偽証の罪

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偽証の罪(ぎしょうのつみ)とは、法律により宣誓した証人が虚偽の陳述(供述)をする罪(偽証罪)。法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定通訳又は翻訳をする罪も含む(虚偽鑑定等の罪)。

目次

[編集] 概要

偽証の罪は、刑法に規定された犯罪類型の一つで、「第二十章 偽証の罪」に規定された犯罪のこと。同章には、169条に規定された偽証罪と、171条に規定された虚偽鑑定等の罪がある。

保護法益は、いずれも「国家の審判作用の適正」であり、国家的法益の罪に分類される。

また、真正身分犯とされ、「法律により宣誓した証人(鑑定人、通訳人、翻訳人)」という身分が構成要件となる。

[編集] 虚偽の陳述

虚偽の陳述」については、陳述内容が客観的真実に合致しているかどうか(客観説)ではなく、自己の記憶に反した陳述であればこれにあたるとする(主観説)のが判例、通説である。

主観説に立てば、虚偽告訴罪と異なり、自己の記憶に反した陳述をし、それがたまたま客観的事実に合致していても、罪に問われることになる。

また、「虚偽の鑑定」等についても同様に解されている。

なお、170条の「自白」については、法的な自首にあたる場合に限定されないとされる。

[編集] 偽証罪の成立

偽証罪が成立するためには、「自己の記憶に反した陳述」(故意)であることが立証されることが必要であり、「陳述内容が客観的真実に合致していない」(過失)だけでは偽証罪は成立しない。

また、偽証罪の対象は「法律により宣誓した証人」(法廷証言)に限られるため、書証として提出される陳述書の偽証(虚偽記載)は、もとから偽証罪の対象とはならない。

[編集] 刑法

[編集] 偽証罪

法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられる(169条)。

[編集] 自白による刑の減免

偽証の罪には、自白による刑の減免規定がある。偽証の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減刑し、又は免除することができる(170条)。

[編集] 虚偽鑑定等の罪

法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、169条と170条の例によって処断される(171条)。

[編集] 証人喚問について

国会におけるいわゆる証人喚問の偽証の場合は、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律による規律を受ける(同法6条1項)。構成要件および法定刑は、刑法169条1項に同じ。証人を喚問した委員会において、出席委員の三分の二以上の賛成を満たす必要がある。

[編集] 近年の積極的適用

裁判員制度の開始に合わせて、近年、検察は偽証罪の積極的な適用を進めている。プロの裁判官とは違って裁判員が嘘の証言を見破るのは容易ではなく、法廷での証言は真実という前提でなければ裁判員制度の根幹が揺らぎかねないからである。今まで、適用例が少なかったのは、偽証の多くは客観的な証拠が少なく、捜査に手間がかかる上、偽証があっても有罪判決が出れば問題にしないこともあったからだといわれる[1]

一方で、2006年8月、強制わいせつの容疑で起訴された長男の公判で虚偽の証言をしたとして、さいたま市の夫婦が偽証容疑で逮捕されたが、夫婦は検事から「刑務所に送ってやる。獄中死しろ」、「人間のくずだ」などと暴言を吐かれ、結局、妻は無罪、夫は起訴猶予処分となった。夫婦は2009年8月7日、国を相手取って770万円の損害賠償を求める裁判を起こした。夫婦の弁護団は、検察が裁判員裁判に向けて偽証罪を積極的に摘発していること、検察と違う証言をすると逮捕される危険性をはらんでいることを指摘している[2]

[編集] 脚注

  1. ^ 読売新聞社会部 『ドキュメント検察官…揺れ動く「正義」』 中央公論新社中公新書〉(原著2006-09-25)、初版、pp. 175-176。ISBN 9784121018656。2009-07-19閲覧。
  2. ^ [偽証無罪女性らが提訴”]. 東京新聞. (2009-08-08). http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009080802000049.html 2009-08-11 閲覧。 

[編集] 関連項目

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[編集] 外部リンク


最終更新 2009年11月14日 (土) 01:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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