ポピュリズム
ポピュリズムの最新ニュースをまとめて検索!
ポピュリズム (Populism) は、政治学概念の1つであり、政治過程において有権者の政治的選好が直接的に反映されるべきだとする志向を指す。エリート主義(elitism)に対する対概念である。代表的事象としては、19世紀末~20世紀初頭のアメリカにおける革新主義運動が挙げられる。なお、この学術用語が転じて、マスコミにおいては「衆愚政治」という意味で用いられることもあるが、その場合の「ポピュリズム」の定義は曖昧であり、単に支持率の高い政権を「ポピュリズム」と表現することもある。
目次 |
[編集] 特徴
ポピュリストは、既存の政治エリート外から現れることが多い。選挙戦においては、大衆迎合的なスローガンを掲げ、政党、労組等の既存の組織を利用せず大衆運動の形を採る。ここでは、しばしばマスコミを通じた大がかりな選挙キャンペーンが打たれる。
ひとたび政権に就くと、ポピュリストはいわゆる既得権益への攻撃(民営化、大企業の解体、規制緩和、減税、外国資本の排除、資産家に対する所得税率の上昇、反エリート・官僚キャンペーンなど)を行う。
経済政策に関しては、近年は南米の諸政権の様に財政肥大化を伴う労働者層への政治的・経済的厚遇(平均賃金の上昇、年金政策の強化、医療・福祉の充実など)を行うなど、左派的な側面の強い政策を行うものが代表的なものとして知られる。逆に、ポピュリズム的な既得権益を攻撃するスローガンを掲げつつ新自由主義的な改革を推進することもある。
ポピュリスト政治家は、一般大衆との近さを装うために、従来の政治過程や官僚制度をバイパスした政策(直接民主主義制度に近い手法)を実行する。このため、しばしば国民投票や住民投票が多用される。対外・治安面では強硬な姿勢を取り、ナショナリズムや大衆文化を鼓舞したり、民兵組織を編成する事もある。エリート的な民主主義を否定し、限定的に労働者を労働組合などを介して政治に参加させるなど、いわゆるコーポラティズム的な政治手法、すなわちイタリア型ファシズムと似た側面を持つこともある。
[編集] ラテン・アメリカのポプリスモ
ラテン・アメリカにおけるポピュリズムはポプリスモ(スペイン語:Populismo)として独特の歴史と特徴が挙げられる。
「en:Populism#Latin_America」も参照
- 家父長的(パターナリズム)、カウディージョ的
- 軍人出身(アルゼンチン、ボリビアなど)、もしくは新興実業家出身(ブラジルなど)、学者出身(ペルーなど)
- 支持階層はかつて中産階級階層が主体であったが、近年は先住民や貧困階層により支持されるケースが目立つ。アルゼンチンのペロン政権(主として都市労働者)や、ブラジルのヴァルガス政権(都市中間層主体)、ペルーのベラスコ政権(軍人主体で明確な支持層なし)、ベネズエラのチャベス政権(主として貧困階層)が典型例。
- カトリック教会、大地主などの本来の保守層やアメリカなどを中心とした外国資本は反発。また、逆の立場である共産党もポピュリズムには否定的。
- 極度に左傾化する例もあるが、反対に左翼勢力を徹底して弾圧する例もある。
- 社会正義を掲げるが、体制以外の労働組合や、左翼勢力は弾圧される。
- 国家主義的色彩を帯びており、ナショナリズムの称揚のために外国語教育や外国語新聞の発行禁止などを行う(ブラジルのヴァルガス政権における日系ブラジル人への政策など)。
- 議会制民主主義には消極的(一党独裁制に転換など)、もしくは否定的。非常手段による「協同組合」制議会への改造なども行なう。
- イタリアのムッソリーニ政権に強い影響を受ける。ただしこうした性格は1930年代の権威主義的軍事政権にも共通した性格でもあり(グアテマラのホルヘ・ウビコなど)、第二次世界大戦において中南米諸国は、外交・軍事面では中立を保つか、連合国側についた。
[編集] ポピュリズムの具体例
- ポピュリズム(人民主義):狭義には19世紀末~20世紀初頭のアメリカにおけるアメリカ人民党・民主党指導による大衆運動をいう。指導者はウィリアム・ジェニングス・ブライアンなど。ポピュリズムのエネルギーによって大企業の独占に対する規制(反トラスト法など)や平等や公正を志向する政策が実現された。
- マッカーシズム:1950年代前半の米国において吹き荒れた、いわゆる「赤狩り」。
- アルゼンチン:ペロン政権(ペロニスモ)、より新しいものではラウル・アルフォンシン政権(急進党)、ネストル・キルチネル政権(正義党)
- ブラジル:ヴァルガス政権
- ボリビア:パス・エステンソロ政権
- ベネズエラ:チャベス政権
- ペルー:アラン・ガルシア政権
[編集] ポピュリズムの要素を持つとされる政権・政党
- メキシコ:制度的革命党(ラサロ・カルデナス)
- キューバ:カストロ政権 - ポピュリズム的政権から社会主義体制に移行
- ボリビア:モラレス政権
- ペルー:フジモリ政権
- コロンビア:アルバロ・ウリベ政権
- ベラルーシ:ルカシェンコ政権
- アメリカ合衆国:ビル・クリントン政権、バラク・オバマ政権
- 日本:小泉純一郎政権[要出典]、鳩山由紀夫政権[要出典]
- 韓国:盧武鉉政権
- ロシア:プーチン政権
- タイ:タクシン政権
- イラン:アフマディネジャド政権
[編集] 参考文献
- 渡邉恒雄『ポピュリズム批判』博文館新社。ISBN 9784891779818
- 大嶽秀夫『小泉純一郎 ポピュリズムの研究―その戦略と手法』東洋経済新報社。ISBN 9784492211649
- 大嶽秀夫『日本型ポピュリズム―政治への期待と幻滅』中央公論新社。ISBN 9784121017086
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月19日 (木) 05:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ポピュリズム】変更履歴

