リアプロジェクションテレビ

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リアプロジェクションテレビRear Projection TV)とは映像表示装置の1つである。略してリアプロとも呼ばれる。通常のプロジェクターがスクリーンの前から投影するのに対し、リアプロジェクションテレビはスクリーン(すなわちテレビの画面)の後ろから投影するのが特徴である。そのため、通常のプロジェクターを「フロントプロジェクター」と呼ぶこともある。

目次

[編集] 特徴

小型のブラウン管ないし液晶パネルの画像をミラーで反射し、スクリーンに投影する方式である。かつては大型のブラウン管や液晶パネルを製造する技術が無かったために、40インチ以上の大画面テレビにおいてはリアプロジェクションテレビしか選択肢は無かった。部屋の広いアメリカや中国[要出典]では一般的に普及したものの、部屋の狭い日本では普及しなかった。

しかしながら、大型パネルを用いた液晶テレビプラズマテレビが普及した現在でも、安価でかつ軽量な大画面テレビとして販売されている。さらに技術革新により、液晶やプラズマ程では無いが、かなり薄型にすることができるようになった。

長所
  • 大画面TVとしては安価かつ軽量
  • 3色混合表示による自然、かつ奥行き感のある色表現
  • 応答速度が速い(ソニーSXRD搭載モデル2.5ms以下)
  • 高コントラスト(SXRD、D-ILA共にデバイスコントラスト5000:1以上、セットコントラスト10000:1)
  • 省電力
  • ランプ交換による輝度回復可(ユーザー交換可)
  • 高精細化が可能
短所
  • スクリーンに直射光の当たるような場所で使うには明度が低い
  • 視野角が狭い(縦方向)
  • 適正視聴距離以下での4隅の明度ムラ
  • ランプの寿命が従来のテレビと比較して短い(ランプ購入コストが別途必要。1個あたり1万5000~2万5000円程度)
  • 奥行きがPDP、液晶に比べて大きい
  • 画面表面に軟質素材を使用したモデルが多いため物理的な衝撃で傷が付きやすい
  • 視野角が広く、明度ムラを出さず、且つ光源のポテンシャル(高コントラストや高解像度等)を十分に引き出す透過型のスクリーンがない

[編集] 歴史

かつては各社ブラウン管方式のプロジェクションテレビを販売していたが、1990年代後半から次々と姿を消した。その後、国内でのプロジェクションテレビはソニーの自社の透過型液晶パネルを用いたグランドベガのみという時代が続いた。グランドベガはそれまでのリアプロジェクションテレビの水準を大きく引き上げる革新的な商品で、北米市場では大ヒットしたものの国内市場において当時の世間の目はプラズマテレビ液晶テレビに向いており、かなりの苦戦を強いられることとなった。

2004年になり、プロジェクター向け透過型液晶パネルで圧倒的なシェアを持つセイコーエプソンがアメリカで自社のパネルを用いたリアプロジェクションテレビを、国内では通信販売のみで販売を始め、テレビ事業に参入した。続いて三洋電機もエプソンの透過型液晶パネルを搭載したリアプロジェクションテレビの販売を開始した。しかし、どちらもデジタルチューナーを内蔵していない。

また同年、プラズマ・液晶で自社パネルを持てなかった日本ビクターも古くから開発していた独自のLCOS(反射型液晶)デバイスであるD-ILAを用いたリアプロジェクションテレビを開発、北米で発売した。透過型液晶パネルが開口率50%程度なのに対し、D-ILAは90%以上の開口率を持ち、輝度が高く消費電力も低いテレビとして日本国内でも話題になった。さらに、D-ILAは無機配向膜を用いており半永久的な素子寿命を持つという特徴もある。

2005年にはD-ILAパネルの生産力をこれまでの3倍に増強し、5月に地上デジタルチューナを初めて内蔵したD-ILA方式のリアプロジェクションを日本国内で発売した。その後も同サイズの液晶パネルでフルHDの解像度を持つD-ILAを開発し、量産性を高めて比較的安価でフルHD画質を持つモデルを発売する等、ラインナップが充実しつつある。また、展示会等ではRGB3色のLEDやレーザー光を光源としたモデルや奥行き25cm程度の薄型のモデルを発表するなど、積極的に技術開発を行っている。

ソニーも独自のLCOSデバイスであるSXRDを開発した。量産性はややビクターに劣るものの液晶のセルギャップ(膜厚)を薄くすることによって応答速度の高いパネルを開発し、QUALIAブランドから高級リアプロジェクションテレビとして発売した。その後も普及機としてブラビアブランドから透過型パネルのリアプロを発売しラインナップを増強する。2006年9月には日本市場にSXRDを搭載した普及機を新たに投入した。

三菱電機は変調素子にDMDを採用したDLP(米TI社の商標)方式で他社と比較して若干薄型のリアプロを開発した(2006年にはレーザー光を使用した新光源を開発した)。続いてシャープもDLP方式でリアプロに参入した。キヤノン東芝もリアプロ参入を表明していたが、その後のリアプロ市場の衰退などから実現の可能性は不明である。

各社LED、レーザーなどを用いたバックライトや薄型筐体のモデルを開発・発売していたが、液晶テレビ・プラズマテレビの急激な値下がりや店頭での見栄えの悪さなどから2006年頃からリアプロ市場は急速に縮小したため2007年12月、ソニーはリアプロテレビからの全面的な撤退・国内外の生産拠点の閉鎖を発表した。またビクターケンウッドとの経営統合の際にリアプロテレビの次世代機開発を含めた基本戦略の抜本的見直しを発表、エプソンもリアプロテレビ全機種の生産終了を発表しており、事実上ソニーとビクターの2社が牽引していた国内市場からはリアプロが消滅する見通しである。

[編集] 方式

かつて、リアプロジェクションテレビの方式はブラウン管だった。しかし近年は次の3方式が急速に注目され、主流になっている。

  • LCD(Liquid Crystal Display:透過型液晶)
  • LCOS(Liquid Crystal On Silicon:反射型液晶)
  • DLP(DigitalLight Processing)

以下にそれぞれの特徴を簡潔に述べる。

[編集] ブラウン管

古来から使われていた方式。古くはカラーテレビを拡大しただけの1管方式もあったが、その後モノクロのブラウン管3玉にそれぞれ赤、青、緑のカラーフィルタを付けて投影する3管方式が主流になった。

[編集] LCD

透過型液晶は後方からのバックライトの光の透過率を制御して映像を作る。光を透過させるために電極は画素の中にあるので、映し出された画面に画素の格子が目立つ。また、現在の携帯電話デジタルカメラに搭載されているものもこのタイプの液晶が主流。

かつては1板タイプのリアプロジェクションテレビ「ガイア」(シャープ)もあった。今は赤、青、緑の光の三原色をランプから分離してそれぞれのパネルで制御する3-LCD方式のみ。

[編集] LCOS

反射型液晶の一種であるが、電極を液晶の背後に配置することにより開口率を大幅に向上したもの。表面から光源を当て、その反射によって映像を作る。LCDと同様に光の三原色をそれぞれのディスプレイで制御する。LCD方式よりも輝度が高く(プラズマテレビより高いとも言われる)階調性も優れた映像が得られ無機配向膜の採用により半永久的な寿命を持つが、歩留まりがやや悪くコストが高いという欠点もある。

原理自体は難しいものではないためこれまで大手の電機メーカーや半導体メーカー各社が開発してきたが量産まで成功したのはビクター、ソニーと米Syntax-Brillianだけで、他社はみな撤退した。この3社は全て3板方式を採用している。

  • LCOS を推奨する主なメーカー

[編集] DLP

TEXAS INSTRUMENTSが開発したDMDを用いた全デジタル処理の信号処理方式の名前。微小な鏡を画素の数だけ並べたDigital Micromirror Deviceに、単板式のモデルは光の三原色の回転カラーフィルターを通過した光をあてて映像を作る。DMDはデバイスの名前なのでTIとしてはシステム販売のためにDLPという名称を用いている。

パネルが1枚のタイプと3枚のタイプがある。パネル1枚のタイプは色の表現力がやや弱くカラーフリッカーが若干あるが低コストであるため、こちらの方が主流である。また、画素格子が全く目立たないのも特徴である。

SmoothPictureというミラーを駆動させ水平方向の画素を2倍にする技術でハイビジョン画質(1920×1080)を低価格で実現している機種もある。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年7月12日 (日) 12:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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