出身成分

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出身成分
各種表記
チョソングル 출신성분
漢字 出身成分
平仮名
(日本語読み仮名)
しゅっしんせいぶん
片仮名
(現地語読み仮名)
チゥルシンソンブン
  

出身成分(しゅっしんせいぶん)は、現代の北朝鮮における階層制度およびその階級を指す語である。「住民成分」もしくは単に「成分」と呼ぶこともある。

目次

[編集] 概要

出身成分は家系を三代前まで遡って調査し、金日成金正日への忠誠度の順に「3大階層51個分類」[1]に分類されている。3大階層とは「核心階層」「動揺階層」「敵対階層」の3つであり、51個分類とは、各階層内における分類である[2]

  • 核心階層 - 労働者、雇農、貧農、事務員、労働党員、革命遺族、愛国烈士遺族、8月15日以降に養成されたインテリ、被殺者家族、戦死者家族、後方家族、英雄軍人の12個分類
  • 動揺階層 - 小・中商人、手工業者、小工場主、下層接客業者、中産層接客業者、無所属、越南者家族(1)、中農、民族資本家、越南者家族(2)、越南者家族(3)、中国帰還民、日本帰還民、8月15日以前に養成されたインテリ、安逸・不和・放蕩した者、接待婦及び迷信崇拝者、留学者及び地方遺児、経済事犯の18個分類
  • 敵対階層 - 8月15日以降の転落労働者、富農、地主、親日・親米主義者、反動官僚の輩、天道教青友党員、入北者、キリスト教、仏教、天主教信者、脱党者、哲学者、敵機関服務者、逮捕者・投獄者家族、間諜関係者、反党・反革命宗派分子、処断者家族、出所者、政治犯、朝鮮社会民主党員、資本家の21個分類

「核心階層」に分類された人々は、国に忠誠を尽くすものと見なされ、特権階級として数多くの恩恵を受けている。平壌を始めとする主要都市の居住者はほぼ全てが核心階層である。

一方「敵対階層」に分類された人々は、本人の能力・素行と関係なく、国に反抗する可能性が高いと見なされ、差別的待遇の対象とされ、進学が出来ないのはもちろん、炭坑地区などへの強制居住などが課される。「動揺階層」に分類された者でも、将来国への忠誠を覆す可能性があるとされ、職場での昇進に上限線が科せられる。

該当者から2代を超えれば、つまり、孫の世代には優秀な人材であれば登用される例もあるとされている[3]

[編集] 備考

  • 建前では身分制度が存在しないとされる社会主義体制を採っているとしているため、北朝鮮当局はこのような国民差別は存在していないと否定しており、「韓国当局によるでっち上げ」と主張している。ただし、脱北者の多くが存在しているとの証言をしている。
  • 内藤陽介(郵便史研究家)によれば、北朝鮮郵政当局が1997年に発行した「万景台革命学院50周年」記念切手セットのうち、切手帳(記念切手に表紙をつけて販売したもの)の表紙の説明文に、同学院の設立目的を朝鮮語および英語で『(同学院は)朝鮮革命の核心メンバーを教育するための基地』との解説があり、少なくとも「核心階層」が存在している事を北朝鮮郵政当局が告白した証左としている[4]
  • 出身成分は最も深刻な人権侵害のひとつであると脱北者たちは証言している[5]
  • 北朝鮮への帰国事業で北に渡った在日朝鮮人らは最下層に分類されている[6]

[編集] 脚注

  1. ^ 1980年代に13分類を追加したとする資料もある。鄭箕海『帰国船-楽園の夢破れて三十四年』鄭益友訳、文藝春秋、1995年、342-345頁、ISBN 978-4163500102
  2. ^ 「北朝鮮:「出身成分」調査、60年代に日本政府把握--明治大助教授が分析」『毎日新聞』、2006年8月4日。
  3. ^ 重村智計『最新北朝鮮データブック』講談社〈講談社現代新書〉、2002年、129-130頁、ISBN 978-4061496361
  4. ^ 内藤陽介『北朝鮮事典-切手で読み解く朝鮮民主主義人民共和国』竹内書店新社、2001年、161-163頁、ISBN 978-4803503166。なお、英語の原文は"It is a school for bereaved children and a dependable base of training the core members of the Korean revolution."
  5. ^ 脱北者の悲痛な訴え、弁護士協会が人権白書 (朝鮮日報 2008/10/13)
  6. ^ 「帰国事業で北に渡った在日朝鮮人、最下層に分類」 (朝鮮日報 2006/08/05)

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月15日 (日) 19:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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