不定詞

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不定詞(ふていし)とは、ヨーロッパ言語の動詞の活用形を起源として、他の品詞の働きをする準動詞の一種で、活用せずに主語人称単数、複数などに「限定」されないことから不定詞という。明治、大正期までは、ラテン文法の影響を受け、の一種とみなして不定法と呼ばれることもあったが現在ではほとんど法とはみなしていない。[対語;定形動詞、定動詞]

英語では原形不定詞、to 不定詞を問わず動詞の原形が使われるが、ラテン語やギリシア語のように、主語をとらない不定形が存在する言語もある。ポルトガル語には、不定詞でありながら人称と数によって変化する人称不定詞がある。

目次

[編集] 英語

動詞の原形の前に前置詞 "to" を付けて使用する to 不定詞 と、動詞の原形のみで使用する原形不定詞 (bare infinitive, root infinitive) がある。to 不定詞の用法は以下の3つが挙げられる。一般に不定詞は未来指向であるとされ、動名詞と異なる。(それが顕著になる例:動詞 forget, remember などとの併用)

[編集] 形容詞的用法

不定詞の部分が名詞のあとに来て、その名詞を後ろから修飾するもの。 不定詞が名詞を修飾し形容詞と同じはたらきをすることから形容詞的用法と呼ばれる。

例)I want something to drink. (私は何か飲み物が欲しい)

  My brother has a lot of homework to finish by tomorrow. (私の弟は、明日までに終わらせるべき宿題がたくさんある)

  I want something hot to eat. (私は何か温かい食べ物が欲しい)      *somethingのように-thingで終わる代名詞の場合は、形容詞が代名詞のあとに来るので語順に注意が必要である。

[編集] 副詞的用法

  • おもに動詞形容詞副詞、文全体を修飾する。副詞節の代用のような役割を果たす。
    • I'm glad to play baseball. (野球をして嬉しい;感情的な原因)
    • To score high, you must study hard. (高得点を取る為には、一生懸命勉強しなければならない;目的)
=In order that you may get a high score, ~
=You must study hard with a view to [for the purpose of] getting high a score.
    • He went to the war, never to return.(彼は戦争に行き、帰ってこなかった。;結果)
    • I worked hard, only to fail again.(私は一生懸命働いたが、また失敗しただけだった。;結果)
    • She must be clever to think of that.(そんなことを考えるとは彼女は賢いに違いない。;根拠)
  • 独立不定詞;慣用句として用いられる。
    • to tell the truth「正直に言えば」
    • to be sure「確かに」
c.f. to be sure~, but....「確かに~だが...」
    • to be frank with you (=frankly speaking)「率直に言えば」
    • to speak generally (=generally speaking)「一般的に言えば」
    • not to mention~「~は言うまでもなく」(=it is needless to say that~, it goes without saying that~)
    • needless to say「言うまでもないことだが」
    • to make matters worse「さらに悪いことには」

[編集] 名詞的用法

  • おもに主語目的語補語の役割を果たす。動名詞との使い分けが生ずる。不定詞の名詞的用法を動名詞で換言できるかどうかは、その前にある動詞の性質による。
    • To play (=Playing) baseball is fun.(野球することは楽しい)
    • I want to be a scholar.(私は学者になりたい)
    • My plan is to stay in New York.(ニューヨークに滞在する予定だ)
  • 形式主語、形式目的語のitを伴って後置される。
    • It is important to discuss the problem.(その問題を議論するのは重要だ)
    • I thought it fine to answer in a clear voice.(明瞭な声で答えたのは素晴らしいと思った)
  • 疑問詞+to不定詞で名詞句をつくる。
    • I didn't know what to say.(何を言うべきか分からなかった)
    • Tell me where to go.(どこへ行けばいいのか教えてくれ)

[編集] 原形不定詞の用法

  • 第 5 文型で使役動詞 (make, have, let)、知覚動詞 (see, hear など) の目的格補語に用いられる。(この場合、目的語が原形不定詞の意味上の主語になる。)
    • He made his younger brother drink.(彼は弟に無理に飲ませた。)
cf. He compelled his younger brother to drink.
    • Have her write it for you.(彼女にそれを書いてもらいなさい。)
cf. Get her to write it for you.
    • He made his dog eat pet food.(彼は、自分の飼い犬にペットフードを食べさせた。)
    • I saw the cat cross the road.(私は、その猫がその道路を横切っているのを見た。)


  • 助動詞及び助動詞的な慣用句の後に用いられる。(助動詞が人称を表す。時制は原形不定詞を完了形にする。)
    • He cannot (choose) but laugh. = He cannot help laugh.(彼は、笑うしかなかった。)※choose を挿入するのは古風な表現。cannot help but(+原形不定詞)は誤用である。


  • 仮定法現在で、願望、期待、要求、提案、命令、主張などを表す動詞に続く目的語の名詞節ないし、批評を表す形容詞の主語である名詞節の本文中に用いられる。(原形不定詞の前に助動詞 should が省略されていると考えられる。)
    • I suggested that she bring him at once.(彼女がすぐに彼を連れてくることを勧めた。)
    • It was necessary that he make some effort.(彼にはなんらかの努力が必要だった。)

[編集] ドイツ語

英語の to 不定詞 に相当するzu 不定詞と呼ばれるものがある。zu 不定詞の用法としては、ほとんど英語と同じであり以下の3つが挙げられる。ただし、次の点が英語と異なる。

  1. zu 不定詞句がごく短い場合や、文頭に来る場合を除き、zu 不定詞句とそれ以外の部分をコンマ(,)で区切って区別する。
  2. 複合動詞のうち、前つづりが分離するもの(分離動詞)をzu 不定詞にする場合、前つづりの後ろにzuを付け、1語で表記する。例)vorstellen(紹介する)→vorzustellen
  3. 話法助動詞もzu 不定詞にすることができる。

[編集] 形容詞的用法

zu 不定詞句が名詞のあとに来て、その名詞を後ろから修飾するもの。

例)

Ich will etwas zu trinken.(私は何か飲み物が欲しい。)
Mein Bruder hat viel Hausaufgaben, bis morgen zu enden.(私の弟は、明日までに終わらせるべき宿題がたくさんある。)

[編集] 副詞的用法

  • おもに動詞、形容詞、副詞、文全体を修飾する。英語では「~するために」を表す"in order to"の"in order"は省略可能であったが、対応するドイツ語の表現"um … zu ~"の"um"は省略してはならない。

例)

Ich bin froh, Baseball zu spielen.(野球をして嬉しい。)
Um Hoch zu erzielen musst du schwer lernen.(高得点を取る為には、一生懸命勉強しなければならない。)
  • "ohne … zu ~" 「~することなしに、~しないで」(英語:without + 動名詞

[編集] 名詞的用法

  • おもに主語、目的語、補語の役割を果たす。

例)

Baseball zu spielen ist interessant.(野球することはおもしろい。)
Es ist wichtig, das Problem zu besprechen.(その問題を議論するのは重要だ。)

[編集] スペイン語

[編集] 名詞的用法

  • おもに主語目的語補語の役割を果たす。名詞として、前置詞をとり、動詞として目的語をとることができる。
    • (Yo)Quiero ir al teatro.(動詞の目的語/わたしは、劇場へ行きたい。)
    • Es hora de acostarse.(名詞の補語/寝る時間です。)
  • 使役動詞知覚動詞の目的格補語に用いられる
    • Lo oigo cantar.(彼が歌っているのを聞く。)
    • Vi salir a ella(彼女が出て行くのを見た。)
    • La hace traer el libro.(彼女にその本を持ってこさせた。)
    • Te mando salir.(君には外出するよう言いつける。)
    • Veo un gato pasar la calle.(私は、猫がその道路を横切っているのを見た。)


  • 特定の動詞及び助動詞的な慣用句の後に用いられる。
    • Tengo que estudiar mucho.(私は沢山勉強しなければならない。)

[編集] イタリア語

イタリア語では、不定法と呼ばれ、不定詞現在分詞過去分詞ジェルンディオの4つの形がある。 イタリア語における現在分詞は、形容詞化されたものを除き、使われることがすくない。(interessare→interessante) 英語における分詞構文を形成する時の現在分詞は、イタリア語においては、ジェルンディオがその役割を担っている。

[編集] 日本語

一般に日本語には不定詞は存在しないと考えられている[1]が、ドイツ語版の不定詞の記事では2009年11月現在、「日本語の不定詞」について以下のように解説している。

日本語:常にウ段で終わる
日本語における不定詞は、丁寧で中立的な言葉遣いとなり(例えば、家族というよりはむしろ交友関係)、また書き言葉として使う(新聞、書物)。

[編集] 脚注

  1. ^ 不定詞(2009年11月23日閲覧。)

[編集] 関連項目


最終更新 2009年11月23日 (月) 09:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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