二元数

二元数の最新ニュースをまとめて検索!

広義の二元数(にげんすう)は、与えられた数体系 K に対し、K に含まれないもう 1 つの元 ε を与えて、1 とその ε の線型結合 x + yε (x, yK) として得られる K 上 2 次元の数体系である。二元数における四則演算等について、加法やスカラー倍は自然なものが定められてベクトル空間の構造を持つが、乗法の入れ方にはヴァリエーションがある。

最も典型的な場合として、基礎とする数体系が実数の場合には

\varepsilon^2 \lesseqqgtr 0

に従って得られる構造が概ね分類できる。

目次

[編集] 狭義の二元数

線形代数において、ε2 = 0 (εはべき零) となる要素 ε を付け加えて拡張した実数を、狭義の二元数という (以下、簡単のため、「狭義の」を略す)。二元数の集合は、実数上で 2 次元の、可換な、単位元のある、結合法則を満たす代数をなす。あらゆる二元数は、一意に定まる ab について z = a + bε と書ける。すべての二元数からなる平面は、ふつうの複素数平面 \mathbb{C}分解型複素数の平面と対になる。

二元数 z = a + bε にたいして、 a を実部 (じつぶ) という (以下では、 b を非実部とよぶことにする)。二元数 z = a + bε にたいして、 abε を z の共役 (きょうやく、conjugate)[1]といい、z * などと書く。ふつうの複素数と同様、z z * がノルムのようなもの[2]をあらわすと考えて、a ∈ { 1, −1 } について z = a + bε を、単位円という (z z * = 1 のため)。

[編集] 行列表記

もし行列の和と積になじみのある読者であれば、上記 ε は、

\epsilon = \begin{pmatrix}0 & 1 \\0 & 0 \end{pmatrix}

と書けることがわかるだろう。したがって、任意の二元数は、

a + b\epsilon = \begin{pmatrix}a & b \\ 0 & a \end{pmatrix}

となる。2 つの二元数の和と積は、それぞれ行列の和と積に対応する。演算は両方とも、交換法則結合法則を満たす。

[編集] 除法

二元数の除法は、除数の実部が 0 でないときに、定めることができる。ふつうの複素数の除算と同様、非実部を相殺するため、分母の共役を分母子に掛けてやればよい。

したがって次の形:

{a+b\varepsilon \over c+d\varepsilon}

の除算をするには、分母子に分母の共役を掛け:

= {(a+b\varepsilon)(c-d\varepsilon) \over (c+d\varepsilon)(c-d\varepsilon)}
= {ac-ad\varepsilon+cb\varepsilon-bd\varepsilon^2 \over (c^2-d^2\varepsilon^2)}
= {ac-ad\varepsilon+cb\varepsilon-0 \over c^2-0}
= {ac + \varepsilon(cb - ad) \over c^2}
= {a \over c} + {(cb - ad) \over c^2}\varepsilon

となり、除数の実部 c が 0 であってはならないことがわかる。

[編集] 脚注

  1. ^ 本来は共軛だが、当用漢字の「共役」で代用している。
  2. ^ b ≠ 0 なる z = bε について、 z ≠ 0 だが z z * = −b2ε2 = 0 なので、ノルムにはならない。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年2月10日 (火) 12:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【二元数】変更履歴

ご利用上の注意

もっと調べる!