レディーファースト
レディーファーストの最新ニュースをまとめて検索!
レディーファースト(英: ladies first)は、日本において言及される、ドアを通る時、椅子に座る時などに、淑女あるいは貴婦人を尊重して優先する英語圏のマナーや習慣。「レディファースト」とも表記される。
目次 |
[編集] 概要
欧米では紳士が淑女を優先して丁重に扱う文化がある。日本においては、1930年の桃井鶴夫 『アルス新語辞典』にこの語が見える。現在の欧米においては、「女性が部屋に入ってきたら男性は立つ」などの行為は古い世代のものになりつつある。ただし、大統領などの欧米でも特に身分の高い場合などでは紳士が従う習慣として、レディーファーストは今も存続する。
紳士が連れの淑女をエスコートする際のマナーとしてのレディーファーストは、下記のとおりである。ただし型どおりであればよいということではなく、状況により臨機応変に動くことが必要とされている。
- 道路を男女で連れ立って歩く際は車道側を男性が歩き、女性を事故や引ったくりから守る。
- エレベーターでは扉を押さえて女性を先に乗せる。降りる際も扉が閉まらないように気をつけて女性を先に通す。
- ドアは男性が開け、後に続く女性が通りきるまで手で押さえて待つ。
- 高級レストランで案内が付くときは、女性を先に通して男性が後ろを歩く。ただし、案内などが付かないレストランでは男性が先に立って席を探す。
- ロングドレスの女性は座ってから椅子を引きにくいことがあるので、座りやすいよう男性が椅子を引き、女性が座りやすいように椅子を戻す。
- レジでの勘定は、どちらの負担であるかにかかわりなく男性が行う。ただし女性から招待を受けている場合は別である。
- 車などの乗降の際において、特に女性がロングドレスにハイヒールという装いならば、運転する男性が助手席に回ってドアを開閉する。
また、ホテルなどにおけるドアマンなどによるレディーファーストは、下記のとおりである。
- 車を降りる際に手をさしのべて女性をサポートする。
- 船のクルーズでの乗降の際に手を差し出す。
- 女性が座る際、ウエイターが椅子を引いて座るまでサポートする。この場合、連れの男性は女性がきちんと座るまで着席を控える。
[編集] 西欧のカップル文化
現在の西欧、とくにアメリカ合衆国では大統領などの社会的地位のある男性は妻と仲睦まじい関係にあらねばならぬとされるカップル文化の傾向が強いこともあって、「淑女は常にステディな関係にある紳士のエスコートを受けるべきもの」という常識がある。その結果、同性同士での外での行動があまり歓迎されず、男性も「自分が守るべき女性を常に確保していなければならない」という伝統的な欧米文化の規範の象徴ともなっている。 もっとも、同性同士での外での行動があまり歓迎されないというのは過去の話であり、日本でしばし誤解されているような「欧米では女性同士で一緒に行動していると同性愛者とみなされる」ということはまずない。 実際に、アメリカをはじめとして現代の欧米のドラマや映画では、女性同士が親友として一緒に行動するシーンは当たり前のこととして存在している。また、女性同士の友情をテーマにした作品もある。
[編集] 起源
女性の機嫌を取ることが男性の風俗としてはじまったのは、ローマ帝国時代とされるが、これは恋愛術、または口説きの手法としてのものであり、これはレディーファーストとは直接の関係がない[1]。
レディーファーストの起源は、騎士階級のひとびとの道徳規範であった騎士道に求められる。騎士階級は富農身分や貴族身分の中からおこり、12世紀頃に独立した階級となり、世襲化した[2]。長男はともかく、次男、三男は父の家督を継げる可能性はなかったので、戦功を挙げて主君に仕え、自分の城を手に入れようとする者も多かった。裕福な未亡人がいれば近づいて後釜に座ることもあった。また、若い騎士が主君の妻に恋愛感情をいだくこともあったし、主君もそれを家臣の引き止めのために利用しようとした。このように、実利的な動機によるとはいえ、貴婦人に対して奉仕するという騎士道の理念が成立した[3]。
一方、動機を5世紀頃からはじまる聖母への崇敬に求める意見もある。この影響で、中世にはいると、少なくとも貴族の女性を崇高なものとして扱おうという傾向へ転じ、これを詩人や騎士が担ったとする。騎士道は11世紀のフランスに起こり、その精神と共に新たな生活風習がヨーロッパ各国に広まった。最盛期は1250年から1350年頃までとされる[4][要検証]。広く読まれた作法書としては、13世紀にカタロニアの言語で書かれ、英語、フランス語にも翻訳されたレーモン・ルル著『騎士の礼儀の書』があり、騎士の責任として、教会を守ることに次いで女性と孤児を助けることが挙げられている[5]。
[編集] 批判
レディーファーストを男性差別であると主張する者もいる。犯罪における人質の解放や、災害時の人命救助に優先順位を設けることは、男性の生命の軽視だとして批判されている[6]。
レディーファーストの文化に女性に対する差別が隠されてしまっていると指摘する専門家も多い。[要出典] フランスでは3日に1人[7]。ドイツでは4日に3人、イギリスでは、3日に1人の女性が男性からの女性に対するDVで亡くなっている[8]。アメリカは1日に11人の女性がDVで亡くなっている[9]。レディーファーストの文化のない日本よりも女性に対する暴力が深刻であり、アメリカの強姦発生率は10万人当たり32.05件で日本の15倍以上(ただしアメリカなどは男性の被害者も一部含まれる)。カナダは 78.08件で日本の40倍以上、オーストラリアは81.41件で日本の45倍以上、ノルウェーは12.36件で日本の7倍近く、スペインは14.34件で日本の8倍以上である。日本は10万人当たり1.78件[10]。またレディーファーストそのものが女性蔑視と捉える者もいる。「女性が何も出来ないから男がしてあげる」という考えだと指摘する専門家もいる。[要出典]
[編集] 注
- ^ 春山行夫『エチケットの文化史』平凡社 1988. pp.91-94.
- ^ 阿部、参考文献。pp.101-103。
- ^ 阿部、参考文献。pp.111-116。
- ^ 春山、前掲書、pp.103-105.
- ^ 春山、前掲書、pp.108-109.
- ^ 『まれに見るバカ女との闘い』 宝島社、2005年。竹中英人 『男は虐げられている』 郁朋社、1999年。
- ^ フランスのボートラン社会結束・男女平等担当相2006年
- ^ 「アンリオン報告書」フランス保健省2001年
- ^ (Bennett & Williams 1998)
- ^ (犯罪率統計-国連調査、2000年)
[編集] 参考文献
- 春山行夫 『エチケットの文化史』 平凡社〈春山行夫の博物誌 II〉、1988年5月。ISBN 4-582-51213-5。
- ジェームズ・M・バーダマン、倫子・バーダマン 『アメリカ日常生活のマナーQ&A』 講談社インターナショナル〈Bilingual books 13〉、1997年1月。ISBN 4-7700-2128-3。
- 阿部謹也 「甦える中世ヨーロッパ」『阿部謹也著作集』第五巻、筑摩書房、2000年3月(原著1987年7月)。ISBN 4-480-75155-6。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月25日 (水) 02:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【レディーファースト】変更履歴


