協力ゲーム
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協力ゲーム(きょうりょくゲーム、cooperative game)とは、ゲーム理論において、複数のプレイヤーによる提携 (coalition) 行動が可能であるとされた場合のゲームである。協力ゲームにおける提携行動は、提携をする各プレイヤーの利得を増加される場合に行われるとされている。
提携行動を行うためには、事前の交渉と互いに拘束力のある合意が必要であると考えられている。この考え方にしたがって、協力ゲームを交渉を行う非協力ゲームから説明しようという研究計画をナッシュプログラムという。
協力ゲームの表現・解析には、特性関数がしばしば用いられる。
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[編集] 数学的な取り扱い
協力ゲームは(空集合を除く) あらゆる種類の提携に値を特定することにより与えられる。 数学的にいえば、ゲームは関数

を提携の集合から報酬の集合に対応づけることである。 関数は「特性関数」(characteristic function) と呼ばれる。 関数は提携したプレイヤーへの報酬の総額である。 プレイヤーはどの提携に参加するかを選択することができ、 提携参加者間の報酬の分配の見積もりにしたがう。 空集合の(誰も参加しない)提携への報酬はゼロと仮定する。
[編集] 特性関数の性質
[編集] 優加法性
- もしも A と B が2つの非交和(
)提携である場合、
A と B の大提携の値は単独での値の和以上になる。
if
.
優加法性は特性関数の特徴であり、(Owen 1995, p. 213) を満たすと仮定される。
[編集] 単調性
- 提携が大きいと報酬も大きい:
.
[編集] 単純ゲーム
「単純ゲーム」は協力ゲームの一種であり、 報酬が「勝ち提携」と「負け提携」にたいしてそれぞれ 1, 0 になるものである。
- 「固有ゲーム」とは、単純ゲームのうち
「勝ち提携」の補集合(補提携)は何でも「負け提携」になる場合である。 「強固有ゲーム」はさらに
; すなわち、ある提携が勝つ必要十分条件がその補提携が負けることである場合である。
- 単純ゲームにおける「拒否権プレイヤー」とは、どの「勝ち提携」の要素(要員)
にもなっているプレイヤーである。すなわち、拒否権プレイヤーがいない提携は必ず負ける。
[編集] 解の概念
協力ゲームは提携に対する報酬を記述する。 プレイヤーは提携に参加した方がしない場合より得をする場合に限り提携に参加する。 したがって、どんな提携が実際に組まれるかを見出すには、異なる提携間の相対的な力関係および各提携内の異なるプレイヤーの強さを評価する必要がある。
[編集] 安定集合
ゲームの「安定集合」(フォン・ノイマン=モルゲンシュテルン解)(von Neumann & Morgenstern 1944)) は3人以上のゲームに関し提案された最初の解である。安定集合は二つの性質をもつ。
- 「内部安定性」:安定集合の要素はどれ一つとして他の要素に支配されない。
- 「対外安定性」:安定集合外の候補は安定集合の要素の少くとも一つに支配される。
フォン・ノイマンと モルゲンシュテルンは安定集合を 社会的に受け入れられる振舞いの集合と見た。 どれも明らかに他よりも好かれてはいないが、 受け入れられない振舞いのどれにもそれより優れた代案がある。
この定義は非常に一般的であるため、広範な種類のゲームの形式に使われている。
[編集] 安定集合の性質
安定集合は存在する場合もしない場合もあり、(Lucas 1969) 存在しても典型的には一意ではない。(Lucas 1992). 安定集合を見出すのは大抵むつかしい。 この事実とその他の困難から、他に多数の解の概念が発展した。
協力ゲームの positive fraction はコアからなる 一意な安定集合をもつ。(Owen 1995, p. 240.).
協力ゲームの positive fraction は n − 2 人のプレイヤーを区別する安定集合をもつ。 このような安定集合は少くとも n − 3 の被差別プレイヤーを排除する。 (Owen 1995, p. 240.)
[編集] コア
詳細は「コア (ゲーム理論)」を参照
「コア」とは、ゲームにおいてプレイヤーに報酬を配分するベクトルの集合であり、 以下の条件を満たすものである。
- 「効率性」:プレイヤーが「大提携」(全プレイヤーからなる提携)を行い、
各人への報酬の総額は大提携の値と等しくなるべきである。
- 「戦略安定性」または「均衡」:どの連携も大連携を裏切って得をすることはできない。
(たとえば、どの提携も各成員の報酬の総額よりも大きくはならない。(疑問あり))
コアは空集合になる場合もあることに注意されたい。
[編集] シャプレー値
詳細は「シャプレー値」を参照
[編集] カーネル
カーネルとは、報酬を割り当てるベクトルのうち、
- 効率性
- 個別合理性
を満足するものである。
[編集] 企業提携の協力ゲーム
例として、複数企業 A, B, C の共同事業を考えよう。それぞれの企業の利益を、[v(A) = 3, v(B) = 6, v(C) = 5, v(AB) = 10, v(AC) = 10, v(BC) = 12, v(ABC) = 18] とする。ここで、例えば v(AB) とは企業 A, B が協力したときの利益を示している。
ここで、互いに交わらない任意の2つの提携 S, T について、v(S∪T) ≥ v(S) + v(T) が成立することを優加法的であるという。上の例では、優加法性が常に成立しているといえる。例えば、v(ABC) = 18 ≥ v(AB) + v(C) = 15 である。優加法的である場合、提携したほうが全体の利得は大きくなる。しかし、個々の企業にとって提携するかどうかは利得の分配によっても変わる。
3社が共同したときの企業 A, B, C の利得をそれぞれ (xA, xB, xC) とする。例として、利得が xA = 4, xB = 4, xC = 10 の場合を考えてみよう。
この場合、xA + xB = 8 < v(AB) = 10 となるので、企業 A, B は2社だけで提携し、利得 (xA = 5, xB = 5) を受け取ったほうが有利である。そのため、この条件では企業 A, B は C を含んだ3社の提携を拒否するであろう。このような状態のことを、提携 (AB) に関して、配分 (xA = 5, xB = 5) は配分 (xA = 4, xB = 4, xC = 10) を支配するという。
他方、配分 (xA = 5, xB = 7, xC = 6) の場合、いずれの2社の提携によっても、その提携に参加したすべての企業の利得を増加させることができない。このような状態をコアという。コアの概念は協力ゲームにおいて重要である。
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最終更新 2009年10月11日 (日) 12:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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