俳句甲子園

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俳句甲子園(はいくこうしえん)

  1. 愛媛県松山市で毎年に開催される、高校生を対象にした俳句コンクール「全国高校俳句選手権大会」。本記事で詳述。
  2. 高校野球夏の甲子園応援企画として、朝日新聞社の主催でかつて行われた俳句コンクール。本記事の最後、#甲子園での「俳句甲子園」の節で詳述。

第7回俳句甲子園全国大会(松山市大街道商店街特設会場、2004年

全国高校俳句選手権大会(略称:俳句甲子園)とは社団法人松山青年会議所、NPO法人(特定非営利活動法人)俳句甲子園実行委員会が主催する、高校生を対象とした俳句コンクールである。当初、「詩のボクシング」を真似て「俳句ボクシング」として行われた。その後、愛媛県松山市で毎年に開催されるようになった。

当地が正岡子規高浜虚子など著名な俳人の出身地であることから、これにあやかって開催が始まった。2004年12月に愛媛新聞社により『五・七・五のバトル 俳句甲子園』として書籍化され、2005年2月には荻上直子監督の『恋は五・七・五!』にて映画の題材に取り上げられた。また、第8回(2005年)大会から文部科学省より学びんピックに認定されている。

目次

[編集] 概要

  • 一般的な句会や俳句大会・大賞にはない「俳句甲子園」の特徴は、次のとおり。
    • 俳諧の「句合(くあわせ)」を5人1組の団体戦で行なう。
    • 俳句の善し悪しだけでなく、その俳句に対する議論(鑑賞の力量)も採点される。
  • 毎年1 - 2月に大会参加要項の概略が発表される。投句応募と地方大会参加受付の後、6月ごろに地方大会(第9回大会は全国に18会場)が、そして8月19日俳句の日)近辺の適当な時期に2日間の日程で全国大会が開催される。
  • 5人1組の高校生チームを編成し、団体戦で争われる。各チーム1人ずつ句を発表したのち、あらかじめ定められた時間内に句の鑑賞についてチーム同士で議論を戦わせて3名または7名の審査員の多数決で勝者が決まる。2本または3本先取で、チーム勝利となる。
    • 全国大会の参加チームは、地方大会を勝ち抜いたチームと事前に受け付けた全国からの投句応募の審査(地方大会の敗者も審査対象に含む)で選ばれたチームとで、構成される。
    • 全国大会は、ブロックリーグ戦およびトーナメント方式で行われる。予選ブロックリーグ敗退チームの中から敗者復活戦予選参加チームが選出され、トーナメント敗者との敗者復活戦を経て勝者はトーナメント準決勝へ進む。
  • ひとつの高校から複数チームが参加できることや敗者復活の対象が幅広いことなどは、日本テレビ系の「全国高等学校クイズ選手権」(高校生クイズ)にも通じるところがある。
    • 番外編的なイベントとして、毎年1~2月に「高校生以外のためのまる裏俳句甲子園」(まる裏俳句甲子園、○裏俳句甲子園。正確な表記は、「○の中に裏」)が行なわれる。主催は、まる裏俳句甲子園実行委員会。2006年で第4回。俳句甲子園と共通の運営スタッフで、俳句甲子園を応援する目的。広く一般人から参加者を募って、俳句甲子園と同様の試合形式で展開する。

[編集] 問題点

[編集] 詩のボクシング」の模倣

  • 当初は「俳句ボクシング」という名称で開催されていた[1]。これは1997年に始められた「詩のボクシング」を真似ているとの疑いがある。ルールなどにおいても「詩のボクシング」に追随する形をとりながら、そのような経緯を隠蔽していることは青少年を対象にした催し物でありながら運営として不健全だと「詩のボクシング」を主催する日本朗読ボクシング協会は指摘している。当初は点数制で現在は赤色と白い色の旗を揚げるなどしているが、これは全て「詩のボクシング」が先駆けて行ってきたことである。問題なのは、「詩のボクシング」を真似ておりながらメディアなどの露出によって「詩のボクシング」があたかも「俳句甲子園」を真似ているかのごとき印象を与えていることである。そういったクレームが、日本朗読ボクシング協会に来ているという。
  • 「俳句ボクシング」として行なわれていたことも愛媛新聞などに記事として掲載されている[1]が、主催団体はその事実を明らかにしていない。「『詩のボクシング』を主宰している日本朗読ボクシング協会へ説明をする」と文化庁の一職員に対して返答していながら未だに黙殺している状態だという。

[編集] 競技の現実

  • 生徒同士による「議論・質疑応答」は、時間が3 - 4と極めて限られている。「ここがダメ」「これはふさわしくない」と欠点をあげつらうだけにとどまることも多いとの指摘がある。
  • 「高校生らしい素直な句」を審査員が求める傾向があり、指導教員の意向が入ったような句や実感の伴わない不自然な句は判定にマイナスの影響を与えるという。

[編集] 経過

  • 1998年8月 (社)松山青年会議所によって、第1回俳句甲子園松山大会を開催。参加数9校。
  • 1999年8月 第2回俳句甲子園愛媛県大会開催。松山市内の高校だけではなく、愛媛県大会となる。参加数13校。
  • 2000年8月1920日 第3回俳句甲子園全国大会開催。愛媛県以外に三重県岡山県香川県から4校の参加があり、全国大会と銘打つことに。参加数14校。
  • 2001年8月17~19日 正岡子規没後100年。第4回大会。この回から、松山市が後援。
  • 2002年8月1618日 第5回大会。
  • 2003年8月15~17日 第6回大会。参加24チーム。
  • 2004年
    • 8月13~15日 第7回大会。地区予選制度導入。
    • 12月 愛媛新聞社による『五・七・五のバトル 俳句甲子園』の出版
  • 2005年
    • 2月 映画『恋は五・七・五』の公開
    • 8月19~21日 第8回大会。この大会より学びんピック認定大会に。
  • 2006年8月19~21日 第9回大会。54校、75チーム参加。
  • 2007年8月17~19日 第10回大会。69チーム参加。27都道府県で地方大会を開催。
  • 2008年8月15~17日 第11回大会。

[編集] 歴代の成績

歴代の優勝校・準優勝校・最優秀句
回数 優勝 準優勝 最優秀句 最優秀句作者
第1回 東温高校 愛光高校 秋立ちて加藤登紀子が愛歌う 白石ちひろ(松山中央高校
第2回 愛光高校 松山東高校 朝顔の種や地下鉄乗り換えぬ 森川大和(愛光高校)
第3回 伯方高校 東温高校 裁判所金魚一匹しかをらず 菅波祐太(愛光高校)
第4回 松山東高校 開成高校 カンバスの余白八月十五日 神野紗希(松山東高校)
第5回 吹田東高校 松山東高校 夕立の一粒源氏物語 佐藤文香(松山東高校)
第6回 開成高校 三重高田高校 小鳥来る三億年の地層かな 山口優夢(開成高校)
第7回 甲南高校 開成高校 かなかなや平安京が足の下 高島春佳(紫野高校
第8回 開成高校 下館第一高校 土星より薄に届く着信音 堀部葵(紫野高校)
第9回 熊本信愛
女学院高校
松山東高校 宛先はゑのころぐさが知つてをる 本多秀光(宇和島東高校
第10回 開成高校 幸田高校 山頂に流星触れたのだろうか 清家由香里(幸田高校)
第11回 開成高校 愛光高校 それぞれに花火を待つてゐる呼吸 村越敦(開成高校)
第12回 松山中央高校 洛南高校 琉球を抱きしめにゆく夏休み 中川優香(菊池高校

[編集] 歴代の主な審査員長

(審査員長・審査委員長の表記は、大会公式文書でも統一されていない)

  • 1998年 第1回
  • 1999年 第2回
  • 2000年 第3回 坪内稔典(俳人・「船団の会」代表)/中原道夫(俳人・「銀化」主宰)/辻桃子(俳人・「童子」主宰)/五十崎朗(俳人・「鶴」同人)/如月真菜(俳人・「童子」会員)/阿部元気(俳人・「童子」会員)/西村我尼吾(俳人・「天為」同人)/熊本良悟(俳人・「砂山」同人)/菊地修(俳人フリースペース遊民館館長)/八木健(NHK「俳句王国」司会者)/三浦和尚(愛媛大教育学部教授)
  • 2001年 第4回 坪内稔典/中原道夫/辻桃子/坊城俊樹(日本伝統俳句協会事務局長)/対馬康子(俳誌『天為』編集長)/夏井いつき(俳人・「いつき組」組長)
  • 2002年 第5回
  • 2003年 第6回 中原道夫/辻桃子/坪内稔典/坊城俊樹/天野祐吉(コラムニスト・松山市立子規記念博物館館長)
  • 2004年 第7回 中原道夫/辻桃子/坊城俊樹/池田澄子(俳人・「船団」「豈」所属)/櫂未知子(俳人協会・日本文芸家協会・国際俳句交流協会各会員)/稲畑廣太郎(「ホトトギス」編集長・財団法人虚子記念文学館理事・社団法人日本伝統俳句協会常務理事)/夏井いつき
  • 2005年 第8回 大高翔(俳人・藍花俳句会同人)/
  • 2006年 第9回
  • 2007年 第10回 中原道夫/坊城俊樹/夏井いつき/坪内稔典/

[編集] 地方大会・全国大会の詳細

[編集] 第9回大会の場合

[編集] 地方大会

  • 大会参加資格 日本在住の2006年度在学中の高校生。
  • 参加方法 同一高校5名で編成したチームと引率者1名で1単位。同一高校から複数チームの参加が可能。

参加方法は地方大会からの参加と投句応募による参加の2通り。参加申し込みをしたチームは、兼題に従って未発表の句を3句投句する。

兼題……歌会・句会などで、前もって出された題で作る句・歌。また、その題。兼日(けんじつ)。兼日題。
  • 第9回俳句甲子園地方大会の兼題
一  薫風
二  水馬
三  トマト
  • 参加申込および投句の締切日 2006年6月12日
  • 7月8日 東京・新潟・名古屋・伊丹・広島・松山・福岡
  • 7月9日 宇都宮・長野・津・京都・松江・徳島・熊本
  • 7月15日 旭川・秋田
  • 7月16日 札幌・仙台
  • 地方大会は、参加チーム数にあわせて試合形式が変わる。
  • 4チーム以下……各チーム3句勝負でのリーグ戦。
  • 5~6チーム……3チームのブロックと2チームのブロックに分かれて、各ブロックで3句勝負のリーグ戦。ブロック代表による決勝戦は、即興句で5人5句勝負。
  • 7~9チーム……準決勝まではトーナメント方式で3句勝負、決勝は即興句による5人5句勝負。
  • 全国大会出場資格 地方大会で優勝したチームと、投句応募の中から審査により選ばれたチーム。
  • 全国大会出場チームと全国大会の兼題は、2006年7月10日に俳句甲子園ホームページ上で発表。

[編集] 全国大会

  • 全36チームで開催。
  • 第9回俳句甲子園全国大会予選の兼題 
一  虹 
二  風鈴 
三  昼寝
  • 予選リーグ戦……各チーム3句でのリーグ戦形式
  • ブロック代表12チームによる決勝トーナメント1回戦……各チーム5人5句勝負のトーナメント戦形式
  • 勝者6チームによる準々決勝戦……各チーム5人5句勝負でのトーナメント戦形式
  • <8月20日(日) 愛媛県武道館>
  • 敗退した全チームが参加して敗者復活戦予選・決勝戦を行ない、勝ち残った1チームが準決勝戦に出る。
  • 準決勝戦・決勝戦……即興句で5人5句勝負のトーナメント形式
  • 各試合では、兼題ごとに句を披露した後、その句を鑑賞する質疑応答が攻守交代して行われる。著名な俳人などの審査員が、句の創作力と相手の句に対する鑑賞力をポイント制で評価し、優劣を決める。
  • 創作ポイント……参加者が創作した俳句の出来を10点満点で採点する。
  • 鑑賞ポイント……各対戦において交わされる各チームの質疑、応答、解釈の内容を俳句の特徴・約束事や独特な想像の広がりにも着目して、5点満点でチームに配分する。

[編集] 参考資料

[編集] メディア

[編集] 漫画

  • 俳句甲子園に題材をとった漫画として、以下のものがある。
  • たくまる圭『僕らは長く夢をみる ~めざせ俳句甲子園~』

[編集] テレビ・ラジオ

  • NNNドキュメント'06『俳句ガールズ ひと夏の 恋も涙も 五・七・五』(30分)ナレーター・池脇千鶴 2006年9月3日 制作・南海放送
  • NHK松山『五・七・五にかける夏 ~熱闘!俳句甲子園2006~』語り・古谷敏郎
  • RNB南海放送ラジオ『第9回熱戦俳句甲子園高校生バトル』 2006年8月19日 13:00 - 15:00
  • エフエム愛媛『How To 俳句甲子園』 2006年8月12日(参加36チームのメッセージ紹介など)
  • NHK四国スペシャル『俳句甲子園2002』 2002年9月6日 19:30 - 20:28
  • NNNドキュメント'02『俳句甲子園 ~ 駆け抜ける レモンの風や 陸上部 ~』(25分枠) 2002年9月8日

[編集] 他の高校生俳句大会

[編集] 俳句」+「甲子園」の名称

  • 1970年に始まった「全国学生俳句大会」(主催・日本学生俳句協会)は、学校対抗部門(団体の部)について1988年から「全国学校対抗俳句の甲子園」との愛称を付けて開催されている[2]。したがって、松山のそれは学生が参加する俳句イベントに「甲子園」の名を冠するアイデアとしては後発に位置する。名称だけでなく、1校につき生徒5人で5句投句するという形式も同じもの。全国学生俳句大会と松山「俳句甲子園」の両方ともに、現代俳句協会が後援している。

[編集] 高校生俳句バトル

[編集] 甲子園での「俳句甲子園」

  • 有馬朗人・黛まどか・監修・編『第一回 俳句甲子園』 NTT出版 2000年3月 ISBN 4-7571-5021-0
  • 有馬朗人・黛まどか・監修・編『俳句甲子園 第二回』 NTT出版 2001年2月 ISBN 4-7571-5030-X
  • 有馬朗人・黛まどか・監修・編『俳句甲子園 第三回』 NTT出版 2002年2月 ISBN 4-7571-5034-2

[編集] 脚注

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  1. ^ 「『ずうむいん愛媛』高校生に句会ライブ旋風」 愛媛新聞 1998年9月21日付朝刊
    「俳句でボクシング 玄人対決ファンうなる 句会ライブIN松山」 愛媛新聞 1999年8月29日朝刊
  2. ^ 全国学生俳句大会・俳句の甲子園歴代入賞(愛媛事務局)
    文芸通信 - 稚内市立下勇知小中学校
    全国学生俳句大会高校生の部、徳島県人初の第1席 原 友美(はら・ともみ)さん  http://www.topics.or.jp/rensai/hito/2003/0202.html 徳島新聞 2003年2月2日

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 公式ウェブサイト

[編集] その他

最終更新 2009年8月9日 (日) 11:03 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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