主制御器
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主制御器(しゅせいぎょき)は、電車などの主電動機を制御する装置であり、一般に、運転台に置かれているマスター・コントローラー(日本語では「主幹制御器」と翻訳される)から、遠隔操作される。電気機関車では大規模になり複数の装置に分かれることが多く、制御装置などと総称する。多くの場合電車では床下に、電気機関車では機械室に設置される。
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[編集] 概要
主制御器とは、主回路(電気車の回路のうち主電動機を駆動する主要な回路)の制御を行なうものとしての名称であり、機器単体としては制御器とも呼ばれる。
電車等の主幹制御器には、直接式と呼ばれるもので、モーターの電源となる架線電流そのものを運転台に引き込み、運転士の力でカム軸を操作し、直接、断続や抵抗器の切り替えを行う方式もあるが、これには非電動車からの遠隔制御や、2両以上の総括制御には向いていない、高圧を引き込むので危険があるなど様々な難点がある。
このため一般には間接式が用いられる。これは低電圧の制御電源のみを運転台に引き込み、その指令を伝達して主制御器を遠隔操作し、そこで主電動機に印加する電圧を制御するため回路つなぎを切り替えるなどする方式で、間接制御、複式制御、総括制御などと呼ばれる[1]。これにより、一つの主幹制御器から複数の車両の主制御器を操作することも可能になる。なお電車用間接式の発展史についてはマスター・コントローラー#電車用間接式制御器の発展も参照されたい。
こうした操作により、起動、加速などの速度制御、電気ブレーキなどによる減速、進行方向の切り替えなどを行なうのが主制御器の役割である。
[編集] 方式分類
[編集] 抵抗制御用
電気車の速度制御#抵抗制御で詳しく述べられているように、抵抗制御では抵抗回路の切り替えを順次行なうことで抵抗値を変化させるが、その切り替えの機構にはいくつかの方式がある。なお単位スイッチについては、単位接触器と呼ぶこともある。
- 電磁単位スイッチ式
- GE社によって開発。抵抗制御において、抵抗を徐々に短絡するなどの操作にあたって、電磁コイルで単位スイッチを動作させる方式。
- 電空単位スイッチ式
- GE社のライバルであったWH社の開発した方式。電磁弁で制御した空気圧で単位スイッチを動作させる方式。
- 電空カム軸接触器式
- 電空カム軸式などともいう。カムの回転で接触器を動作させるが、そのカムの制御に、電気制御した空気シリンダを用いる方式。カムで開閉する接触器は単位スイッチほどの遮断容量は普通持たないので、断流器などによる保護を必要とする。かわりに制御段数が増えた場合に、単位接触器を用いる方式よりも小型化できるメリットがある。
- 電動カム軸接触器式
- 電動カム軸式などともいう。電動機で動かすカムの回転で接触器を動作させる方式。
[編集] 進段方式
抵抗制御では、抵抗値等を切り替え速度を上げていくことを進段と呼ぶが、その途中で抵抗を介している段(ノッチ)は、抵抗器が焼損するため短時間の使用に限られ、抵抗を介さない直列、並列、弱め界磁などの段しか連続運転できない。
手動進段では、目的の速度になるまで運転士の判断でノッチを切り替えていく。ノッチ位置と抵抗器の接続が常に一対一対応しているということもできる。
自動進段は、マスター・コントローラーで設定できるノッチは数が少なく、それを目標として、そこまでの抵抗器の接続を電流の変化にもとづいて(限流値を設定して)自動的に次々と変えていく方式である。両者が混在した方式もある。一般に電気機関車では手動進段、電車では自動進段が多く用いられる傾向にある。
ノッチ戻し制御は、この進段を逆に行なうためのもの。通常はカム軸が一方にしか回転せず、手前のノッチにするためには一旦オフにせねばならず不要な減速が起きるが、これを途中で戻せるようにしたものである。
[編集] 直並列組合せ制御
直並列組合せ制御については、直列(抵抗なし)から並列(抵抗あり)に切り替える際の方式として大きく3つにわけられる。
- 開放渡り
- 一旦電動機間の回路を開放して、並列に切り替える。小規模なもの以外ほとんど用いられない。
- 短絡渡り
- 回路に抵抗を挿入して一旦片方の電動機の両端を短絡したのちその片側を開放し、並列に切り替える。簡単であるが衝撃が避けがたい。
- 橋絡渡り
- 右図のようなホイートストンブリッジで各抵抗を適切な比にとるとVGには電流が流れない。この原理を応用して、R1,Rxの部分を電動機とし、直列ではR2,R3の部分が開放された状態であり、これにこの2つの抵抗を接続してVGの部分を開放することにより直列から並列に切り替える。理想的には衝撃がないが、現実にはさまざまな誤差で生じる。また2段の切り替えにしか利用できない。
[編集] 脚注
- ^ RP721、21頁。
[編集] 参考文献
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2002年9月号 No.721(RP721 と略す。なお同誌はこれ以外も必要に応じ、注において略号RPと通巻、頁で指示する。)
- 吉川文夫「戦前製国電 走行機器の変遷をたどる【1】」19-23頁。
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1986年6月号 No.465
- 大塚和之「わが国の電車用制御装置の移り変わり」45-56頁。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月3日 (火) 06:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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