卓球
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| 卓球 | |
|---|---|
トーナメント形式の試合
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| 統括団体 | 国際卓球連盟 |
| 通称 | ピンポン |
| 起源 | 19世紀 |
| 特徴 | |
| 身体接触 | 無 |
| 選手数 | シングルス ダブルス |
| カテゴリ | 屋内競技 |
| ボール | セルロイド製のボール |
| オリンピック | 1988年 |
卓球(たっきゅう)は、スポーツの一つである。競技者は卓球台を挟んで向かい合い、セルロイド製のボール1個を相手コートにむかって打ち合って得点を競う。競技は、男女シングルス、男女ダブルス、男女混合ダブルス、男女団体の4つに分けられる。競技人口の多さは世界有数であり、メジャースポーツの一つといえる。
このスポーツは動体視力と反射能力、高い瞬発力や持久力が必要であり、技術面・フィジカル面ともに総合的な実力が要求される。ただ、初・中級レベルだと身体能力よりも技術面の比重が上回り、「身体能力・体力が無くても勝てる」という側面や印象があることも否めない。しかしながら、上級レベルの卓球はスポーツの中でも比較的身体能力を要求される競技であり、非常に体力を必要とする。
目次 |
[編集] 卓球の起源
卓球の起源はイギリスと言われ、『貴族』の遊びがスポーツに発展したものと考えられている。 テーブルテニスと言われるように、卓球の元はテニスである。テニスが雨でできなくなったため、屋内でできないかと考えられた。そして、卓球が誕生したのである(しかし、そもそもテニスの元となったポームは屋内競技であった)。
[編集] ルール
[編集] 用具規定
卓球台の上面は長さ2.74m、幅1.525mの長方形で、地面より76cmの高さに水平に位置する。台の長辺に垂直に張られたネットによって、台は2つのコートに等分される。ネットは台から15.25cmの高さに釣られ、台の両端に取り付けられたサポートによって支えられる。ボールは直径40mm、重さ2.7gのセルロイドまたは同質のプラスチック製で、色は白またはオレンジでなければならない。ラケットやユニフォームの規定については用具の節を参照。
[編集] 試合進行
1試合は、各ゲーム11点先取の7ゲーム制(4ゲーム先取)、5ゲーム制(3ゲーム先取)、または3ゲーム制(2ゲーム先取)で行われトーナメント戦が試合では多い。 10対10になったときはデュース(10対10はテンオールと呼び、11対11以降をデュース)と呼ばれ、先に2点差を付けた方が勝ちとなる。フルゲームになった際は、どちらかの選手が5ポイントになった時点でコートチェンジが行われる。 サービスは2本交代、ただしデュースのときは1本交代になる。サーバーはラケットを持っていない手(フリーハンド)の手のひらからほぼ垂直に 16cm以上投げ上げ(台の下から投げてはいけない)、落ちて来るところをラケットによってエンドライン(台の後方)から打球し、まず自分のコートにバウンドさせ、次にネットの上を越して、相手のコートにバウンドさせなくてはならない。サービスがネットに当って相手のコートに落ちた場合は、「レット(let)」といい、やり直しになる。それ以外の場合は、サーブミスになり、相手の得点になる。また、サーブをするときには、ボールを選手の体やユニフォームで相手選手から隠してはならない。 サーブされるか返球されるかして自分のコートに返球されたボールは直接、またはネットに接触した後に、相手のコートに落ちるように返球しなければならない。これが出来なかった場合、相手の得点になる。ボールを自分のコートで2バウンドさせたり、ボールを自分の体に当てたりラケットに2度続けて当てたりしてはならないが、ラケットを持つ手の手首よりも先(指など)にボールが当たったり、ラバーに当たらずに相手のコートに入った場合はポイントになる。相手が打ったボールが自分の台にバウンドする前に、台上にあるか、または台の方向に向かって飛んでいるボールを、直接ラケットや体に当ててはならない。台上でのボレーは禁止。ボレーをすると相手の得点になる。 ダブルスの場合、サービスはサーバー側コートの右半面からレシーバー側コートの右半面へと、交差するようにバウンドさせなければならない。ダブルスは、ペアは交互に打ち、サーブ権が相手に移動するとサーブをしていなかった選手がレシーブをする。
[編集] 団体戦方式
団体戦は場合により様々な方式が取られている。世界卓球選手権などでは、双方のチームが3人の選手でシングルスにより最大5回対戦し、先に3勝した側が勝ちとなる方式が採用されている。北京オリンピックの団体戦では、3人の選手で4シングルス、1ダブルスを戦う方式が採用された。
日本国内では、日本卓球リーグを始めとして4人の選手による4シングル1ダブルス方式が多い。この場合、同じ選手がシングルスとダブルスの両方に出ることができる。大会によっては6シングル1ダブルス(関東学生連盟)や3シングル2ダブルス(新日本スポーツ連盟)などの方式もある。さらにローカル大会になると2シングル1ダブルスやダブルスだけの団体戦や男女混成の団体戦もあり、多彩な方式で行われている。 個人競技であるため基本的には個人の力が高いチームが勝つことが多いが、戦型の相性に影響されやすいため、組み合わせによって波乱が起こることもある。
[編集] 歴史
現在の卓球はもともと19世紀後半にイギリスで生まれ、その後発展してきた。もともとテニス選手が、雨でテニスが出来ず退屈だったので室内のテーブルの上でテニスのまねごとをしたのが始まりといわれている。はじめの頃は長い柄のついたバドミントンのようなラケットとコルクの球を使用し、ラケットには革や紙やすりなどを張っていた。
その後、ラケットは短くなり、1900年代頃に欧州でゴム製の1枚ラバーが開発され主流となったが[1]、攻撃してもそれほど強い打球が打てなかったことやネットが高かったこともあり[2]、守りに徹した方が有利であった期間が長く続き、1936年に行われた第10回世界卓球選手権では1点取るのに2時間以上もかかった試合の記録が残っている[2]。 1937年、日本初の国際試合が行われ、ハンガリーの元世界チャンピオンと対戦し、その際日本選手は初めて1枚ラバーに接した[1]。当時、日本選手のラケットには何も貼っていない状態(別称:木ベラ)でありながらも、大健闘の成績を収めた[1]。その頃、男子アメリカチームによって、当時規定外であった指を使い、様々な回転を生み出すサービス「フィンガースピンサービス」が開発され、1937年に行われた第11回世界卓球選手権にて、初めて強い回転をかけたプレーが持ち込まれた[2]。これを駆使したアメリカチームは好成績を収めたが、その反面強い回転に慣れていない対戦相手はレシーブミスを連発し、ラリーが続かない展開となってしまった[2]。ラリーが長すぎる、一方では短すぎる、と両極端な展開で観客が退屈と感じる試合が続出したことから国際卓球連盟はルールの改正を行い、ネットの高さを引き下げ、試合時間の制限、指を使いボールに様々な回転を与えるサービス(フィンガースピンサービス)の禁止を決定[2]。その影響にて再び守備型が有利な状況となり、1940年代から1950年代初頭までは欧州の選手によるカット主戦型が全盛であった[1][2][3]。
この状況が変化する転機は、第二次世界大戦後、1950年代に日本にて新しい用具を続々と開発し、実戦に使用され結果を出したことである[1][2][3]。先ずは従来の1枚ラバーを裏返しにして貼る「裏ラバー」が使われるようになった。これは1枚ラバーと比較してボールとの接触面積が広いため摩擦が大きいことで強い回転をかけやすくなり、それを大きく活かした攻撃を行うことが可能となった。さらに、太平洋戦争時に航空機燃料タンク防弾用など、軍事用に用いられていた独立気泡スポンジが卓球の用具として使われるようになる。これは反発力が強く、従来のラバーと比べて打力が飛躍的に向上した[1][2][3]。それをラケットの打球面に貼り付けた「スポンジラバー」[3]、裏ラバーとスポンジを貼りあわせた「裏ソフトラバー」や、一枚ラバーとスポンジを貼りあわせた「表ソフトラバー」が開発された。その特徴を大きく活かしたスマッシュ攻撃を武器に、1952年の第19回世界卓球選手権で日本は大会初参加ながら、女子団体・男子シングルス・男子ダブルス・女子ダブルスの4種目で優勝と黄金時代の口火を切り、1950年代の世界選手権において日本選手が各種目にて優勝者を多数輩出した[1][2][3]。
しかし1959年に国際卓球連盟は用具の制限に乗り出した。スポンジのみの使用は禁止され、スポンジラバーは消滅した。その他のラバーについても厚みが4mmまでに制限された。2000年から、ボールの直径は38mmから40mmになった。これによってボールの空気抵抗が増し、従来よりもラリーが続くようになった。しかしその一方で回転がかけにくくなり、またラバーが回転の影響を受けにくくなったために、カット型や前陣速攻型のような戦型はより戦うのが難しくなっている。現在ではドライブ主戦型が主流である。
[編集] 用具
[編集] ラケット
卓球に使用するラケットは、主に木材から作られた板とゴム製のラバーとから構成される。板の部分のみをラケットまたはブレードと呼ぶことも多い。両者とも様々な種類、特徴を持った製品が存在し、選手はそれらの中から自分に合う用具を選択することができる。日本国内の公式試合に使用するラケットは、見える場所にメーカー名、日本卓球協会の公認の表示(JTTAA)が義務付けられている。
[編集] 種類
卓球が他のラケット球技と異なるのは、握り方の異なるシェークハンド・ペンホルダーと大きく分けて2種類のタイプが存在することである。伝統的には、ヨーロッパ出身の選手はほとんどがシェークハンドを使用し、一方アジアではペンホルダーが主流であったが、1980年代頃からはアジア各国においてもシェークを使用する選手の割合が増加し、ペンと同等かそれ以上になってきている。要因として、ペンのほうが軽いため女子選手やフットワークに自信のある選手がペンを選択するケースが過去には多かったが、現代卓球ではフォアハンドとバックハンドの両面で攻防することが必要とされるため、両ハンドで攻防することを踏まえてシェークを選択する選手が近年では多くなっている。しかし、中国式ペンホルダーを使った両ハンド攻撃を得意とする選手が世界ランク上位に名を連ねたりすることもあり、一概にどちらが優位であるかを結論付けることはできない。
- シェークハンド
詳細は「シェークハンド」を参照
- 手で握手する様に握るタイプのラケット。両面にラバーを貼って使用する。
- 現在、多くの選手がシェークハンドであり、握り方の主流であるといえる。それはペンホルダーよりもバックハンド攻撃、特にバックハンドドライブがしやすい部分がある。反面、ミドルに来たボールに対して比較的処理しにくいと言う欠点もある。シェークハンドのグリップにも種類があり、ブレードから曲線になって広がっているグリップをフレア、真直ぐになっているものをストレート、直線で広がっているものをコニック、樽形の様なグリップのアナトミックなど様々な形状がある。また、バタフライからSI(ストレートインクライングリップ)というブレードからグリップエンドにかけて徐々に厚くなっているものが開発された。
- ペンホルダー
詳細は「ペンホルダー」を参照
- ペンを持つように握るタイプのラケット(通称)。日本式ペンホルダーと中国式ペンホルダーに大別できる。通常、片面のみにラバーを貼り、その面だけで打球するが、両面にラバーを貼って試合中やラリー中に反転して打球したり(反転式)、弱点とされるバックハンドの技術を補うため裏面打法をする選手が多くなってきている(現在のルールでは、裏面にラバーを貼っていなくても表面と違う色のラバーまたはシートを張らなければならない)。シェークハンドに比べ、手首を利かせた台上での操作性に優れ、ミドルに来たボールを比較的打ち易いと言う特徴がある。また、ラケット角度等を微調整しやすいが、その半面で、少しでも感覚がはずれるとミスにつながりやすいといった難しい面がある。
- 日本式ペンホルダー
- グリップ部に主にコルクが使用されている。主に片面のみにラバーを貼る。ブレードの形状から角型、楕円型、丸型などに分けられる。日本、韓国などに使用選手が多い。いわゆる反転式のラケットはこの日本式ペンホルダーのうち、反転しても持ちやすいように設計しているものを指すことが多い。日本式では、吸い付くような独特の打球感と弾みから檜単板が人気だが、日本国内にて質の良い檜が減少し、高品質の檜単板が少なくなってきている。それに伴い、檜単板ペンホルダーは価格の高騰化も進んでいる。檜単板で有名なメーカーは、DARKERなど。
- 中国式ペンホルダー
- シェークハンドの柄を短くしたような形状をしている。ラバーを両面に貼る選手が多い。最近では王皓、馬琳などの中国選手が裏面打法を取り入れたペン両ハンドドライブ型を完成させ、世界トップレベルで実績を残している。中国式では、ブレードの形状・厚さがシェークハンドと同じものが多く、近年においてはラケットに特殊素材を用いるようになった。
- ハンドソウ
-
- 拳銃を握るように持つタイプのラケット[4]。その握り方から「ピストルタイプ」「ピストル型」と呼称されることもある。曲がるドライブが打ちやすいといわれるが、使用している選手は非常に稀である。グリップの特性上、サービスに変化をつけるのが難しい。フォア面あるいはバック面を異質にする選手はさらに少ない。
[編集] 素材
ラケットは主に木材を原料としており、一枚の板からなると単板と、複数枚の板を貼り合わせて作られる合板とに区別できる。素材の85%以上は天然木と決められていて、15%以内なら木以外の材料を使用することが認められており、炭素繊維、ベクトランファイバー(アリレート)、ケブラー、ガラス繊維、チタン、ザイロンなどの特殊素材を使用したラケットも使われている。
カーボンファイバーとアリレートを合わせたアリレートカーボンや、ケブラーとカーボンファイバーを合わせたケブラーカーボンやZLカーボンと言う物もある。
ラケットの特性は、反発力と剛性に大別される。反発力は球を打ったときのスピードを、剛性は打ったときの感覚を、それぞれ表している。一般的に反発力が高く剛性が高い=硬いラケットは、スピードのある打球を可能にする[5]。剛性が高く硬いラケットは弾離れが速く威力のある攻撃が可能であるが、その分ストップなどで短く返すのが難しい。前陣速攻型の選手に使用者が多い。逆に柔らかいラケットは打球の衝撃を吸収しやすく反発力が抑えられるため、コントロールがしやすいものの、ブロックの威力が低下する。
一般に合板ラケットでは異なる特性の板材を組み合わせることによって反発力と剛性のバランスをとる。このため単板ラケットに比べて多彩な特性のラケットが作られ、品質のばらつきも小さい。さらに板材以外の特殊素材を使用することで、柔らかい特性を持ちながらも高い反発力を実現したラケットも多く作られている。単板ラケットはおもに一枚の檜板から作られ、吸い付くような独特の打球感が得られる。単板はその名の通り一枚の板材から作られるため、木目を縦横に組み合わせて耐久性を上げられる合板に比べて割れやすい欠点がある。従って板厚を大きくする必要があり、ラバーを両面に貼るシェークハンドでは重くなってしまうためあまり作られない。また特性が板材の質に影響されるため、同じ種類のラケットであっても品質のばらつきが大きい。とは言え、高品質の檜を使った単板ラケットは独特の打球感に加えて反発力と剛性のバランスが良いため、特にペンホルダーのドライブ主戦型選手に人気がある。
[編集] ラバー
卓球のラバーとは、ゴム製のシートとスポンジを貼り合わせたもの(但し一枚ラバーはシートのみ)。この部分にボールを当てて打球する。シートの片面は平らで、もう一方の面には粒、あるいはイボと呼ばれる円柱状の突起が密に並んでいる。日本国内外の公式試合に使用するラバーは、見える場所にメーカー名、国際卓球連盟の公認(ITTFA)、日本卓球協会の公認の表示(JTTAA)が義務付けられている。尚、2006年4月以降の国内での大会より、国際卓球連盟の公認(ITTFA)マークの付いたラバーであれば、使用が認められるようになった。
ラバーの特性は、シートとスポンジの特性の組み合わせによって決まる。従って、同じシートに異なる特性のスポンジを組み合わせた製品ラインナップや、同じスポンジに異なるシートを組み合わせたラインナップが用意されることがある。一般に、硬いシート・スポンジは相手の球質に影響されにくく強い打球を可能にするが、コントロールが難しくなる。実際にはこれにラケットの特性も影響するため、自分に合う組み合わせを見つけるために試行錯誤することになる。
ラバーの色は明るい赤と黒のみが認められている。ラバーを貼った面の反対側の面には異なる色のラバーを貼るか、異なる色に着色しなければならない。これは、異なる性質の同色ラバーをそれぞれの面に貼った場合に、相手選手が見分けられなくなるためである。厚さについては、ラバーシートの厚さは2mmまで、ラバーシートとスポンジの合計の厚さは4mmまで、と定められている。一般的にラバーは厚ければ厚いほど強い球が打てるが、コントロールは難しくなる。その他、粒の形状に関して規定が詳細に定められている。
ラバーは耐久性があまり高くない。放っておいても乾燥や酸化でゴムが劣化するうえ、球を食い込ませたり回転を掛けるために擦ったりするので、ラバーの摩擦力や弾力が落ちてくる。寿命による交換の目安は、一般の選手で1ヶ月、練習量が少ない選手でも2~3ヶ月である[6]。
また、打球するうちにラバーに埃などのゴミが付着し、摩擦力が落ちてくる。これをふき取るための専用のラバークリーナーがある。
[編集] 裏ソフトラバー
- シートの平らな面を外向きにしてスポンジと貼り合わせたラバー。ボールとの接触面積が大きくなるため、ボールに回転をかけやすい。現在最もよく使われている。特性により以下のように更に分類できる(以下の分類の中間的な性質のラバーも多数存在する)。
- 高弾性・高摩擦系
- 反発力が高いためスピードが出やすく、シートの摩擦力が高いため回転をかけやすい。弾道が曲線を描くので安定性が良く、伸びのあるドライブを打つのに適している。もっともシェアの高いラバーである。日本のメーカーの得意分野。40年以上もの歴史を持つものも存在している。
- テンション系
- 高弾性高摩擦系ラバーより高い弾性を持ったラバー。シートを構成するゴムに負荷(テンション)がかかった状態を作り出しており、高い弾性と摩擦力を実現する。柔らかいものが多いが弾性に優れるため、方向、距離のコントロールが難しい。ハイテンション型、エネルギー内蔵型などメーカーによって様々な呼び名がある。まだ登場してからの歴史は浅いが、攻撃型のトップ選手の間では愛用者が多い。ドイツ、日本のメーカーの得意分野。
- 粘着系
- シート表面に粘着性があり、ボールに強い回転をかけるのに適したラバー。弾道が曲線を描くので安定性が良いが、硬いものが多いため、方向のコントロールが難しい。粘着の強いものではボールがラバーに触れる時間が長くなるため、ボールに回転をかけやすい反面、相手の回転の影響を受けやすい。カット主戦型や中国系の選手がよく使用している。スポンジが硬いものが多いため、同じ厚さの他種のラバーと比べると重量が重めのことが多い。ボールを付けても落ちないほど粘着力が強くなることもある。ノングルー化に伴い、従来の粘着系ラバーよりも高弾性であることを売りにした粘着系テンションラバーも登場している。中国のメーカーの得意分野。
- コントロール系
- 柔らかいスポンジとシートを用い、ボールコントロールがしやすいように設計されたラバー。扱いやすいく、安価で長寿命な事が多いため、初心者などを含め技術を身につける際に使用されることもある。一方で反発力と摩擦力が低いため、競技段階では威力不足の感があり使用している人は少ない。
[編集] 表ソフトラバー
- シートの粒の面を外向きにしてスポンジと貼り合わせたラバー。ボールとの接触面積が小さいため球離れが早くなり、裏ソフトより相手の打ったボールの回転の影響を受けにくいとされる。前陣速攻型の選手が用いる場合が多い。粒が縦に並んでいる縦目のものと、横に並んでいる横目のものがある。特性により回転系・スピード系・変化系に分類される。従来のラバーよりも高弾性であることを売りにしたテンション系表ソフトラバーも登場している。
- 回転系表ソフト
- 粒の形状が台形で、大きめ。表ソフトの中でも回転がかかりやすいが、スピード系のように球離れが速くなく、また、ナックルなどの変化球も出しにくい。主に、スマッシュを主戦としながら、ドライブを織り交ぜるタイプの選手が多く使用している。
- スピード系表ソフト
- 粒の形状が台形+円柱型で、粒は回転系より小さいものがほとんど。表ソフトの中ではもっとも球離れが速く、ナックル系の球も出しやすいが、回転系のように強い回転をかけるのは困難。主に、ドライブはつなぎで使い、スマッシュを主戦とするタイプの選手が多く使用している。
- 変化形表ソフト
- 粒は円柱型。ナックルなどの変化が出やすい設計になっている。
[編集] 粒高ラバー
- スポンジのついている粒高ソフトラバーと、ついていない粒高一枚ラバーの総称。表ソフトラバーよりも粒がさらに高く、細いのが特徴。表ソフト以上に自分で回転を与えるのは難しいが、相手の回転の影響も受けにくい。それ故、相手の回転をそのまま残して返球することも可能であるという特性もある。打ったときにその粒がボールを弾くため、普通に打球すると打った動作と反対向きの弱い回転がかかる場合が多い。とは言え、実際は相手の打球の質にも左右されるため、扱う側も予測しなかった回転や変化がでることもある。主にカット型や前陣攻守型の選手が変化を付けるために用いるが、反転型のラケットに貼って使用する場合もある。イボ高とも呼ばれるが、イボという語感を避け、粒高ラバーと称されることが多い。
[編集] 一枚ラバー
- 表ソフトラバーからスポンジを除いたもの。第二次世界大戦以前はこのラバーしかなかった。あまり弾まず回転をかけにくいラバーだが、安定した打球を打てるという利点はある。現在このラバーを用いる選手は非常に少ない。
[編集] アンチラバー
- 見た目は普通の裏ソフトだが、摩擦が極端に少なく、回転がかかりにくい。主にカットマンが打球に変化をつける為に使用していたが、ルール改正により両面同色ラバー使用が禁止されてからは使用者が激減した。コントロール性を高めるため、やわらかいスポンジが使われている。
[編集] ボール
ボールはセルロイドまたは同質のプラスチック製のメンコと呼ばれる円形素材から作られる。一般的な卓球(硬式卓球)では直径40mm・重さ2.7g、ラージボール卓球では直径44mm・重さ2.2~2.4gである。色は白と橙色とがある。硬式卓球ではどちらを使用しても良いが、ラージボールでは橙色のみである。周囲環境(照明、床、背景)、ユニフォームの色、卓球台の色によって見づらい場合はどちらかの色を選ぶことができる大会もある。完全な球形を精度よく大量に作ることは技術上難しいため、同じ製造工程で作られた球に対し、どの程度球形に近いかでグレード付けされている。最も高いものは3スターと呼ばれ、最低ランクの無印まで4段階に分けられる。グレード分けは、ボールを坂路に転がしたときのずれの大きさで決まる。完全な球ならば坂路をまっすぐ下り、ゆがみが大きいほどずれが大きくなる。通常、大会では3スターが使われる。
従来、硬式卓球の試合では直径38mmのボールが使われていたが、ルール変更によって直径40mmになった。直径が変わったことによる変化は、空気抵抗が大きくなった影響で飛びにくくなったこと、ナックルの変化が小さくなったこと、それによってラリーが続きやすいこと、回転がかけにくくなったことなどが挙げられる。
[編集] サイドテープ
ラケットが卓球台にあたったときにラケットが破損しないためにつける。ラケットのみを覆うように貼る人もいればスポンジまで覆うように貼る人もいる。一般的に幅は6mm・8mm・10mm・12mmがある。金属製のサイドテープもあり、ラケットの重量、重心を調節することが出来る。
[編集] 接着剤
ラバーとラケットを接着するために使用する。現在使用が認められているのは、水溶性接着剤、接着シート、固形接着剤である。かつてはゴムを有機溶剤で溶いた接着剤が広く使用されていたが、有機溶剤が人体に有害であるという理由から、有機溶剤を含む接着剤の使用は、日本国内においては2007年9月1日以降禁止された。国際大会では2008年9月1日より禁止となった。また、小学生の大会では、2007年4月1日より使用が禁止された。
[編集] スピードグルー
ラバーとラケットを接着するための有機溶剤性接着剤の一つ。一般の接着剤よりも有機溶剤を多く含んでおり、ラバーに塗るとスポンジの中で揮発して小さな気泡ができるため、スポンジが膨張する。この状態でラバーをラケットに貼ると、スポンジの膨張分だけシート面が横に引っ張られるため、常にゴムに負荷(テンション)がかかった状態となる。反発力と摩擦力が高くなり、打球音も高くなる。強く張った弦を弾くと高音で振動するのに似た原理と考えられる。スポンジが柔らかくなるため、シートが少し硬くなっても全体としては柔らかくなる。これを一般に"グルー効果"といい、テンション系ラバーは、この状態を模擬して作られている。主に攻撃型の選手に広く普及している。ただし、常にゴムに負荷がかかっているため、一般の接着剤を使用した時よりもラバーの劣化が速い。有機溶剤を含む接着剤の使用が禁止されたことから、卓球用品メーカーは水溶性グルーやグルー効果のある補助剤(接着力は無い)を続々と発表していた。
しかし、日本卓球協会(JTTA)は、国際卓球連盟のルール改定通知に基づき、2008年10月1日以降に開催される全ての大会において、ブースター等の接着補助剤やスピード補助剤についても使用禁止すると発表した[7][8]。これを受けて、対象の接着補助剤やスピード補助剤の販売を行っている卓球用品メーカーは、2008年9月末をもって販売中止することを発表した。
かつてのスピードグルーは、トルエンが含まれているものも多く、シンナー遊びと同様の卓球以外の不適切な用途に使用され、社会問題化した歴史がある。
[編集] 卓球台
卓球台は経年による反り返りを防ぐために3層構造になっており、真ん中の層には細長い板がフローリング床のように横の継ぎ目をずらして配置されている。
卓球台は元々緑色をしていたが、タモリの「卓球はネクラ」という発言を受けて日本卓球連盟が卓球のイメージチェンジを図り、現在の青色の卓球台を製作。1992年のバルセロナオリンピックにこの青色の卓球台が使われたことから世界中に広まり現在に至る。
[編集] ユニフォーム・シューズ
卓球のユニフォームは、上が襟付でポロシャツに類似した形状のものやTシャツ状のもの、下はハーフパンツ・スカートが基本である。日本国内の公式試合で使用が認められるのは日本卓球協会の公認品のみで、その表示が義務付けられている。非公認品や打球したボールが見えにくくなるなど試合の妨げとなるデザインがされているものは使用不可である。
個人がデザインしたユニフォームにおいても、前述の要件を満たせば使用可能。2007年1月に行われた全日本卓球選手権では、東京キングコングの四元奈生美選手がワンショルダーとミニスカートという斬新なユニフォームで試合に出場し、注目を集めた。
かつてのユニフォームは単色のポロシャツ形状のものが多かったが、近年はテニスやバドミントンと似た素材・デザインで軽く撥水性が向上したものが多い。ショーツは股下が短いものが多く女性に不評であったが、近年では男性用でも太ももにかかるくらいのものが増えている。また、アンダーシャツやスパッツの着用も認められている。
シューズに関しては公認に関する規定が無いので、体育館シューズとして作られたものなら何を履いてもよい。
[編集] 打法
- ドライブ
- ボールに強い前進回転(トップスピン)を与える打法。ヨーロッパではドライブのことを「topspin」と呼ぶ。「擦り打ち」と「食い込ませて打つ」方法の2つに大別される。研究が進むにつれ、以下に代表される様々な打法が確立され、弱点とされたミドルの打法においてもそれを克服する打法がトッププレーヤーを中心にして普及している。また、用具やラケット、ラバーの進化や練習環境の変化に伴い、従来はパワーに難のあった女子においても一通りのドライブ打法を習得する選手が増加し、多くの戦型の選手に幅広く用いられるようになった。
- ドライブは基本的には落ちる軌道を描くためスマッシュに比べて安定性が高いこと、後述するようにスピードとスピンのかけかたで様々な打球をすることができるため戦術の幅が広がることなどが広く用いられる理由である。
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- スピードドライブ
- スピード重視で水平に近い軌道のドライブをいう。回転はあまりかかっていない。トッププレーヤーになるとスマッシュ並みの速い打球になる。基本的に「食い込ませて打つ」方法で行われる。ラバーの性能が高くなったためコントロールするのが比較的容易で、使用者が最も多い。回転があまりかからないため返球するのは難しくない。
- ループドライブ
- スピン重視で山なりに近い軌道のドライブをいう。ループドライブの研究が進むうちにつれ、相手側のネット近くに山なりの弧を描いた弾道でバウンドしたのち、さらに低い弾道で相手コート上でバウンドする「沈むループドライブ」が試合で使われるようになった。通常のドライブではバウンド後にスピードが上がって伸びる軌道を描くのに対し、ループドライブはスピードが上がらず沈み込む。この軌道差がフェイントとなるため、返球が難しくなる。ただし、ループドライブの軌道が高くネットから遠くに着地するとただの遅いドライブにしかならないため、逆襲を受けることになる。強い回転をかけながらもスピードを殺してネット近くに落とすコントロールが求められる。
- カーブドライブ,シュートドライブ
- ボールに横回転を与えるドライブをいう。右利きの選手が打った場合、左回転のドライブをカーブドライブ、右回転のドライブをシュートドライブと言う。カーブドライブは(打球者からみて)利腕と反対側へ、シュートドライブは利腕側へ曲がる。野球の変化球のように、回転軸の向き、回転量、スピードによって多彩な変化をする。例えばスピードが低く回転量が大きい場合はスローカーブやカーブのような弧を描く弾道になり、スピードが上がると高速スライダーやカットボールのように鋭く曲がる弾道になる。回転軸によって曲がる角度が変化し、バウンド時にもボールの飛ぶ方向が変化する。さらに返球時にも横回転の影響を受けて打球が左右方向に変化する。このため練習を積まないと返球するのは難しい。初心者でもドライブのスイングの癖で一定の横回転がかかる場合もあるが、上級者の選手は意識して回転を操ることができる。
- パワードライブ
- スピードドライブにスピンが掛かったドライブをいう。スマッシュ並みのスピードに加えて強烈な回転をかけるため、習得するには相当の練習量が必要である。技術だけでなく、相応の筋力も必要とする。初級者・中級者では、スピードかスピンのどちらかが不足し、上述したスピードドライブ・ループドライブの域を出ないことが多い。試合で活用できるのは男子で高校生以上、女子でトッププレーヤーに限られる。
- カウンタードライブ
- 相手のドライブに対して打つドライブをいう。ドライブを返球するため、習得するには相当の練習量が必要である。また、返球する打球を判別する能力や返球するタイミングも要求される。上級者の選手がよく用いる。
- スマッシュ
- ボールを弾くように、フラットに叩き付ける打法。決定打として打つ選手が多い。ドライブより小さいスイングで速いボールを打つことができる。弾道が直線的になるため、角度がずれると入らない可能性が高い。ハイリスク・ハイリターンの打法である。世界のトップ選手の中には初速が時速280km以上のスマッシュを打つ人もいる。スピードがあるためラケットに当てるのは難しいが、回転がかかっていないため、ラケットの角度さえ合わせて当てれば返球することはできる。近年は、フォームの修正が進んだ結果、ドライブ打法と見分けが付かなくなっている。
- カット
- ボールに後退回転(バックスピン)を与える打法。上級レベルになると、下回転(バックスピン)のほかにも、斜め下回転、横回転も織り交ぜる選手もいる。一般的には、カット型の選手が使う中・後陣での大きいスイングでの打法を言い、ツッツキと区別される。
- ツッツキ
- 台上での小さなカットはツッツキと呼ばれる。レシーブなどで使われる。ミスするリスクが少ないが、相手の3球目攻撃を受ける確率が高い。しかし、技術次第では横回転を入れたり、長短の変化をつけたりすることでミスを誘うこともできる。
- ミート打ち
- 主に表ソフトラバーの選手が使う攻撃方法で、回転がかかったボールをスマッシュのように強くはじいてレシーブする打法。相手の回転に合わせてラケットの角度を微調整することから、角度打ちとも言われる。ラケットをコンパクトに振り切るので回転がかからず威力自体はそれほどでもないが、早い打点で捕らえるため相手の防御が間に合わず決定打になることがある。パワードライブを打つ体力のない女子選手に使い手が多い。
- ストップ
- 主に相手の短い下回転系のボールに対し、相手コートに2バウンド以上するように小さく返す打法。低いストップに対しては物理的にドライブが打てないため、防御技術として有効。しかし浮いてしまうとチャンスボールとなってしまうことが多い。上級者のレシーブに多い。
- プッシュ
- 押し出すように打つ打法で、主にペンホルダーのバック側の攻撃に使う。シェークハンドのバックハンドに比べて威力を出しにくいが、やり方によっては同等以上に打ち合うこともできる。
- バックハンドスマッシュ(ペンホルダー)
- ペンホルダー型のバックで、右足を前にしてフリーハンドを引き(右利きの場合)、肘を軸に体重を乗せ相手コートに強打する打法。難しい技術の一つだが、少ない予備動作でコンパクトに振りぬくためコースを読まれにくく、会得すればその効果は大きい。
- フリック(払い)
- 相手のショートサービスまたは台上の球に対して、台上で前進回転を与えて払うように返球する打法のこと。リスクは高いが、レシーブで直接得点を狙うこともできる。技術が向上すれば台上強打ともいえるスピードのある打球を打つことも可能である。
- ブロック
- 相手のスマッシュやドライブに対して、前~中陣でバウンドの上昇期 - 頂点で当てるように返球する守備技術。あまりスイングせずにラケットで壁を作って弾き返すため、ブロックと呼ばれる。裏ソフトでブロックする場合、ラケット角度を的確に調整する必要がある。ブロックは相手の強打を早いピッチで返すことが目的のため、大きなスイングは必要なく、力のない子供や女性選手では重要な技術である。ただし攻撃技術でないため、ただ返球しても相手の攻撃を続けて受けるだけである。そのため、相手の球の威力を「殺して返す」、「そのまま返す」、「自分の力を上乗せして返す」など、返球に変化をつける必要がある。回転をかけて変化させてミスを誘ったり、相手が打ってきた球を全てブロックしてつなぎ球を狙い撃ちするという戦術を取っている選手もいる。相手強打に対して台上で2バウンドさせるほどに威力を殺すブロックを持つ選手もいる。
- カウンター
- 相手の強打に対してそれ以上の力で打球し返す技術全般を言う。強打し終わって体勢が整わない相手を打ち抜くことが目的であるため、固定的な打ち方はない(カウンタードライブのような強打からブロックのような守備技術まで含まれる)。相手の強打を狙い打つためハイリスクであるが、一撃で試合の流れを変えることもできるハイリターンな戦法である。
- ロビング
- ボールを高く打ち上げて時間を稼ぎ返球する打法。相手のミスを誘うものだが、相手の強打を受けやすい。しかし、打球が高い分、バウンド時に回転の影響を受けやすいので、強烈な回転をかけて打つことで、相手にとって打ちにくい球となる。
- フィッシュ
- 中 - 後陣でロビングよりも低い弾道で(一般的にはネットの高さよりやや高めの高さ)相手のボールを返す技術。ブロックの打球点より遅く、フィッシュの打球点は頂点を過ぎたものとされている。いわゆる相手の攻撃をしのぐ為のつなぎ球だが、ロビングに比べて打ちにくい。
- 相手の攻撃をフィッシュでしのいで、相手が攻めあぐねたところで一気に反撃をするといった戦法も用いられる。
- チキータ
- 場合によりチキータ・レシーブなどという場合もある。
- ピーター・コルベル(チェコ)が発案した打法で、バックハンドの横回転系のフリックのことを言う。この打法を応用したチキータ・ドライブもある。基本的にシェークハンドの選手が使用するが、ペンでも裏面打法を使えば可能である。
[編集] サービス(サーブ)の種類
- ショートサービス・ロングサービス
- 広義でのショートサービスは相手のコートで2バウンドするサービスのことを指し、ロングサービスは相手のコートで1バウンドするサービスのことを指す。試合では、相手にドライブを打たせないためにショートサービスを用いることが多い。ロングサービスは初顔合せの対戦相手の特徴を確認する場合や相手の意表を突くために用いることが多い。
- フォアサービス
- 自分の利き腕に対してフォア側からラケットのフォア面を使って出すサービスのこと。シェークハンドでは、コントロールをよくする、より強い回転を掛けるために手首の可動範囲をひろげる、戻りを早くすることなどを目的として、選手によってグリップが違うことが多いが、似たような戦術を使う選手同士では似たグリップであることも多い。シングルスの試合では自陣のバック側から出すことが多い。
- バックサービス
- 台の中央付近に立って、ラケットのバック面を使って出すサービスのこと。早く戻れるため、前陣主戦型やカットマンがこのサービスを使うことが多い。
- 投げ上げサービス(ハイトスサービス)
- サーブのトスをする際に、ボールを2メートル以上投げ上げて出すサーブのこと。慣れないと落ちてくる球の軌道が打球ポイントからずれてミスをすることが多いが、その分回転やスピードが増す。世界には、7~8メートルものトスを上げる選手もいる。
- しゃがみ込みサービス
- サーブを出す際に、膝を曲げてしゃがみ込みながら出すサーブのこと。大阪市にある王子卓球センターで出来た王子サーブなどがこれにあたる。非常に強い回転をかけることが可能だが、下半身が弱いと戻りが遅くなってしまい、逆に自分の首をしめることもある。
- YG(ヤングジェネレーション)サービス
- フォアサービスの一種であるが、通常とはラケットの動きが逆で、体の内側から外側にスイングして回転をかける。ルール改定以前は打球のインパクトを隠すためによく用いられた。ヴェルナー・シュラガーを始め、ティモ・ボル、水谷隼といった選手も多く使う。
[編集] 戦型
- シェーク
-
- ドライブ主戦型
- 両面に裏ソフトラバーを貼り、フォアとバックの両ハンドからのドライブを主戦武器とする。ヨーロッパをはじめとして世界各国で一般的な戦型であり、現代卓球の主流といえる(こういった背景には、スピードグルーの存在がある)。中国の王励勤や日本の岸川聖也など、多数の選手がこの戦型である。
- 前陣速攻型
- 台から離れずに攻める戦型。ラケットのバック側には表ソフトを貼るのが普通。最近では、ドライブ型も好んで台から離れることはないため、それほど差はなくなってきている。素早く相手の球を打ち返せる反面、高い動体視力と反射神経が要求される。一般的に女子に多い。シンガポールのリ・ジャウエイ、日本の藤沼亜衣など。
- カット主戦型
- 基本的には中 - 後陣からのカットによって相手のミスを誘って点をとる。ラケットを振り下ろし、バックスピンをかける打球が下から浮き上がるような軌道を描く点や、希少な戦型である点から、野球のアンダースローの投手のような存在だといわれることがある。レベルがあがると、直線的で回転の変化がついた攻撃的なカットや、横回転を混ぜたカットを使う選手、さらにレベルが上がると、カット打ちをし続けた結果、攻撃側が肩を痛めたり、攻撃側の選手のラバーが裂けたりするような強烈に切れたカットを使う選手も出てくる。世界のトップレベルでは、それに加えて、守備力と共に攻撃選手並みの攻撃力を兼ね備えた選手が多い。この戦型は卓球におけるほぼ全ての打法を習得しなければいけない。そのうえ、後ろに下がれば下がるほど横に動く距離が多くなるため、瞬発力と体力も必要になってくる。また、現在では非常に攻撃的なカット主戦型もいる。日本ではカットマンという呼び方が定着しているがこれは和製英語で、英語圏では chopper と呼ぶ。韓国の朱世赫や日本の松下浩二が有名。
- 前陣攻守型
- 台から離れずショートに対しての相手のミスで点を取る戦型。一般的にラケットのバック側に粒高ラバーを貼り、それによる変化ボールやコースの緩急で相手のミスを誘う。たいていフォア側には裏ソフトラバーや表ソフトラバーを貼り、フォアに来たボールはスマッシュする。女子選手に多い。日本の福岡春菜が有名。
- オールラウンド型
- 両面に裏ソフトラバーを張り、ドライブ・ロビングなど多くの技術を駆使して点を取る戦型。戦術の柔軟性や高い身体能力、前陣・中陣・後陣全てで戦うことができる技術力が求められる。スウェーデンのワルドナーや日本の水谷隼が有名。
- ペン
-
- ドライブ主戦型
- 通称ペンドラ。主にフォアハンドドライブによって攻める。回り込みや飛びつきなど、フットワークを活かしたダイナミックなプレーをする選手が多い。構造上シェークハンドドライブ型ほど強いバックハンドドライブを打つのは難しいといわれるが、それを十二分に補えるだけの得点力のある快速プッシュや、バックハンドスマッシュを得意とする選手もいる。しかし、基本的にペンホルダーの弱点はバックである。それ故、回り込んだところに逆コースを突かれて守勢に回ってしまうことも多い。しかし、最近は中国を中心に、裏面打法によって強力なバックハンドドライブ(いわゆる裏面ドライブ)を打つ選手もいる。韓国の柳承敏、中国の王皓や馬琳、日本の吉田海偉が有名。
- 表ソフト速攻型
- 表ソフトラバーを用いてできるだけ短い手数で攻撃につなげ、積極的に攻める戦型。主にスマッシュを決定打として用いる。ドライブ主戦型と同じく裏面打法でバックハンドドライブを打つ選手もいる。日本の田崎俊雄、中国の劉国梁(現中国ナショナルチームコーチ)などが有名。
- 異質ショート型
- 主に反転式や中国式のペンホルダーラケットを用いて、両面にラバーを貼り、このうち片面には粒高ラバーを貼るタイプを指す。裏ソフト+粒高、表ソフト+粒高の組み合わせが一般的。試合中は台の近くでプレーし、粒高ラバーによる変化で相手のタイミングを崩し、相手に隙が出来たら攻撃するのに加え、ラケットを反転し異なった球質の打球を出して相手のミスを誘うなど、守備的な戦型である。ラバーの基準変更やルールの変遷の中で、粒高ラバーの威力が昔より減少していることもあり、この戦型を採用しているトッププレーヤーは非常に少ない。女子では中国の陳晴や元中国代表でルクセンブルクの倪夏蓮が有名。
[編集] 卓球用語
- タオリング(towelling)
- 競技中にタオルで汗をふくこと。以下の場合に、短時間のタオリングが認められる。
- 各ゲームの開始から6ポイントごと
- 最終ゲームでチェンジエンド(コートの交代)をしたとき
- ラケットの表面が汗でぬれたり、メガネに汗がついたりして審判員の許可があったとき
- クロスとストレート
- クロスは対角線上の相手コート側を指し、ストレートは自陣のいる場所から真正面の相手コート側を指す。
[編集] 卓球の盛んな国々
- 中国 - 世界最大の卓球大国。とくに女子は圧倒的に中国の選手が強い。男子・女子いずれも選手層が厚く、行き場の無くなった強豪が数多く海外に流出し、結果的に世界中に帰化選手を送り込んでいる。
- 香港 - 国としては中国の一部だが、卓球の国際試合には地域として参加する。当然ながら中国と似たプレースタイルの選手が多い。代表選手のほとんどが中国の帰化選手。
- 台湾 - 中国ほどの強さはないが、ランク上位に顔を出すことがある。
- シンガポール - 代表選手は中国の帰化選手が多く、プレースタイルも中国と類似している。女子は、2008年世界選手権と2008年北京オリンピックの団体でいずれも銀メダルを獲得している。
- 韓国 - フットワークを生かしたダイナミックなプレーをする選手が多い。ソウル五輪・アテネオリンピックでは男子単の金メダルを獲得。
- 北朝鮮 - 男子は韓国の選手に似ており、女子は粒高や表ソフトを使った異質選手が多い。2002年のアジア競技大会の決勝で中国を破ったり、アテネでキム・ヒャンミ選手が中国系選手を倒し、銀メダルを獲得する等、強い面を見せることもある。
- 日本 - 1950年代~1970年代には、日本は世界のトップクラスであった。過去シングルスの世界チャンピオンを男女計13人輩出している。80年代以降は中国に圧され停滞が続いている。女子が世界選手権団体で3大会連続銅メダルを獲得、男子は2005年世界ジュニア選手権団体戦で優勝、2008年世界選手権で銅メダル獲得するなど、復調の兆しもある。
- ドイツ - 卓球のプロリーグ(ブンデスリーガ)があり、男子では世界中から有力な選手が集まっている。男子は2008年北京オリンピック団体で銀メダルを獲得。
- スウェーデン - 1980年代後半から1990年代にかけて、スウェーデンは男子の卓球の頂点を占めていた。最近は若手が育ってきていないため、かつての強さはない。
- その他ヨーロッパの様々な国においても、卓球は盛んである。
- 北米 - 上述の国々ほど盛んとは言えないが、中国の帰化選手が代表になってレベルの底上げがなされている。
- 一般的にアジアとヨーロッパで盛んだが、前述したように中国の帰化選手が世界各地に散っているため、中国人の代表選手が多い国もある。
[編集] 主要な国際大会
- 世界卓球選手権 - 毎年、個人戦と団体戦を交互に行っている
- ヨーロッパ選手権 - ヨーロッパの選手を対象に個人戦と団体戦を行っている。ヨーロッパチャンピオンズリーグとは異なる。
- 夏季オリンピック - 1988年ソウルオリンピックから正式種目に。
- ITTFプロツアー - 各地で行われる大会。基本的にランキングを上げる(もしくは維持する)目的での参加が多い
[編集] 主要な日本国内大会
- 全日本卓球選手権大会
- 全日本社会人卓球選手権
- 全日本実業団卓球選手権大会
- ジャパントップ12卓球大会
- 東京卓球選手権大会
- 全国レディース卓球大会
- 全日本大学対抗卓球選手権
- 全日本学生卓球選手権大会
- 全日本学生選抜卓球選手権大会
- 全国高等学校卓球選手権大会
- 全国高等学校選抜卓球大会
- 全国高校定時制通信制卓球大会
- 全国中学校卓球大会
- 全国中学選抜卓球大会
- 全国ホープス卓球大会
- 全国ホープス選抜卓球大会
- 全国ラージポール卓球大会
[編集] 主な卓球リーグ
- 日本卓球リーグ
- ヨーロッパチャンピオンズリーグ
- ドイツ・ブンデスリーガ
- オーストリア・ブンデスリーガ
- スーパーリーグ
- スウェーデンリーグ
- フランスリーグ
- 中国超級リーグ
[編集] 有名選手
[編集] 中国
[編集] ヨーロッパ
- ヤン=オベ・ワルドナー
- ヨルゲン・パーソン
- ヴェルナー・シュラガー
- ティモ・ボル
- ブラディミル・サムソノフ
- カリニコス・クレアンガ
- ゾラン・プリモラッツ
- ジャン=フィリップ・ガシアン
- ジャン=ミッシェル・セイブ
- ピーター・コルベル
- マイケル・メイス
- アレクセイ・スミルノフ
[編集] アジア
[編集] 日本
[編集] 男子
[編集] 女子
[編集] 世界チャンピオン(日本人)
[編集] ラージボール
ラージボール卓球(別名新卓球)は、一般的な卓球(硬式卓球)で使われているボール(直径40mm)よりも大きなボールを使って行われる卓球競技である。硬式卓球との主な違いは
- 使用するボールが大きく(直径44mm)て軽い
- ラバーには表ソフトラバーのみ使用可、但し粒高ラバーは不可
- ネットの高さが2cm高い
- ラバーは、赤・黒以外の色の物も使用が許可されている。
- サービスのトスの高さ(硬式では16cm)の規定がない。
などである。
日本卓球協会が卓球の普及を目的として考案、ルール・用具規格等を1988年に制定した。ボールが大きく空気抵抗の影響が増大するため、ボールの速度、回転量が従来の卓球よりも減り、ラリーが続きやすくなるなどの特徴がある。日本では高齢者でも手軽にできる生涯スポーツとして主に中高年に人気があり、多くの大会が開催されている。
[編集] 軟式(日本式)卓球
日本にて初めて卓球が伝来したのは、1902年に東京高等師範学校の坪井玄道がイギリスからピンポン用具を持ち帰ったのが最初とされる[1]。そこからしばらくの間は日本独自の用具とルールの発展があり[1]、初の卓球統轄機関として大日本卓球協会が創立された1921年(大正10年)頃は軟式(日本式)卓球にて競技が行われていた。硬式卓球との主な違いは
- 使用するボールの直径は36.9mm以上38.9mm以下
- ボールの重さは2g以上2.13g以下
- ネットの高さが2cm高い17.25cm
などである。
ラージボール卓球の普及や硬式卓球のルール変更に伴い日本独自の軟式(日本式)卓球は2001年(平成13年)度を最期に幕を閉じた。
[編集] 娯楽・文化としての卓球
卓球は、他のスポーツと比べ、ゲームをプレイする条件(ルールの理解、スキル、場所・道具・プレイヤーの確保)を満たすことが容易なため、老若男女問わず親しみやすく、観戦スポーツとしてではなく、実践スポーツとして広く日本人に愛されている。しかし卓球部員はいわゆるジョックではなくナードとして扱われる(これは明らかに偏見であるが、タモリの根暗発言が原因でこのような状況が出来てしまったとの意見がある)ことが一般的であるが、ヨーロッパでは、このような偏見は無い。
2002年に映画『ピンポン』(窪塚洋介主演)が上映されて以降、にわかなブームが若者の間にも広まった。今日、素人卓球のメッカ、渋谷卓球倶楽部では、中学、高校時代は卓球とは無縁であったような若者たちも卓球を楽しむようになった。週末の夜ともなれば、10台以上ある卓球台は完全に埋まり、軒並み待ち時間が30分を超えるほどの盛況振りである。服装の自由度が高く、力のない女性や子供でもできること、ケガの心配もないことから、会社員やカップルが気軽に遊べるためと考えられる。
[編集] 脚注
- ^ a b c d e f g h i 日本卓球栄光の歴史 2009年世界卓球選手権横浜大会公式サイト
- ^ a b c d e f g h i 世界卓球選手権の歴史 2009年世界卓球選手権横浜大会公式サイト
- ^ a b c d e 白髭隆幸・SPORTS 21、第三十回 卓球ニッポンを支えた名選手・荻村伊知朗(インターネット・アーカイブ) Japan Senior Online
- ^ ハンドソウラケットの一例 ヤサカ公式サイト
- ^ よくある質問/Q.ラケットに表示されている打球感のハード、ソフトとはどういう意味ですか? バタフライ卓球用品/タマス公式サイト
- ^ よくある質問/Q.ラケットにもラバー同様に寿命はありますか? バタフライ卓球用品/タマス公式サイト
- ^ 今後の接着剤の使用とラケット検査について(日本卓球協会 平成19年6月11日)PDF 徳島県卓球協会
- ^ ルール変更についてPDF 日本卓球協会 2008年(平成20年)9月13日
[編集] 関連項目
- 卓球関連会社
- 卓球組織
- プレイ関連項目
- 関連大会
- 記録
- 卓球の日本記録一覧
- 卓球の世界記録一覧
- 派生した作品
[編集] 外部リンク
- 国際卓球連盟
- 財団法人日本卓球協会
- 日本卓球リーグ実業団連盟
- 2009年世界卓球選手権横浜大会
- サイエンスチャンネル - サイト内の「THE MAKING」シリーズ(84)と(130)で、ラケットとボールの製作過程が紹介されている




