交響曲第6番 (ベートーヴェン)

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ベートーヴェン交響曲第6番ヘ長調作品68『田園』は、1807年から1808年にかけて作曲されたベートーヴェンの6番目の交響曲で、代表作の一つである。

ベートーヴェンの9つの交響曲の中においては、唯一の5楽章で構成されている交響曲であること、各楽章に標題がつけられた標題音楽であること、の2点において非常に独特な作品である。

目次

[編集] 作曲

交響曲第5番とほぼ同時期に作曲された。

楽譜はブライトコプフ・ウント・ヘルテル社より出版された。

[編集] 初演

1808年12月22日オーストリアウィーンアン・デア・ウィーン劇場にて「交響曲第5番」として初演。現在でいう第5番は、同じ演奏会で第6番として初演された。この演奏会の詳細は交響曲第5番の記事を参照のこと。

[編集] 影響

ベルリオーズをはじめとする、ロマン派以降の標題音楽の作曲家に大きく影響を与えたといわれている。

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[編集] 編成

編成表
木管 金管
Fl. 2, Fl.picc. 1 (第4楽章) Hr. 2 (F管、B管) Timp. ● (第4楽章) Vn.1
Ob. 2 Trp. 2 (C管、Es管、第3楽章以降) Vn.2
Cl. 2 (B管) Trb. アルト、テナー各1 (第4・5楽章) Va.
Fg. 2 Vc. ● (第2楽章は2人で独立した声部を受け持つ)
Cb.

交響曲第5番に続いて、ピッコロとトロンボーンが使用されている。

[編集] 曲の構成

"Almanach der Musikgesellschaft" (Zurich, 1834) に描かれた「田園交響曲を作曲しているベートーヴェン」

5つの楽章で構成されている。通常の構成の第3楽章と終楽章の間に短い楽章がひとつ挟まった形で、第3楽章から終楽章まで続けて演奏される。各楽章には標題が付けられている。

演奏時間は第一楽章の繰り返しを含めると、約45分である。但し、カラヤン/ベルリン・フィルの演奏のように40分を切る時間(第一楽章の繰り返しは省略)で演奏されることもある。

[編集] 第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」

原題は Erwachen heiterer Gefühle bei der Ankunft auf dem Lande. Allegro ma non troppo ヘ長調 2/4拍子 ソナタ形式(提示部反復指定あり)

同時に作曲された交響曲第5番と同様の「叩く動機」で始まる。晴朗で親しみやすいメロディーで、第5番に並ぶ有名な旋律。田舎に着いた時の晴れ晴れした愉快な気分が表現される。

[編集] 第2楽章「小川のほとりの情景」

Szene am Bach. Andante molto mosso 変ロ長調 12/8拍子 ソナタ形式

流麗な長閑なメロディーで小川のほとりの情景が表現される。楽章を通して小川のせせらぎの音が弦楽合奏で奏でられ、曲の終結部では夜カッコウの鳴き声が木管で模倣される。

[編集] 第3楽章「農民達の楽しい集い」

Lustiges Zusammensein der Landleute. Allegro ヘ長調 3/4拍子 複合三部形式スケルツォ) トリオ部は2/4拍子

楽しく素朴な農民の集いを踊りや田舎の楽隊を模した旋律で表現したスケルツォ。ABABA'の構成で、3拍子のA部で2拍子のB部を挟むというオーストリアの田舎のダンス音楽の形をとっている。複合三部形式だがトリオ部のBも含むAB部を繰り返し演奏するやや自由な形式であり、明確なコーダ部は無く次楽章に切れ目無く続く。ABの反復は交響曲第4番第7番のそれと違い、反復記号のみによる繰り返し指示となっている。そのためかヘルベルト・フォン・カラヤンは反復を省略し、ABA'のみで第4楽章へと続けている。

[編集] 第4楽章「雷雨、嵐」

Gewitter und Sturm. Allegro ヘ短調 4/4拍子特に決まった形式はない。

本楽章のみピッコロティンパニが加わり、楽しい村民の集いを突然襲った昼下がりの激しい驟雨の様子を活写する。低弦が遠雷の様子を、中高弦・木管が怪しい風音・閃光と雨足を、全管とティンパニが激しい雷鳴と大地の鳴動を表現し、最終部では雨足が遠のき雷雲が去って晴れ間が差した清々しい麗らかな田舎の情景が奏でられる。第2のスケルツォと位置付けることもでき、前述カラヤンの演奏は、第4楽章を第3楽章の第2トリオと見なした解釈とも考えることができる。

[編集] 第5楽章「牧人の歌−嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」

Hirtengesänge. Frohe und dankbare Gefühle nach dem Sturm. Allegretto ヘ長調 6/8拍子 自由なロンドソナタ形式

雨が上がり、日が差し、自然への畏敬と感謝の牧歌が歌い上げられ、本曲が"Pastral symphony"たる最も象徴的な楽章である。従前の作品では終楽章にAllegroのテンポを取ってきたベートーヴェンが、この曲ではAllegrettoという中庸のテンポを採用しており、6/8拍子のリズムとも相まって、長閑で穏やかな牧歌の印象を際立てている。形式的にはロンド形式ソナタ形式が混成したロンドソナタ形式をとっており、いくつかの経過句を挟んで長閑な主題を次々に展開する。牧笛を模したクラリネットとホルンによる句が象徴的で、提示部、展開部、再現部ともに小規模であるが、要となる前奏部と終結部では必ず両楽器が印象的な句を奏でる。コーダは全体の4割を占める長大なもので、どこか淋しさを感じる。穏やかな内にホルンの句によって全曲が閉じられる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月24日 (木) 18:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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