視力

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視力(しりょく)とは、で物体を識別できる能力のことである。屈折異常、調節異常で視力が低下した場合は、屈折矯正を行うことで視力を良くすることが可能である。しかし、疾患により視力が低下した場合には、その要因を取り除かない限り視力を良くすることはできない。なお、似たような言葉の「眼力」や「目力」は別物である。

運転・操縦などを行う資格を取得する際には、視力についての基準が定められている。

目次

[編集] 視力の分類

[編集] 静止視力

目および対象物が静止している場合の視力を「静止視力」と呼ぶ。

[編集] 動体視力

動いている物体を視線を外さずに持続して識別する能力を「動体視力」と呼ぶ。動体視力には横方向の動きを識別するDVA動体視力と、前後方向の動きを識別するKVA動体視力がある。球技に関する能力の多くは動体視力と密接な関係があると言われ、訓練により動体視力は向上する。動体視力と静止視力は全く別のものと考えられており、静止視力が高くても動体視力が高いとは限らない。

動体視力は年齢とともに低下するため、75歳以上の運転者が運転免許を更新する場合に義務付けられる高齢者講習では、運転適性検査の一つとして動体視力検査が行われている。

著名な野球選手である2009年現在、シアトル・マリナーズ所属のイチロー(本名:鈴木一朗)は、この動体視力が非常に優れている。

[編集] 深視力

運転免許試験での視力検査で行なわれることもある「深視力」とは、遠近感や立体感を正しく把握する能力のことである。中型自動車(旧普通免許から移行した8t限定付きを除く)、大型自動車牽引自動車第二種運転免許では行うことが義務付けられている。三桿法の奥行き知覚検査機にて、3本の黒く細い棒が並んでおり、その中央の棒が往復的に動いており、それを2.5m離れたところで正面から見たときに、並んだと感じた地点でボタンを押し、その時の誤差が3回測定して平均2センチ以下でないとならない。乱視・弱視など障害のある場合、左右の度数差が大きい場合は難しいが、先天的に神経が鈍い場合は目の異常が無くても困難であり、10人中7~8人はこの検査に合格出来ないという非常に難しい検査である。

[編集] 中心視力・中心外視力

視力は網膜黄斑部中心窩で見た場合に最良となるため、その場合の視力を中心視力、その周辺で見た場合の視力を中心外視力と呼ぶ。

[編集] 裸眼視力・矯正視力

視力矯正を行う器具を使用しない場合における視力を裸眼視力、眼鏡コンタクトレンズで矯正を行っている場合における視力を矯正視力とする。裸眼視力と矯正視力を併記する場合は、矯正視力を括弧で括って表記する。補正視力と呼ばれることもある。

一般に視力と言った場合には矯正視力を指すが、プロ野球審判など、裸眼視力がある基準に達していないと就く事ができない職業もある。

[編集] 片眼視力・両眼視力

片眼のみで見た場合の視力を片眼視力、両眼を同時に使って見た場合の視力を両眼視力と呼ぶ。両眼視力は片眼視力よりも若干良くなり、乱視がある場合等にその傾向が強くなる。両眼視によって深視力が高まる。

[編集] 近見視力・遠見視力

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遠くを見るときの視力を遠見視力、近くを見るときの視力を近見視力という。

老視、いわゆる老眼では、目の調節能力が悪くなるため、近くが見にくくなる。したがって、遠見視力は良いが近見視力が悪くなるといえる。

[編集] 視力検査

[編集] ランドルト環

ランドルト環
円環全体の直径:円弧の幅:輪の開いている幅=5:1:1の比率である。

静止視力を測定する方法として日本において最も広く用いられているものが「ランドルト環」である。これは大きさの異なるC字型の環の開いている方向を識別することによって、2点が離れていることを見分けられる最小の視角を測定するものである。ランドルト環はフランスの眼科医エドマンド・ランドルト(Edmund Landolt 1846-1926)によって開発され、彼の名前がそのまま名称となっている。1909年にはイタリアの国際眼科学会で国際的な標準指標として採用された。ランドルト環は黒色の円環で、円環全体の直径:円弧の幅:輪の開いている幅=5:1:1のサイズである。視力は単位で表した視角の逆数で表し、日本では直径7.5mm、太さ1.5mm、の円の一部が1.5mm幅で切れている環を5m離れたところから見て正確に切れている方向がわかる能力を「視力1.0」としている[出典 1]が、ISOでは直径7.272…mm、太さ1.4544…mmと半端な数値が規定されている。[出典 2]。通常の視力検査表には視力0.1から2.0までのランドルト環が描かれている。数値の大きなランドルト環が識別できるほど視力が良い。遠点視力の測定には5mまたは3mの距離を離して用いる視力検査表が用いられる。

米国、イギリス圏の国々などの場合は、用いる方法は日本と同様にランドルト環が多いが、小数ではなく『20/20』『6/6』のように分数で表す。 たとえば『7/7』の場合は7フィートの距離から7番目の環が識別できると言う意味であり、これが日本での1.0に相当する。

大まかな視力の表記として、A(視力1.0以上)、B(視力0.7以上1.0未満)、C(視力0.3以上0.7未満)、D(視力0.3未満)の4段階を用いることがある。

視力が0.1未満で、最も大きいランドルト環が見えない場合には、距離を順に近づけていき、例えば5m用の検査表で3mまで近づけてランドルト環が識別できれば視力を0.1×3/5=0.06とする。視力が0.01未満の場合には、指の本数を確認できる距離で表す「指数弁」(例:30センチメートル/指数弁)、目の前で手のひらの動きが分かる「手動弁」、明暗を識別できる「光覚弁」、明暗が分からない「盲」と表記される。

近点視力の測定も同様の原理である。ただし紙に印刷された視力検査表ではなく、機械の内部に投影されたランドルト環を用いて測定することが多い。また、ランドルト環の代わりに、平仮名片仮名が用いられることもある。

ちなみに視力検査の際に用いる片目を覆う器具を「遮眼子」、ランドルト環を指し示す棒を「視力指示棒」という。

[編集] 深視力検査

大型免許や2種免許などの運転免許の試験においては、三桿(さんかん)試験と呼ばれる深視力検査が行われる。機械の内部に3本の縦棒があり、両端の2本は目から同じ距離、中央の1本が前後に移動するように見える。中央の1本が両端の2本と同じ距離にあるように見えた瞬間にボタンを押し、その時の距離の誤差を測定する。3回の検査の平均が2センチメートル以内であれば合格とされる。

[編集] 年齢と視力

生後間もない赤ちゃんは明暗の識別ができる程度で、目を正しく使うことによって視力が発達し、6歳頃までに大人と同様の視力が完成する。この間、外傷や疾患などが原因で目を正しく使う習慣が付いていないと、弱視の原因となりうる。

40歳前後からは、老視により近点視力が低下する。

[編集] 動物の視力

解像度として考えた場合に、最も視力の良い動物は猛禽類ワシタカと言われている[誰?]。しかし、それぞれの動物は生活に適した目の形状を持っているため一概には比較できない。例えば夜行性のネコなどの視力は0.2程度と言われているが、暗い場所での光に対する感度がヒトよりも優れており、昆虫などの複眼は動いている物を見るために適した構造となっている。また水中と陸上の両者で生活する動物は、一般に陸上では強度の近視となり視力は悪い。

[編集] 出典

  1. ^ 朝日新聞科学グループ編 『科学の常識』 ブルーバックス 講談社 2008年6月20日第1刷発行 ISBN 9784062576031
  2. ^ 視力表を含む眼科医療メーカー(株)ニデックのページ

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月8日 (日) 01:41 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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