京王8000系電車

京王8000系電車の最新ニュースをまとめて検索!

京王8000系電車
8025F(8両。2009年9月24日・東府中駅)
8025F(8両。2009年9月24日・東府中駅
編成 4・6・8両編成
起動加速度 2.5(高加速スイッチ投入時3.3)
営業最高速度 110
設計最高速度 120
減速度 4.0(常用最大)
4.5(非常)
車両定員 143(先頭車)、154(中間車)
全長 20,000
全幅 2,845[1]
全高 4,100
軌間 1,372
電気方式 1,500V直流
モーター出力 150kW(200馬力)
主電動機 かご形三相誘導電動機
編成出力 2,400kW(6・8両編成)・1,200kW(4両編成)
歯車比 6.07
制御装置 VVVFインバータ制御
駆動装置 WN平行カルダン
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用全電気指令式空気ブレーキ
保安装置 京王形ATS
製造メーカー 日本車輌製造東急車輛製造

京王8000系電車(けいおう8000けいでんしゃ)は、1992年平成4年)から1999年(平成11年)にかけて新製された京王電鉄通勤形電車1994年(平成6年)までに4+6連の10両編成が14本、1995年(平成7年)から1999年(平成11年)にかけて8両編成13本(計244両)が新製された。

京王の電車では初めてVVVFインバータ制御を採用した。

  • 遮光幕など各系列の共通事項や運転台高さについては別項もあわせて参照。

本項では新宿方の電動車車両番号を編成名表記(例:8001F、末尾の「F」は編成を意味するFormationの頭文字)として扱い、各編成について取り扱う際はこの番号を用いる。また、10両編成は分割可能であるが1つの編成として取り扱う。[2]

目次

[編集] 概要

1992年(平成4年)5月、京王線ダイヤ改定にあわせて導入された。1972年(昭和47年)投入の6000系以来20年ぶりのフルモデルチェンジ車となり、輸送力増強だけではなく、CI導入や相模原線全線開業(1990年)に伴う「リフレッシング京王」の切り札として登場した。登場直後から6000系の後継として新宿-京王八王子間の特急に使用され、現在も特急準特急を中心に幅広く運用される京王の主力車両である。

[編集] 性能

7000系と同様に軽量ステンレス車体を用いた20m級両開き4ドア通勤車両で、省エネルギー化を目指したエコ車両である[3]。定格出力150kWのかご形三相誘導電動機8基を、耐圧4500V容量4000Aの日立製GTOサイリスタ素子を使用したVVVFインバータ装置で制御する。台車6000系や7000系と同系のペデスタル方式軸箱支持(軸ばね)+車体直結空気ばね懸架のTS-823A型台車電動車用)とTS-824型台車(付随車用)を用いている。ただし、最終増備車の8032F - 33Fはボルスタレス台車を使用している。MT比は6両編成が4M2T、4両編成が2M2T、8両編成が4M4Tとなっており、他系列とは異なり単独電動車を含む編成は存在しない。歯車比85:14(6.07)のWN平行カルダンで駆動し、惰性走行時にはWN平行カルダン特有の継手振動が顕著である。他系列車両との連結はできない。

[編集] 車体外観

10連・短いスカート(先頭クハ8803)(2007年2月17日・平山城址公園駅 - 南平駅
10連・長いスカート(先頭クハ8753)(2006年9月9日・高幡不動駅 - 南平駅)
急行灯の白色LED化と種別・行先表示がフルカラーLED化が行われた8000系(2009年6月13日・調布駅)

柔らかな曲面形状を持ち、アイボリーに塗装された普通鋼製の先頭部分の形状は、5000系のイメージを踏襲したものである。帯色はCI導入に伴う新しいコーポレートカラーの濃いピンクと紺色を採用した。8000系のみ側面上部にも京王レッド帯を貼付している。また、前面と側面で色の上下が逆になっている。この帯色は2002年(平成14年)に6000・7000系についても変更した。

設計当初は流線型も検討されたが、諸事情から半流線型に改められ、現在の洗練されたデザインとなった。このデザインは高く評価され、1992年(平成4年)10月1日の「デザインの日」に通商産業省(現・経済産業省)からグッドデザイン商品に選定されている。

行先表示器は0番台は前面は全車字幕式であり、側面は字幕式の編成のほか、8008F・11F - 14Fの全車と8010Fの6連はLED式を採用していたが[4]、2008年2月から3月にかけて前面側面とも9000系9036F以降で採用されているフルカラーLEDに変更された。20番台は前面側面ともにLED式である。ただし、当初8021F - 25Fは前面のみ幕式であり、8024F - 25Fは営業前に、残りの3本も営業後にLED式に変更している。その後、20番台もフルカラーLEDに変更された。側面表示器は幕車は種別と行先を別々に表示するが、LED車は一体表示で、同車に限り側面種別は各停以外も省略して表示する。書体は当初、幕式車はゴシック体、LED車は明朝体で、英字は未併記であったが、その後すべてゴシック体で英字併記のものへと変更されている[5]

側面のビードは7000系20番台の上部2本下部4本から、上部2本下部3本へと変更した。7人掛け座席部の客室側窓は2連窓となった。なお、側窓は一段下降窓である。妻窓は設置されている。側扉窓は同時期の関東西部の大手私鉄で導入された車両などより角の丸みの小さいものである。京王の20m車の車端部座席は4人掛けとなっていることから、一般的な20m4扉車よりやや側扉が中央に寄っている。また、2008年時点では戸袋窓を設置した京王最後の系列でもある。前面窓のうち、中央の非常口窓のみ上部に遮光シートが貼られている。これは、全先頭車とも後付けで貼付されたものである。転落防止幌は8026Fで初めて取り付けられ、以後全車に普及した。全車長方形の形状のものが設置されており、8026F - 33Fではこの部分にも帯が入っていたが、擦れて剥がれた部分は修復されることなく撤去されている。

集電装置は当初菱形であったが、全編成シングルアーム式へ交換された。冷房装置は屋根上搭載の集中式で、換気機能を有するため別のベンチレーターは設置していない。車両番号表記はゴシック体で、前面のものは他系列より小さい大きさで銀色の表記である。

排障器(スカート)の形状は8010Fまでが下辺が短いもの、8011F以降は下辺がやや長くなったものが基本である。8021F以降は自動解結装置を装備しないために、その部分の切り欠きがない[6]。8001 - 12Fは当初灰色塗装であったが、後に全車アイボリー塗装に変更した。前面のワイパーは左右の窓に取り付けられており、中央の非常口窓には取り付けられていない。前面窓上部に設置されている急行標識灯は橙系の色であったが、2007年10月から順次白色LEDに交換されている。なお、この白色標識灯は一時期8001Fで試用されていた。前面非常口にはヘッドマーク掛けがある。ヘッドマークは京王線系統の他系列より横長の五角形のものを使用する。

車両外観各所の写真

[編集] 車内

座席はすべてロングシートで表地がピンク色のバケットシートを採用したほか、車椅子スペースを設けている。2001年から2003年にかけて1000系・7000系・9000系と同様のドアチャイムと3色LED1段式車内表示器(千鳥配置)を追加設置した。これに伴い(表示器のない側も含めて)側扉上部が出っ張っているものに変更された。表示内容は停車駅、開扉案内、乗り換え案内、京王からのお知らせ、車内マナー啓発、運行情報(自社線・他社線振り替え情報)となっている。運行情報は運転台助士席側に据え付けたアンテナから受信し表示する。

座席端部は6000系・7000系・1000系1次車(1010Fまで)と同様のパイプ構成での仕切りであるが、2007年以降の室内更新工事で一部の編成は袖仕切りへと変更されている。つり革は、6・8両編成は車端部以外白色、かつて分割運用に使用されていた4両編成は車端部と近年の7人掛け中間部枕木方向増設部以外黄緑色、2006年に全車両に設定した車端部の「おもいやりぞーん」は黄色である(京王電鉄の項を参照)。形状は、おもいやりぞーんおよび近年の7人掛け中間部枕木方向増設部が三角形、それ以外は丸形である。

側扉窓の支持方法は全車とも室内側からの金属押さえであり、その室内側は化粧板仕上げである。乗務員室と客室の仕切り部には3箇所窓を設置するが、このうち中央部である仕切り扉は6000系・7000系・9000系の丸みを帯びている固定式窓に対し、8000系は長方形の開閉式窓である。客室側から見て左の窓は6000系・7000系より縦方向が長くなり、左右対称の大きさになった。ドアクローザ付貫通路扉が全各車間(先頭部以外)に設置され、8006Fまでの扉窓は7000系などと同様、下辺の高さを側窓に合わせたタイプであったが、8007F以降は天地方向に拡大した細長い形状となり9000系にも引き継がれている。また、8022Fまではガラスが薄いブラウンに着色されているのに対し、8023F以降は無色透明となり全タイプとも角に丸みがある。床敷物は軌道方向にブラウン色の線が入ったものである。天井の空調補助送風装置はラインデリアである。

電動車は京王では初めてかご形三相誘導電動機を採用したため主電動機点検蓋は設置されていない。ただし駆動装置直上の点検蓋は残されている。

2008年からは京王ATC導入に伴う改良工事が行われ、下の写真のように座席に仕切が追加され、弓形のスタンションポールが追加された。

車内の写真

[編集] 運転台

主幹制御器は京王線で統一されているデッドマン機能付きT型ワンハンドル式(力行4段・常用ブレーキ7段・非常1段)であり、定速抑速操作機能を持つ。コンソールは濃灰色である。速度計はデジタル表示を採用し、表示パネルとともに一体型LEDで構成されている。しかし速度計は直射日光によって視認性が悪化することがあるため、後継の9000系では従来のアナログ速度計に戻された。なお京王電鉄では2010年度にATCが導入されるために運転台に関係機器の設置工事を進めているが、8000系でATC機器が装備された運転台は車内信号を付加したアナログ速度計に変更されており、TNS装置が移設されている[要出典]。EL照明付のブレーキ圧力計は白地である。

また6015Fでの試験結果を基に運転支援モニタ装置(TNS:Train Navigation System)を本格採用した。ただし落成時の仕様は8001F - 6Fが準備工事、8007F以降が本工事である。TIMSのように、運転行路を記録したTNSカードと呼ばれる仕業カードを差し込むことにより運転情報や機器の動作状態が表示されるが、TIMSと違い運転士のみ操作が可能である。加えて機器故障時の応急処置や空調の一括管理、検査時や運転前の機器動作試験なども行うことができる。これは後に3000系・6000系・7000系にも改造で設置している。

警笛は上り方、下り方で音程の異なる空気警笛と電気笛である。車体側面の乗務員室扉窓には日除けとして金属製の鎧戸が設置されている車両もある。

運転台の写真

[編集] 運用

京王線系統で運用される。6000系・7000系・9000系と併結できないため、独自の運用を組む。

2001年(平成13年)のダイヤ改定以降、地上線では6000系・7000系・9000系と同様に列車種別を限定しない運用体制となっている。ただし、下記の分割・併結特急は8000系に限定されていた。

[編集] 10連

8000系併結作業(2004年9月26日・高幡不動駅)

6両編成と4両編成を連結して、10両編成で主に特急準特急に使われている。営業開始直後の一時期を除き、京王八王子側に6両、新宿側に4両が基本的な組成であったが、2007年11月からは自社ATC導入に伴い順次組み換えが行われ、京王八王子側4両、新宿側6両の組成となった。

かつて存在したシーズンダイヤ(4月 - 6月・9月 - 11月)の土曜休日には高幡不動駅で特急を高尾山口行と京王八王子行に分割併合していた(※2001年改定までは実施日が異なる)。この作業をスムーズに行うために全先頭車に電気連結器自動解結装置を装備している[7]2006年(平成18年)9月1日のダイヤ改定でシーズンダイヤを廃止したため分割併合は事実上消滅し、当該ダイヤ最終適用月の2006年6月をもって特急の分割運用を終了した。特急のほか、2001年3月のダイヤ改定まではシーズンダイヤの急行についても高尾山口行と多摩動物公園行に分割併合を行っていた。

1次車は8001F - 6Fで、同車登場直後の1992年のダイヤ改定時にそれまで6000系が担当していた本線特急が一度に8000系に置き換えられた(以後2001年ダイヤ改定まで)。なお、2次車(8007F - 10F)は相模原線特急にも8000系を使用する目的で製造する予定であったが、先に高尾線急行(当時)に8000系が投入されることになった。また、2006年9月改定までは6両編成単独での各停運用や4+4両編成での運用もあったがこれらは廃止された。

10両編成(0番台 6M4T)左が京王八王子・橋本方
号車 1(Tc2') 2(M2') 3(M1') 4(Tc1') 5(Tc2) 6(M2) 7(M1) 8(M2) 9(M1) 10(Tc1)
形式 クハ8750 デハ8050 デハ8000 クハ8700 クハ8750 デハ8050 デハ8000 デハ8050 デハ8000 クハ8700
機器類 ATS,ATC CP,SIV CONT CP CP,SIV CONT CP,SIV CONT ATS,ATC
車号 8851 8251 8201 8801 8751 8151 8101 8051 8001 8701
8852 8252 8202 8802 8752 8152 8102 8052 8002 8702
8853 8253 8203 8803 8753 8153 8103 8053 8003 8703
8854 8254 8204 8804 8754 8154 8104 8054 8004 8704
8855 8255 8205 8805 8755 8155 8105 8055 8005 8705
8856 8256 8206 8806 8756 8156 8106 8056 8006 8706
8857 8257 8207 8807 8757 8157 8107 8057 8007 8707
8858 8258 8208 8808 8758 8158 8108 8058 8008 8708
8859 8259 8209 8809 8759 8159 8109 8059 8009 8709
8860 8260 8210 8810 8760 8160 8110 8060 8010 8710
8861 8261 8211 8811 8761 8161 8111 8061 8011 8711
8862 8262 8212 8812 8762 8162 8112 8062 8012 8712
8863 8263 8213 8813 8763 8163 8113 8063 8013 8713
8864 8264 8214 8814 8764 8164 8114 8064 8014 8714


[編集] 8連

8000系20番台(桜上水駅にて2007年9月26日撮影)

8両編成は車両番号20番台に区分される。相模原線特急用および5000系・6000系初期車取替え用として投入された。

相模原線特急は2001年3月改定で運行を終了し、当該改定後の同線の各停は当初は6連、2006年9月改定後は清算運転のため都営車8連を使用するようになった関係で、京王線の各停、新宿発着の相模原線快速、土休日の急行や競馬場線で運用されている。他編成や他系列と併結できないため、10両主体の平日ラッシュ時はピークを外して運用される。

過去には2両の中間車を増結して10両化する計画があったが、少子高齢化など沿線環境の変化で中止となっている。

8両編成(20番台 4M4T)左が京王八王子・橋本方
号車 1(Tc2) 2(M2) 3(M1) 4(T2) 5(T1) 6(M2) 7(M1) 8(Tc1)
形式 クハ8750 デハ8050 デハ8000 サハ8550 サハ8500 デハ8050 デハ8000 クハ8700
機器類 ATS,ATC CP,SIV CONT CP CP,SIV CONT ATS,ATC
車号 8771 8171 8121 8571 8521 8071 8021 8721
8772 8172 8122 8572 8522 8072 8022 8722
8773 8173 8123 8573 8523 8073 8023 8723
8774 8174 8124 8574 8524 8074 8024 8724
8775 8175 8125 8575 8525 8075 8025 8725
8776 8176 8126 8576 8526 8076 8026 8726
8777 8177 8127 8577 8527 8077 8027 8727
8778 8178 8128 8578 8528 8078 8028 (8728)
8779 8179 8129 8579 8529 8079 8029 8729
8780 8180 8130 8580 8530 8080 8030 8730
8781 8181 8131 8581 8531 8081 8031 8731
8782 8182 8132 8582 8532 8082 8032 8732
8783 8183 8133 8583 8533 8083 8033 8733

カッコ付きの車両は廃車。

[編集] 廃車

2008年(平成20年)8月に発生した高尾線高尾 - 高尾山口間の土砂崩壊に巻き込まれた8028Fのクハ8728が2009年(平成21年)3月19日付で廃車となっている。

[編集] 直通運転について

京王電鉄の車両限界は京王線で2,844mm、京王新線で2,800mmとなっている。8000系は都営新宿線との乗り入れも考慮して車体幅を2,800mmとしたが、当時の都営地下鉄の保安機器に誘導障害が生じる問題があったことから京王線専用とされた。早朝・深夜に新線新宿着発の運用がある他、休日の東京競馬場での競馬開催日に府中競馬正門前駅からの臨時急行として新線新宿まで運転されることもある。

2005年に都営新宿線は保安機器更新を完了し、2006年1月に9000系に乗り入れ対応車が登場した。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 京王の電車(京王電鉄発行)による
  2. ^ 文献によって新宿方先頭車の車両番号を編成表記とする場合(例:8701F)と、編成内最若番の車両の番号を編成表記とする場合(例:8001F)とする場合があり、どちらが正式なものであるか不明であるため、このような表記を行っている。
  3. ^ 京王れーるランド内に展示の資料より。
  4. ^ 8010Fの6連は幕式からの変更。それ以外の5本は新造時からLED式である。
  5. ^ 幕式車の一部で英字併記なしのものや英字併記でも文字の大きさが小さいもの(一時期、8007F - 9Fに使用された)を使用していた車両があるが、これは破損等で交換した際にストック品を再用した関係である
  6. ^ 例外としてクハ8753、クハ8760、クハ8808は長いスカートを装着するが、これは事故などにより破損し予備品と交換したためである。同様の理由でクハ8764が短いものを、クハ8777が0番台の長いものを装着していた時期があった
  7. ^ 電気連結器は京王線系統の全先頭車に設置されている。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ


最終更新 2009年11月6日 (金) 13:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【京王8000系電車】変更履歴

ご利用上の注意