リック・ドム
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リック・ドム (RICK-DOM)は、アニメ『機動戦士ガンダム』を始めとするガンダムシリーズに登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:MS-09R)
目次 |
[編集] 機体解説
| リック・ドム | |
|---|---|
| 型式番号 | MS-09R |
| 所属 | ジオン公国軍 |
| 建造 | ツィマッド社 |
| 生産形態 | 量産機 |
| 頭頂高 | 18.6m |
| 本体重量 | 43.8t |
| 全備重量 | 78.6t |
| 出力 | 1,199kw |
| 推力 | 22,000kg×2 1,000kg×9 合計53,000kg |
| センサー 有効半径 |
5,400m |
| 装甲材質 | 超硬スチール合金 |
| 武装 | 360mmジャイアント・バズ(弾数10) 胸部拡散ビーム砲 ヒート・サーベル ビーム・バズーカ 120mmザクマシンガン |
| 搭乗者 | ジオン公国軍一般兵 シャア・アズナブル アナベル・ガトー |
ザクIIに次ぐ次世代モビルスーツを開発中だったジオン公国では、ビーム兵器を標準装備した地球連邦軍のMSの出現以前より、新型の実戦投入は急務となっていた。陸戦用MSとしては既にドムが配備されていたが、宇宙戦用には次期主力MSがロールアウトするまでの繋ぎとして、既存MSの改良型で急場をしのぐこととなった。軍部の発注に対し、ジオニック社はザクIIの改良型であるMS-06R-2高機動型ザクIIを、対するツィマッド社はドムの改良型であるリック・ドムを競合機種として提出した。
ツィマッド社はドムに搭載されていた大気圏内用の熱核ジェットエンジンを熱核ロケットエンジンへと換装し、宇宙戦用化を計った。腰部・脚部には各3基のスラスターノズルが設置された。脚部の熱核ロケットエンジン開発のためにMS-06RD-4 ザクII高機動試験型が製作され、テスト中に連邦軍に目撃されている。また、熱核ジェットエンジンの吸気機構、各部の防塵装備などの地上戦用の装備を廃す一方、熱核反応炉の冷却装置や腕部・大腿部・脛部の各部をプロペラントスペースとして用いるなど、各部が再設計された。
なお、直立したままのホバー移動が基本だったドムに対し、頭から突進するロケット推進が基本姿勢になったせいか、「顔」が上を向くように改修されている。
一部性能では高機動型ザクIIの方が凌駕していたもののコストパフォーマンスに劣ったため、結果的に総合性能の勝るリック・ドムが採用された。宇宙でドムを製造していた拠点で量産が始まり、一年戦争後期に実戦配備されたが、地上のように他機種を圧倒するような機動性は発揮できず、また大気圏内と異なり移動は推進剤に頼るため、稼動時間もドムの4分の1程度といわれる。実戦においては、キャメル・パトロール艦隊やコンスコン機動部隊のリックドム隊が、アムロ・レイが搭乗するガンダム他、第13独立部隊のモビルスーツや支援戦闘機により一方的に撃破され全滅に至る等、敗北の記録ばかりが目立つが、これは対戦相手が悪かったと考えるべきであろう。本機は次期主力MSであるゲルググの配備が遅れ、また戦況の悪化もあり、暫定的ではあったが終戦まで主力の座にありつづけた。
武装は基本的にドムと同様である。ジャイアント・バズの他、近接兵装のヒート・サーベル(旧名・ヒート剣)を背部ラックに斜めに装着する。なお胸部には拡散ビーム砲が内蔵されているが、出力が弱いためモニターに灼き付けを起こすことによる目くらまし程度にしか使えなかった。しかし、太陽光以外に高い光量の光源が存在しない宇宙空間では地上以上に有効だった。また、シャア・アズナブルが所属したといわれる隊では、試験的にビーム・バズーカが使用されたという。ムサイ級の主砲に匹敵する威力を持つが、エネルギーチャージに時間がかかったり(OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』では連射している様子が描かれている)、量産の上で難があったといわれる。
戦争末期には統合整備計画で再設計され、より宇宙用に最適化され機動性を向上させたMS-09R-2 リック・ドムIIが量産に入った。しかし一年戦争では一部が実戦配備されたに止まり、後のデラーズ紛争においてまとまった数が運用された。
[編集] 劇中での活躍
TVシリーズではシャアのザンジバルやキャメル艦隊の搭載MSとして、次いでコンスコン隊の主力MSとして第31~34話に登場し、以後ソロモン、ア・バオア・クーの決戦でも多数が登場するが、特に名のあるエースパイロットが乗ることもなく、演出上ザクに代わるやられ役でしかなかった。しかし、被弾してア・バオア・クーに不時着したホワイトベースの右舷エンジンを後方より狙撃し、止めを刺したのはこの機体である。
TV版ではドムの動画が使いまわされ、直立したままの移動シーンも目立った。しかし劇場版では新作画部分で脚部・スカート内部にバーニアが描かれ、ドムとの違いが表現されていた。またジャイアント・バズの砲身後部のカバーが開いて、発射ガスを後方に逃すリアルな描写もある。
小説版『機動戦士ガンダム』では、シャア・アズナブル率いるニュータイプ部隊がこの機体を主力としており、シャア自身も赤く塗装したリック・ドムに搭乗している。ちなみに本作ではゲルググは登場せず、リック・ドムがジオン初のビーム兵器を標準装備したMSとして登場している。劇中、この機体に乗るルロイ・ギリアム中尉の手によりガンダム(G3)は撃破され、アムロが戦死している。この設定を反映して、TVゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでは、ビームバズーカを装備し赤く塗装された「シャア専用リック・ドム」が登場し、のちにガンプラのマスターグレード発売を機に「MS-09RS」として設定されている。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、キャメル艦隊に搭載機として登場し、ホワイトベースを後方から挟み撃ちにしようとしたザンジバルのシャアは、キャメル艦隊から発艦したのがザクではなくリック・ドムと聞き意外そうな反応を見せており、彼が地球にいる間に宇宙戦用MSが更新されていたことが窺える。
[編集] 設定の変遷
元々の型式番号はMS-R09だったが、リック・ドムII(型式番号:MS-09R-2)の登場に際しMS-09Rとも表記されるようになった。プラモデル「マスターグレード リック・ドム」発売後、完全にMS-09Rで統一されている。この商品にセットされている「ビームバズーカ」は、小説版「機動戦士ガンダムI〜III」でリックドムがジャイアントバズではなく「ビームバズーカ」と低収束「ビームサーベル」を標準装備していることに由来するアイデアである。
また熱核ロケットエンジンへの換装の設定は「ガンダムセンチュリー」が初出である。ここでは「6G程度の高加速を40秒近く続けることが可能」「ザクの三倍近い推進力」とあり、以降「モビルスーツバリエーション」などで設定が追加されていった。しかし陸戦型からの改造であるため、「装甲厚や機体バランスが宇宙用として不適格」「直進での加速性は優れるが運動性は劣る」等の記述が近年の模型誌他で見られるが、どれも雑誌ライターによる創作であり、今のところアニメの公式設定ではない。
[編集] 試作型リック・ドム
『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。(型式番号:MS-09R)ア・バオア・クーの戦いでアナベル・ガトーがエギーユ・デラーズ専用機を借りて決死の出撃をしようとするが、デラーズの説得により止められている。「MS-09F ドム・フュンフ」とは長年にわたり混同されていたものの、小説版では「09R(リック・ドム)」との描写があり、更にカードゲームで「試作型リック・ドム(エギーユ・デラーズ専用機)」が設定されたことから、現在では両者は別物という見方がされている。なお、試作の経緯や機体性能など、形式そのものについての詳細は不明だったが、『機動戦士ガンダム0083カードビルダー』においてカード化され、ある程度の性能が分かるようになった。その見た目はリック・ドムであるがどちらかと言うとドム・トローペンに近く胸部の拡散ビーム砲も搭載されていない。
漫画版『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』にも同形状の機体が登場していて、ガンダムウォーにおいてリック・ドムとしてカード化されている。
[編集] リック・ドム シュトゥッツアー
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。(型式番号:MS-09R)ジオン残党軍に所属する機体で、ガブリエル・ゾラが搭乗する。固定武装が大幅に増強され機体正面に「ウインチユニット」、肩部にミサイルポッドと機雷投下ユニットを装備する。
[編集] リック・ドム ビームバズーカ試験型
元は小説版『機動戦士ガンダム』でシャア・アズナブルが搭乗した機体で、ガンプラの「マスターグレード リック・ドム」発売を機に設定された。MS-09Rではビームバズーカの運用に問題があったため、ジェネレーターを強化するなど改装が行われた。(型式番号:MS-09RS)
ゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』では、ソロモン戦においてアナベル・ガトーが青と緑に塗装された当機に搭乗していたとされる。
OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』では、当機がア・バオアー・クー戦で実戦投入されている。カラーリングは通常カラーと同様だが、ビームバズーカはMGの説明書を元に新規にデザインされている。
[編集] リック・ドムII
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』および『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。デザイナーは出渕裕。
| リック・ドムII(ツヴァイ) | |
|---|---|
| 型式番号 | MS-09R-2(MS-09RII) |
| 所属 | ジオン公国軍 |
| 建造 | ジオニック社 |
| 頭頂高 | 18.6m |
| 本体重量 | 45.6t |
| 全備重量 | 79.9t |
| 出力 | 1,219kW |
| 推力 | 21,000kg×5 2,500kg×2 合計110,000kg |
| センサー 有効半径 |
5,400m |
| 装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
| 武装 | 360mmロケット・バズーカ 胸部拡散ビーム砲 ヒート・サーベル シュツルムファウスト |
| 搭乗者 | カリウス・オットー |
統合整備計画によって再設計され、全体的にリック・ドムから性能の向上が図られている。特に稼働時間の問題はゲルググJ(イェーガー)同様に、背部へ2本のプロペラントタンクを装備可能とすることで、ある程度の解決を見た。急遽宇宙用に改修されたリック・ドムと違い、元から空間戦闘用として開発されたため、装甲及びフォルムは空気抵抗を度外視した平面的なものへと変更されている。攻撃面については胸部ビーム砲の出力が上がっており、武器としての信頼性が改善された。また、ドム・トローペンのように追加装備としてシュツルム・ファウストを携行する。一年戦争末期の機体のため生産数は少ないが、宇宙世紀0083年のデラーズ紛争ではドラッツェ、ザクF2型と共にデラーズ・フリートが多数保有していたことが確認されている。後にドライセンの開発母体となった。
『0080』でザクのように緑色に塗られた機体がコロニー内部で登場していたこともあってか、ゲームにおいてはリック・ドムシリーズが地上で使用可能になっていることは珍しくない。特に初期の『スーパーロボット大戦シリーズ』などでは「ドムII」と呼ばれていたほか、ゲーム『機動戦士ガンダム0079カードビルダー』では、前述の緑色のリック・ドムIIを地上用の機体と解釈している。
ヒート・サーベルは『0080』で初登場した当時には装備設定がされておらず、『0083』登場時に、バックパック左側に装備する形で設定が描き足されている。
もともとは他の『0080』登場モビルスーツ同様、旧シリーズの機体のリメイクデザインだった。しかしプラモデル化の際に別の型という設定となり、「統合整備計画」もこれに合わせ模型メーカー側により設定された。
- 劇中での活躍
- 『0080』では、第1・2話に登場。前述の緑色の機体はコロニー用、通常カラーの機体は宇宙用とどちらもジム・コマンド相手に戦った。『0083』では、舞台が宇宙に移ってから多数が登場。多くがMMP-80・90mmマシンガン(後期型)を使用している。なかでもアナベル・ガトーの腹心、カリウスの機体が代表的であり、彼はこの機体単機でガトーを追ってきたジム部隊を撃退している。
[編集] ドム・バインニヒツ
『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』が初出。バインニヒツはドイツ語で足なしの意。(型式番号:MS-09F/Bn)脚部を廃し高機動スラスターと換装することで、宇宙空間ではモビルアーマーに匹敵する機動性を持った。モノアイは頭頂部まで動かすことができる。他の機体のパーツを流用するなど、生産性も考慮されたが、設計段階で終戦を迎えたため、実機は建造されなかった。
[編集] ドム・グロウスバイル
『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』が初出。グロウスバイルはドイツ語で大ナタの意。(型式番号:MS-09F/Gb)格闘戦に特化した機体でモビルスーツ本体に匹敵するほど巨大なスラスター付きヒートサーベルと小型のヒートナイフのみを装備し、射撃武器は一切搭載していない。ドム・バインニヒツとのセット運用が計画されていたが、設計段階で終戦を迎えたため、実機は建造されなかった。
[編集] ドワス
プラモデル「フルカラーモデル リック・ドム」の組立説明書の挿絵に描かれた、リック・ドムの最終生産型(型式番号:MS-09S)。リアスカートの上面にスラスターが増設され、後にMSA-099リック・ディアスの開発母体となったとされる。
雑誌「MJ(模型情報)」で連載されたメカニックデザイン企画『F.M.S』では、ドワス・デザートという同名の系列機が登場している。
[編集] RFドム
「ドム#RFドム」を参照
[編集] シュネー・ヴァイス
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場する架空の兵器。アクシズの試作型ニュータイプ専用モビルスーツである(型式番号:MS-09R4またはMS-09RN)。
本機は旧ジオン軍のモビルアーマー (MA) エルメスで実用化されたビットをモビルスーツ (MS) で運用すべく、リック・ドムをベースに大幅に改修した機体である。そもそもMAという大きな機体に搭載されていたサイコミュシステムをMSへと搭載しようとしたため、背部に接続されたサイコミュ・コントロール・ユニットだけでもMSに匹敵する巨大なものとなってしまった。それでもエルメスの1/3の大きさに小型化されてはいる。
ビットは機体には搭載されず、ビット・キャリアーと呼ばれる装置を母艦から射出し運用する。このビット・キャリアーもまたMS大程の巨大なもので、MS側からの指令により内部に搭載された8基のビットを射出し、オールレンジ攻撃を行う。サイコミュ・コントロール・ユニット装着時は固定武装を持たないが、バックパックを換装することでヒートサーベルの使用が可能である。
脚部は宇宙戦に特化した形状となっており、バックパックにもスラスターを有してはいるが、重いサイコミュ・コントロール・ユニットによりMSとしての運動性は従来のものを下回る。そのため、非常時(ビット使用不可等の状況)ではバックパック及びショルダーブロックを切り離すこともできる。加えて、姿勢制御スラスターの出力を向上させる(従来より120%向上)など運動性能の改善が図られたものの十分でなく、MSにサイコミュを搭載する本来の目的を達成できずにいた。このことがビットシステムの根本的な見直しであるファンネルの開発に繋がっていったとも考えられる。
なお、本機のテストパイロットは後のアクシズの実質的指導者ハマーン・カーンが務めていた。シュネー・ヴァイス(Schnee Weiss)とは、ドイツ語で「白い雪」(白雪)のこと。
- 劇中での活躍
- 作品上ではバックパックを外した状況でジム・コマンド(アムロ・レイの射撃回避運動がプログラム化されインプットされていた改造型)との戦闘シーンがある。この際はスクランブル発進により武装はヒートサーベルだけであり、その性能を十分に発揮できる状況ではなかった。結果的に辛くも勝利は収めたものの直後の2機のジムとの戦闘においては数的不利もありハマーンは捕虜となってしまう。宇宙世紀0083年7月にアクシズ内で勃発した強硬派によるクーデター騒動においても、ハマーン機として投入されたが、強硬派の擁する後継機トゥッシェ・シュヴァルツとの交戦時には性能差は否めず、中破している。
[編集] トゥッシェ・シュヴァルツ
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場する架空の兵器。アクシズの試作型ニュータイプ専用モビルスーツである(型式番号:MS-09RN-2)。
本機はシュネー・ヴァイスの後継機であり、その白い外装とは対照的に黒く塗装されている。サイコミュ・コントロール・ユニットはその大きさと過重性に問題があったが、サイコミュ・システムの運用方法を見直し再構築することで小型化に成功。ビット・キャリアーを介することなくMSへの内装を実現している。また、ビットはより小型化したショートビットに変更したため、搭載数は12基に増加している。しかし、当の再構築したサイコミュ・システムが完成されておらず、ビットコントロールの困難さや薬物投与によるシステムへの適応など、かえって搭乗者に高い負荷を与える結果となった。
本機の運用実験から得られたデータを元にキュベレイの開発に繋がったとされている。
- 劇中での活躍
- アクシズでの挙兵に備え、強硬派のエンツォ大佐によって極秘に開発され、宇宙世紀0083年7月に勃発した強硬派によるクーデター騒動において主力機と運用された。テストパイロットのレベッカ・ファニング少尉が搭乗するが、戦闘中にサイコミュ・システムからの高い負荷により心身が崩壊したため、代りにヤヨイ・イカルガ伍長が搭乗。ハマーンの駆るシュネー・ヴァイスも圧倒するが、リカルドの説得の隙を突いたハマーンによって撃破された。
[編集] 関連項目
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最終更新 2009年11月16日 (月) 10:45 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【リック・ドム】変更履歴


