内房線

内房線の最新ニュースをまとめて検索!

内房線
内房線の特急「さざなみ」
内房線の特急「さざなみ」
内房線の路線図
路線総延長 119.4 km
軌間 1067 mm
電圧 1500 V (直流)

内房線(うちぼうせん)は、千葉県千葉市中央区蘇我駅から房総半島の西岸(東京湾側)を経由し千葉県鴨川市安房鴨川駅へ至る東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。

目次

[編集] 概要

千葉市から東京湾沿いに房総半島を南下し、太平洋沿岸の鴨川に至る路線。東京から京葉線経由で特急列車が乗り入れている。蘇我駅で外房線から分岐し、安房鴨川駅で再び外房線に接続する。なお、千葉から安房鴨川へ行く場合、内房線経由より外房線勝浦経由のほうが距離が29.9km短い。

全線が東京近郊区間に含まれ、Suicaおよびこれと相互利用可能なICカードが利用できる。

[編集] 路線データ

  • 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):蘇我 - 木更津 - 安房鴨川間 119.4km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:30駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:蘇我 - 君津間
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:(複線および単線)自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-P
  • 最高速度:120km/h(蘇我 - 君津)、95km/h(君津 - 安房鴨川)
  • 運転指令所:千葉総合指令室

全線がJR東日本千葉支社の管轄である。

[編集] 沿線概況

[編集] 千葉 - 蘇我 - 君津間

内房線の正式な起点は蘇我であり、千葉 - 蘇我間は外房線の路線である。内房線の普通列車は千葉を発着駅とするため、JRの旅客案内やウェブサイトでの乗換案内では、内房線の起点は千葉との案内表記が多く、実質千葉 - 蘇我間を内房線・外房線が共用している状態となっている。

この区間は東京のベッドタウンであり、沿線は新興住宅地に囲まれている。特に蘇我 - 姉ヶ崎間は住宅地の密度が高く、乗車人員が多い駅が続く。姉ヶ崎以南も東京のベッドタウンとしての開発が続き、利用者の利便性向上のために、快速・通勤快速が終日停車するようになった駅(浜野・長浦・袖ケ浦)がある。

東京都心への通勤・通学利用が非常に多く、ラッシュ時間帯は千葉発着の普通列車のほかに、総武線に直通する快速・京葉線に直通する快速・通勤快速が設定されており、同区間から東京都心まで1本の列車でアクセスできる。特に京葉線の通勤快速は、京葉線内での通過駅が多いこともあって、所要時間を大幅に短縮している。

またこの区間の東京湾沿岸は京葉工業地域であり、大規模な製鉄所や石油関連の工場が連なる。これらの工場施設が、車窓に映る区間がある。そのため京葉工業地域への通勤利用が多くあり、朝の下り列車は工場へ向かう利用者で車内が過密になる。

利用者が多いために、木更津までは日中でも1時間に4本、君津までは3本の列車本数(特急は含まない)であり、日中でも総武線快速が直通運転として君津まで乗り入れてくる。

[編集] 君津 - 館山間

君津以南は東京湾と房総丘陵の間のわずかな平地を、東京湾の沿岸に寄り添う形で走行する。沿線にはマザー牧場鋸山などの観光スポットや、多数の海水浴場が点在する。また館山は南房総における観光拠点の一つであり、観光アクセスとしての役割が目立つ区間である。また、海岸沿いを走行するため、風の影響を受けやすく、しばしば運休する。

沿線人口は非常に希薄であり、沿線住民の利用者は非常に少ない。君津 - 館山間には集積した市街地が点在しておらず、乗車人員が300 - 400人程度の小さな駅が連続する。君津を境界に利用者における極端な段差が生じているため、君津以南の普通列車は、日中は1時間に1本で、路線も単線となる。

また、同区間を通過する観光利用者数も減少傾向にある。東京湾アクアライン館山自動車道富津館山道路の開通により、東京から南房総へのアクセスは自動車の比率が高まりつつある。これは君津以南の内房線を弱体化させる結果となった。相当数の特急「さざなみ」が定期列車から臨時列車に格下げされたのが代表例である。

なお、沿線にある鹿野山山頂付近に「国土地理院鹿野山測地観測所」が存在し、「気象庁地磁気観測所」と同様に地磁気の観測を行っているため、常磐線のように交流電化ではないものの、君津 - 館山間の一部区間では、直直デッドセクション方式(通電区間を数km単位に細分化し、それぞれの通電区間に1変電所を設置。通電区間毎に絶縁する方式)を採用している。

[編集] 館山 - 安房鴨川間

館山より先は進路を東に変えて、外房線と連絡する安房鴨川を目指す。千倉 - 安房鴨川間は太平洋の沿岸に寄り添って進み、海水浴場やマリンスポット・マリンリゾートなどの海に関するレジャー施設が多くなる。千倉まで特急「さざなみ」が乗り入れ、千倉 - 安房鴨川間は普通列車のみの運行となる。この区間における利用動向は、館山 - 安房鴨川間の両都市間の相互移動と、南房総の観光の入り口の一つである千倉への観光利用、安房拓心高等学校の最寄である南三原への通学利用に留まる。

[編集] 歴史

房総半島を一周する鉄道のうち、東京湾側の鉄道として1912年(明治45年)に蘇我 - 姉ケ崎間が木更津線(きさらづせん)として開業したのが始まりである。以後小刻みに延伸を繰り返し、1919年(大正8年)に安房北条(現在の館山)まで達したところで北条線(ほうじょうせん)と改称し、その後1925年(大正14年)に安房鴨川に達して現在の内房線の区間が全通した。

1929年(昭和4年)には、房総半島の東側で建設されていた房総線が安房鴨川まで延伸され、北条線を編入の上、千葉 - 大網 - 安房北条 - 木更津 - 蘇我間が房総線(ぼうそうせん)とされた。1933年(昭和8年)には再び蘇我 - 木更津 - 安房鴨川間が房総西線(ぼうそうさいせん)として分離され、1972年(昭和47年)に現在の内房線に改称された。

1950年(昭和25年)の夏には太平洋戦争後初の海水浴客向けの臨時列車「潮風」を運行する。以後、夏期は各地から房総西線(内房線)へ向けて臨時列車が数多く運行された。1963年(昭和38年)と1964年(昭和39年)の夏には、列車不足を補うために当時未電化であった房総西線に電車も入線させた。電車は千葉駅でパンタグラフをたたみ、ディーゼル機関車の牽引によって館山駅まで運行された[1]

[編集] 年表

  • 1912年明治45年)3月28日 - 木更津線 蘇我 - 姉ケ崎間開業。
  • 1912年(大正元年)8月21日 - 姉ケ崎 - 木更津間延伸開業。
  • 1915年(大正4年)1月15日 - 木更津 - 上総湊間延伸開業。
  • 1916年(大正5年)10月11日 - 上総湊 - 浜金谷間延伸開業。
  • 1917年(大正6年)8月1日 - 浜金谷 - 安房勝山間延伸開業。
  • 1918年(大正7年)8月10日 - 安房勝山 - 那古船形間延伸開業。
  • 1919年(大正8年)5月24日 - 那古船形 - 安房北条(現在の館山)間延伸開業。同時に北条線に改称。
  • 1921年(大正10年)6月1日 - 安房北条 - 南三原間延伸開業。
  • 1922年(大正11年)12月20日 - 南三原 - 江見間延伸開業。
  • 1924年(大正13年)7月25日 - 江見 - 太海間延伸開業。
  • 1925年(大正14年)7月11日 - 太海 - 安房鴨川間延伸開業。
  • 1926年(大正15年)6月16日 - 竹岡駅開業。
  • 1927年昭和2年)5月20日 - 千歳仮停車場開業。
  • 1929年(昭和4年)4月15日 - 房総線が安房鴨川まで延伸され全通。北条線を房総線に編入。
  • 1930年(昭和5年)8月1日 - 千歳仮停車場が駅に昇格し千歳駅開業。
  • 1933年(昭和8年)4月1日 - 房総線の蘇我 - 安房鴨川間を房総西線に分離。
  • 1941年(昭和16年)11月20日 - 巌根駅開業。
  • 1946年(昭和21年)3月1日 - 安房北条駅を館山駅に改称。
  • 1947年(昭和22年)1月10日 - 長浦駅開業。
  • 1956年(昭和31年)4月10日 - 周西駅を君津駅に改称。
  • 1964年(昭和39年)7月1日 - 蘇我 - 浜野間複線化。
  • 1964年(昭和39年)9月20日 - 浜野 - 八幡宿間複線化。
  • 1965年(昭和40年)7月4日 - 八幡宿 - 五井間複線化。
  • 1968年(昭和43年)5月26日 - 五井 - 長浦間複線化。
  • 1968年(昭和43年)7月13日 - (千葉 - )蘇我 - 木更津間電化。
  • 1969年(昭和44年)3月20日 長浦 - 楢葉(現在の袖ケ浦)間複線化。
  • 1969年(昭和44年)7月10日 - 館山行き135列車さよなら運転(C57-105号機牽引)、蒸気機関車牽引の旅客列車の定期運用がなくなる。
  • 1969年(昭和44年)7月11日 - 木更津 - 千倉間電化。
  • 1970年(昭和45年)3月18日 - 楢葉 - 木更津間複線化。
  • 1970年(昭和45年)3月24日 - 木更津 - 君津間複線化。
  • 1971年(昭和46年)7月1日 - 千倉 - 安房鴨川間電化。
  • 1972年(昭和47年)7月15日 - 内房線に改称。183系電車で特急「さざなみ」運転開始。
  • 1974年(昭和49年)3月31日 - 楢葉駅を袖ケ浦駅に改称。
  • 1982年(昭和57年)11月15日 - 木更津 - 安房鴨川間貨物営業廃止。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 - 蘇我 - 木更津間の貨物営業廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継。
  • 2001年(平成13年)2月4日 - 千葉 - 巌根間でATS-P使用開始。
  • 2001年(平成13年)11月18日 - 当時の東京近郊区間に当たる蘇我 - 君津間で、ICカード「Suica」サービス開始。
  • 2004年(平成16年)10月16日 - 特急「さざなみ」にE257系500番台電車を投入。
  • 2009年(平成21年)3月14日 - 君津 - 安房鴨川間が東京近郊区間に組み込まれ、同時にICカード「Suica」サービス開始。
  • 2009年(平成21年)10月1日 - - 209系2000番台・2100番台電車投入を開始[2]

[編集] 運行形態

普通列車を中心としたダイヤ編成で、主に千葉駅を始発・終着とする。東京駅方面から直通する列車は東京駅と千葉駅の間は総武本線の線路を、千葉駅と蘇我駅の間は外房線の線路を、また特急列車通勤電車京葉線を経由し蘇我駅から当線に合流する。

[編集] 地域輸送

[編集] 普通

普通列車(211系)
普通列車(209系)
総武快速線用車両(E217系)
京葉線用車両(205系)
特急列車(E257系500番台(左)と255系)

普通列車は主に千葉 - 木更津君津上総湊間の区間列車(日中毎時3往復)、千葉 - 安房鴨川・館山・千倉間の区間列車(日中毎時1往復)、および館山 - 安房鴨川の区間列車(館山で上り各駅停車千葉行に連絡)が設定されている。

かつては安房鴨川で外房線と相互直通を行う列車も存在したが、現在は原則として安房鴨川でそれぞれ折り返している。

また、京葉線経由で君津発東京行きの普通列車が夜に2本設定されている。

使用車両は113系211系3000番台209系2000番台・2100番台(いずれも幕張車両センター所属)が使用されている。なお、京葉線直通列車と夜間の千葉 - 君津の1往復には205系が使用される。また、E257系500番台5両編成を使用する「さざなみ10号」の館山 - 君津間は普通列車として運行されている。113系と209系は4・6・8・10両編成で、211系は5・10両編成で運行される。205系で運行される普通(快速も)はすべて10両編成で運行されている。

[編集] 快速

総武快速線直通(快速)
全日にわたり総武線快速が君津駅まで乗り入れている(一部時間帯を除き毎時1往復)。以前は内房線沿線の複数の駅を通過していたが、沿線自治体による快速停車の陳情や駅周辺のベッドタウン化などで徐々に通過駅が減っていき、2009年3月のダイヤ改正時点では千葉以南の通過駅は本千葉駅巖根駅のみとなっている。
京葉線直通(快速・通勤快速)
京葉線の快速・通勤快速のうち朝夕の一部列車が君津駅まで乗り入れている(2007年3月のダイヤ改正時で朝:上り3本、夕方:下り5本。朝の上りのうち1本のみ上総湊駅始発)。
  • 使用車両
    • 横須賀線・総武線快速:E217系グリーン車連結、鎌倉車両センター所属)
      • 11両または15両編成で運行される。15両の場合、横須賀線逗子以南では久里浜寄り4両が逗子で増解結される。
    • 京葉線快速・通勤快速:205系(110km/h対応編成のみ)・201系(205系110km/h対応編成の代走)・E233系(2010年夏以降投入予定)
      •  原則として205系の110km/h対応編成のみが乗り入れる。205系の110km/h非対応編成と201系は代走での運用となる。

[編集] 優等列車

京葉線の東京駅から君津駅、館山駅(多客期のみ千倉駅)まで特急「さざなみ」が運転されている。かつては特急「ビューさざなみ」や、朝の上りに「おはようさざなみ」、夕方下りに「ホームタウンさざなみ」が運転されていたが、2005年12月10日のダイヤ改正で「さざなみ」に統一された。また、臨時列車であるが、週末に特急「新宿さざなみ」(新宿 - 千倉)が運転されている。

[編集] 駅一覧

凡例
停車駅 … ●:停車 |:通過
単線/複線 … ∥:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可)、∨:これより下は単線
路線名 駅名 駅間営業キロ 蘇我
からの
営業キロ
総武線直通快速 快速

通勤快速
接続路線 単線/複線 所在地
直通運転区間 総武線直通快速総武快速線東京駅経由横須賀線久里浜駅まで
快速・通勤快速京葉線東京駅まで
外房線 千葉駅 - 3.8 京葉線直通 東日本旅客鉄道総武線(快速)(直通あり)・総武線(各駅停車)総武本線成東方面)・成田線[* 1]
千葉都市モノレール1号線2号線
京成電鉄千葉線京成千葉駅
千葉市
中央区
本千葉駅 1.4 2.4  
蘇我駅 2.4 0.0 東日本旅客鉄道:外房線大網方面)・京葉線
京葉臨海鉄道臨海本線(貨物線)
内房線
浜野駅 3.4 3.4  
八幡宿駅 2.2 5.6   市原市
五井駅 3.7 9.3 小湊鉄道小湊鉄道線
姉ケ崎駅 5.8 15.1  
長浦駅 5.4 20.5   袖ケ浦市
袖ケ浦駅 3.9 24.4  
巖根駅 3.1 27.5   木更津市
木更津駅 3.8 31.3 東日本旅客鉄道:久留里線
君津駅 7.0 38.3   君津市
青堀駅 3.7 42.0     富津市
大貫駅 4.6 46.6    
佐貫町駅 4.1 50.7    
上総湊駅 4.4 55.1    
竹岡駅 5.1 60.2      
浜金谷駅 3.8 64.0      
保田駅 3.5 67.5       安房郡
鋸南町
安房勝山駅 3.3 70.8      
岩井駅 2.9 73.7       南房総市
富浦駅 6.1 79.8      
那古船形駅 2.3 82.1       館山市
館山駅 3.8 85.9      
九重駅 5.8 91.7      
千倉駅 4.9 96.6       南房総市
千歳駅 2.0 98.6      
南三原駅 3.6 102.2      
和田浦駅 4.6 106.8      
江見駅 4.6 111.4       鴨川市
太海駅 4.6 116.0      
安房鴨川駅 3.4 119.4     東日本旅客鉄道:外房線
  1. ^ 成田線の正式な起点は総武本線佐倉駅だが、運転系統上は千葉駅に乗り入れている

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 『ちばの鉄道一世紀』(p136)より。
  2. ^ 普通列車の車両変更について』JR東日本千葉支社(2009年8月21日)PDF

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月8日 (日) 18:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【内房線】変更履歴

ご利用上の注意

もっと調べる!