世界三大レース

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三大レース全てを制覇した唯一のドライバー、グラハム・ヒル
三大レース全てを制覇したコンストラクター、マクラーレンの創設者ブルース・マクラーレン。自身もモナコグランプリル・マン24時間レースで優勝した

世界三大レース(せかいさんだいレース、Triple Crown of Motorsport)とは、モナコグランプリ1929年初開催)、インディ5001911年初開催)、ル・マン24時間レース1923年初開催)という3つの自動車レースに対する伝統的な呼称である。

いずれも、モータースポーツの歴史とほぼ等しい長い歴史と高い人気を持ち、モナコGPはF1世界選手権の、インディ500はインディ・レーシング・リーグ(IRL)、1990年代中盤以前はチャンプカー(CART)のそれぞれ看板レースであり、ル・マン24時間レースは数ある耐久レースの中でも最も伝統がありかつ知名度が高いレースである。

日本以外では、単に「(モータースポーツの)三冠」と各言語で呼ばれる。[要出典]

目次

[編集] 主な記録

2006年終了時の主な記録。

[編集] 複数レース勝者

この「世界三大レース」を語る上で最もよく取り上げられるのは、複数のレースを勝利したドライバーについての記録である。これが重んじられるのは、3レースそれぞれが長い歴史を持つということ以外に、この3レースがそれぞれ大きく異なる特徴を持つことによる(下記)。

インディ500
開催地はアメリカ合衆国インディアナポリスインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。楕円形のオーバルコースを使用するため、決勝レース中の平均時速が190マイル(およそ300km/h)近くに達する超高速のレースとなる。
モナコグランプリ
開催地はモナコモンテカルロ市街を用いたモンテカルロ市街地コース。F1においてすら決勝レースの平均時速が150km/hにも満たない低速コースだが、コース幅が狭く、エスケープゾーンも少ないため些細なミスも許されず、ドライバーの技量が大きく問われる難コースとして知られる。
ル・マン24時間レース
開催地はフランスル・マン市のサルト・サーキット。大部分が公道であるとはいえ他の2レースと比べれば一般的なレースサーキット(パーマネントサーキット)に近い。しかしながら、1周の全長がおよそ4kmのインディアナポリス、同3.5km弱のモンテカルロに対し、サルトサーキットは全長13キロメートルを越える超ロングコースであり、加えて24時間かけて戦う耐久レース(時代によって異なるがインディ500の決勝レース時間は3時間前後、モナコGPは1時間40分強)という、他の2レースとは大きく異なる特色を持つ。一般路を使用した直線路「ユーノディエール」は、コース改正される迄は、最長の6kmの長さを誇った。また、Gr.Cカーによる最高速度も405km/hに到達する等の危険性が増した為、直線路の中間2箇所に減速用のシケインが設置された。

[編集] ドライバー

この3レース全てを制覇したドライバーはグラハム・ヒルのみで、他、3レース中2レースを制したドライバーが6名いる。この内、ヒルがモナコで挙げた5勝、A・J・フォイトがインディ500で挙げた4勝は、それぞれのレースで当時の史上最多勝記録となるものであった。

三大レース中の複数のレースにおいて優勝を同年中に達成した例としては、1967年にフォイトがインディ500とル・マンの両方で優勝した例があるのみである。

2007年現在、この7名のドライバーの内、現役のレースドライバーはモントーヤのみである(モントーヤとフォイトを除く5名は故人)。

ドライバー モナコGP優勝 インディ500優勝 ル・マン優勝
イタリアの旗 タツィオ・ヌヴォラーリ 1932年 1933年
フランスの旗 モーリス・トランティニアン 1955年、1958年 1954年
アメリカ合衆国の旗 A・J・フォイト 1961年、1964年、1967年、1977年 1967年
ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン 1962年 1966年
イギリスの旗 グラハム・ヒル 1963年、1964年、1965年、1968年、1969年 1966年 1972年
オーストラリアの旗 ヨッヘン・リント 1970年 1965年
コロンビアの旗 ファン・パブロ・モントーヤ 2003年 2000年

[編集] コンストラクター

この3レース全てを制覇したコンストラクター(車体製造者)は、メルセデス・ベンツマクラーレンのみである(但し、「メルセデス」名義だった「メルセデス・ベンツ」の1915年のインディ500優勝を別とみなす場合はマクラーレンのみということになる)。

コンストラクター モナコGP優勝 インディ500優勝 ル・マン優勝
フランスの旗 プジョー 1913年、1916年、1919年 1992年、1993年
ドイツの旗 メルセデス・ベンツ 1935年、1936年、1937年 1915年[1] 1952年、1989年[2]
フランスの旗 ブガッティ 1929年、1930年、1931年、1933年 1937年、1939年
イタリアの旗 アルファ・ロメオ 1932年、1934年、1950年 1931年、1932年、1933年、1934年
イタリアの旗 マセラティ 1948年、1956年、1957年 1939年、1940年
イタリアの旗 フェラーリ 1955年、1975年、1976年、1979年、1981年、
1997年、1999年、2001年
1949年、1954年、1958年、1960年、1961年、
1962年、1963年、1964年、1965年
イギリスの旗 ロータス[3] 1960年、1961年、1968年、1969年、1970年、
1974年、1987年
1965年
イギリスの旗 マクラーレン 1984年、1985年、1986年、1988年、1989年、
1990年、1991年、1992年、1993年、1998年、
2000年、2002年、2005年、2007年、2008年
1972年、1974年、1976年 1995年
フランスの旗 ルノー 2004年、2006年 1978年[4]

[編集] 最多勝・連勝

モナコGPの最多勝記録はアイルトン・セナ(6勝)が持ち、これに5勝のグラハム・ヒルミハエル・シューマッハ、4勝のアラン・プロストが続き、彼らを含め、2勝以上を挙げたドライバーの数は計11人に上る。連勝記録については、セナが持つ5連勝という記録に対して続くのはグラハム・ヒル(1963年─1965年)、プロスト(1984年─1986年)が持つ3連勝という記録であり、セナの記録がやや突出したものとなっている。

インディ500の最多勝記録は4勝で3人が並び、3勝を挙げたドライバーも6人に及ぶ(現役のドライバーはエリオ・カストロネベスのみ)。2勝以上を挙げたドライバーは16名であり、三大レース中、最多である。連勝記録は少なく、2連勝を達成した5名のみであり、3連勝以上を達成したドライバーは存在しない。

ルマン24時間レースにおける最多勝記録はトム・クリステンセンが持つ8勝であり、クリステンセンが2005年に7勝目を挙げる以前はジャッキー・イクスが1982年に樹立した通算6勝という記録が最多勝記録であった。現在では、これに5勝のデレック・ベルが続き、他、4勝のドライバーは5名を数える。連勝記録としては、クリステンセンが2000年から2005年にかけ達成した6連勝が突出したものとなっており、2番手以下は3連勝で6名が並ぶ。

分類 モナコGP インディ500 ル・マン
ドライバー
最多勝 6 ブラジルの旗 アイルトン・セナ
 1987年、1989年、1990年、1991年、1992年、
 1993年
4 アメリカ合衆国の旗 A・J・フォイト
 1961年、1964年、1967年、1977年
アメリカ合衆国の旗 アル・アンサー
 1970年、1971年、1978年、1987年
アメリカ合衆国の旗 リック・メアーズ
 1979年、1984年、1988年、1991年
8 デンマークの旗 トム・クリステンセン
 1997年、2000年、2001年、2002年、2003年、
 2004年、2005年、2008年
連勝 5 ブラジルの旗 アイルトン・セナ
 1989年─1993年
2 アメリカ合衆国の旗 ウィルバー・ショウ
 1939年─1940年
アメリカ合衆国の旗 モーリ・ローズ
 1947年─1948年
アメリカ合衆国の旗 ビル・ブコビッチ
 1953年─1954年
アメリカ合衆国の旗 アル・アンサー
 1970年─1971年
ブラジルの旗 エリオ・カストロネベス
 2000年─2001年
6 デンマークの旗 トム・クリステンセン
 2000年─2005年
コンストラクター
最多勝 13 イギリスの旗 マクラーレン
 1984年、1985年、1986年、1988年、1989年、
 1990年、1991年、1992年、1993年、1998年、
 2000年、2002年、2005年
7 アメリカ合衆国の旗 ペンスキー
 1979年、1981年、1988年、1989年、1991年、
 1993年、1994年
16 ドイツの旗 ポルシェ
 1970年、1971年、1976年、1977年、1979年、
 1981年、1982年、1983年、1984年、1985年、
 1986年、1987年、1994年、1996年、1997年、
 1998年
連勝 6 イギリスの旗 マクラーレン
 1988年─1993年
5 イギリスの旗 マーチ
 1983年─1987年
7 ドイツの旗 ポルシェ
 1981年─1987年

[編集] 日本勢の活躍

日本人ドライバーで世界三大レースの優勝者となった者としては、1995年のル・マンでマクラーレン F1 GTRを駆って優勝した関谷正徳(チームメイトはヤニック・ダルマスJ・J・レート)、2004年のル・マンでアウディ・R8を駆って優勝した荒聖治(チームメイトはトム・クリステンセン、リナルド・カペッロ)の2名がいる。

日本人ドライバーでモナコGP、インディ500を優勝した者はなく、決勝レースの最高成績はモナコGPが7位(2008年・中嶋一貴)、インディ500が5位(2003年・高木虎之介)となっている。

日本のコンストラクター(車体製造者)としては、マツダマツダスピードマツダ・787B)が1991年にル・マンで収めた優勝が世界三大レースにおける唯一の勝利である。モナコGPにおいては2006年にホンダ・レーシング・F1チームが記録した4位が最高位である(ドライバーはルーベンス・バリチェロ)。インディ500にはコンストラクター(車体製造者)として参戦した例がない。

エンジンコンストラクター(エンジン製造者)としては、インディ500ではトヨタ(2003年)、ホンダ(2004年-)が、モナコGPではホンダと無限(無限ホンダ)が優勝を記録している。特にモナコGPにおいてはホンダがエンジンコンストラクターとしての連勝記録(6連勝:1987年-1992年)を持っている。

「コンストラクター」に該当しないプライベートチームとしては、2004年のル・マンでチーム郷が優勝を達成している(車両はアウディ・R8)。

また、世界三大レースの3つ全てに出走経験がある日本人ドライバーは中野信治のみ。

[編集] 注釈

  1. ^ 1915年当時は「メルセデス」名義。「メルセデス・ベンツ」が誕生するのは1926年のことである。
  2. ^ 1989年について、車体は「ザウバー」が製造した。
  3. ^ モナコGP、インディ500における優勝はいずれもチーム・ロータスによる
  4. ^ 「ルノー・アルピーヌ」としてエントリー。

最終更新 2009年7月12日 (日) 20:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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