中村元 (哲学者)

中村元 (哲学者)の最新ニュースをまとめて検索!

中村 元(なかむら はじめ、1912年大正元年)11月28日 - 1999年平成11年)10月10日)は、インド哲学者仏教学者東京大学名誉教授日本学士院会員。勲一等瑞宝章文化勲章紫綬褒章受章。在家出身。

主たる専門領域であるインド哲学仏教思想にとどまらず、西洋哲学にも幅広い知識をもち思想における東洋西洋の超克(あるいは融合)を目指していた。外国語訳された著書も多数ある。

目次

[編集] 略歴

[編集] その他の活動

日本以外にも、アメリカ・ヨーロッパなど各地で講義し、国際的な仏教学の権威として紹介されている。

NHK『こころの時間』など放送番組にも度々出でいる。

[編集] エピソード

サンスクリット語・パーリ語に精通し、仏典などの解説や翻訳に代表される著作は多数にのぼる。「生きる指針を提示するのも学者の仕事」が持論で、訳書に極力やさしい言葉を使うことでも知られた。その最も端的な例として、 Nirvāṇaニルヴァーナ(サンスクリット語)(=Nibbānaニバ-ナ(パーリ語) )を「涅槃」と訳さず「安らぎ」と訳したことがあげられる。訳注において「ここでいうニルヴァーナは後代の教義学者たちの言うようなうるさいものではなくて、心の安らぎ、心の平和によって得られる楽しい境地というほどの意味であろう。」としている。

中村が20年かけ1人で執筆していた『佛教語大辞典』(東京書籍)が完成間近になったとき、編集者が原稿を紛失してしまった。中村は「怒ったら原稿が見付かるわけでもないでしょう」と怒りもせず、翌日から再び最初から書き直し、8年かけて完結させ、1・2巻別巻で刊行。[1]完成版は4万5000項目の大辞典であり、改訂版である『広説佛教語大辞典』では更に8000項目が追加され没後全4巻が刊行した。校正や索引作成に協力した者がいるとは言え、基本的に1人で執筆した文献としては膨大なものである。

[編集] 著作

翻訳書
  • 『ブッダのことば スッタニパータ』(岩波文庫 のちワイド版、岩波書店
  • 『ブッダの真理のことば 感興のことば』(法句経)(岩波文庫 のちワイド版、岩波書店)
  • 『ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経』(岩波文庫 のちワイド版、岩波書店)
  • 『神々との対話 サンユッタ・ニカーヤ1』(岩波文庫)
  • 『悪魔との対話 サンユッタ・ニカーヤ2』(岩波文庫) 
  • 『仏弟子の告白』(岩波文庫、岩波書店)
  • 『尼僧の告白』(岩波文庫、岩波書店では「仏弟子~」と合本)
  • 般若心経・金剛般若経』(紀野一義との共訳、岩波文庫、のちワイド版)
  • 浄土三部経』上・下 (紀野一義、早島鏡正との共訳、岩波文庫、のちワイド版)
  • ミリンダ王の問い インドとギリシアの対決』全3巻 (早島鏡正との共訳、平凡社東洋文庫
文庫・選書
辞典
  • 『広説佛教語大辞典』(東京書籍2001年
  • 『新・仏教辞典』(監修) (誠信書房 第3版 2006年)
  • 『岩波・仏教辞典』(編集の一人)(岩波書店、1989年、第2版2002年)
『中村元選集』(春秋社、1988年〈第1巻〉~1999年〈別巻4〉)
  • 第1巻 『インド人の思惟方法 東洋人の思惟方法 I
  • 第2巻 『シナ人の思惟方法 東洋人の思惟方法 II
  • 第3巻 『日本人の思惟方法 東洋人の思惟方法 III
  • 第4巻 『チベット人・韓国人の思惟方法 東洋人の思惟方法 IV
  • 第5巻 『インド史 I』
  • 第6巻 『インド史 II』
  • 第7巻 『インド史 III』
  • 第8巻 『ヴェーダの思想』
  • 第9巻 『ウパニシャッドの思想』
  • 第10巻 『思想の自由とジャイナ教』
  • 第11巻 『ゴータマ・ブッダ I 原始仏教 I
  • 第12巻 『ゴータマ・ブッダ II 原始仏教 II
  • 第13巻 『仏弟子の生涯 原始仏教 III
  • 第14巻 『原始仏教の成立 原始仏教 IV
  • 第15巻 『原始仏教の思想 I 原始仏教 V
  • 第16巻 『原始仏教の思想 II 原始仏教 VI
  • 第17巻 『原始仏教の生活倫理 原始仏教 VII
  • 第18巻 『原始仏教の社会思想 原始仏教 VIII
  • 第19巻 『インドと西洋の思想交流』
  • 第20巻 『原始仏教から大乗仏教へ 大乗仏教 I
  • 第21巻 『大乗仏教の思想 大乗仏教 II
  • 第22巻 『空の論理 大乗仏教 III
  • 第23巻 『仏教美術に生きる理想 大乗仏教 IV
  • 第24巻 『ヨーガとサーンキヤの思想 インド六派哲学 I
  • 第25巻 『ニヤーヤとヴァイシェーシカの思想 インド六派哲学 II
  • 第26巻 『ミーマーンサーと文法学の思想 インド六派哲学 III
  • 第27巻 『ヴェーダーンタ思想の展開 インド六派哲学 IV
  • 第28巻 『インドの哲学体系 I 『全哲学綱要』訳註 I
  • 第29巻 『インドの哲学体系 II 『全哲学綱要』訳註 II
  • 第30巻 『ヒンドゥー教と叙事詩』
  • 第31巻 『近代インドの思想』
  • 第32巻 『現代インドの思想』
  • 別巻1 『古代思想 世界思想史 I
  • 別巻2 『普遍思想 世界思想史 II
  • 別巻3 『中世思想 世界思想史 III
  • 別巻4 『近代思想 世界思想史 IV
  • 別巻5 『東西文化の交流 日本の思想 I
  • 別巻6 『聖徳太子 日本の思想 II
  • 別巻7 『近世日本の批判的精神 日本の思想 III
  • 別巻8 『日本宗教の近代性 日本の思想 IV
CD・カセット
  • 中村元講演選集 <全12巻>カセット 『ゴータマ・ブッダの心を語る』(アートデイズ
  • 『ブッダの言葉』 『ブッダの生涯』(新潮CD、新潮社 2007年、カセットは1992年)

[編集] 脚注

  1. ^ 1999年10月11日の朝日新聞および日経新聞の追悼記事

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月3日 (火) 12:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【中村元 (哲学者)】変更履歴

ご利用上の注意