仰げば尊し
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『仰げば尊し』(あおげばとうとし/あふげばたふとし)は、卒業式で合唱されることがある歌。ニ長調または変ホ長調が多い。8分の6拍子で、編曲されたものが何種類か存在する。 2007年(平成19年)に日本の歌百選の1曲に選ばれた。
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[編集] 歴史
作詞・作曲者不詳のスコットランド民謡とされているが、作詞・作曲ともに当時の教育者伊沢修二ではないかとの説、作詞が大槻文彦・里見義・加部厳夫合議であるという説がある。
1884年(明治17年)に小学唱歌を編集する際に、伊沢が唱歌として加えたのが唱歌としての始まりである。
しかし第二次世界大戦後には、その歌詞の内容が教師を崇めるもので、民主主義にそぐわないとして一部から批判の対象となり、特に1960年代末に学生運動が高揚すると、旧体制への反発の一環としてこの歌を卒業式で歌うことを憚る空気が醸成された。学生運動終息後も古い観念や意識の退潮は続き、また歌詞が、最初に発表された当時の明治時代でさえ一般にはほとんど用いられなかったような古い文語であるため児童・生徒の関心も低く、公立学校(特に小学校)を中心に卒業式合唱曲を『旅立ちの日に』『贈る言葉』『さくら (森山直太朗)』等で歌う学校もある。さらに、『仰げば尊し』を歌っている学校においても、2番の歌詞では「身を立て名をあげ」と立身出世を呼びかけている事から社会情勢の変化に合わないとして敬遠され、本来の2番を省略し3番を2番として歌われることも多い。
[編集] 歌詞
- 仰げば 尊し 我が師の恩
教(おしえ)の庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾(と)し この年月(としつき)
今こそ 別れめ いざさらば - 互(たがい)に睦し 日ごろの恩
別るる後(のち)にも やよ 忘るな
身を立て 名をあげ やよ 励めよ
今こそ 別れめ いざさらば - 朝夕 馴(なれ)にし 学びの窓
蛍の灯火 積む白雪
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば
「別れめ」の「め」の部分でフェルマータ(適当に音を延ばす)がかかる。
なお、題は、歴史的仮名遣いでは「あふげばたふとし」である。扇(あふぎ)をおおぎと発音する例[1]に見るように、おおげばとおとしと発音するのが正しい[2] [3] のだが、現代仮名遣いによりあおげばとうとしと表記されたため、発音が表記に引きずられ(現代仮名遣いは必ずしも表音式表記ではないのにそう勘違いされたため)、誤って歌われ今にいたる。
なお、「今こそ別れめ」は係り結びの例。「別れ目」と誤解される場合があるが、実際は「今まさに別れよう」というような意味になる。
[編集] 「仰げば尊し」を題材にした作品
- 1984年に、パンク・ロックバンド「ザ・スターリン」のボーカルであった遠藤ミチロウがこの楽曲をパンク・ロック調でカバーした。また、その音源は2002年に学生マンション情報誌の『ナジック』のテレビコマーシャルで使用された。
- 1993年にTBS系列で放送されたドラマ「高校教師」では、劇中一貫して森田童子の曲を挿入歌としていたが、最終回で教師・羽村と生徒・繭が列車で逃避行するクライマックスではこの曲が印象的に流された。
- 1995年にSMAPがシングル「KANSHAして」のカップリング曲としてカバー。途中でメンバーによるRAPも入るなど軽快な曲としてアレンジされている。
- 2003年にフジテレビ系で放送されたドラマ『僕の生きる道』の最終回では、みどりに付き添われて合唱コンクールの会場に現れた秀雄に向け、コンクール終了後に秀雄が担任を受け持つ3年G組の生徒全員がこの曲を合唱した(ちなみに合唱コンクールで歌った曲は別の曲)。
- 中学校を舞台としたゲーム「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」では、卒業式およびおまけモードでこの曲が使われている。
- 2005年に日本テレビ系で放送されたドラマ『女王の教室』の最終回では、恩師に素直に感謝の意味を伝えるとして再評価され、教室で生徒全員が教師・阿久津に向けて大合唱をした。
- 2006年に発売された人気恋愛アドベンチャーゲーム 「D.C.II 〜ダ・カーポII〜」の天枷美夏ルートのエンディングで聴くことが出来る。これは出演声優に加え、スタッフのメンバーも歌っている。
- 2007年に完結した漫画『金色のガッシュ!!』では最終回前の重要な場面に使用されている。
- 2007年1月からOAされていたレオパレス21の新生活キャンペーンCMの高校の卒業式の場面でもこの曲が使われている。また、2007年3月からOAされていたノバルティスファーマのラミシールATのCMの場面でもこの曲が使われている。
- 2008年2月に日本デビューした中国人女性歌手ジェイド・インが公式サイトでこの曲のカバーを配信している。
- 2009年アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~卒業」のイントロとして使用。
- 2009年3月発売のAKB48のシングル「10年桜」のイントロに使用されている。
- ぼくらシリーズで替え歌が登場。
[編集] 脚注
- ^ 古語の「あふ、あう」という母音の連続は現代語では「おお」という長母音になるが、古語ではなぜ「あふ、あう」と書いたのかと言えば、もちろん、古代や中世ではそのように発音したからである。同じような音韻変化は外国語でも普通に起こっており、英語: auto 、daughter も、かつては綴りの通り発音されていた。
- ^ 金田一春彦・安西愛子 『日本の唱歌(上)明治篇』 講談社、1977年(昭和52年)。ISBN 9784061313682。
- ^ 藍川由美 『これでいいのか、にっぽんのうた』 文藝春秋、1998年(平成10年)、102-103。ISBN 9784166600144。
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年7月9日 (木) 07:36 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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