レターボックス (映像技術)

レターボックス (映像技術)の最新ニュースをまとめて検索!

レターボックス(Letter box)とは映像メディアの表示画面において、他の画面サイズ規格との表示互換性をとるために本来の撮影された映像部分の上限部に黒帯を追加した状態のものを呼ぶ。略号でLBとして表示される場合も多い。

名称の由来は画面中における映像としての有効部分が書簡(letter)を折りたたんだ形状、あるいは封書(sealed letter)[1]の一般的な形状に似ていることによる(詳細については後述を参照の事)。

なお動画映像としては無効な余白(通常は黒帯)そのものや反対に有効な部分のみを指してレターボックスと呼んでいる例を時々見受けるがこれは誤りで、あくまで余白と動画部分の双方を合わせた画面全体の形状を示す言葉である。

目次

[編集] 概要

映像メディアにおいては、その技術の発展の経緯の中で基準とされる画面サイズが幾つか提唱・策定されてきた。現在においては概ねスタンダード・ビスタ・シネマスコープ(シネスコ)の3方式サイズに集約されて定義されていて、それぞれ画面サイズアスペクト比が異なる。テレビ放送の番組や映画作品、DVDソフト、ビデオソフトなどの製作・表示画面サイズや映像表示機器の規格もこれらが基準になっていて対応関係はスタンダードサイズが4:3画面サイズにビスタサイズが16:9画面サイズ相当にそれぞれ対応している。従ってある作品を画面サイズの異なった映像表示機器で表示する必要もあり、そのための工夫としての互換表示規格が幾つか生まれた。その一つがレターボックスと呼ばれる表示形態になる(関連が強い規格にピラーボックススクイーズがある。詳細については当該関連項目を参照の事)。

一般的には画面サイズ比率(アスペクト比)が16:9のものを4:3のものへ収めたものをレターボックスという場合が多いが、16:9よりもさらに横の比率が大きいシネマコープサイズものを16:9サイズに収めたものもレターボックスにあたる。

映像部分以外に黒枠が付く場合は、

     
 
 
  • ビスタサイズやシネスコサイズの撮影映像をスタンダードサイズ向けに表示した時に上下に黒枠が付いた状態のもの。 ⇒ ケース1


     
  • スタンダードサイズの映像をそれ以外のサイズ(主にビスタサイズ)向けに表示したときに左右に黒枠が付いたもの ⇒ ケース2


の以上2通りが基本形となるがレターボックスと呼ばれるのは前者のみ。後者についてはあまり広く認知されていないが、専門用語ではピラーボックスと呼ばれる[2]

また両ケースのそれぞれの場合で、映像ソース作成時にサイズ調整の為に黒い部分を付ける場合と画面サイズ情報が異なる映像信号を受信した場合に機器側が自動的に付ける場合がある。そのため両ケースが複合された状態が発生し、上下左右に黒枠が付いて額縁状態になる場合もある(多くの場合、映像ソースの提供側の事情による)。これらは専門用語では正しくはウィンドウボックスと呼ばれるが日本では一般的には額縁放送、額縁画面などと呼ばれることが多い。

 
 
 
 
 
  • 前述ケース1を画面比16:9のワイドサイズ画面で見た場合


 
 
     
 
 
  • 前述ケース2を画面比4:3のノーマルサイズ画面で見た場合


[編集] 名称の由来について

この種の語はここで説明しているレターボックスと同様に映像画面の形状タイプを表す語であるピラーボックスやウィンドウボックスと同様に既存の「○○ボックス」という語を当てはめたものではなく映像画面の形状を示す語として「○○」+「ボックス」を組み合わせた語を新たに創造したもの、つまり「レター(letter)状のものが表示されている画面」という意味を表している[3]

[編集] レターボックスの実例

テレビ番組
ハイビジョン映像のダウンコンバート映画作品などの4:3より横長の画面向けに制作された映像ソースをアナログ放送するために4:3画面サイズ用に変換する際の手段の一つとしてレターボックス形式を用いる
デジタル放送では、映像ソースがレターボックスの形になっているものには放送信号のアスペクト比とは別の付加情報としてレターボックスを示す識別情報が付いているものもある。ワイドテレビ向けに設定されたチューナやデジタル放送チューナを内蔵した16:9の画面を持つテレビは映像信号を縦を1.3倍に拡大し、はみ出た部分を捨てる処理を行った上で16:9の映像として表示する。
なお、レターボックス形式の映像をズーム表示した場合はズーム後の映像の解像度は元の映像より低下することになる。本来は識別情報を受けて映像を拡大しサイズ変換に伴って失われた解像度を補完することで高精細度映像放送を実現するワイドクリアビジョンを前提にした仕組みだが、現行の地上デジタル放送の導入に伴い現在ではワイドクリアビジョンのフル機能に対応したテレビは販売されていない。
2011年7月24日までに放送を終了する予定の地上波アナログ放送では、2009年7月から一部の番組をレターボックス放送に変更する予定である。対象番組は順次拡大する予定で、2010年7月からは全番組をレターボックス放送に変更する予定となっている。
VHSソフト
映画作品は大概スタンダードサイズのテレビより横長のため、上下に黒帯を付加して本来のアスペクト比を維持する。
DVDソフト
映画作品を収録したDVDビデオソフトの大半は、【LB】か【16:9 LB】の表示が付いている。DVDビデオは本来の映像がスタンダードサイズ、ワイドサイズを問わず全てがスタンダードサイズの解像度(NTSC下では720×480)で記録されており再生時の画面アスペクト比の情報が別に保持されている。従って、ワイドサイズの映像をスタンダードサイズテレビに映し出すときは垂直解像度が360本で上下に黒帯が付加された映像(=レターボックス)が表示される[4]
【LB】:ビスタサイズ(16:9)などスタンダードサイズ(4:3)よりも横長の映像に上下に黒帯を付加してスタンダードサイズに合わせた画面アスペクト比で記録されている[5]
【16:9 LB】:スコープサイズ(2:1以上)のような通常のワイドサイズ(16:9)に比べ横が広い画像に対して上下に黒帯を付加し、スタンダードサイズに合わせた画面アスペクト比で記録されている。ビスタサイズ映像の【LB】記録の場合よりさらに幅広の黒帯が付加されている。

[編集] 脚注

  1. ^ 封書(sealed letter)と封筒(envelope)は別物である事に注意すること。
  2. ^ ピラーボックスのことを英語文ではしばしば「Reversed letterbox(逆レターボックス)」という表現をしている場合もあるが、あまり一般的ではない。
  3. ^ 映像画面の形状を表すレターボックスの名称の由来として「封筒はレターボックスとは呼ばない。「Letter box(レターボックス)」とは英国で言うところの家庭にある郵便受け、米国で言うところの街角にある郵便箱のことをさし一般的にこれらを横から眺めると横長長方形の形状をしていることから、それが由来である」という説も見受けられる。これについては「封筒をレターボックスとは呼ばない」のは事実であるが「この類の一連の語(レターボックス、ピラーボックスウィンドウボックス)は、既存の単語(固有名詞)をそのまま流用したものではない」という前提がありこの説は後付の推論的な誤解釈が流布したもの。
  4. ^ レターボックスで記録されたDVDにおいては機器による再生時の変換で垂直解像度が縮小されて黒帯が付加される(つまり、再生時にレターボックス化される)わけではなく、予めレターボックス化された映像が記録されている。再生時に機器による変換が行われるケースは、スクイーズ方式で記録された場合となる。
  5. ^ スコープサイズ(2:1以上)をスクイーズを併用した記録を行った場合は、【16:9 LB】ではなく【LB】表記となる。その場合、【16:9 LB】記録より追加する黒帯部分は小さくなる。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年10月18日 (日) 04:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【レターボックス (映像技術)】変更履歴

ご利用上の注意