元禄繚乱

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元禄繚乱』(げんろくりょうらん)は、1999年1月10日12月12日に放送されたNHK大河ドラマ

2005年12月より、時代劇専門チャンネルにて放送された。

元禄繚乱
ジャンル ドラマ
放送時間 44分30秒
放送期間 1999年1月10日~12月12日(全49回回)
放送国 日本
制作局 日本放送協会
製作総指揮 菅野高至
演出 大原誠
原作 舟橋聖一
脚本 中島丈博
出演者 中村勘九郎
大竹しのぶ
東山紀之
石坂浩二
宮沢りえ
柄本明
阿部寛
吉田栄作
堤真一
篠原涼子
安達祐実
鈴木保奈美
滝田栄
近藤正臣
竜雷太
中村梅之助
村上弘明
松平健
京マチ子
萩原健一 他

目次

[編集] 概要

江戸時代を扱った作品は1995年の『八代将軍吉宗』以来で、忠臣蔵を題材としたのは1982年の『峠の群像』以来、大河ドラマ初期の1964年の『赤穂浪士』以来4作目となる。原作は1950年代末から1960年代初頭にかけて連載された舟橋聖一の『新・忠臣蔵』で、舟橋作品の大河ドラマ化は第1作の『花の生涯』(1963年)以来となる。主演の中村勘九郎(現・中村勘三郎)は『武田信玄』(1988年)以来の出演で、4度目の大河ドラマ出演にして主役抜擢。

仇討ちにより、箍が緩んだ元禄時代の世相と5代将軍・徳川綱吉の治世への抗議を目論む大石内蔵助吉良上野介の親類である米沢藩上杉家赤穂浪士とを相争わせ、己の権勢のために両藩の取り潰しを狙う柳沢吉保、その柳沢の謀略の阻止を狙う米沢藩家老・色部又四郎、この3人の謀略戦を主軸にして忠臣蔵を描いている。

なお鈴木保奈美はこの作品を最後に芸能活動を休止した。そのため、物語後半から鈴木演じる染子の描写は少なくなった。

本作は、放送中盤までアバンタイトルを採用していない。その後、本放送のときのみ『元禄繚乱1分前』というミニコーナーが設けられ、その後正式にアバンタイトルを導入した。

平均視聴率は20.2%、最高視聴率は28.5%。

[編集] あらすじ

播磨国赤穂藩家老・大石内蔵助は「昼行灯」と呼ばれるほどの遊び好きで呑気な男。しかし人懐っこい性格で数々の調停に手腕を発揮し、藩士・領民の人気は高く、藩主・浅野内匠頭の信任も厚かった。

そんな平穏な赤穂藩に激震が走る。刃傷・松の廊下事件―この一件が呑気な家老の人生を激変させた。狂気の将軍・綱吉とその側用人・柳沢吉保の裁定により内匠頭は即日切腹、一方事件の被害者・吉良上野介はお咎めなし。

喧嘩両成敗の定法を無視した幕府の裁定に藩内は吉良への報復のムードが高まるが、内蔵助ははやる藩士達を制し、内匠頭の弟・大学長広を新たな藩主に据え、お家再興を幕府に働きかける。しかし柳沢の謀略により赤穂藩は断絶。藩士は全員禄を失い、浪人となる。

内蔵助は吉良への仇討ちにより幕府への抗議を目論み、本意を隠しながらその機を伺う。一方柳沢は赤穂浪士の仇討ちにより、吉良の実子が養子入りした米沢上杉家とを相争わせ、広島藩浅野本家と米沢藩上杉家あわせて57万石の取り潰しを画策。米沢藩家老・色部又四郎はその柳沢の謀略を察知し、赤穂浪士による仇討ち防止に奔走する。

内蔵助、柳沢、色部…。3人の男達の激しい謀略戦が始まった。

[編集] 作品の特徴

本作品の一番の特徴は、討ち入りが単に主君の無念を晴らすためや吉良への仇討のためではなく、幕府や元禄の世相に対する抗議として描かれていることであろう。

それにともなって真の敵役でなくなった吉良上野介も、単純な悪役としては描かれなかった。機嫌のよい時は優しく、機嫌が悪い時は冷酷になるという、悪役というよりも人間臭い人物として描かれた。同時に「進物」(すなわち金や高級品)を是として、その量で人間の気持ちを測ることができると考える元禄の世を象徴する人間として描かれ、大石内蔵助はそのために吉良のところへ討ちいりに行ったと解釈することができるだろう。

物語前半において、天和3年に浅野が最初の勅使饗応役を命じられた時のことも描かれたが、この時には大石頼母が吉良に「進物」を贈ったため、吉良の機嫌は良く、浅野と吉良の関係は大変良かった。2人の仲が悪くなったのは、大石頼母を失った浅野が2度目の勅使接待役に任命されたことから始まった。吉良は浅野に対し、勅使への接待には「進物」が必要不可欠と考えていた。しかし、潔癖な浅野はそれを賄賂と見なして極度に嫌い、結局吉良の指図を受けなかった。元禄時代を象徴する人物である吉良にとっては「進物」とは朝廷や幕府への忠誠心としての証であり、決して浅野の思う汚いものではなかった。2人の擦れ違いが始まった。

儀式の当日、柳沢吉保から桂昌院従一位叙任の件について問われた吉良は、自らの責任逃れのため、浅野の接待に落ち度があり、時勢に逆らって進物を嫌う浅野には謀反の気があるのではないかと柳沢に告げた。柳沢に問い詰められた浅野は、吉良に対して激しく反論、これを不快に感じた吉良も、江戸城留守居役の梶川与惣兵衛の前で浅野を罵ったところ、浅野は吉良に刃傷を及んだ。徳川綱吉は激怒、刃傷事件の原因を究明することを主張する大目付仙石久尚の声を無視して、綱吉と柳沢は浅野に即日切腹を命ずるという処断を下した。

大石内蔵助は主君である浅野を、賄賂でなければ物事が進まない腐敗した社会の被害者として受けとめ、その社会に対する異議申立ての手段として元禄時代を象徴する吉良への討ち入りを決断、大石は同志たちに「討ち入りの目的は吉良への私怨だけではなく、幕府への抗議である」と説き、討ち入りを決行した。討ち入りの際、吉良の「みどもを真の敵と思うてか?」の台詞に何も答えない大石の姿がそれを物語っている。このほか、綱吉の狂気や柳沢の忠誠、大石頼母や浅野大学ら世俗に染まった中級武士の姿などをこれでもかと描いて、いわゆる勧善懲悪の時代劇という枠組みをも破壊していることも見逃せない。

当たり前のこととして進物を行い笑って話す頼母、陽気にして時に妖気さえ漂わせる大学をいわゆる善玉の浅野家側に置いたり、悪玉のはずの柳沢が出世祝いの品に驚いたり良好な夫婦関係を維持していたり、綱吉が母に誠心誠意孝養を尽くす姿を描写することで、これらの人物にも感情移入しやすいように描かれていることは、それまでの忠臣蔵には見られなかった特徴である。

刃傷の直接の原因について、畳替えや精進料理などの俗説を排除して、史実の桂昌院従一位叙任の一件に絡めたことも新しい試みであった。その他の面でも歴史研究の成果や新解釈を取り入れた結果、史実に忠実であるところが多いが、『仮名手本忠臣蔵』など完全なフィクションの要素も若干取り入れている。

[編集] スタッフ

  • 脚本:中島丈博
  • 原作:舟橋聖一(『新・忠臣蔵』より)
  • 音楽:池辺晋一郎
  • テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
  • テーマ音楽指揮:秋山和慶
  • 演奏:東京コンサーツ
  • 時代考証:竹内誠
  • 風俗考証:小澤弘
  • 建築考証:平井聖
  • 衣装考証:小泉清子
  • 振付・所作指導:猿若清三郎
  • 殺陣・武術指導:林邦史朗
  • 能指導:喜多六平太
  • 邦楽指導:本條秀太郎
  • 京ことば指導:大原穣子
  • 茶道指導:佐藤宗清
  • 仏事指導:浦井正明
  • 撮影協力:兵庫県赤穂市吉良町山形県米沢市、横浜三渓園
  • 資料提供:三好一行、鈴木悦道、小野榮、保垣孝幸、小林喬
  • CG制作:小畑正好、吉田祐司、馬島亮
  • タイトル映像:片岡敬司、坂美佐子
  • 題字:渡辺裕英
  • 語り:国井雅比古アナウンサー、岸本多万重アナウンサー(元禄紀行)
  • 制作統括:菅野高至
  • 制作:古川法一郎
  • 美術:藤井俊樹、岸聡光、小林史幸
  • 技術:小林稔、渡部浩和
  • 音響効果:山田正幸、岩崎進、太田岳二、臼井正明
  • 撮影:川邨亮、森本祐二
  • 照明:飯酒盃真司、佐野清隆
  • 音声:松本恒雄、鈴木清人、冨沢裕、山中義弘
  • 映像技術:中野朗、牧島清
  • 美術進行:金田有司、井上博美、小林大介
  • 記録:井上博美
  • 編集:徳島小夜子
  • 演出:大原誠、片岡敬司、遠藤理史/海辺潔、本木一博

[編集] キャスト

[編集] 大石家

  • 大石内蔵助中村勘九郎
    家老の見習いであった延宝6年(1678年)、20歳のときに初めて江戸に出た。吉原に行った際、そこで拾った財布が縁で色部又四郎と知り合う。
    昼行灯と呼ばれのんきな一面も持つが、真面目な性格の持ち主。主君に対する思いも人一倍であった。
    討ち入り計画の段階で、血判状を書き浪士たちの意思を確認しようとし、血気に走るものに対しては「とにかく待て」と冷静に対処するように促している。
    お軽からは好意をもたれており、入浴時に体に湯をかけさせたこともある。
  • りく大竹しのぶ
    内蔵助を支える妻であり、主税の母。
  • 大石松之丞→大石主税熊木翔中村七之助
    内蔵助の嫡男。父たちの動きに感動し、自らも隊士に加わる。
  • おまさ:南果歩
    内蔵助の赤穂時代の妾。原作『新・忠臣蔵』からの登場人物。
  • お軽安達祐実
    島原の稚児として客である内蔵助に出会い、その人柄にふれて好意を抱く様になる。島原時代には「旦那様大好きや」と言ったこともある。
    赤穂藩取りつぶし後、内蔵助に女中として身請けされる。身請けされた当初は子供らしさが抜けず、歯に衣着せぬ言動で内蔵助・進藤源四郎以外の浪士とことごとく対立。特に原惣右衛門や大高源五は女狐とののしり、遠ざけるよう何度となく内蔵助に諫言することになる。また、その出自が影響してか女性としての羞恥心もほとんどなく、洗髪中に原惣右衛門と大高源五が訪ねてきたときには服を着ずに出迎え両人をとまどわせた。
    しかし、時を経るごとに女性として成長し、内蔵助を精神面で支える存在になっていった。内蔵助と別れる直前に内蔵助の子供を身ごもるが、内蔵助の足かせにならぬよう「遊郭に戻れば生きていける」と明るく振る舞っていた。最後は内蔵助の配慮で源四郎に預けられ、最終回にて内蔵助との間の男子を出産。出産後は源四郎とりくによって男子と共に表社会から消された(詳細は明かされないがその後も源四郎にかくまわれたと思われる)。以降は不明だが、終盤で登場した中村勘三郎(勘九郎が演じた)がその男子であると匂わせている。
    子役を使わないことがほとんど不可能な設定であるが、安達は一人で演じきり全く不自然さを感じさせなかった。
  • 大石頼母助愛川欽也
  • 石束源五兵衛中村梅之助
    丹波豊岡藩家老。りくの父。
  • 大石くう小野寺華那徐桑安坂田麻衣子
  • 大石るり:板倉美穂
  • 大石吉千代:鍋倉萌杜→北尾亘→柿本祐貴
  • おきみ:飯島里奈
  • 八助佐藤輝

[編集] 赤穂四十七士

[編集] 浅野家とその家臣の縁者

[編集] その他の赤穂藩士

[編集] 吉良家・米沢藩

[編集] 徳川・柳沢家

[編集] 幕府

[編集] 大名

[編集] 諸藩武士

[編集] 江戸

[編集] その他

[編集] 放送

放送回 放送日 演出 視聴率
第1回 1月10日 家老見習い 大原誠 25.0%
第2回 1月17日 五代将軍綱吉 22.3%
第3回 1月24日 お取り潰し 片岡敬司 24.0%
第4回 1月31日 赤穂お国入り 21.8%
第5回 2月7日 お世継ぎ祈願 遠藤理史 21.9%
第6回 2月14日 殿中刃傷 21.7%
第7回 2月21日 華燭の典 大原誠 20.4%
第8回 2月28日 内蔵助の縁談 20.1%
第9回 3月7日 野望 片岡敬司 22.0%
第10回 3月14日 三人阿久利 20.6%
第11回 3月21日 養子縁組 遠藤理史 19.0%
第12回 3月28日 城請け取り 17.1%
第13回 4月4日 誘拐 大原誠 14.0%
第14回 4月11日 大名火消し 17.6%
第15回 4月18日 赤子騒動 片岡敬司 17.8%
第16回 4月25日 蝮と毒虫 遠藤理史 18.0%
第17回 5月2日 将軍暗殺 15.1%
第18回 5月9日 勅使饗応役 大原誠 17.4%
第19回 5月16日 刃傷松の廊下 片岡敬司 22.3%
第20回 5月23日 内匠頭切腹 19.6%
第21回 5月30日 大評定 大原誠 20.2%
第22回 6月6日 神文血判 19.9%
第23回 6月13日 赤穂開城 19.5%
第24回 6月20日 鎮魂歌 遠藤理史 19.1%
第25回 6月27日 山科閉居 片岡敬司 20.4%
第26回 7月4日 江戸急進派 19.2%
第27回 7月11日 内蔵助江戸へ 海辺潔 20.1%
第28回 7月18日 再会 20.1%
第29回 7月25日 脱落者 遠藤理史 18.0%
第30回 8月1日 辞世の句 片岡敬司 18.8%
第31回 8月8日 浮さま 遠藤理史 18.9%
第32回 8月15日 お軽 本木一博 18.3%
第33回 8月22日 一位さま 18.7%
第34回 8月29日 内蔵助外し 片岡敬司 15.6%
第35回 9月5日 跡目相続 遠藤理史 16.2%
第36回 9月12日 決断 大原誠 18.9%
第37回 9月19日 幕府への反逆 本木一博 19.4%
第38回 9月26日 神文返し 海辺潔 18.7%
第39回 10月3日 訣別の朝 片岡敬司 19.6%
第40回 10月10日 内蔵助東下り 大原誠 18.3%
第41回 10月17日 吉良邸絵図 遠藤理史 18.8%
第42回 10月24日 帰らぬ人々 片岡敬司 18.9%
第43回 10月31日 吉良の茶会 大原誠 21.5%
第44回 11月7日 いざ討入り 遠藤理史 21.8%
第45回 11月14日 討入り危うし 片岡敬司 21.1%
第46回 11月21日 討入りの日 大原誠 23.8%
第47回 11月28日 四十七士討入り 遠藤理史 28.5%
第48回 12月5日 四家お預け 片岡敬司 26.4%
最終回 12月12日 忠義の士 大原誠 28.0%
平均視聴率20.2%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

[編集] 備考

  • 収録の打ち上げの席で、脚本の中島丈博が中村勘九郎の演技を「目が死んでいる」と非難、勘九郎とつかみ合いになる、という騒動が起こっている。徳川綱吉役で出演していた萩原健一は著書『ショーケン』(2008年、講談社)で、収録現場で勘九郎が脚本の台詞を自己流に言い換えていたので、中島の怒りを買ったのではないか、と推測している。

[編集] 脚注

  1. ^ 当初の予定は御木本伸介
  2. ^ 平田満が演じる予定だったが、事故のため降板。


NHK 大河ドラマ
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元禄繚乱

最終更新 2009年11月19日 (木) 11:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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