再配分
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再配分(さいはいぶん、英: Redistribution)は、文化人類学、経済学、社会学などにおいて用いられる概念。人類学においては、再配分は権力の中心に対する義務的な支払いと、中心からの払い戻しを指す。日本語では再分配という表記も見られる。
カール・ポランニーは、社会統合の主要なパターンのひとつとして再配分を位置づけた。再配分は、中心性(centricity)を特徴とし、物理的なものや所有権が中心へ向けて動いたあと、再び中心から社会のメンバーへ向けて運動する。狩猟採集社会から中央集権国家にいたるまで支配的政治制度の一部であり、貯蔵、徴税、多様な財の現物支給、精緻な分業や社会階層、大規模な儀礼を可能にするとしている。また、領土の拡大と生産物の多様化によって、再配分は地理的に分化した集団を結びつけ、より効果的な分業を結果として生み出す。再配分は、共同体の内部において地域市場の形態をとることがあり、そうした市場では食糧などの必需品を扱う。
再配分の例として、家族や荘園、中央アフリカのクラール、北西アフリカのカスバ、ローマのファミリア、古代メソポタミアのシュメール、バビロニア帝国、古代エジプトの新王国、南アメリカのインカ帝国などの貯蔵制度、アフリカのダホメ王国の貢祖大祭、モシ人のバスガ、トロブリアンド諸島のサガリなどがあげられる。古代ギリシアのポリスの再配分には、富者の領地を用いた方法、都市国家レベルでの方法、アゴラを用いた方法の3種類があったとされる。キモンは古来からの領地による再配分を行なったのに対し、ペリクレスはアゴラの方法を推進した。リチャード・トゥルンヴァルトは、東アフリカの研究を通して、再配分は封建制度においても内包されていると述べた。近代国家の租税も再配分に含まれる。
[編集] 参考文献
- ブロニスワフ・マリノフスキ 『西太平洋の遠洋航海者』(泉靖一編訳『世界の名著(59)マリノフスキー/レヴィ=ストロース』、中央公論社、1967年、所収)
- カール・ポランニー 『大転換-市場社会の形成と崩壊』 吉沢英成・野口建彦・長尾史郎・杉村芳美訳、東洋経済新報社、1975年 / 新訳版、野口建彦・栖原学訳、2009年。
- カール・ポランニー 『人間の経済 1 市場社会の虚構性』 玉野井芳郎・栗本慎一郎訳、岩波書店、2005年 / 『人間の経済 2 交易・貨幣および市場の出現』 玉野井芳郎・中野忠訳、岩波書店、2005年。
- マーシャル・サーリンズ 『石器時代の経済学』 山内昶訳、法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、1984年。
- 川田順造 『無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に』 岩波書店、1976年/〈同時代ライブラリー〉、1990年/岩波現代文庫、2001年。



