列車種別
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列車種別(れっしゃしゅべつ)とは、特急・急行・各駅停車など、料金や停車駅などを区別するために付けられた列車の種類(列車種別には、回送など、客扱いをしないものもある[1])のことである。鉄道会社によって名前の付け方は様々であり、それぞれの種別の性格も異なる。
1つの路線に何種類もの列車種別を設定している鉄道会社もあるが、それは各駅の利用者に対するきめ細かなサービスを行おうとする努力の表れである。反面、列車種別が多くなると、目的の駅に行くはどの列車に乗れば良いのか判り難くなるなど、利用者にとっては逆に使いにくくなるということもある。
目次 |
[編集] 列車種別の基本的な性格
列車種別は、利用客のニーズを鉄道の構造上の制約の中で最大限に満足させるために生まれた運行上の工夫[2]から生じたものである。
移動する事を楽しむ観光列車やクルーズ船、ドライブといった特殊な例を除けば、輸送において利用客が望む事は、大きな身体的、経済的労苦を伴わずに、出発地から目的地までが最短、最速で結ばれるようになる事で、これは鉄道においても例外ではない。
この考えに基づけば、最適な鉄道の運行形態は、利用客が出発駅、到着駅とする各駅同士を、途中無停車で運行する列車を乗客の多寡に応じて運行することとなる。しかし、この方式は、輸送単位が大きく、列車の追い抜きの為に大規模な待避設備を必要とする鉄道においては全く実用的ではない。また、鉄道の構造上の制約からいえば、線路上に設けられた全ての停車駅に順々に停車していくような運行形態は、複雑な信号設備や列車の追い抜きの為の側線設備を必要としないという点では有利である。しかし、これは利用者に著しい不便をもたらし、実際の停車駅において、利用者数に相当の違いが存在する事を考えると、鉄道経営上も利益をもたらさない。ゆえに、両者の中間的な方法として、停車駅の少ない列車群と、多い列車群を分け、利用者のニーズと運行上の制約、経営的な効率性を同時に達成する方法が模索される。この時、列車群を分ける基準となるのが列車種別である。
なお、列車種別の代替的な方策としては、個々の列車の停車駅数は一定水準に留め、列車ごとに望ましい停車駅を決定、割り振っていく方法が考えられる。このような方式で停車駅が決められた列車は、ある区間では各駅停車のように各駅に停車し、別の区間では全く停車しないということもあったりする。こうした運行手法は、近年の韓国や長野新幹線、アメリカの通勤鉄道などで採用されており、阪神電気鉄道の初期の急行運転や西武鉄道池袋線の朝ラッシュ時などに行われている千鳥停車もその一種だが、利用客の誤乗の可能性や、望ましい停車駅を策定する事の難しさからそれほど一般的ではない。
列車種別は、鉄道が国の輸送の基幹を担う存在であった時代もあった関係で、法令に準じる厳格な規則の中で定められた事もあれば、現場の従業員の判断で便宜的に命名されたようなものもあり、定義の頑強性は一定していない。JRの普通列車のように、規則上の取り扱いと、実際の営業案内上の取り扱いが異なるケースもある。
列車種別の定義は、鉄道ファンの中でしばしば議論されるが、一般的には誤乗の問題などがあるものの容認されている。列車の速度は、停車駅間隔や地形、路盤、運行密度などの影響を強く受け、列車種別はその路線における相対的な速度を示す指標でしかないことがその要因であると考えられる。
列車種別は単なる運行上の区分に留まらず、その列車の設備の大まかな指標と受け取られたり、列車種別の設定が地域の繁栄の度合いと関連付けられたりする事がある。停車駅の少ない列車種別においては、特別の追加料金を取ることがある。これは元来は費用上の問題というよりは、料金の徴収のしやすさという観点で行われた措置であったが、車内設備もそれにあわせた他の列車とは区別されるようになっていった。
日本においては、特急列車は長い間特別な列車であったため、1960年代以降のダイヤ改正で特急列車が全国的に進出した事は、他方で、特別な存在としての価値を少なからず下げるものであったにも関わらず、経済発展の象徴として運行される各地域で歓迎されることとなった。
[編集] JRの列車種別
JRの列車種別は、大きく急行列車と普通列車とに分けられる。これは旧国鉄の名残である。
[編集] 急行列車
急行列車は、目的地まで速達する事を重視する列車として設定されている。また、そのことから、乗車の際に乗車券以外の料金を必要とする列車としている。
急行列車はさらに普通急行列車(単に「急行列車」・「急行」と呼ばれることが多い)と特別急行列車(「特急」)とに分けられる。
普通急行列車に乗るには普通急行券(券面には「急行券」とも表示される)が、特別急行列車に乗るには特別急行券(特急券)が必要となる。
[編集] 普通列車
急行列車以外の列車を普通列車という。普通列車は乗車券だけで乗ることができる。
ただし、指定席に座るには指定席券、寝台車に乗るには寝台券、グリーン車に乗るにはグリーン券が必要となる。これらは座席に対して料金を支払うものであり、速達輸送に対して料金を支払う普通急行券・特別急行券とは異なるものである。
[編集] 快速列車
普通列車のうち、途中駅の一部に停車せず、速達輸送を行うものを快速列車という。
快速列車は、停車駅のパターンや運行時間などによって、色々な呼称がつけられている。
一部区間では快速と同じ停車駅に停車し、後は各駅に停車する区間快速、B快速、準快速、快速より停車駅が少ない特別快速、新快速、ラッシュ時のみ運転される通勤快速、直通快速、休日のみ運転されるホリデー快速等が有り、同じ名前を名乗っていても、休日やラッシュ時には停車駅が変わるものもある。
また、西日本旅客鉄道の大和路快速、丹波路快速・東日本旅客鉄道の青梅特快などのようにこれらの種別名に路線名や行き先・方面の地名が付けられた快速列車もある。
中には、東日本旅客鉄道の「湘南新宿ライン」のように、同じ「快速」で系統によって2種類の停車パターンがあったり、同じ区間を走る他の系統の列車と異なる停車パターンとなっていたりすることがある。また、常磐線では、最近まで、同じ線路を走る通勤形電車使用の「快速電車」より中距離電車である普通列車のほうが停車駅が少なかった。
[編集] 各駅停車
快速列車以外の普通列車は、「普通」または「各駅停車」(各停)と表示されているか、種別について特に何も表示されない。なお、普通列車の一部には通過駅のあるものもある。例えば、都市近郊で複々線となっている場合、過去を含め「(中距離電車である)普通列車」と「各駅停車」とが並立している場合がある。このとき、前者はホームがないことから名目上「通過」という事もある。その他、日中の需要が全く望めないような駅を通過する場合もある。
[編集] 日本のJR・国鉄以外の鉄道事業者の列車種別
列車種別は会社によってまちまちであるが、概ね特急、急行、快速、準急、普通(各駅停車)の順に停車駅が多くなっているが、東武鉄道など急行よりも快速の方が停車駅の少ない路線もある。
なお、「通勤」・「区間」・「快速」・「準」などを頭に付けて、種別をさらに細分化している会社もある。
[編集] 特急
特急列車の運行形態として、京王電鉄など乗車券だけで乗れる特急を運行する鉄道事業者と、西武鉄道などJRと同様に乗車券の他に特急券が必要な特急を運行する鉄道事業者がある。
[編集] 有料特急と無料特急を両方運行する鉄道会社
名古屋鉄道や南海電気鉄道では、旅客への着席サービスと速達サービスを兼ねて座席指定券の類を必要とする座席指定車と乗車券のみで乗車できる自由席車を混結している。ただし名鉄では「ミュースカイ」、南海では「ラピート」・「こうや」・「りんかん」は全席指定である。なお、南海本線では別に全車自由席の特急(停車駅はサザンと同じ)を運転しており、お盆などには高野線でも全車自由席特急が運転される。名鉄はかつては名古屋本線以外の特急は全車特別車であったが、全社での特急施策の変更を受けて2008年12月より現在の運行形態となっている。
また、京成電鉄の場合は、ライナー用電車による「スカイライナー」系統には「ライナー券」と呼ばれる特急券が必要であるが、一般形電車による特急においては運賃のみで乗車できる。京成部内では前者を「特別急行(A)」、後者を「特別急行(B)」と呼称している。
なお、東武鉄道では、伊勢崎線系統(「りょうもう」)・日光線系統(「けごん」・「きぬ」)のいわゆる本線系統と東上線系統とで、特急券の有無が異なっていた。前者の場合、特急については専用車両を使用し、座席指定制の特別急行券を要するが、後者は一般車両を使用し、座席指定等は特に行っていなかった。
[編集] 特急に近い優等種別
各鉄道事業者では、各会社における「特急」よりさらに停車駅の少ない列車種別や、「特急」より停車駅が多い「急行」との中間の列車種別を運行していることもある。なお、各種別については、各路線記事を参照のこと。
| 特急より停車駅が少ない列車を運行する会社と種別 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 運行会社 | 種別 | 説明 | ||
| 京浜急行電鉄 | 京急ウィング号 | 有料の座席定員制列車 | ||
| 快特(エアポート快特) | 旧称は快速特急 | |||
| 東京都交通局 (都営地下鉄) |
エアポート快特 | 浅草線のみ | ||
| 京成電鉄 | スカイライナー | 有料の座席指定列車 | ||
| モーニングライナー イブニングライナー |
有料の座席定員制列車 | |||
| 快特 | 朝夕のみ。案内放送では「快速特急」 | |||
| 京阪電気鉄道 | 快速特急 | 平日夕ラッシュ・出町柳行きのみ | ||
| 近畿日本鉄道 | ノンストップ特急 | 有料の座席指定列車 | ||
| 名古屋鉄道 | ミュースカイ | 全車有料の座席指定列車 | ||
| 快速特急 | 一部有料の座席指定列車 | |||
| 阪急電鉄 | 通勤特急 | 京都線のみ | ||
| 特急と急行との中間の列車を運行する会社と種別 | |||
|---|---|---|---|
| 会社 | 種別 | 説明 | |
| 京成電鉄 | 通勤特急 | 平日中心(土休日にも深夜に上り一本限り運転) | |
| 快速 | 現在はこの種別が事実上の急行。急行は押上線以外廃止。 | ||
| 東京急行電鉄 横浜高速鉄道 |
通勤特急 | 東横線・みなとみらい線平日のみ | |
| 京王電鉄 | 準特急 | ||
| 西武鉄道 | 快速急行 拝島快速 |
新宿線では「川越号」の愛称が与えられている 急行が走行する時間には運転されていない |
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| 小田急電鉄 | 快速急行 | 快速急行が通過する向ヶ丘遊園駅、成城学園前駅に停車する特急もわずかながら存在 | |
| 富山地方鉄道 | 快速急行 | ||
| 名古屋鉄道 | 快速急行 | ||
| 阪急電鉄 | 通勤特急 快速急行 |
神戸線は両方 京都線は快速急行 |
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| 阪神電気鉄道 | 快速急行 | 直通特急・特急が停車する御影駅を通過する。また平日昼間は急行が通過する大物駅に停車する。阪神なんば線直通。(一部を除く) | |
| 区間特急 | 平日朝ラッシュ時のみ。青木駅始発。 | ||
| 近畿日本鉄道 | 快速急行 区間快速急行 |
難波線・大阪線・奈良線で運行 大阪線では快速急行・区間快速急行が通過する布施駅に停車する特急もわずかながら存在 |
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| 京阪電気鉄道 | 快速急行 通勤快急 |
通勤快急は平日ラッシュ時のみ | |
| 南海電気鉄道 | 快速急行 | 高野線難波駅-極楽橋駅便は2000系で編成され、橋本駅で連結解放を行う。難波駅→橋本駅便は20mの4扉車が使用される。通常の急行とは違い、千早口駅・天見駅・紀見峠駅には停車しない。運行は高野線のみで南海線では快速急行の列車種別は無い。南海線では代わりに全車自由席の特急が何本か運転されている。 | |
| 山陽電気鉄道 | S特急 | ||
[編集] 急行
「急行列車」も参照
急行列車の場合、JRでは急行列車に乗車するには急行券が必要だが、乗車券だけで乗れる鉄道事業者が多い。ただし、JRと同様に急行券が必要となる列車もある。2008年現在、急行券を必要とする私鉄の急行列車は秋田内陸縦貫鉄道の「もりよし」、秩父鉄道の「秩父路」、大井川鐵道の「SL急行(かわね路号など)」のみとなっている。
特別急行列車も急行列車の一種と位置づけられるが、乗車に際して特別急行列車では別途料金がかかる、専用車両を用いる鉄道事業者もある。
山陽電気鉄道本線[3]、阪急京都本線のように特急が運行されているが急行が運行されていない路線もある。
京阪電気鉄道では「深夜急行」の種別名も使用されている。種別名の頭部に時間帯(深夜)を表す名前をつけた事例は少ない[4]。
その他、特急と同様に「通勤」・「区間」・および「快速」をつけた派生種別が運行されている路線もある。「快速急行」の詳細は快速急行、その他の派生種別の運行路線などは急行列車#急行の派生種別を参照のこと。
[編集] 準急
「準急列車」も参照
一部では、準急という列車が走っている。準急は、急行より停車駅が多い列車である。準急とは「準急行列車」の略ともいわれ、現在でも南海電気鉄道などでは、案内放送などで「準急行」を聞くことができる。なお、国鉄でも運行されていたが、急行列車に格上げされる形で運行が終了、廃止された。
私鉄においては、準急の停車駅のパターンは大別して3種類ある。
- 準急が運行される区間のうち一部区間では急行と同じ停車駅で運行しその区間外では各駅に停車する。
- 準急が運行される全区間において急行より少ない通過駅を設ける
- 1.と2.の中間的な形態即ち運行される区間のうち一部区間では急行より少ない通過駅を設けつつその区間外では各駅に停車する。
かつての北陸鉄道石川線など急行がなく準急が唯一の優等種別となっている場合もある。
1.の例としては東急田園都市線、東武伊勢崎線および東上線、名古屋鉄道のうち瀬戸線(下記参照)、2.の例としては名古屋鉄道のうち名古屋本線および犬山線、3.例としては神戸電鉄や阪神電鉄(下り列車)における運行が挙げられる。このうち最も多い類型は1.のパターンである。
種別の頭に「快速」を付ける列車種別もある。その場合、元の種別より停車駅が少なく速い事を意味する。快速特急・快速急行がそれである。また、かつて快速準急という列車が運行されていたこともある(小田急小田原線#過去の列車種別を参照)
その他、急行と同様に「区間」「通勤」などをつけた派生種別も運行されている。
[編集] 高速・直行
「高速」とは名古屋鉄道と近畿日本鉄道にだけあった列車種別で、いずれも乗車券だけで乗車できた。共に有料特急列車が運行されており、その補完にあたる列車設定であった。
また近畿日本鉄道(ケーブルカー)・西日本鉄道では、「直行」という列車種別がある。直行は過去には南海電気鉄道(現在の準急)、京阪電気鉄道、能勢電鉄(現在の妙見急行)にも存在していた。
[編集] 区間種別
運行されている路線などは、当該種別を運行する各事業者の記事もしくは急行列車、準急列車、快速列車、特別急行列車にも記載されているのでそれらも参照
優等列車であるが、一部区間では各駅に停車となる列車種別で、当初は関西地区のJR・大手私鉄のみで多用されていた。同様の種別は関西地区以外では、途中駅で「急行⇔普通」のように種別を変更したり、区間種別に相当する列車を「快速」などとし、その上位に「特別快速」などを設定する例が常であった。しかし、1997年に東武鉄道の「区間準急」が登場以来全国規模で「区間○○」が増殖している。 例として「区間快速急行」、「区間急行」、「区間準急」、「区間快速」等がある。なお、区間種別を多用している関西系の大手私鉄では唯一阪急電鉄には区間種別の設定がない。
[編集] 英語表記
英語表記は、東武鉄道や小田急電鉄の「区間準急」が「Section Semi Express」と表記されるのに対し、JR西日本の「区間快速」は「Regional Rapid Service(R.Rapid)」、首都圏新都市鉄道およびJR東海の「区間快速」ならびにJR北海道の「区間快速いしかりライナー」が「Semi Rapid」を使用するなど、社局によって差異がある。また、近畿日本鉄道などでは、「近郊の」を意味するSuburbanの略、Sub -の表記が使われている。なお東京モノレールの「区間快速」は「区間」がついているが単に「快速」を表す「Rapid」である。
[編集] 運行方法
このような事例では、各駅に停車する区間については需要が少ない場合でその区間を通過する列車を設定しているが、地域輸送を担う列車を設定するほど需要が少ない、ないしはその区間の駅と列車始発駅周辺等一方向に需要が偏っていることから必ずしも地域輸送にのみ特化した列車を運行するのに適していない場合にこのような列車を設定する場合が多い。
例えば「区間急行」は、起点駅付近は急行と同じ駅に停車し、郊外は各駅に停車する事が多い。
いずれも、「区間」がつかない列車より相対的に停車駅が多くなるのが一般的だが、阪神本線の「区間特急」は2009年3月20日改正時まで例外として、「特急」よりも停車駅が少ない列車となっていた。これは実質的には「通勤特急」という意味の列車であったが、「通勤特急」という名称を使わずに「区間特急」の名称を用いたためである。
さらに京阪本線の区間急行は準急よりも停車駅が多い設定となっている(京成・東武の快速>急行の関係と同様)。
また、2006年3月18日の改正以前の東武伊勢崎線では、「区間準急」の内東京地下鉄半蔵門線との乗り入れ列車では、「準急」が停車する曳舟駅~北千住駅間の途中駅を全て通過していた。これは例えば東京地下鉄半蔵門線水天宮前駅とほぼ同じ駅である東京地下鉄日比谷線人形町駅と北千住駅との距離が大幅に異なる事で、速達性を高め混雑緩和と利用客の誘導をする役割を担っているためである。この区間準急は曳舟駅で準急を追い越した後せんげん台駅で追い越した準急に抜き返されるという珍しい運転方法であった。
また、列車種別に「区間」を冠さずに中間区間で各駅に停車する場合もある。
このような事例として、小田急小田原線の急行では本厚木駅~新松田駅間は各駅に停車するが、新宿駅~本厚木駅間は通過駅を有し、新松田駅~小田原駅間では無停車となる列車もある。
[編集] 区間種別と同様の運行形態をとる種別
なお、「区間○○」という種別を作っていないが、優等列車がある駅に到着後、その列車がそのまま各駅停車と種別を変更してその先まで行くことで「区間○○」と同様の運行形態をとっている場合もある。
このような場合、ダイヤグラムや時刻表等で列車番号を見ると別列車扱いとしている場合が多く、列車運行上利用客の便を図るために1本の列車として取り扱うためである。
例として、小田急小田原線で運行されている急行相模大野行きの一部が相模大野駅より「各駅停車本厚木行き」等として運行される。
高山本線の高山 - 岐阜間を走る始発及び最終列車は下呂 - 岐阜間は各駅停車であるが、高山 - 下呂間は快速運転を行っている(久々野駅、飛騨小坂駅、飛騨萩原駅のみの停車である)。
[編集] 通勤種別
朝夕のラッシュ時のみ運転される、通勤・通学客向けの列車で、「通勤特急」、「通勤特快」、「通勤急行」、「通勤快速」などがこれにあたり、東京近郊で多く採用されている。たいていの列車の場合、別途料金がかからない列車で運行されるが、JRにおいて定員制列車であるホームライナーが運行されてきたことで、他の鉄道でも有料列車の中にはこのような運行系統を有するものもある。
「通勤」が付かない列車より停車駅が多いか少ないかは、会社・路線によって異なる。また、会社によっては「通勤」という称を冠しない場合もある。
「通勤」の英語表記は、Commuter を用いることが多い。
なお、「通勤」種別とは逆に行楽用の列車としては「ホリデー快速」などがある。「通勤」種別は平日のみ運転の列車がほとんどだが、京成本線の「通勤特急」(前述)、西日本旅客鉄道(JR西日本)広島地区の「通勤ライナー」は土曜・休日にも運転される[5]。
- JR中央線(東京圏)における通勤種別
- 「通勤特快」は、中央特快より停車駅が5駅少なく、特快が停車する西八王子駅、豊田駅、日野駅、三鷹駅、中野駅を通過する。また、この列車種別は上り5本のみの運用である。
- 「通勤快速」は中央特快より停車駅が2駅多く、中央特快が通過する荻窪駅、吉祥寺駅に停車する。また、下り列車の運用しかない。
- いずれも青梅駅を始発、終着とする列車は存在するが、通常の快速と同様青梅線内は各駅停車である。
- JR東海道線(東京圏)における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「アクティー」より停車駅が3駅少なく、快速アクティーが停車する川崎駅、横浜駅、戸塚駅を通過する。また、この種別は平日夜の下り3本のみの運行である。停車駅は、東京駅、新橋駅、品川駅、大船駅、藤沢駅、茅ヶ崎駅、平塚駅、国府津駅、小田原駅である。
- JR高崎線における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「アーバン」が停車する上尾駅・桶川駅を通過し、快速アーバンが通過する尾久駅に停車する。停車駅は、上野駅、尾久駅、赤羽駅、浦和駅、大宮駅、鴻巣駅、熊谷駅から前橋駅までの各駅である。一部下り列車は上尾駅・桶川駅にも停車する。上野 - 大宮間は宇都宮線の通勤快速と同様の停車駅である。
- JR宇都宮線における「通勤快速」
- この通勤快速は、快速「ラビット」が停車する蓮田駅を通過し、快速ラビットが通過する尾久駅に停車する。停車駅は上野駅、尾久駅、赤羽駅、浦和駅、大宮駅、久喜駅、古河駅、小山駅から黒磯駅までの各駅である。上野 - 大宮間は高崎線の通勤快速と同様の停車駅である。
- JR総武線における「通勤快速」
- この通勤快速は、通常の快速が停車する新小岩駅、市川駅、津田沼駅、稲毛駅、物井駅を通過する。朝上り2本、夜下り1本のみの運行。いずれの列車も成田線成田駅を上りの始発駅および下りの終着駅とするが、上りが横須賀線逗子駅まで運行されるのに対し、下りは東京駅始発である。横須賀線、成田線内は各駅に停車。
- JR埼京線における「通勤快速」
- この通勤快速は、通常の快速より停車駅が2駅少なく、快速が停車する戸田公園駅・与野本町駅を通過する。停車駅は、東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅 - 赤羽駅間の各駅、武蔵浦和駅、大宮駅 - 川越駅間の各駅である。平日の朝・夕および夜間に通常の快速に代わって運行される。
- JR京葉線における「通勤快速」
- この通勤快速は、京葉線内の途中駅は八丁堀駅、新木場駅の2駅にのみ停車し、そのほかの駅はすべて通過する。内房線・外房線内は快速と同じ停車駅。なお、京葉線全線開通当時は新木場駅も通過していた。
- 東急東横線・みなとみらい線における「通勤特急」
- 特急より停車駅が3駅多く、特急が通過する日吉駅、馬車道駅、日本大通り駅に停車する。
- かつての東急田園都市線における「通勤快速」
- 田園都市線では、現在は「急行」と「準急」が優等列車として運行されているが、その原型は「通勤快速」である。設定当初、快速も存在しなかったが、朝ラッシュ時のみに、「通勤快速」として速達列車が設定された。これは、「快速」とか「急行」と称してしまうと、停車駅の変更ができなくなる恐れがあることを考慮したものである。当時、田園都市線沿線は開発中で、各駅の乗降人員の予測が外れる恐れがあった。他には例を見ない通勤種別である。
- 京王線における通勤種別
- 「通勤快速」は、快速より停車駅が3駅少なく、快速が停車する下高井戸駅、八幡山駅、仙川駅を通過する。さらに、新宿駅・新線新宿駅 - 調布駅・東府中駅間では急行と同じ停車駅(その他の区間では各駅に停車)であることから、「区間急行」ととらえることもできる。
- 同線は、かつて「通勤急行」が設定されていたが、1992年に急行がつつじヶ丘駅に停車するようになった。このため急行と停車駅が変わらないため、急行に統合されて消滅した。
- 西武池袋線における通勤種別
- 「通勤急行」は、急行より2駅停車駅が多い。急行が通過する大泉学園駅、保谷駅、東久留米駅に停車するが、逆に急行が停車するひばりヶ丘駅を通過する。
- 「通勤準急」は準急より停車駅が1駅少ない。準急が停車する石神井公園駅を通過する。2008年6月15日までは練馬駅も通過した。
- 西武新宿線における通勤種別
- 「通勤急行」は急行よりも停車駅が7駅少なく、従来急行の各駅停車区間にあたる本川越駅 - 田無駅間でも通過運転を行う。
- 東武東上線における「通勤急行」
- 志木駅以遠において急行より停車駅が多く、急行が通過する志木駅 - 川越駅間は、各駅に停車する。逆に急行が停車する朝霞台駅を通過する。つまり、成増駅以遠各駅停車となる準急と比べて、停車駅が2駅少ないだけである。
- 西武池袋線の通勤急行・通勤準急、東武東上線の通勤急行のように、上位の種別が停車する駅を通過することを、停車駅が互い違いになることから千鳥停車という。
- 東京メトロ東西線における「通勤快速」
- 快速より停車駅が3駅多く、快速が通過する南砂町駅、西葛西駅、葛西駅に停車する。
- 東京メトロ副都心線における「通勤急行」
- 急行よりも停車駅が4駅多く、急行が通過する地下鉄成増ー氷川台間の各駅に停車する。小竹向原ー渋谷間は急行運転となる。
- 京成電鉄における「通勤特急」
- 現在の通勤特急は3代目。停車駅は京成上野駅・押上駅 - 勝田台駅は特急と同様で勝田台駅 - 成田空港駅・芝山千代田駅は各駅に停車する。乗り入れ先である都営浅草線内では各駅に停車するが、一部の下り通勤特急は京浜急行線(空港線・本線)内は急行・都営浅草線内はエアポート快特として運行し、押上駅から先の京成線内のみ通勤特急となる。
- かつてのJR東海道本線(静岡圏)における「通勤快速」
- 静岡地区において2007年3月17日まで唯一定期的に運行されていた(「ムーンライトながら」を除く)快速である。豊橋駅 - 静岡駅を平日のみ、1日1往復運行していた。朝の時間帯には上り、夕方の時間帯には下りが運転され、いずれも豊橋駅 - 島田駅の各駅および静岡駅に停車していた。
- 京阪電気鉄道における通勤種別
- 京阪本線においては「通勤特急」の名称を使用せず、2003年から2008年まで、類似の列車として「K特急」が運行されていた。停車駅は「特急」の停車駅に比べ2駅(枚方市駅・樟葉駅)少ない。ただし、朝ラッシュ時の淀屋橋駅行きは枚方市駅にも停車するが、それでも「特急」の停車駅に比べると1駅少ない。なお、2008年10月19日のダイヤ改正で「快速特急」が新設され、K特急の運転は取りやめられた。同時に「準急」・「快速急行」の停車駅から守口市を除いた「通勤準急」・「通勤快急」も新設されている[6]。なお、「通勤急行」は現在、京阪電鉄には設定されていないが、種別幕は用意されている。
- 阪急電鉄各線における通勤種別
- 阪急電鉄では路線によって役割が異なる。京都本線における「通勤特急」は「特急」が停車する淡路駅・茨木市駅を通過し、「特急」が通過する西院駅・大宮駅に停車する千鳥式停車になっている。一方の神戸本線における「通勤特急」は「特急」の停車駅に塚口駅を加えたものとなっている。また、神戸本線・宝塚本線には「通勤急行」という種別が存在し、神戸本線では「急行」の停車駅に武庫之荘駅を加えたものになっているのに対し、宝塚本線では(現在は)「急行」の停車駅から蛍池駅を除いたものとなっている。宝塚本線には、その他にも「通勤準急」という種別もある。これは現在では「準急」の停車駅から中津駅、曽根駅、岡町駅を除き(つまり急行と同じ停車駅である)、石橋より先箕面線直通となっている。
- 阪神電鉄における通勤種別
- 本線においては「通勤特急」の呼称を使わず、同様の列車として「区間特急」が運行されている。この列車は青木駅始発で、香櫨園駅までは各駅に停車する。その後は朝ラッシュ時の直通特急の停車駅である西宮駅、尼崎駅を通過する一方、直通特急が通過する今津駅、甲子園駅に停車するという、千鳥停車方式を取っている。
[編集] ライナー
ライナー(liner)とは1970年代以降に用いられる列車種別であるが、一般に「(特急)専用車両を使用して特別な料金(設定会社により、特急券と乗車整理券とに分かれる)を徴して速達する列車」を指す場合が多い。なお、列車名として「○○ライナー」と称する快速列車等も存在するが本節では先に挙げた定義によるものとする。
初出としては京成電鉄が1973年12月30日に運行を開始したAE形車両に「スカイライナー」の愛称を与え、それを使用した最速達列車に与えたものとされる。なお、派生系として通勤ライナーである「モーニングライナー」・「イブニングライナー」もあり、この系統は京成電鉄の"特急電車"よりも速達となっている。
しかし、1984年に旧国鉄は増収策の一環および回送列車の有効活用として東北本線上野駅 - 大宮駅間で夕刻の特別急行回送列車に乗車整理券を発行し客扱いを行なったのが緒とされるホームライナーは快速列車の延長とされ、東京・札幌など他の都市圏でも波及した。また、その継承会社であるJR各社やそれから分離したしなの鉄道でも運行されるようになった。1999年にJR東海が中央本線で運行を開始したセントラルライナーはこの援用であるが、昼間時に運行される点で従来のそれと異なった運行展開を行っている。
また、名古屋鉄道では1991年から1993年までの正月参拝客輸送の際、「特急」より劣る車両・設備を使用した座席指定列車に「ライナー」の種別を使用していた。詳しくは名鉄特急#ライナーを参照されたい。
[編集] 列車種別のイメージカラー
複数の列車種別を設定しているほとんどの鉄道各社で色により列車種別を識別できるようにして種別幕や駅での案内表示・時刻表に表記されている。
- 傾向として特急や急行は「赤・橙」、準急は「緑・青」、普通は「黒・紺」を採用している会社が多い。
- 時刻表や駅の行先案内・車両の種別幕での表示方法は(1)白地または黒地に色文字、(2)色地に白または黒文字で表記されている。
[編集] 各社ごとの列車種別のイメージカラー
[編集] JR各社
- JRグループ…全国的には以下のパターンを採用
- 特急・急行・快速:赤、普通:黒
※東京・大阪・名古屋・福岡などの大都市では以下の様な配色を採用しているケースがある。
- JR東日本(東京近郊区間)
- 中央線快速(東京~高尾・大月)
- 通勤特快:濃紺、中央特快・青梅特快:紺、通勤快速:緑、快速:赤、普通:黒
- 京葉線(東京~蘇我)
- 通勤快速:赤、快速:緑、武蔵野快速:朱、普通:黒
- 常磐線(上野~取手・土浦)
- 特急・特別快速:赤、快速(中距離電車):青、快速(上野~取手・成田間):エメラルド(緑)、普通(千代田線直通):灰
- JR東海(中京圏近郊区間)
- 東海道本線(米原~浜松)
- 特急・急行・ホームライナー:赤、特別快速:黄、新快速:朱、快速:青、区間快速:黄緑、普通:黒
- 中央本線(名古屋~中津川)
- 特急・ホームライナー:赤、セントラルライナー:緑、快速:青、普通:黒
- 関西本線(名古屋~亀山)
- 特急:赤、快速『みえ』:朱、快速:青、区間快速:黄緑、普通:黒
- JR西日本(アーバンネットワークエリア)
- JR西日本ではアーバンネットワークエリア全体で以下のパターンを採用している。
- ただし、以下のような例外がある。
- JR九州(福岡近郊区間)
- 鹿児島本線(門司港~荒尾)
- 特急:赤、(青)快速:青、(緑)快速:緑、準快速:橙、普通:黒
- ※(青)快速は門司港~荒尾間快速、(緑)快速は博多駅を境に門司方面または荒尾方面どちらかの区間が各駅停車になる。
[編集] 私鉄各社
- 東武鉄道
- 伊勢崎・日光線系統
- 特急スペーシア:橙、特急りょうもう:赤、快速・区間快速:水色、急行・区間急行:赤、準急・区間準急:緑、普通:黒
- 東上線
- TJライナー:橙、特急・快速急行:黄緑、急行:赤、通勤急行:紫、準急:紺、普通:黒
- 西武鉄道
- 特急:赤、快速急行:紫、急行:橙、通勤急行:黄色、準急:緑、通勤準急:青、快速・拝島快速:水色、普通:灰色
- 京成電鉄・北総鉄道
- スカイライナー:水色、モーニング・イブニングライナー:紫、快特:緑、特急:赤、通勤特急:橙、急行:青、快速・エアポート快速:ピンク、普通:黒
- 京王電鉄
- 特急:赤、準特急:橙、急行:緑、通勤快速・快速:青、普通:黒
- 小田急電鉄
- 特急ロマンスカー:赤、快速急行:橙、急行:赤、多摩急行:ピンク、準急:緑、区間準急:水色、普通:青
- 東京急行電鉄・横浜高速鉄道
- 特急:橙、通勤特急:橙+赤、急行:赤、準急:緑、普通 二子新地駅と高津駅を通過:白地+緑 それ以外:青
- 京浜急行電鉄
- 京急ウィング号・快特・エアポート快特:緑、特急:赤、急行:青、普通:黒
- 相模鉄道
- 急行:赤、快速:緑、普通 本線(海老名)・横浜方面:黒 いずみ野線:青
- 名古屋鉄道
- ミュースカイ・快速特急・特急:赤、快速急行・急行:青、準急:緑、普通:黒
- 近畿日本鉄道
- 特急・快速急行・区間快速急行(駅時刻表・自動放送の案内では区間快速):赤、急行・区間急行:橙(ただし区間急行の種別幕の色は赤)、準急・区間準急:緑、普通:紺
- 紙時刻表での表示 特急:赤、快速急行・区間急行:ピンク、区間快速急行:青、急行:橙、準急:緑、区間準急:茶、普通:黒
- 京阪電鉄
- 快速特急:ピンク、特急:赤、快速急行・通勤快急:紫、急行・深夜急行:橙、準急・通勤準急:青、区間急行:緑、普通:黒
- 阪急電鉄
- 特急・通勤特急・日生エクスプレス:赤、快速急行:橙、通勤急行・急行:黄(種別幕は橙)、準急・通勤準急・快速(臨時):緑、普通:黒
- 能勢電鉄
- 日生エクスプレス:赤、日生急行・妙見急行:黄、普通:黒
- 阪神電鉄・神戸高速鉄道・山陽電鉄
- 阪神・高速線
- 直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、区間特急:茶(ただし種別幕は赤)、快速急行:水色、急行・区間急行:赤、準急:緑、普通:紺
- 山陽電鉄線
- 直通特急・特急:赤、直通特急(高速線内各停):黄、S特急:緑、普通:黒
- 阪神の時刻表では直通特急は停車駅に関係なく全て赤地に白抜き数字で案内されている。
- 南海電鉄・泉北高速鉄道
- 特急:赤、快速急行・空港急行・急行:橙、区間急行:緑、準急:青、普通・各駅停車:黒
- 神戸電鉄
- 特快速:ピンク、急行:赤、準急:緑、普通:黒
- 西日本鉄道
- 特急:赤、快速急行・直行:橙(直行は少し赤味が強い)、急行:緑、普通:黒
[編集] 脚注
- ^ 鉄道マニアの基礎知識 伊藤久巳 イカロス出版
- ^ 鉄道ジャーナル No443 2003年9月号 p35 ゆったり京阪特急 京阪線急行、準急の守口市通過は、1時間あたり46本という列車を運転するための工夫のひとつである
- ^ 山陽電気鉄道本線では1984年のダイヤ改正前までは急行が運転されていたが、現在は休止扱いとなり列車は設定されていない。
- ^ かつて、阪神電気鉄道には1959年 - 1960年に「夜間特急」(阪神3561・3061形電車#運転開始参照)が運転されていた。
- ^ かつてはJR常磐線の「通勤快速」(下り1本のみ、 - 2005年)、東武伊勢崎線の「通勤準急」(2003 - 2006年)も休日に運転されていた。
- ^ 中之島線開業にあわせ10月19日(日)初発から、京阪線で新ダイヤを実施します(PDF) 京阪電気鉄道 2008年8月25日
[編集] 関連項目
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最終更新 2009年11月5日 (木) 13:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【列車種別】変更履歴

