ワイドボディ機

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ワイドボディ機とは、旅客機のうち、客室1階に通路が2本あるものをいう。これに対して、通路が1本だけの旅客機はナローボディ機と呼ばれる。

目次

[編集] 長所

一般にワイドボディ機では1機で運べる乗客数が増やせるために、航空機そのものと、機上の操縦士や地上のスタッフ、地上の各種設備類なども、乗客1人当たりの数が少なくて済むので、運航経費の削減に寄与する。床下貨物室も広く取れるので貨物輸送での収益増加も見込める。また、空中を飛行する時間に比べて乗降の頻繁な路線では、通路が2本あることは乗降時間の短縮となり収益性の向上効果が大きい[1][2][出典 1][出典 2]

[編集] 短所

2階席を持たないワイドボディ機では、単通路機ではそれほど目立たなかった客室上の無駄な空間が大きくなり、一部は乗務員用の休憩室などへの利用も行われているが、ほとんど空気を運んでいるにすぎない。胴体幅が広がると操縦席からの側方や斜め後方の視界は狭くなり、ボーイング747のように2階に操縦席を備えるか、機体先頭部をやや縦長にするなど工夫が求められる。機首部分にだけ2階席を設けた機体では基本構造を複雑にして空力抵抗と製造コストを増やす。

運用においても、乗客数が相応に多い路線以外では運航しても座席を埋めることはできないため、主要路線以外では採用しにくい。欧州でのハブ・アンド・スポーク式から地方空港間での路線増加のような中小型機主体で細かく空港を結ぶ形態の旅客輸送が今後広がりを見せれば、輸送効率では優れるワイドボディ機が不利になり、航空会社にとっては所有することが足かせとなる可能性もある[出典 2][出典 1]

[編集] セミワイドボディ機

通路が2本ある旅客機でも、機体幅が狭いために横一列に並べられる座席数が少なく、床下の貨物室にもLD-3航空貨物用コンテナを並列に搭載できないボーイング767[3]、特にセミワイドボディ機としてワイドボディ機とは区別される場合がある。

[編集] 各社のワイドボディ機

ボーイング社

ボーイング社では、ボーイング747ボーイング777があり、ボーイングに買収されたマクドネル・ダグラス社では、マクドネル・ダグラスDC-10MD-11がある。海外ではワイドボディ機全般を「ジャンボジェット」と呼ぶことがあるが、本来はボーイング747の愛称である。

エアバス社

エアバス社では、エアバスA300A310A330A340A380らが、ワイドボディ機に該当する。

ロッキード・マーティン社

ロッキード・マーティンでは、ロッキード L-1011 トライスターがある。

ロシア製の機体

イリューシン設計局Il-86Il-96も該当する。

[編集] 脚注

  1. ^ ナローボディでありながら乗客数の多い大型機は、乗降に時間がかかりすぎるため、航空会社に敬遠される傾向がある
  2. ^ 2本の通路が客席に通せることで3席+4席+3席という座席配置 が可能になった。通路側や窓側の席では少なくとも片側には人がいないため心理的圧迫感が軽減されるが、3人掛け席での中央の座席のように両側に他の乗客がいると、一般的にはあまり快適とはならない。これは「ミドルマンの悲劇」と呼ばれ、航空会社はできればミドルマン席を無くしたい。ワイドボディ機が持つ複数の通路によって比較的ミドルマンの席を減らすことができた。ミドルマンの座席幅は少しだけ広くなっている。
  3. ^ ボーイング社ではセミワイドボディ機であるB-767の販売において、2席+3席+2席という座席配置によって「ミドルマンの悲劇」が2席だけとなるとして乗客への快適性向上をアピールした。

[編集] 出典

  1. ^ 久世紳二著、『旅客機の開発史』、日本航空技術協会、2006年9月11日第1版第1刷発行、ISBN 4902151146
  2. ^ 青木謙知 『ボーイングVSエアバス』 2004年9月20日発行、イカロス出版、ISBN 4871495892

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月22日 (日) 07:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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