交響曲第10番 (ベートーヴェン)

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第10番(こうきょうきょくだい10ばん)は、ベートーヴェンの未完成交響曲である。

ただし、ここにおける「未完成」とは、フランツ・シューベルト未完成交響曲や、アントン・ブルックナー交響曲第9番などの未完成交響曲とは異なり、ベートーヴェンはこの曲の断片的なスケッチを記すのみにとどまり、本格的な作曲が開始されないまま作曲者が逝去してしまっている。

目次

[編集] 構想

ベートーヴェンは、運命田園第7番第8番といったように、交響曲を2曲一組として作曲している。その流れに沿い、交響曲第10番ももともとは第9番と組にして構想された交響曲である。構想の初期の段階では、第9番は純粋な器楽のための交響曲、第10番は合唱を含むものとして計画されていたが、やがてベートーヴェンはこの2つの楽曲の構想を一つに統一し、より完成度の高い交響曲1曲の作曲へと方針を転換することになる(ここで生まれた交響曲こそが「第九」である)。

交響曲第9番の完成の後は、ベートーヴェンの関心は弦楽四重奏曲の作曲へと移り、結局、次の交響曲はその断片がスケッチされたのみのままでベートーヴェンは死去した。

交響曲第10番のスケッチであろうと考えられている断片的な楽譜は数多く発見されており、中にはかなりの可能性で真に交響曲第10番のスケッチであると見られているものもある。しかし、大半は判別がついていない。

[編集] 補筆完成

バリー・クーパーは、遺された大量のスケッチを基に、1990年交響曲第10番変ホ長調を補筆完成したとされる。第1楽章のみの録音が市販されている。ただし、この版は必ずしもベートーヴェンが生きていれば完成させていたであろう「交響曲第10番」を思わせるものではない。クーパー版第1楽章の主要動機はピアノソナタ第8番『悲愴』の第2楽章に酷似している。数枚のCDが発売されているが、評価は分かれている。確かにベートーヴェンらしさも随所に感じるのだが、不自然さもつきまとう曲となっている。

[編集] ブラームスに関して

ロマン派の作曲家、ヨハネス・ブラームスはベートーヴェンの音楽を非常に高く評価し、自身の交響曲をベートーヴェンのそれに匹敵するほどの完成度にすることを目指して推敲に推敲を重ね、構想から20年のときを経た1876年交響曲第1番ハ短調を完成させた。この交響曲第1番は当時、その完成度から、「ベートーヴェンに10番目の交響曲ができたようだ」と高く評価され、現代でもこの逸話とともに、ブラームスの交響曲第1番は「ベートーヴェンの交響曲第10番」との愛称で呼ばれることがある。

[編集] ゲーテ『ファウスト』との関連

第9番ではシラーの詩を用いたベートーヴェンであるが、第10番ではゲーテの『ファウスト』を用いるアイディアがあったとされている。後世、『ファウスト』に拠った交響作品としては、リストの『ファウスト交響曲』、マーラー交響曲第8番(第2部で『ファウスト』の終末部の詩を利用)が知られている。

[編集] 外部リンク

最終更新 2008年11月5日 (水) 00:11 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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