レース鳩0777

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レース鳩0777』(レースばと アラシ)』は飯森広一漫画作品。

目次

[編集] 概要

飯森広一の代表作のひとつ。レース鳩(いわゆる伝書鳩)達の速さを競う鳩レースという競技を取り上げた作品で、1978年から1981年にかけて『週刊少年チャンピオン』で連載された。飼い主である愛鳩家たちとレース鳩との深い絆、鎬を削るライバルたちとの友情を、見事に描ききった名作である。その輝きは現在も色あせることが無い。また競技としての解説も非常に本格的であり、レースだけでなく愛鳩家たちが経験する日常における様々な悩みや問題などがたいへん分かりやすく描かれている。

[編集] あらすじ


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


ある日、物語の主人公である森山次郎は空から落ちてきた一羽の鳩を拾う。「0666」という文字が刻まれた足輪をつけたそれはただの鳩ではなく、黒田官兵衛の飼っている名鳩グレート・ピジョン号であった。ジフテリアにかかり弱っていたグレートを次郎は必死に介抱し、その結果グレートは一命をとりとめる。黒田はそのお礼に次郎にグレートの子供のうち片方を授け、次郎は相棒の「0777」の足輪をつけたアラシ号と共に鳩レースに参加し、様々な出来事や出会いを通してひとりの鳩レーサーとして心身共に成長していく。これはレース鳩を愛する人々と、大空を羽ばたく鳩たちとの友情の物語である。

[編集] 登場人物

[編集] 山南連合会

森山次郎(もりやま じろう)
本作の主人公にしてアラシ号の飼い主。偶然拾ったグレート・ピジョン号を介抱した事から鳩レースの世界に出会い、数々のレースと経験を経て鳩レーサーとして成長していく。基本的に明るく、優しい性格の持ち主。鳩レーサーとしては完全に初心者で、何度も失敗を経験するが、一生懸命に頑張っている。
アラシ号
78-0777・B(灰色)・オス。黒田鳩舎作出・森山鳩舎使翔。
本作のもう一人の主人公。アラシという名前の由来は足輪の「0777」がおいちょかぶで、同じ数字が三つ揃うヤクのアラシである事から。名鳩グレート・ピジョン号の息子であり、その潜在能力は計り知れない。次郎と共にいくつものライバルとの対決を経て成長していく。
黒田官兵衛(くろだ かんべえ)
レース鳩界の権威である白髪の老人。名鳩グレートを育て上げた本人であり、その姿からは威厳が漂う。戦時中に同僚の山本勘助と共に帝国陸軍伝書鳩の飼育員を勤め、「鳩の飼育は黒田と山本でなければだめだ」とまで言われ、軍から表彰されている。グレートを救った次郎に感謝しアラシを授け、以後も色々な所で彼に助言をする。
グレート・ピジョン号
75-0666・B(灰色)・オス。黒田鳩舎作翔。
国内は基より、海外でも優勝経験のある伝説のレース鳩。その力強い羽ばたきは、他の鳩達を奮い立たせる。アラシやマグナムの実の父親でもある。
マグナム号
78-0976・B(灰色)・オス。黒田鳩舎作翔。
アラシの兄にあたる、グレート・ピジョンの遺伝子を受け継いだレース鳩。額に星型の傷を持つ。幼い頃の経験のせいで、あらゆるものを憎んでいる。
山南敬介(やまなみ けいすけ)
次郎達のクラブの顧問であり、また、連合会の会長でもある。非常に温厚な人柄であり、時に優しく、時に厳しく次郎達を見守っている。責任感が非常に強く、放鳩車の火災事故の時には、自分の鳩が亡くなった悲しみをこらえ、他の会員達に必死で謝罪して回り、尚且つ責任を取って会長を辞任しようとした。次郎達の質問に何度もアドバイスを送り、次郎達が道を踏み外しそうになった時にも本気で叱ってくれる、次郎達にとっては尊敬する先輩であり、立派な指導者でもある。
大関正宗(おおぜき まさむね)
次郎の同級生で伝書鳩界の権威、山本勘助の孫。非常にひねくれた性格で、初期は次郎が持ってきたグレートを盗もうとしたり、アラシを自分のものにしようとしたりと卑怯の限りを尽くしていた。その後アラシを懸命に育てる次郎の姿に触発され、自身もビャクヤと共に闘う様になる。物語の後半になっても、その性格は相変わらずだが、愛鳩ビャクヤへの想いは他の鳩レーサー達に引けを取らない。どこか憎みきれない性格の持ち主。
ビャクヤ号
//-0180・/・オス。黒田鳩舎作出・大関鳩舎使翔。
山本勘助の『孫の為にアラシに勝てる鳩が欲しい』という要望に応えた黒田官兵衛から正宗に渡ったレース鳩。夜目が抜群に利く事が最大の特徴であり武器。非常に好戦的な性格であり、目の敵にしているアラシにはしょっちゅうちょっかいを出す。顔に腫れ物が出来る鳩痘という難病を患い、その時に出来た痕によって醜い顔になってしまうが、ビャクヤ号自身や正宗はあまり気にしていない。
君原早人(きみはら はやと)
次郎のライバルにして親友の一人。俊足で陸上選手のホープとして期待されていたが、交通事故に遭い左足を負傷、二度と走る事の出来ない身体になってしまう。絶望の中、大空を飛ぶ鳩の姿に惹かれ、レース鳩の世界に入っていく。足の怪我の為松葉杖を突いているが、完治する見込みはあり、イナズマをもっと沢山飛ばしてやる為に日々必死でリハビリに励んでいる。
イナズマ号
76-1720・BL(黒)・オス。君原鳩舎作翔。
その名の通り稲妻の如く凄まじい飛翔力を持ち、その羽ばたきは放鳩時に周囲の鳩を叩き落とす力を持つ。非常に高い能力を持つが、夜目がほとんど効かないという弱点を持っており、そのせいでトップ戦線から外れてしまう事が多い。
睦月一(むつき はじめ)
次郎のライバルにして親友の一人。ルックスはいわゆる「メガネ君」。シートン動物記の伝書鳩の物語に興味を持ち、レース鳩を飼う事となった。教育ママである母親の影響で、幼い頃から勉強一筋で育ち、一番になる事を誇りとしている。母親からは勉強だけではなく、鳩レースでもトップになる様に言われている。トップを一番にする為に様々な知識を学び、実践する。トップを心から愛しており、彼の為に如何なる努力も惜しまない。作中で最も熱い情熱を持っており、愛鳩家としてのあるべき姿を体現している登場人物である。次郎の初心者っぷりには呆れていて、その努力は認めつつも彼の間違いにツッコむシーンが結構ある。山南敬介が家庭教師をしていた事がある。
トップ号
77-0001・BP(羽色)・オス。睦月鳩舎作翔。
凄まじいスピードを持つレース鳩で、短距離レース向きのいわゆる「硬い筋肉」の持ち主で、短距離レースでは絶対の強さを誇る。反面、長距離レースでは、そのスピードは極端に落ちるという弱点を持つ。
山下佐清(やました すけきよ)
次郎のライバルにして親友の一人。老舗の呉服問屋の跡取息子で、おかっぱ頭におたふくの様な顔、そして年中着物姿という突飛な姿をしている。非常に穏やかな性格で、語尾に「~だな」を付けるのが特徴。放浪癖の持ち主で、絵を描きにふらりと旅に出て、しばらく帰ってこないという事を繰り返している。モデルは画家の山下清であるといわれている。
オフクロ号
76-0296・W(白)・メス。山下鳩舎作翔。
本作では珍しいメスのレース鳩で、白色の非常に美しい姿をしている。ずば抜けた方向感覚と優れた記憶力を持つ。佐清が放浪先で絵を描く時、いつもそこで彼女を放っている為、様々な独自のルートを記憶している。

[編集] サブキャラクター

山本勘助(やまもと かんすけ)
黒田官兵衛の旧友であり大関正宗の祖父。移動鳩という極めて優れた伝書鳩を飼育していた。次郎にいろいろなアドバイスをしてくれる。
山崎さん(やまざき)
黒田官兵衛の鳩舎の世話係。500羽もの鳩を一人で世話していたすごい人。グレートが病気にかかった事でクビになりかかるが、次郎のおかげで免れ、助手まで付けてもらえた。

[編集] その他の地区の連合会

明智光夫(あけち みつお)
マックス号
//-9999・/・オス。明智鳩舎作翔。
アメリカ生まれのペパーマン系の黒色の鳩で、と間違われるほどの巨大な身体をもつ。その巨躯で悠々と空を飛ぶ様は、圧倒的な迫力を漂わせる。天敵といわれる猛禽類の攻撃にも全く動じない。カラスの群れに突っ込んでいってカラスたちを叩き落としたため、その事実によりアラシは一時ショックを受けてしまったほどである。知力、体力ともに申し分無く、アラシの最大のライバルのうちの一羽。
松平晴嗣(まつだいら はるつぐ)
実家は豆腐屋。
デリンジャー号
//-1865・/・/。松平鳩舎作翔。
小型拳銃のデリンジャーから名付けられた。マックス号とは対照的にかなり小柄な体躯だが非常に荒っぽい性格をしており、放鳩される前に他の鳩をけんかで殺してしまうこともある。
ジャック・ダニエル
ナパーム号
//-7806・/・オス。ジャック・ダニエル鳩舎作翔。
逆風に強く、波乗りの要領で向かい風に乗って上昇する特技を持つ。反面、湿気が他の鳩に比べて非常に苦手。
淀君子(よど きみこ)
クレナイ号
//-9071・/・/。黒田鳩舎作出・淀鳩舎使翔。
艶やかな紅い羽を持つ、メスのレース鳩。黒田官兵衛の『かつてない美しい容貌のレース鳩を創りたい』と言う願望から生み出された。本来レース鳩とは無縁の鑑賞鳩の血が入っているため、長距離を苦手としている。

[編集] 専門用語

日本レース鳩協会
本作中で鳩レースを開催している架空の団体。レース鳩の登録などをここで行う。ちなみに現実では、このような事を行う機関は「日本鳩レース協会」「日本伝書鳩協会」である。
足輪
レース鳩の右足につけるアルミ製のリング。ひとつひとつに「NIPPON yy-nnnn」と、誕生年の西暦下2桁と4桁の連番が彫られており、これがその鳩の登録番号となる。レース鳩がレースに参加する為の必需品で、レース鳩を登録する際に必ず着けておかなければならないものである。ちなみに前記の表記方法も、現実のそれとは異なる。
ピジョン・タイマー
鳩レースの測定専用の測定器。化粧箱のような形をした大型の時計で、不正防止のため様々な機能と規制がなされている。
放鳩(ほうきゅう)
スタート地点からレース鳩たちを放すこと。いわゆるスタート。長距離レースではトラックの荷台部分が大きく開く放鳩車を使う場合が多い。
鳩舎(きゅうしゃ)
鳩たちを飼っておく鳩専用の家のこと。視界の開けたところに作らなければならず、たいていは家の二階のベランダなどに作られている。
作翔・作出・使翔(さくしょう・さくしゅつ・ししょう)
レース鳩の産まれ・育ちの鳩舎を表すために使われる用語。自分の鳩舎で産まれたを育てて飛ばすことを作翔という。産まれた雛が何かしらの理由でその鳩舎を離れた場合、産まれた鳩舎を作出、育てて飛ばす鳩舎を使翔で表す。

[編集] レース

100キロレース
200キロレース
300キロレース
福島県相馬市放鳩
500キロレース
青森県野辺地町放鳩
800キロレース
1100キロレース
北海道稚内放鳩

[編集] 単行本

秋田書店より少年チャンピオン・コミックスのレーベルで刊行。

  1. 2005年2月発売 :ISBN 4253035426
  2. 2005年11月発売:ISBN 4253035434
  3. 2006年6月発売 :ISBN 4253035442
  4. 2005年2月発売 :ISBN 4253035450
  5. 2005年2月発売 :ISBN 4253035469
  6. 2005年2月発売 :ISBN 4253035477
  7. 2005年2月発売 :ISBN 4253035485
  8. 2005年2月発売 :ISBN 4253035493
  9. 2005年2月発売 :ISBN 4253035507
  10. 2005年2月発売 :ISBN 4253035515
  11. 2005年2月発売 :ISBN 4253035523
  12. 2005年2月発売 :ISBN 4253035531
  13. 2005年2月発売 :ISBN 425303554X
  14. 2005年2月発売 :ISBN 4253035558

[編集] 外部リンク

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月24日 (火) 14:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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