偽医療
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偽医療(にせいりょう, 英語:Quackery, Health fraud)とは、一見医療行為の外観をみせるものの、その実態は全く治療効果のない医療行為や人に害を及ぼすような医療行為のことである。「インチキ医療」とも言う。
医療行為と誤認させないものは、偽医療には含まない。
なお、何らかの治療効果がある行為は偽医療ではないので、「通常医療」および「代替医療」を参照のこと。
目次 |
[編集] 概説
医療を受ける人の視点では、基本的には、ある行為に本当に治療の効果があるのか無いのかによって、本物の医療なのか偽医療なのか評価が分かれる傾向にある。
医療関係者の視点ではおおむね、自身が属している集団がまっとうな医療を行っており、他の集団がいかがわしい医療あるいはインチキな医療を行っている、といった見解になる傾向がある[1]。
「偽医療」と「本物の医療」を線引きすることと、「健康保険の給付が受けられる/受けられない」の区別は別の問題である。[2]
[編集] 医師と偽医療
医師が、(患者からは医療と思われていても)治療効果が無い行為や患者を害する行為を行うことがある。患者にとって意味がない治療行為や害があるような行為や患者の希望や意思を無視した治療は、偽医療とされることがある。
医師自身が、ある行為(投薬、手術など)に治療効果が無いと知りつつ、あるいは患者に害を及ぼすと知りつつ、その都合の悪い事実を隠して行っている場合がある。
「医者の私利私欲には警戒するべきである」とロバート・メンデルソンは述べている[3]。医師というのは、人間のからだが持つ自然な変化に「治療」という名目で介入して、その介入の結果として報酬(=お金)を受け取り、そして世間の評価を得ている[4]。そのままそっとしておけば自然治癒力で治るということを正直に言ったり、別の医者のところに行くように正直に勧めていては、医師は報酬を期待できない[5]。だから、医師は目の前に現れた人に(適切ではない場合でも)医療処置を施す傾向がある、とロバート・メンデルソンは述べている[6]。また、医者というのは、そうするように教育されてもいる、とロバート・メンデルソンは述べている[7]。
また、医師本人には偽医療を行っているとの自覚が無いままにそれを行っている場合もある。 現代西洋医学の医学論文や医学研究の場において、ある治療法が危険性があるにもかかわらず、調査を十分にしないままに"危険性は無い"と主張する例が多々あり、医師の大半はそれを信じてしまうため、その治療法を実行し患者に害を加えてしまうことがある[8]。 現代西洋医学の治療の中には、実は効果が無いものが多々含まれている[9]。それどころか、(現代西洋医学の場合)当の病気そのものよりも治療の方がはるかに危険だということがしばしばある[10]とロバート・メンデルソンは述べている。。
また、医師の中にも、医学的俗説(医学的には正当性がない知識・伝承)を信じてしまう人もいるため、それが不適切な医療行為の原因になる恐れも指摘されている[11]。
姑息的治療まで「偽医療」と呼ぶかは意見が分かれている。
[編集] 関連項目
[編集] 無免許医や偽医師と偽医療
医師免許を剥奪されるなどして無免許になった者が、免許を持っていた時に行っていたのと内容的にはまったく同様の、効果のある医療行為を(こっそりと)行う場合がある。そのような場合に、患者が望んだ通りの効果を挙げ患者から喜ばれた治療が、はたして偽医療に該当するのか、それとも医療なのか、評価は視点によって異なる。
はじめから一度も免許を取得したことのないのに医師と偽る、いわゆる偽医師の中には、医師免許を有する正規の医師よりもむしろ患者からの評判が良い者がいる。だが、偽医師が偽医療を行っていたケースが事件化し報道されることもある。
[編集] カルト集団と偽医療
近年では、一部のカルト団体などで、医療行為あるいはそれに類似する行為が行われていることがある。何らかの効果が認められる場合もあるが、全く効果がない場合もあり、逆に患者の健康に悪影響を与えている場合もある。誤った根拠による診断・治療行為などが行われることもある。医師などからは「正しい医療を受ける機会を奪っている」と指摘されることもある。
[編集] フランス
フランスではセクト(カルト)団体対策の一環として偽医療の取締りを強化している(精神科医の免許制度、損害賠償の拡大と被害者救済の制度、子供の虐待を発見した医師は被害者の同意の下、守秘義務が課せられることなく告発が可能[要出典])。 また医師会による指針の策定と簿弱状態にある人間への詐欺的行為の守秘義務を超えた通報許可、妊娠4ヶ月目の診断が追加され、母親が精神的に弱くなっていないかどうかを確認することなどが提案されている。
フランスには「逸脱行為を行うセクト団体の活動は偽医療の分野に多く、病気や困難により精神的に弱くなっている人たち、そして医療関係者たちが、標的になっている[要出典]」との行政書類がある。日本も同じ[要出典]だという。
[編集] アメリカ合衆国
また、アメリカ合衆国をはじめとするいくつかの国(日本も含む)ではサイエントロジー教会が「反精神医学」という精神医学の否定を目的とした活動を行っており、傘下には市民の人権擁護の会という反精神医学の主張を広めることを目的とした団体を持っている、という。
[編集] 日本での法的な枠組み
まず前提として、日本では、医療行為には、業務として行うものと、そうではないものがある、と考えられている。
日本においては、業務としての医療行為については、特に「医業」とされ、医師法によって、医師(医師免許を持つ者)以外が行うことを禁止している。医師は、医学的正当性に基づいた医療行為を業務として行う。なお、医師以外に業務上の行為として認められている事項は、医業(業務としての医療行為)に含まれないのが通例である。
医師を偽る者による偽医療は、医師法(昭和23年法律201号)の第17条には、(医師免許を有する)「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定められており、犯罪行為とされている。
尚、医師免許と、医学博士号とは別のものであり、たとえ有名大学の医学博士号を取得していても、医師免許を持たなければ診療行為を行うことはできない。(この点を理解していない患者が「医師免許を持たない医学博士」による診療を受けることがある[要出典]という。)
日本の政府は近年、健康増進法の改正等により、偽医療への規制の強化に乗り出している。[要出典] 偽医療の規制は、医学知識の欠如した者によって行われるすべての医療行為に対して行われるべきである[要出典]、と述べる人がいる。
[編集] 参考文献
- ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』草思社
[編集] 出典・注
- ^ 例えば、現代西洋医学の教育および訓練を受け医師免許を得た者では自らの医療を本物と見なし、代替医療における医療行為をいかがわしいと見なす者が多い傾向があり、反対に伝統医療の教育と訓練を受け開業した者は自らの体系こそ本物の医療と見なし、西洋医学の医師らによる行為を例えば"副作用が大きい方法を多用する"などとして問題視していることは多い。
- ^ 偽医療を、自由診療や保険外治療などと呼ばれる、健康保険が適用されない治療と結びつけてしまう人もいるが、厳密には「医療/偽医療」の問題と「保険適用/保険非適用」の問題は別問題である。この世に存在する全ての有効な治療法に対して保険が適用されているわけではない。保険が適用されてはいないものの患者の希望に沿った結果が出せる見込みが高い治療法が存在する場合に、その治療には保険が適用されない旨を事前に知らせた上で、複数の治療法の中から選択させ、結果として患者の希望により保険が適用されない治療行為が選ばれ、それを行う、ということは広く行われている。
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.41
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』pp.41
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.41
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.41
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.41
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』pp.11-13
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.15
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.15
- ^ R. C. Vreeman and A. E. Carroll, Medical myths, BMJ, 335 (2007), 1288-1289. BMJ ]
[編集] 関連項目
- 通常医療、代替医療
[編集] 関連書籍
- ロルフ・デーゲン『フロイト先生のウソ』ISBN 4167651300。 (原題Lexikon der Psycho-Irrtümer, 2000)
- マーティン・ガードナー『奇妙な論理1-だまされやすさの研究』、市場泰男訳、早川書房。ISBN 4150502722。(原題 in the Name of Science, 1952)

