化身ラマ

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化身ラマ(けしん らま)は、チベット仏教の教義上において、この世の衆生を教え導くために、如来菩薩の化身として現世に姿を現したとされるラマ師僧)を指す。チベット語ではトゥルク(སྤྲུལ་སྐུ་ ; ワイリー方式: sprul sku; 慣用:Tulku)と言い、「化身」という意味である(サンスクリット語のアヴァターラに相当する)。

転生ラマ」と表記されることもある。また、中国語では「生き仏」という意味を込めて「活佛」と呼ぶことから、活仏(かつぶつ)、転生活仏(てんせい かつぶつ)という語が使われることも多い。ただし、「化身」という思想は厳密には「生き仏」や「現人神」といったものとは異なっているから、語源を考えると正確な訳とは言えない。

化身ラマは、すべての衆生が救い尽くされるまで、何度でも生まれ変わり、自らの涅槃の境地に戻ることがないとされる。チベットでは多くの高僧が化身ラマ(活仏)とみなされて尊崇される。化身ラマが遷化(死亡)すると、予言などに基づいて転生者を捜し出し、候補者とされた童子に故人である前生者の遺品を選び取らせ、前世の記憶を確認することで認定する。

歴史上は、14世紀中期に興ったカルマ・カギュ派が、初めて法主の選任に採用した。その後、対立関係にあるゲルク派でも、16世紀中期に貫主の転生者を選任するようになった。すなわち、ダライ・ラマ3世である。チベット仏教でも本来は師資相承が基本であったが、中世の一時期、権力を持つ高僧を特定の氏族が半世襲的に輩出する氏族教団化や、公然たる世襲も行われるようになっていた。その中で化身ラマ制度は、旧勢力への対抗措置、血縁主義の弊害排除、僧侶の妻帯を禁ずる戒律復興の動きに合致したことなどが相まって、各宗派に取り入れられた。

生身の人間を仏の化身として尊崇することは、他文化から見ると異様に思われがちであるが、転生継承制度は別として「仏の化身」という概念自体は、大乗仏教において必ずしも特異なものではない。万物を仏の化現であるとして即身成仏を説く密教の思想では、入門者に自らの守護仏と縁を結ばせる結縁灌頂の儀式に見られるように、誰もが仏の化身たり得ることになる。

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最終更新 2009年11月15日 (日) 23:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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