原動機付自転車ミニカーで牽引する場合、トレーラーは「付随車」とされ、交付されるナンバーはない。ただし、灯火類は必要。後部反射器は赤色で1辺5cm以上の正立三角形と、小ぶりのもの。

  • 道路運送車両の保安基準第五十九条では、「原動機付自転車は、長さ二・五メートル、幅一・三メートル、高さ二メートルを超えてはならない。」としている。この条文には「 原動機付自転車(付随車を除く。)」の記載がない。
  • 積載重量は120kg未満(道路交通法施行令第二十三条二)。

[編集] 大板

最大積載量5t超または車両総重量8t超の車両に交付されるナンバーのため、ライトトレーラー枠では存在しない。 このナンバーを使う大型トレーラーについては牽引自動車を参照。

[編集] 運転免許

[編集] けん引免許の要・不要

トレーラー総重量が750kg以下の場合は、けん引免許がなくとも、牽引車の単体の免許だけで牽引できる。

  • ただし、道路法車両制限令三条四により一般道の連結全長は12m以下と決められており、これを超える車両は道路法四十七条の二にもとづく通行許可の申請が必要となる。この場合は750kg以下の車両を牽引する場合でも牽引免許所持者が運転するなどの安全措置が講じられなければ、公道の通行は許可されていない。

トレーラー総重量が750kgを超える場合は、けん引免許が必要になる。

トレーラー総重量が2,000kg未満の場合は、限定けん引免許(通称ライトトレーラー免許)でもよい。

[編集] 公道での使用

いずれも公道での使用にはナンバー登録は欠かせない。唯一、原付でリアカー等をけん引する場合は「付随車」扱いとなり、灯火類は必要なもののナンバーは不要である。このことが、「ライトトレーラーにはナンバーがいらない」との誤解につながっている。正式にナンバー交付を受けずに公道で使用すると、無車検運転、無保険運転等になってしまう。

[編集] 連結検討と車検証記載

ライトトレーラーを牽引する際には、陸運支局で以下のどちらかの手続き「記入申請」が必要になる。

  • 新方式は、けん引する自動車の車検証にライトトレーラーの重量制限が記入される方式。陸運支局でこの手続きをすれば、ブレーキ無しライトトレーラーは総重量750kgを、ブレーキ付きライトトレーラーは総重量1990kgを上限にけん引が認められる。その許容重量は、自動車の重量とブレーキ能力で計算され、自動車個々で異なっている。総重量1990kgを上回るトレーラーをけん引する場合は、この方法では不可能で、次の従来方式で申請する。
  • 従来方式は、トレーラーの車検証に牽引可能なトラクターの型式を記入申請する、通称で牽引車指定・親子指定と言われている方式。けん引する自動車の車重・牽引能力・ブレーキ能力を、トレーラーの重量とブレーキ能力を書いて連結検討し、満足な停止能力や連結全長等があれば認められ、トレーラーの車検証にけん引できる自動車の型式が記載される。大型トレーラーもこの申請と同じである。

いずれの申請方法も軽自動車等の軽量な自動車では、ブレーキ能力が満足していても、自動車の重量不足で連結検討が通らない場合がある。安定したけん引には、引っ張る側の自動車の重量が重いことが肝要で、車両重量の半分以下が安全なライトトレーラー総重量とされている。また、車検証に記載の牽引重量よりも、ヒッチの許容重量の方が低ければそれを上回った牽引をしてはならない。

[編集] トレーラーのブレーキの要・不要

  • 総重量が750kgを越えるトレーラーは、例外なくブレーキ装置が必要となる。
  • トレーラー総重量750kg以下でも、牽引車の車両重量+55kgがトレーラーの総重量の2倍に満たない場合、ブレーキが必要になる。たとえばトレーラー総重量が150kg(車両50kg+積載100kg)の場合、牽引車重量が302kg(車両247kg+人員55kg)ならば通るが、それ以下の牽引車ならば、トレーラーにブレーキが必要になる。
  • 参考までに、計算上の最大積載量が100kgを下回るものは、貨物車としての登録ができない。積載量は50kg刻みで車検証に記載されることになっている(100kg、150kg、200kg・・・1950kgという具合)。
  • 軽で小型や普通のトレーラーを牽引することは、重量やブレーキ性能が許せば可能である。ただし、牽引車の幅+30cmを超える車幅のトレーラーを牽引する場合は、サイドミラーの延長が必要になる。この場合トレーラーの車幅+25cm以内まで、ミラーを延長できる(はみ出しが片側12.5cmまでということ)。
  • 750kg超の2軸車両の場合、保安基準では全ての車輪を制動しなければならないため、全輪に制動装置が必要である。軸間が1m未満であっても同様である。輸入ボートトレーラーなどは、2軸車両でも1軸しかブレーキが付いていない物が多いので車検取得時には改善が必要になる。
  • パーキングブレーキは必ず必要である。通常のドラムやディスク式のほかに、チェーン式やロッド式やタイヤストッパー式もライトトレーラーでは認められている。

[編集] 灯火類

  • 前部反射器(白色・平成17年12月31日以前に製作されたものは橙色も可であった)
  • 前部車幅灯(白色・平成17年12月31日以前に製作されたものは橙色も可であった)
  • 後部反射器(赤色・1辺10cm正立正三角形・付随車は1辺5cm)
  • 尾灯(赤色)
  • 制動灯(赤色)
  • 方向指示灯(橙色)
  • 番号灯(白色)
  • 全長により側面反射器(橙色)、側面灯の装着義務がある。
  • 全高2.5m以上あれば、高さ灯(白色)をつけてもよい。

上記のことは原則、牽引車が4輪でも2輪でも原付でも小型特殊でもすべて同じである。

[編集] 連結器

ライトトレーラーで最も一般的な連結器は、ヒッチボール・カプラー式である。 牽引車側にサブメンバーを介してヒッチボールを取り付け、そこにトレーラーのカプラーを上からはめ込みロックする。

軍用系車両・工事用車両・農耕用車両では、旧来からピントルフック・ルネットアイ式が使用されている。牽引車のピントルフックのジョーを開き、フック状の下あごにルネットアイを引っ掛ける。ジョーを閉じてロックする。ルネットアイはドローバーが回転可能なものもある。

アメリカ系のキャンピングトレーラーでは、大型トレーラーと同じ規格の5Thホイール(フィフスホイール)を使用しているものもある。この場合、ピックアップトラックの荷台にカプラー装置を固定し、その上に連結する。

カプラーにかかる垂直荷重は、ライトトレーラー全体の1割前後が適切とされている。

  • ヨーロッパタイプのトレーラーのカプラーには接近式慣性ブレーキが取り付けられていることが多く、ヒッチ荷重が過大な場合はカプラーの前後可動部分が破損する恐れがある。
  • アメリカタイプのトレーラーは電気式慣性ブレーキが使われるため、カプラーに前後可動部分はない。重量のある丈夫な自動車での牽引を想定していることが多く、ヒッチ荷重は比較的大きく作られている(トレーラーの車軸がやや後方にある)。重量が増すほどに牽引車の前輪が持ち上がってしまうため、それを押さえつけるウェイト・ディストリビューション・ヒッチを使用しないと安定走行が難しくなる。ウェイト・ディストリビューション・ヒッチ使用を前提にすると、トラクタには頑丈なフレーム構造が必要で、車両は本格4WD車やアメリカンピックアップ等、車種選びが限定的になる。

トラクター側に取り付ける牽引装置(ヒッチ)は、市販品が数多く取り揃えられており、多少の加工で自動車の車体に取り付けられる。保安基準の指定部品のため、溶接やリベット止めをしなければ車検も問題が無い。ヒッチ部品には必ず垂直と全体の許容荷重が設定されており、車検証に記載されているからといってこの重量を守らないでいると、連結部分や自動車本体の破損がおこり、結果的に大きな事故につながることになる。 万が一カプラーが外れた時のために、安全チェーンを2本かけられる構造になっている。

使用しないときにはピン1本で先端を取り外しできる構造のものもある。

ヒッチボールにはアメリカ規格で、2インチ、1・7/8インチ、2・5/16インチの3サイズ、ヨーロッパ規格50ミリと、合計4サイズが存在する。特に2インチボールと50ミリボールはサイズが近いため混用しやすいが、外れや異常磨耗につながるため、必ず同じ規格とサイズのボールとカプラーを組み合わせる。カプラーにはジョーの調整ねじがあり、つねにガタのないように点検する。他の種類の連結器と同様、ボールにグリスを塗布し、磨耗と錆とゆるみを防止する。ボールとカプラーがスムーズに回転できないと、ヒッチボール軸の取り付けナットがゆるんでしまう。トレーラー切り離し後にグリスつきのボールがむき出しになるため、周囲を汚さないように、また防水防錆するために、ヒッチボールカバーが安く売られている。

[編集] 点検とメンテナンス

走行前

[編集] 連結装置

  • ヒッチピンが確実に入っているか確認する。
  • ヒッチボールにグリスを塗布する。
  • カプラーと確実に連結し、カプラーをロック後、ロックピンを入れる。トレーラージャッキがきちんと上がって固定されているか確認する。
  • カプラーを持ち上げて揺さぶり、ガタがあれば、ガタなくかつスムーズに動くようにカプラーのジョーを調節する。
  • 安全チェーンをかけ、地面にこすらないか、カーブ時に張ってしまうことがないか確認する。

[編集] 足回り

  • 牽引車の駐車ブレーキを確実にかけ、トレーラーの駐車ブレーキを解除する。
  • トレーラーのタイヤを片側浮かせて、タイヤを手で空転させる。

この時ガタがあったり回転が重い場合は、ベアリングにグリスを補充したり、ナットの調節を行う。ナットは簡単に締めすぎになってしまうので、適切な締め込みをすること。ナットの割りピンは再使用せず新品を使用すること。 それでもガタや回転の重さが改善しない時は、躊躇なくホイールベアリングの交換を行う。特にマリンで水没使用の場合は、交換頻度が高くなる。ベアリング交換時は同時にオイルシールも交換すること。反対側も同じことを行う。

[編集] ブレーキ

  • 電気式機械式ともにマニュアルに従い確認する。ベアリング交換と同時にブレーキシューの残厚みを点検し、必要あれば調整、交換すること。

[編集] その他

  • タイヤ空気圧の点検調整。メーカーマニュアルの規定空気圧に調整すること。左右輪だけでなく、スペアタイヤ、牽引車もおこなうこと。
  • トレーラー・牽引車とも、各部ねじの緩みチェックと増締め。同時にフレームやカプラーやサスペンションのヒビ・サビをチェックする。ヒビや大きなサビを見つけた場合、使用は中止し修理すること。

[編集] 電装系

  • 電気ジャンパ栓を接続し、すべての灯火類の動作を確認する。LEDは1つでも切れている場合、車検不合格状態となるため、要注意。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月6日 (金) 04:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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