一億総中流
一億総中流の最新ニュースをまとめて検索!
一億総中流(いちおくそうちゅうりゅう)とは、日本の人口約1億人にかけて、日本国民の大多数が自分を中流階級だと考える意識を指す。日本より中流意識が高い国にはスペイン・アメリカ合衆国・カナダなどがある[1]が、いずれも国民の数が約1億人ではないため、「一億総中流」という語は日本の場合にのみ使用される。
目次 |
[編集] 概要
1970年(昭和45年)国勢調査で日本の総人口が1億0372万0060人となり、史上初めて全数調査で1億人を突破した。しかし、7000万人台だった戦中・戦後に「一億総玉砕」や「一億総懺悔」、約9000万人だった1957年(昭和32年)に「一億総白痴化」などという標語や流行語があり、日本国民全員を指す場合に「一億総○○」という言い回しが1億人以下の時代から使われてきた。これは、大日本帝国が、内地7000万人、朝鮮2000万人、台湾500万人等の合計で帝国臣民1億人と見なしたことに由来する。なお、2005年(平成17年)国勢調査による日本の総人口は1億2775万6815人である。また、「一億総中流」という言葉の出現時期は不明である。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」において生活の程度を「中の中」と答えた比率は、朝鮮特需によって経済復興がなされた1950年代からほぼ一貫して上昇を続け、高度経済成長末期の1973年(昭和48年)にピークとなり、1979年(昭和54年)まで高止まりを続けた。一方、「下」と答えた者の割合は、1960年代から2008年(平成20年)に至るすべての年の調査において1割以下であり、近年に中流意識が薄れたという事実はない[2]。すなわち、「一億総中流」という言葉の出現時期はどうあれ、中流意識は高度経済成長の中で1960年代に国民全体に広がり、1970年代初頭までに国民意識としての「一億総中流」が完成され、少なくとも2008年まで続いていると考えられる。
また、1人当たり県民所得のジニ係数における上位5県と下位5県の比を指標にすると、地域間格差は1960年代まで大きかったが、1970年(昭和45年)頃を境に大きく縮小し始め、低成長時代はバブル景気期を除いて2003年(平成15年)まで安定して格差が小さい状態となっている[3][4]。すなわち、実体経済における「一億総中流」は、高度経済成長後の安定成長期に始まったとも見られ、国民意識とのずれが存在する。
「中流」がどの程度の生活レベルなのかの定義もないまま、自分を中流階級だと考える横並びな国民意識が広がったのは、大量生産によって商品の価格が下がったこと、経済成長によって所得が増加したこと、終身雇用による労働者の信用の増大で信用販売が可能になったこと等により、それまで上流階級の者しか持ち得なかった商品が多くの世帯に普及したためと考えられる。一億総中流社会では、マイホームには住宅ローン、自家用車にはオートローン、家庭電化製品には月賦などが普及し、さらに、使用目的を限らないサラリーマン金融も普及して、支払い切る前から物質的な豊かさを国民が享受できる消費社会になった。
バブル崩壊後の失われた10年になると、グローバリゼーションの名の下にアメリカ型の経済システムが日本でも普及した。すなわち、人事面で能力主義や成果主義が導入され、終身雇用が崩壊し、非正規雇用が普及することになり、労働者の長期的な信用は縮小して信用販売のリスクが増大した。このため、一億総中流社会は崩壊してしまったとする意見もあるが、前述のように国民意識としては統計的にまだ「一億総中流」が続いていると見られる。
[編集] 近年の傾向
「一億総中流」という国民意識はあれ、近年、現実には格差が拡大傾向にある。民間企業で働く労働者の平均年収は1997年(平成9年)の467万円をピークに右肩下がりに推移しており、2006年(平成18年)の平均年収は435万円と9年連続で減少した。年収1000万円を突破している世帯は近年増加傾向にあるものの、年収200万円以下の労働者は1991年の710万人を底に増加傾向で、2006年には1023万人、労働者全体の22.8%を占め、1985年以来21年ぶりに1000万人を突破した。[5]。ワーキングプアと呼ばれる、生活保護以下の収入しか得られない労働者も増加し続けているのが現状であり、格差・貧困問題は深刻な状態といえる。これがさらに景気悪化・少子化を加速させている。
当初所得のジニ係数の上昇傾向は長期に続いている。1990年度調査では0.4334であったが、2002年度調査では0.4983に上昇している。当初所得とは、所得税や社会保険料を支払う前の雇用者所得・事業所得などの合計である。また、公的年金などの社会保障給付は含まれない。
再分配所得のジニ係数は、1990年度調査から2002年度調査では、0.3643から0.3812へと0.017程度上昇。再配分所得とは、実際に個人の手元に入る金額であると考えてよく、当初所得から税金等を差し引き、社会保障給付を加えたもの。この数値は、厚生労働省の所得再分配調査による。
年間等価可処分所得は、1984年(昭和59年)0.252、1994年(平成6年)0.265と上昇している。比較のために、他国のジニ係数を掲載しておく。1994年度、アメリカ0.355、オーストラリア0.311、カナダ0.285、ドイツ0.261、スウェーデン0.221など。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年9月14日 (月) 19:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【一億総中流】変更履歴

