助け人走る

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助け人走る
ジャンル 時代劇
放送時間 土曜22:00 - 22:55(47分)
放送期間 1973年10月20日 - 1974年6月22日(36回)
放送国 日本
制作局 朝日放送
監督 三隅研次
工藤栄一
蔵原惟繕 ほか
原作 佐賀潜『清兵衛流極意』より
脚本 野上龍雄
國弘威雄
安倍徹郎 ほか
プロデューサー 山内久司・仲川利久(朝日放送)
櫻井洋三(松竹
出演者 田村高廣
中谷一郎
津坂匡章
野川由美子
宮内洋
山村聰 ほか
オープニング 作曲:平尾昌晃『陰惨』
エンディング 森本太郎とスーパースター『望郷の旅』
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助け人走る』(たすけにんはしる)は、必殺シリーズの第3弾として、朝日放送ABCテレビ)と京都映画撮影所(現・株式会社松竹京都撮影所)が制作し、TBSテレビ系列(現在とネットワーク編成が異なる)で1973年10月20日から1974年6月22日にかけて放映された時代劇。一連の必殺シリーズにおいては、第1弾『必殺仕掛人』に次いで2作目(かつ、2009年時点で最後)の原作を有する作品。全36回。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 作品内容

舞台は時代の江戸(第27話の証文の日付による。ただし、第2話では、元禄時代の「高田馬場の仇討ち」が事件の発端となっている)。そこに“助け人”として生計を立てている二人の男がいた。

一人は酒を愛する陽気な浪人・中山文十郎。妹・しのと二人暮らし。

もう一人は坊主頭の武士くずれ・辻平内。別居中の妻・綾との間に一子がいる。

“助け人”とは、今で言う人材派遣業で、彼らの行う仕事は、犬の世話、ゴミ拾い、溝掃除、と大の男がやるにしては冴えないものばかり。

しかし、それらはあくまで表向きの助け仕事。助け人の棟梁は、その昔、義賊として名を馳せ、現在は大工を営む“幻の清兵衛”で、彼は表沙汰にできない裏の助け仕事も引き受けるのである。

文十郎と平内は、その腕っぷしのよさを生かし、清兵衛配下の密偵・油紙の利吉と共に今日も弱きを助け、強きを挫く「助け人」として奮闘していく。

のちに利吉の弟分の為吉、文十郎の恋人で芸者のお吉、中盤から参加する一匹狼の青年・島帰りの龍も加わり順風満帆に見えた「助け人」稼業だったが…。

[編集] 制作の背景

必殺仕置人殺人事件」のあおりを食って、前作の『必殺仕置人』の延長が中止された(一説には『必殺仕掛人』の続編を制作する企画案もあったが、これは企画自体が流れたという)後、世論に配慮する形で、「必殺」のタイトルを外し、一転して、一般時代劇の雰囲気を持った作風でスタートした『助け人走る』であったが、元締や密偵役に『必殺仕掛人』や『仕置人』の出演者を揃え(山村聰、津坂匡章=現・秋野太作、野川由美子)、ナレーターにも『仕置人』の山崎努を起用するなど、制作サイドの意図は「必殺シリーズ」の継続であることは明白であった。また、第12話に「中村主水」(藤田まこと)をゲスト出演させることで、後の「主水シリーズ」への道を開くことに成功している。

『助け人』はナレーションの中で、「義賊」「世直し」として語られ、そのコンセプトは、人助けその物であった。したがって、第1話や最終話において、大奥からの「脱走」が依頼されるように、決して「殺し」のみが、彼らの裏稼業ではなく、場合によっては、依頼人の前にメンバーが揃ったり、奉行所に問題解決をさせたりすることもあった。

当初からのメンバーである中山文十郎(田村高廣)や、辻平内(中谷一郎)は、明るく人情味のあふれる人物として描かれていた。しかし、このように明るい路線は、事件の余波が収まり、次シリーズへの継続という目標が確立した時点において、かえってマイナスの要因を帯びる物となり、『助け人』はその路線の変更を余儀なくされる。

このようなハード路線への変更のための延長に伴い加入したのが、当初「非情な一匹狼」という設定の島帰りの龍(宮内洋)であった。彼の加入によって、空手プロレス系の派手なアクションが可能になり、集団戦の見せ場も増えることとなる。

そしてもっとも特筆するべきは、シリーズ初の殉職者を出す第24話であろう。使用した小判から足が着き、奉行所に捕らえられた為吉を、救出することも、掟によってその命を絶つこともできずに、拷問の果てに見殺しにしてしまう「助け人」たち…。その後、棟梁(元締)の清兵衛も為吉の霊を弔うため、巡礼にでてしまい、メンバーは裏稼業の継続について、厳しい選択を迫られる。

第25話からは悩める文十郎を描き、やがて彼らは番頭の利吉を元締代理に、「仕置人」型の合議制組織として再出発する。メンバー構成が元締・侍・坊主の「仕掛人」体制から、侍・坊主・若者の「仕置人」体制に移行したことは、それを象徴する。しかし、彼らの行動は絶えず同心岡っ引に監視され、為吉のみならず、関八州取締役によって無実の罪に落とされた昔仲間の桃助(常田富士男)を見殺しにしてしまうなど、彼らは裏稼業の限界を突き付けられていく。こうした路線変更の理由について、当初の明るい路線が前2作の過激で陰惨、かつ重厚な展開に大いに魅了された視聴者の拒絶反応を受けて視聴率が低迷しテコ入れを行ったためであるとの説が根強かったが、洋泉社刊「必殺シリーズを作った男」でのインタビューで山内久司が本作について「視聴率がよかった」と述べており、本作の視聴率は明るい作風にしたおかげで好調であったということになる。さらに「次回作の企画がなかなか決まらなかったために延長になった」と同書のインタビューで山内は述べている[1]

一方、このような路線変更を行いながらも、文十郎と平内の人の良さも、スタッフたちは見事に活かし切っている。当初は非情な性格であった龍も、徐々に二人と行動するようになり、最終的に「助け人」たちは運命共同体的チームを形成する。しかし、このような居心地の良さが、最終回において文十郎と平内との間に蟠りを、龍に「仲間を守るため」の死への道を選ばせるのである(と言っても、劇中では明確に彼の死は描かれていない)。これ以後、シリーズ最終回には必ず殉職者が出るという展開が続くが、龍のように、純粋に自己犠牲に向かう例は少ない。このチームの持つ「温かみ」と「信頼感」は、解散と同時に崩壊していくのであった。

この後、『暗闇仕留人』で中村主水が復活し、糸井貢石坂浩二)を中心に、裏稼業に対する疑問が描かれていく。事件のために、難問を抱えての出発を余儀なくされた『助け人』だが、シリーズ継続の重責を見事に果たしたといえよう。

[編集] 殺し技

中山文十郎
剣の達人であり、太刀で悪人を斬り殺したり、兜割りと呼ばれる短剣を使い、刺し殺したりする。また、刀の形をした鉄棒(通称「鉄心の太刀」)を使い、悪人目掛けて振り回し、撲殺したり、肋骨を折ったりもする。
辻平内
常に携帯している、吸い口の中に錐状の凶器が仕込まれている煙管を使い、吸い口を外して悪人の首筋や額を突き刺す。
島帰りの龍
怪力で悪人を頭上へ担ぎ上げ、頭から地面に叩き落す(第23話より使用)。また、空手も併用する。初登場時は、プロレスのブレーンバスターによく似た変則技を使用(第20、21話)。
清兵衛
普段は直接悪人に手を出すことはないが、時折彫刻用のノミを使用して、相手の首筋や額を突き刺すこともある。

[編集] キャスト

  • 中山文十郎 … 田村高廣
  • 辻平内 … 中谷一郎
  • お吉 … 野川由美子(第1、2、5、7、10、12~14、16、17、19、21、24、25、27、31~36話)
  • 中山しの … 佐野厚子
  • 島帰りの龍 … 宮内洋(第20~36話)
  • 為吉 … 住吉正博(第5~20話、24話) 
  • 油紙の利吉 … 津坂匡章(第1~4、6、9、10、14、21~36話)
  • 辻綾 … 小山明子(第1、7、11、14、23、25話)
  • 清兵衛 … 山村聰(第1~15、17、18、21~24、33、36話)

  • ナレーション
語り … 山崎努
作 … 早坂暁

[編集] 時代設定

第27話「江戸大暗黒」の証文に文政2年(18194月20日の日付があるので、文政1~2年の江戸が舞台となっているようであるが、第2話「仇討大殺陣」では元禄時代の「高田馬場」事件がリアルタイムで語られている。

同一シリーズで、実に100年の時代差は驚きに値するが、これは田村高廣の父、阪東妻三郎の作品を挿入し、父子共演を実現したことによる「ご愛敬」である。

なお、辻平内は劇中申年の生まれと語られているので、1776年生まれと推定される。

[編集] 主題歌

※レコード用とテレビ用では歌詞の一部が異なる。レコード用の歌詞は最終話のラストシーンに挿入歌として使用されたのみである。

[編集] スタッフ

[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)

サブタイトルのフォーマットは「」を含む漢字5文字。

話数 サブタイトル 放映年月日 脚本 監督 ゲスト
1 女郎脱走 1973年
10月20日
野上龍雄 蔵原惟繕 草薙幸二郎内田朝雄梶三和子正司照江
2 仇討大殺陣 10月27日 國弘威雄 松野宏軌 志村喬渥美国泰北村総一郎
3 裏表大泥棒 11月3日 安倍徹郎 三隅研次 田坂都高木均植田峻東野孝彦
4 島抜大海原 11月10日 國弘威雄 工藤栄一 高樹蓉子川崎あかね花沢徳衛
5 御生命大切[3] 11月17日 安倍徹郎 松本明 津川雅彦弓恵子池田秀一
6 上意大悲恋 11月24日 國弘威雄 蔵原惟繕 亀石征一郎田島令子山本紀彦
7 営業大妨害 12月1日 野上龍雄 三隅研次 京唄子江幡高志
8 女心大着服 12月8日 吉行和子寺田農松山照夫
9 悲願大勝負 12月15日 ジェームス三木 松野宏軌 神田隆今出川西紀
10 水中大作戦 12月22日 猪又憲吾 松本明 山本学
11 落選大多数 12月29日 村尾昭 工藤栄一 赤座美代子藤岡重慶藤木敬士
12 同心大疑惑 1974年
1月5日
安倍徹郎 三隅研次 藤田まこと[4]紀比呂子
13 生活大破滅 1月12日 國弘威雄 蔵原惟繕 小林昭二谷口香浜田寅彦
14 被害大妄想 1月19日 ジェームス三木 河原崎次郎浜村純
15 悪党大修行 1月26日 松野宏軌 加藤嘉柴田美保子
16 掏摸大一家 2月2日 猪又憲吾 松本明 鮎川いづみ白木万理
17 探索大成功 2月9日 押川国秋 松野宏軌 入江若葉島田順司内田勝正
18 放蕩大始末 2月16日 安倍徹郎 田中徳三 遠藤太津朗根岸一正
19 世情大不安 2月23日 國弘威雄 犬塚弘木村元伊達三郎
20 邪恋大迷惑[5] 3月2日 松本明 伊藤雄之助今井健二吉田日出子
21 心中大悲憤[6] 3月9日 村尾昭 蔵原惟繕 美川陽一郎赤座美代子
22 父子大相剋 3月16日 押川国秋 岡田英次、内田朝雄(2回目)、石山律雄
23 裏切大慕情 3月23日 石川孝人 田中徳三 伊藤孝雄珠めぐみ、渥美国泰(2回目)
24 悲痛大解散[7] 3月30日 村尾昭 南原宏治江夏夕子
25 逃亡大商売[8] 4月6日 野上龍雄 松野宏軌 伊丹十三、弓恵子(2回目)
26 凶運大見料 4月13日 猪又憲吾 芦屋雁之助前田吟[9]
27 江戸大暗黒 4月20日 松原佳成 多々良純南風洋子遠藤征慈
28 国替大精算 4月27日 安倍徹郎 田中徳三 山本麟一
29 地獄大搾取 5月4日 國弘威雄 工藤栄一 西本裕行
30 賃金大仕掛 5月11日 松原佳成 島田正吾池波志乃
31 狂乱大決着 5月18日 松田司 田中徳三 常田富士男戸浦六宏
32 偽善大往生 5月25日 猪又憲吾 松本明 加東大介
33 忠誠大心外[10] 6月1日 石川孝人 三隅研次 松本留美、石山律夫(2回目)、稲葉義男
34 必死大逃走 6月8日 松原佳成 田中徳三 進千賀子菅貫太郎
35 危機大依頼 6月15日 松田司 蔵原惟繕 南田洋子宮口二郎佐々木孝丸
36 解散大始末 6月22日 國弘威雄 渥美国泰市毛良枝

[編集]

  1. ^ 延長分の話数には次回作「暗闇仕留人」のBGMが使用されていることから、信憑性は高い。
  2. ^ 一作完結の短編であった為に、ドラマにおいては『梅安』シリーズを原作とする『仕掛人』以上に独自要素が多くなり、本作はクレジット上「原案」の扱いになっている。
  3. ^ 為吉が初登場。 お吉が密偵として助け人に参加。
  4. ^ 中村主水役で出演。
  5. ^ 龍が初登場。
  6. ^ 龍が正式に助け人に参加。
  7. ^ 為吉が殉職、清兵衛が一度退場。
  8. ^ 平内と綾が離婚。
  9. ^ 前田は『おしどり右京捕物車』に秋山左之介役でレギュラー出演していた。
  10. ^ 清兵衛が復帰。ただしこの話の後また旅に出ている。

[編集] 放映ネット局

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月15日 (日) 18:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【助け人走る】変更履歴

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