会計検査院

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会計検査院

会計検査院が入居する霞が関コモンゲート東館(中央合同庁舎第7号館、写真右)
検査官会議
会計検査院長 西村正紀
検査官 重松博之、山浦久司
事務総局
事務総長 増田峯明
事務総局次長 諸澤治郎
主な組織
事務総長官房、第一局、第二局、第三局、第四局、第五局
概要
本省所在地 東京都千代田区霞が関3-2-2
定員 1,278人
(2006年(平成19年)4月1日施行)
年間予算額 175億1251万3000円
(2008年度(平成20年度))
設置年月日 1880年明治13年)3月5日
前身 大蔵省検査局
(検査局の前身は検査寮。さらにその前身は、1869年6月22日(明治2年5月13日)設置の監督司である)[1]
公式サイト
www.jbaudit.go.jp

会計検査院(かいけいけんさいん、英訳名:Board of Audit of Japan)とは日本の行政機関の一つで、憲法上の独立機関である。

国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない(日本国憲法第90条)。

目次

[編集] 概要

や国の出資する政府関係機関の決算、独立行政法人等の会計、国が補助金等の財政援助を与えている地方公共団体の会計などの検査を行い、会計検査院法第29条の規定に基づく決算検査報告を作成することを主要な任務としている。作成された決算検査報告は内閣に送付され、内閣は送付された決算検査報告を国会に提出することとなっている。

意志決定機関である検査官会議と事務総局で組織され、検査官会議を構成する3人の検査官は国会の同意を経て、内閣が任命し天皇が認証する(認証官)。会計検査院長は、検査官のうちから互選した者を内閣が任命する。

所在地は東京都千代田区霞が関にある霞が関コモンゲート東館(中央合同庁舎第7号館)[2]

[編集] 独立機関

会計検査院は「行政機関」ではあるが、内閣に対し独立の地位を有する(日本国憲法第90条第2項、会計検査院法第1条)。また「行政機関」であるということは立法司法のいずれにも属しないということであり、結果として国会・内閣・裁判所の三権のいずれからも独立している。さらに会計検査院の検査権限は内閣及びその所轄下にある各機関のみならず、国会(衆・参議院)・最高裁判所をも含むすべての国家機関に対して当然に及ぶなど、一般の行政機関とは際立って異なる性格を有している。また、その改廃には憲法上の問題が生じる点も他の行政機関と異なる。

一方で、会計検査院は財務省の一部局であるとしばしば誤解される[3]など、最も国民に理解されていない日本の国家機関の1つであると指摘される[4]

大日本帝国憲法の下では、行政機関の組織および職権は勅令で定められていた。だが、当時にあっても会計検査院については勅令ではなく法律で組織および職権を定めることとしていた。大日本帝国憲法第72条第2項により、官制大権(大日本帝国憲法第10条)の例外とされていた。

[編集] 沿革

[編集] 明治時代~戦前

1880年3月5日、太政官の下に設置されて120年以上の歴史を有する[5]太政官達18号によって大蔵省の一部局である検査局を廃止して、太政官に直属する地位をもつ会計検査院を設置した[5]。太政官達18号を以下に引用する。

今般太政官中会計検査院ヲ設置シ大蔵省中検査局相廃シ候条此旨相達候事

当時の参議大蔵卿大隈重信は、検査局が大蔵省の下にあるままでは財政の監査が十分にできないとして会計検査院の創立を太政官に建議した[1]。大隈の建議を以下に引用する[6]

参議兼大蔵卿大隈重信、本院創立ノ議ヲ建ツ。其大意ニ云フ、財政ノ根源ハ国庫ニ在リ、各庁ノ会計ハ則チ其枝派ノミ。今検査局長大蔵卿ニ隷属シ其監査スル所、唯枝派ニ止リ根源ニ及フ能ハス。(中略)須ラク速ニ一院ヲ設立シ、以テ大ニ検査ノ実ヲ挙クヘシト。会計検査院是ニ於テカ立テリ。

1889年、大日本帝国憲法の下で会計検査院法が制定された[1]。会計検査院法第1条にて天皇直隷の機関であり、国務大臣の命令を受けない「特立ノ地位」が規定された[1]。会計検査院は統帥権を主張する軍部を批判できる希有な機関だった[1]

[編集] 主な任務と権限

  • 国の収入支出の決算に対する会計検査
  • 会計経理の監督及び適正化
  • 決算の確認

[編集] 検査の範囲

  • 会計検査院法第22条において、会計検査院の検査を必要とすると定められているもの(必要的検査対象)
  1. 国の毎月の収入支出
  2. 国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受払
  3. 国の債権の得喪又は国債その他の債務の増減
  4. 日本銀行が国のために取り扱う現金、貴金属及び有価証券の受払
  5. 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計
  6. 法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計[7]
  • 会計検査院法第23条において、会計検査院が検査をすることができると定められているもの(選択的検査対象)
  1. 国の所有又は保管する有価証券又は国の保管する現金及び物品
  2. 国以外のものが国のために取り扱う現金、物品又は有価証券の受払
  3. 国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計
  4. 国が資本金の一部を出資しているものの会計
  5. 国が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計
  6. 国が借入金の元金又は利子の支払を保証しているものの会計
  7. 国若しくは国が資本金の2分の1以上を出資している法人の工事その他の役務の請負人若しくは事務若しくは業務等の受託者又は物品の納入者のその契約に関する会計

[編集] 組織

  • 検査官会議(検査官3人で構成。検査官は両議院の同意を得て内閣が任命する。また、検査官は認証官とされその任免は天皇から認証される。検査官の1人は会計検査院長となる)
  • 事務総局
    • 事務総長(正式表記は「会計検査院事務総長」。「事務総局」は含まない)
    • 次長(正式表記は「会計検査院事務総局次長」。「事務次長」ではない)
    • 事務総長官房(正式表記は「会計検査院事務総長官房」。「事務総局」は含まない)
    • 第一局(正式表記は「会計検査院事務総局第一局」。他の局も同様)
      • 財務検査課、司法検査課、総務検査課、外務検査課及び租税検査課が設置されている。
      • 国会、会計検査院、内閣、人事院、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、国家公安委員会、裁判所及び日本銀行などを主に担当している。
      • 財務検査第1課は国の特別会計に係る経理に関する検査のうち、また総務検査課は地方公共団体に係る経理に関する検査のうち横断的な処理を要するものとして事務総長から特に命ぜられた事項の検査を担当している。
    • 第二局
      • 厚生労働検査課及び防衛検査課が設置されている。
      • 主に厚生労働省及び防衛省などを担当している。
    • 第三局
      • 国土交通検査課及び環境検査課と上席調査官(道路担当)が設置されている。
      • 主に国土交通省及び環境省などを担当している。
    • 第四局
      • 文部科学検査課及び農林水産検査課が設置されている。
      • 主に文部科学省、農林水産省などを担当している。
    • 第五局
      • 情報通信検査課、経済産業検査課及び特別検査課と上席調査官(情報通信担当、融資機関担当、郵政担当及び特別検査担当)が設置されている。
      • 主に総務省(情報通信国際戦略局、情報流通行政局及び総合通信基盤局)及び経済産業省などを担当している。
      • 特別検査課と上席調査官(特別検査担当)は国会法に基づく各議院又は各議院の委員会に要請による特定の事項についての会計検査と事務総長から会計経理に関する事項として特に命ぜられた事項の検査を担当している。
      • また、情報通信検査課は情報通信に係る経理に関する検査のうち横断的な処理を要するものとして事務総長から特に命ぜられた事項の検査を担当している。
  • 会計検査院情報公開・個人情報保護審査会

[編集] 歴代会計検査院長(日本国憲法施行後)

  • 現行の会計検査院法に基づき在任した者について記載。なお、荒井誠一郎は大日本帝国憲法下の(旧)会計検査院法に基づき任命された者であり、日本国憲法下では新たに任命辞令を受けることなく(新)会計検査院法附則第5条第1項の経過措置により在任していたことから代数は「0」とし、後任の佐藤基から代数開始とする。
  • 再任は個別の代として記載。
  • 退任日に付した(願)は任期途中の依願退任、(亡)は死亡、(定)は検査官としての定年退官に伴う院長自然退任、(他)は経過措置に基づく自動的退任。付していないものは検査官としての任期満了に伴う院長自然退任。
  • 院長への就任は検査官に任命された者の互選で決まり、また理論上は院長を退いて引き続き一検査官としてとどまることも可能であるため、認証官たる検査官としての任命日・免(退)官日と内閣の辞令による院長就任日・退任日は必ずしも一致しない。下表では院長としての就任日・退任日を記載する。
  • 空席期間又は院長の海外出張時においては、院長でない検査官の1人が「会計検査院長職務代行」として職務を遂行する。代行就任の順序に関する規定は1947年5月3日から2006年1月30日までは「先任の検査官」が、2006年1月30日以降は「あらかじめ官報で公示した検査官」がそれぞれ優先となっている。
氏名 在任期間 出身母体等での主要な役職
0 荒井誠一郎 1946年6月26日 - 1947年8月26日(他)[8] 大蔵省専売局長官、日本興業銀行副総裁
1 佐藤基 1947年8月26日 - 1954年8月22日 法制局第一部長、特許標準局長官、新潟県知事
2 東谷傳次郎 1954年8月27日 - 1957年8月22日 会計検査院事務総長
3 加藤進 1957年8月27日 - 1959年8月31日 宮内次官、宮内府次長
4 山田義見 1959年9月25日 - 1961年8月24日 大蔵次官、日本勧業銀行副総裁
5 芥川治 1961年10月17日 - 1964年8月22日 参議院事務総長
6 小峰保榮 1964年8月25日 - 1966年9月21日 会計検査院事務総長
7 塚越虎男 1966年10月4日 - 1967年5月21日(定) 大蔵省名古屋財務局長、宮内庁皇室経済主管
8 山﨑高 1967年7月18日 - 1971年8月23日 衆議院事務総長
9 白木康進 1971年10月26日 - 1973年9月29日 会計検査院事務総長
10 白石正雄 1973年12月1日 - 1975年10月15日 大蔵省国有財産局長
11 佐藤三郎 1975年11月25日 - 1978年10月21日 会計検査院事務総長
12 知野虎雄 1978年10月24日 - 1980年11月29日 衆議院事務総長
13 大村筆雄 1980年12月2日 - 1982年11月20日 大蔵省国有財産局長
14 鎌田英夫 1982年11月24日 - 1985年10月22日 会計検査院事務総長
15 大久保孟 1985年10月25日 - 1987年3月29日(定) 衆議院事務総長
16 辻敬一 1987年4月3日 - 1989年4月10日(願) 行政管理事務次官(大蔵省出身)
17 中村清 1989年4月11日 - 1992年10月23日 会計検査院事務総長
18 中島隆 1992年10月30日 - 1994年4月4日(定) 衆議院事務次長
19 矢﨑新二 1994年4月12日 - 1996年9月27日(定) 防衛事務次官(大蔵省出身)
20 疋田周朗 1997年2月18日 - 1999年10月26日 会計検査院事務総長
21 金子晃 1999年12月7日 - 2001年12月4日 慶應義塾大学教授
22 2001年12月7日 - 2002年7月30日(定)
23 杉浦力 2002年8月2日 - 2004年2月16日 総務事務次官(総理府出身)
24 森下伸昭 2004年2月20日 - 2006年1月20日(定) 会計検査院事務総長
25 大塚宗春 2006年1月27日 - 2008年2月8日(定) 早稲田大学教授
26 伏屋和彦 2008年2月15日 - 2009年1月25日(定) 国税庁長官
27 西村正紀 2009年4月6日 - 総務事務次官

[編集] 主な出身者

  • 長谷川英憲(「都政を革新する会」代表、元都議会議員)
  • 深田烝治(ふかだ じょうじ、元会計検査院事務総長)

[編集] 作品

[編集] 小説

[編集] 脚注

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  1. ^ 西川 (2003) 、145頁(第4章2『「特立ノ地位ヲ有ス」官庁』)。
  2. ^ 旧会計検査院庁舎敷地と旧文部科学省庁舎敷地に中央合同庁舎第7号館をPFI方式で建設する事業を推進するため、2003年平成15年)12月下旬から2007年(平成19年)12月中旬まで神保町三井ビルディングに移転し、仮庁舎として使用した。
  3. ^ 西川 (2003) 、146頁(第4章『会計検査院とはいかなる役所か』、2『会計検査院のしくみ』、『「特立ノ地位ヲ有ス」官庁』)。
  4. ^ 西川 (2003) 、146頁(第4章2『「特立ノ地位ヲ有ス」官庁』)。さらに、本書は以下を出典としている。宮川公男『会計検査研究』「会計検査院への期待の高まりに寄せて」第二一号(2000年) 5頁。
  5. ^ 西川 (2003) 、144頁(第4章2『「特立ノ地位ヲ有ス」官庁』)。
  6. ^ 大内兵衛土屋喬雄編『明治前期財政経済史料集成 第十七巻ノ二 会計検査院史』(明治文献資料刊行会、1964年) 511頁。
  7. ^ この規定に該当する検査対象に、NHK放送法第41条)がある。
  8. ^ 日本国憲法下では経過規定による在任

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


最終更新 2009年9月19日 (土) 04:40 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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