半妖

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半妖(はんよう)とは、妖怪人間混血とされる存在。

ただし日本の伝承など民俗学における用語ではなく、専ら漫画アニメライトノベルなどサブカルチャー媒体(フィクション)における造語であり、作品によってもややその扱いにはばらつきが見られ、概ね亜人の延長的な存在である。

目次

[編集] 概要

半妖は、主に漫画・アニメ作品の『犬夜叉』(原作:高橋留美子・1996年-2008年)辺りで用語化した言葉で、それ以前には明確な表現は無く『ゲゲゲの鬼太郎』(原作:水木しげる・1954年?-)ではねずみ男猫娘が「半妖怪」と表現されているが、どちらかというと「妖怪でもなく、人間でもなく、中途半端な存在」として描かれている。

[編集] 伝承上の位置付け

日本の伝承上で、妖怪と人間の混血と言う概念を扱ったストーリーは無いではないが、妖怪自体がいわゆる「怪異(奇妙な現象)」を引き起こすだけの存在として、あまり目立って擬人化されていなかった部分も絡むのか、こういった混血を扱う話は乏しく、雪女をはじめ天女化けキツネなどといった存在と人間の混血児も描かれた昔話もあるが、子供自体はごくごく平凡である場合が多く、特別な能力などが描写されている話は乏しい。夫に正体を見破られた妻が身を隠し、あとには乳飲み子が残されるというものがみられる。

その一方で、有名な話ないし伝説上の人物としては『金太郎』(坂田公時:956年-1012年)が知られる。山姥伝説に絡む話では、雷神ないし「赤い」が山姥(妖怪と言うよりも、単に山中に生活する老婆)に授けたというものがみられる。彼の生い立ちは伝説と逸話がない交ぜとなった曖昧なものではあるが、金太郎はその後成長して源頼光に坂田公時の名で仕え、武勲を残している。また『葛の葉』ないし『信太妻』(物語の成立は17世紀頃)では、キツネの化身である女性との間に生まれた子供が後に霊力をもち陰陽師として活躍する(→安倍晴明:921年?-1005年)などの話もある。ただこちらは古来より日本では、雷神や竜神そのものであるし、またキツネも神聖視されていたことにもちなみ、半神(神との婚姻ないし混血)の一種だともいえよう。これらの伝承にしても、「半妖」という明確なイメージは確立されていない。

[編集] サブカルチャー媒体での位置付け

サブカルチャー媒体で扱われる「半妖」の場合では、それら作品のストーリーにも絡み、扱われ方も様々である。

前出の『犬夜叉』の場合では、実際の民族間における混血で社会状況によっても発生しうる差別の問題(→混血)が言及される一方、いわゆる犬神が一種の呪術的な信仰対象にあったことを踏まえてか、超人的な存在として描かれる。多くのフィクション作品では、そういった超人的な存在として描かれる傾向があり、そこにはねずみ男のような、中途半端な存在として扱われるケースは少ない。

妖怪とはややニュアンスが異なってくるが、との混血や前出の半神、あるいは日本の妖怪に限らず日本国外の伝説上の存在(亜人から悪魔魔人妖魔なども)全般を「妖(あやかし)」と位置付け、これらとの混血を指して半妖と表現する場合もあり、この辺りはかなり曖昧である。

なお、後述するように作品によって様々な意味付けも存在し、その中では混血的存在ではなく、人間が妖怪に変化したものないしその途上を半妖と位置付けたりといった「作品に固有の設定上の仕掛け」が見出される。

[編集] 日本国外での受容

なお、この半妖と言う表現だが、日本製のアニメ・漫画などサブカルチャー媒体の輸出にもからみ、例えば英語圏では「Hanyō」(ほぼローマ字表記)と表現されており、同様に日本製アニメ・漫画作品に関心の高い地域では同種の言葉が、日本製アニメ漫画関連のファン用語として利用されている模様である。

こちらは妖怪が欧米圏で妖精(fairy)と同一視されており、ニュアンス的にはニンフエルフないしゴブリントロールとの混血といったようなイメージで語られている模様である。また、鬼がデーモン(悪魔や悪霊の類)とも同一視されていることもある。昔話の牧歌的な場合もあれば恐ろしい怪物であったり、逆に荒々しい自然を象徴することもある・場合によってはの対象にもなる鬼一般とは違い、キリスト教的一神教の価値観の中で、いわゆる「鬼神」などの概念に近い部分で扱われるなど、ややニュアンスが限定的な部分もありうる。

日本の妖怪のイメージでは、普段は必ずしも人の姿はしておらず、必要に応じて人間の姿に「化ける(人間に対応するためにその姿を真似る)」という側面が強いが、妖精はどちらかと言うと「人間の姿をしている自然界の力(自然現象の擬人化)」的な部分があり、この辺りはややイメージされるところのずれが含まれるかもしれない。

[編集] 半妖が登場する作品

  • ゲゲゲの鬼太郎(原作・水木しげる・1954年?より)
    「半妖怪」と表現され、混血であるとも能力や存在が妖怪のように強力だったり純粋な超常的存在ではないとも、作品によって扱いがやや曖昧。概念的にも確定しておらず、いわゆる「半妖」のイメージには合致しない。ちなみに主人公の鬼太郎自身は「幽霊族」という特殊な妖怪を父に、人間を母にもつ混血的な存在だとして描かれているが、こちらも作品によって設定にばらつきがある。
  • 犬夜叉(原作・高橋留美子:週刊少年サンデーに1996年より連載)
    主人公の犬夜叉が強力な妖怪を父に、人間を母親に持つという設定で、普段は超人的な怪力と感覚の鋭さを示すが、半妖という出自の制約から、一定期間ごとに妖怪としての能力を失う時期があるとも描写される。また作中には彼の他にも半妖のキャラクターが登場し、ほとんどが前述のとおり妖怪からも人間からも差別される異端者としても描かれている。
  • サガ フロンティア(作・スクウェア:プレイステーション・1997年発売)
    主人公の一人アセルスが該当。出自は人間であるものの、とある事故で死亡した際に妖魔の血を与えられ、妖魔と人間の混血である「半妖」として蘇生する。ゲーム上では他の妖魔が持つ特性(睡眠や混乱などの精神攻撃無効・モンスターを装備武具で吸収)に加え人間特性(ステータスの成長・技の習得が可能)を持つキャラとして設定されており、エンディングも進め方次第で人間・妖魔・半妖それぞれのラストに分岐する。
  • 魔法先生ネギま!(原作・赤松健:週刊少年マガジンに2003年より連載中)
    「半妖」と明記されてはいないが、レギュラーキャラの桜咲刹那と犬上小太郎が烏の妖怪の「烏族」と、狼や狐の妖怪「狗族」と人間のハーフであり、刹那は背中に翼を隠し持ち、小太郎は犬神を操れる、または己を獣化出来るなど、それぞれ特殊能力を有している。
  • 夜桜四重奏(原作・ヤスダスズヒト月刊少年シリウスに2006年より連載中)
    作中では「堕ちて」しまった人間の内、奇跡的に生還できた人間を指す。人間でありながら妖力を持ち、妖怪と同じく様々な力を使う事ができ、身体能力も飛躍的に向上する。「堕ちて」しまった直後は望む望まないに関わらず、どんなに温厚な人間でも凶暴化してしまう模様。人間と妖怪を両親に持つのとは違う為、こちらも一般的な「半妖」とは一線を画す。
  • 侍戦隊シンケンジャー(制作・東映:2009年より放映)
    作中では、「生きて外道に落ちた」人間が半妖になり果てることがある。普段はアヤカシ(敵の怪人)同様の異形の姿だが、人間の姿に戻ることも可能。薄皮太夫と腑破十贓が該当する。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年9月2日 (水) 07:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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