南極物語

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曖昧さ回避 この項目では、日本映画の『南極物語』について記述しています。アメリカ映画の『南極物語』 (Eight Below)については「南極物語 (2006年の映画)」をご覧ください。
南極物語
Antarctica
監督 蔵原惟繕
製作 古岡滉
鹿内春雄
蔵原惟繕
脚本 野上龍雄
佐治乾
石堂淑朗
蔵原惟繕
出演者 高倉健
渡瀬恒彦
岡田英次
夏目雅子
荻野目慶子
音楽 ヴァンゲリス
撮影 椎塚彰
編集 鈴木晄
配給 日本ヘラルド映画
東宝
公開 日本の旗1983年7月23日
アメリカ合衆国の旗1984年3月30日
上映時間 145分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 約59億円
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キネマ旬報
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南極物語』(なんきょくものがたり、ANTARCTICA)は、1983年(昭和58年)夏公開の日本映画(実写)である。文部省特選(少年、成年、成人、家族4部門)。

フジテレビが初めて製作した映画である。大変な人気作となり、1985年ごろまで何度もTV放送された。1997年に「もののけ姫」(アニメ)に抜かれるまで、配給収入記録日本一を保った。

目次

[編集] 概要

1956年(昭和31年)海上保安庁観測船・宗谷に乗り、南極大陸南極地域観測隊第1次越冬隊が赴いた。1年以上に渡る南極生活の中で、隊員たちはさまざまなトラブルや経験に出くわす。1958年(昭和33年)2月を迎え、先発の越冬隊と交代するため海上保安庁観測船・宗谷で南極大陸へ赴いた第2次越冬隊が、長期にわたる悪天候の為に南極への上陸・越冬を断念、その撤退の過程で第一次越冬隊の樺太犬15頭を無人の昭和基地に置き去りにせざるを得なくなった。極寒の地に餌もなく残された15頭の犬の運命、犬係だった二人の越冬隊員の苦悩、そして1年後再開された南極地域観測隊に再び志願してやってきた越冬隊員の両者が、南極で兄弟犬タロとジロと再会するまでを、実話を元にドラマチックな創作(フィクション)を加え、撮影期間3年余をかけ描いた大作である。

第1次観測隊に参加した村山雅美が監修をおこなっている[1]。モデルとなった隊員の菊池徹『犬たちの南極』が映画化に併せ、1983年5月に中公文庫で刊行された。もう一人のモデル北村泰一の『南極越冬隊 タロジロの真実』(小学館文庫、2007年)もある。なお第1次越冬隊隊長は西堀栄三郎で、『南極越冬記』(岩波新書、1958年)があり、半世紀を越え重版されている。三者とも資料提供などで協力している。

[編集] 上映時間など

[編集] 本編

  • 日本の劇場公開版の上映時間、ビデオレーザーディスクVHDDVDの本編収録時間はいずれも約143分である。テレビ等での放送では一度、未公開シーンの追加など2時間2日間計4時間枠で放送されたほかは、番組の編成上の都合により短縮編集されることもある。
  • 後年、米国(英語吹替・112分)・オーストラリア(前同)・イタリア(イタリア語吹替・モノラル・90分)・フランス(フランス語吹替)の各国で「ANTARCTICA」のタイトルでビデオが発売された。日本版との差異の大半はシーンのカットによる時間短縮であるが、そのほかにシーンの脈絡が日本版と前後する部分(米国版)や、日本版(特別編含む)で全く使用されていない音楽(日本版ラストシーンの続きに当たるメイン・テーマのCD未収録部分約1分50秒間)を使用している部分(イタリア版)などがある。

[編集] 特別編

  • 公開1年後の1984年(昭和59年)10月5日6日には、製作元のフジテレビ系列で(劇場公開版に未収録の場面を加えた)正味約180分の「南極物語 特別編」(現在の言葉でいうところの「ディレクターズ・カット版」)が前・後編に分けテレビ放送された。なおこの特別編は、以後再放送もDVDなどでの販売もされていない。

[編集] 予告編

  • 2001年(平成13年)11月21日に発売されたDVD(日本版)の特典ディスクには予告編が収録されている。日本版1編(1分20秒)と米国版2編(2分30秒と3分30秒)であるが、日本版のほうは使用されている音楽がすべて南極物語の曲でなくヴァンゲリスの既存アルバム曲であり、またロゴの「南極物語」の字体も異なることから早期に製作されたラフ的な予告編と考えられる。米国版のほうは(米国公開が日本公開の翌年であったこともあり)南極物語の曲が使用されており、2分30秒版ではグレゴリー・ペックがナレーションをしている。
  • 実際には、日本版にもきちんと南極物語の曲を使用、「文部省特選」である旨も表示し、後に「第二回予告篇コンクール<邦画部門>金賞」を受賞することとなる完成度の高い後期版(3分20秒)の予告編(画面では「予告篇」と表示)があるが、このDVDには収録されていない。

[編集] データ

[編集] 主なスタッフ

  • 製作:古岡滉、鹿内春雄蔵原惟繕
  • 企画:角谷優、蔵原惟二
  • 製作指揮:日枝久
  • チーフプロデューサー:貝山知弘、田中壽一
  • プロデューサー:森島恒行、蔵原惟二
  • 製作コーディネーター:村上七郎
  • 監督:蔵原惟繕
  • 脚本:野上龍雄、佐治乾、石堂淑朗、蔵原惟繕
  • 音楽:ヴァンゲリス
  • 撮影:椎塚彰
  • 助監督:大林丈史、金井進二、高崎通浩
  • 製作担当:北澤秋夫、植田成
  • 記録:石川久美子
  • 音響効果:小島良雄(東洋音響効果グループ
  • 音効助手:渡部健一
  • 小道具:佐藤結樹
  • ドッグトレーナー:宮忠臣
  • スチール:大隅隆章
  • メイク:上田幸夫
  • 撮影助手:松橋亮、松尾研一、三浦忠、倉持武弘、山形一也
  • 録音助手:中野俊夫、武進、永峯康弘
  • 照明助手:内田勝也、津木昭
  • 小道具助手:大坂和美、御牧賢秀
  • 編集助手:冨田功、松本ツル子、村山勇二
  • オーロラ製作班:原政男、佐藤正直、樋口一雄、萩原啓司、皆川慶助
  • 獣医:橋山悟
  • 極地サポート:五月女次男、沢野新一朗
  • 製作デスク:杉野有充、河井真也
  • 製作経理:嘉納修治、竹内恵美子
  • 製作進行:山本隆康
  • 宣伝 :ヘラルドエース
  • 宣伝プロデューサー:坂上直行
  • 監修、資料提供:西堀栄三郎、菊池徹、北村泰一
  • オーロラアドバイザー:小口高
  • ニュージーランド南極局長:ロバート・B・トムソン
  • 協力:ニュージーランド南極スコット基地、カナダ大使館、海上保安庁国立極地研究所、日本極地研究振興会、稚内市役所船の科学館朝日新聞社京都大学北海道大学東映俳優センター、学習科学編集部

[編集] 主なキャスト

[編集]

潮田暁(高倉健
第1次・第3次越冬隊員。有能な地質学者。犬係を務める。犬たちを非常に大切に思っており、犬が置き去りにされそうになったときは必死に阻止しようとした。南極滞在時にボツンヌーテンへの旅に出るが、その復路に仲間とともに遭難しそうになる。帰国の際、北海道大学の講師を辞職し、樺太犬の提供者への謝罪の旅に出る。
越智健二郎(渡瀬恒彦
第1次・第3次越冬隊員。京都大学教授。関西弁を話す。潮田とは対照的に、鞭を使ってしつけるなど、犬にはかなり厳しく、潮田から「鬼の訓練士さん」と揶揄されるが、それは犬たちを思ってのことである。南極から帰国し、通常の仕事に復帰するが、犬たちのことを思い出し苦悩する。
北沢慶子(夏目雅子
越智の婚約者。南極から帰って苦悩する越智を支える。
志村麻子(荻野目慶子
樺太犬リキの飼い主。最初、潮田が連れてきた2匹目のリキを受け取るのを拒否するが、のちに許諾し、再び潮田に会いに行く。
小沢大(岡田英次
第一次越冬隊長。
森岩剛士(日下武史
北海道大学教授。
堀込勇治(神山繁
第2次南極地域観測隊長。
岩切竜雄(山村聰
観測船宗谷船長。
徳光(江藤潤
第2次越冬隊員。
戸田(佐藤浩市
第2次越冬隊員。
喫茶店のマスター(岸田森
越智の通う喫茶店のマスター。
野々宮英(大林丈史(助監督))
第2次越冬隊長。
尾崎勇造(金井進二(助監督))
第1次越冬隊医師。潮田たちとともにボツンヌーテンの旅に同行する。
長谷川(中丸新将
第2次越冬隊員。
梶原博(志賀圭二郎
第2次越冬隊員。
南極観測船宗谷航海長(寺島達夫
鶴田功(長谷川初範
第1次越冬隊員。
昭和号パイロット(佐藤正文)
武井(坂田祥一郎
池内(内山森彦)
宗谷通信士(川口啓史)
志村真紀(市丸和代
麻子の妹。潮田にリキを置き去りにしたことを責める。
カトリーヌ(スーザン・ネピア)
バートン号艦長(チャールズ・アダムス)
稚内市長(浜森辰雄
野口(大谷進)
江藤(前島良行)
第2次南極越冬隊員(佐山泰三)
第2次南極越冬隊員(野口貴文)
中村(大江徹)
ナレーション(小池朝雄

[編集] 犬(役名)

[編集] 樺太犬たち

南極地域観測隊の犬ぞり曳きとして南極へ行った樺太犬たち。第1次南極地域観測隊では多くの活躍をする。越冬隊の撤退の過程で、シロ(雌)などを除いて無人の昭和基地に置き去りにされてしまう。

ゴロ
無駄飯食いと呼ばれるほどの大食漢。体が大きい。
ペス
モク
アカ
攻撃的な性格。鎖につながれたまま死亡する。
クロ
ポチ
紋別のクマ
リキ
麻子・真紀姉妹のペット。犬たちのリーダー的存在。タロ・ジロをシャチからかばって傷を負い、二匹に食料のアザラシの死体の場所を教えて死亡。
アンコ
南極に取り残された後、鎖から脱出した8頭の一頭。鎖を杭ごと引き抜き脱出したことが仇となり、アザラシに海中に引きずり込まれて死亡する。置き去りにされる直前に一度首輪抜けしており、このことが死の遠因となる。帰国した越冬隊員によって死亡した7頭の死の遠因と見なされる発言がなされた。
シロ(雄)
シロ(雌)
ジャック
南極に取り残された後、鎖から脱出した8頭の一頭。オーロラを見て狂乱、いずこへともなく走り去りそのまま行方不明となる。最後は死体が発見された。
デリー
最後に鎖から脱出したものの、氷の裂け目の食料をとろうとして、海に落ちて死亡。
風連のクマ
脱出した8頭の一頭。タロ・ジロ兄弟の父に当たる犬。一匹狼的性格で、脱出したほかの犬と群れずひとり大陸にとどまるが、はぐれたアンコを連れてタロ・ジロと合流し、また大陸へと消える。
タロ
稚内市に生まれ、南極で育った雄の樺太犬。南極観測隊に樺太犬による犬ぞりの使用が決定され、犬ぞり隊となる。ボツンヌーテンの旅の帰路、越智の提案により思わぬ活躍をする。無人の昭和基地に置き去りにされてしまうが、その1年後には・・・。
ジロ
タロの弟。タロとともにボツンヌーテンの旅の帰路に活躍をする。

[編集] その他の犬

ピーちゃん
京都の祇園祭りで越智が見た犬。
リキ
潮田が麻子たちに連れてきた、リキの代わりの犬。先述のリキとは別個体。

[編集] DVD副音声参加者(2001年)

括弧内の肩書きはいずれも1983年映画公開当時のもの。

  • 角谷優(企画・フジテレビ映画部長)
  • 貝山知弘(チーフプロデューサー)
  • 蔵原惟二(企画・プロデューサー。蔵原惟繕監督の実弟)
  • 蔵原惟繕(製作・監督・脚本。副音声コメントは別録のものを適宜挿入)

[編集] エピソード

  • 本編に登場する樺太犬は、制作当時にはすでに希少犬種となっていたため、出演した犬の犬種はすべて、近年の南極観測に多く用いられいるエスキモー犬である。
  • DVDには、本編の音声のほかに、先述されている参加者により、この映画の解説をした副音声も収録されている。
  • 氷の割れ目からタローとジローに襲いかかるシーンに出演しているシャチは、アドベンチャーワールドで飼育されていたシャチ・弁慶である。
  • 高倉健は、著書でこの映画を、度々回想している。
  • 登場シーンはごくわずかだが、岸田森の遺作となった。

[編集] 関連書籍

  • 南極物語 タロ、ジロは生きていた! 
野上龍雄ほか、サンケイ出版、1983年7月- 写真・シナリオ
  • タロ・ジロは生きていた 南極物語 
構成:石森章太郎、漫画:シュガー佐藤
学研まんが名作シリーズ、1983年5月、ISBN 4-05-100298-5
  • タロ・ジロは生きていた 南極越冬隊とカラフト犬の物語
藤原一生、教育出版センター、1983年4月- 児童文学
  • 実録 南極物語 第一次越冬記者の回想
藤井恒男、朝日新聞社:朝日ブックレット、1983年8月- 小冊子 

[編集] 脚注

  1. ^ 村山は1968年(昭和43年)に第9次越冬隊を率い、日本人として初めて南極点に到達した。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月5日 (木) 13:24 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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