博士の愛した数式
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『博士の愛した数式』(はかせのあいしたすうしき)は、小川洋子による日本の小説。2004年、第1回本屋大賞および第55回読売文学賞を受賞。
目次 |
[編集] 概要
交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者「博士」と博士の新しい家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを美しい数式と共に描いた作品。
全国の書店で働く人々が選ぶ本屋大賞の大賞作品として第1回受賞作となった。文庫化されると、史上最速の2ヵ月で100万部を突破した。2006年1月の映画化という販売促進策で奏功が決定的になった。ちなみに大賞受賞時の得点は202点である。
数学者エルデシュを描いた『放浪の天才数学者エルデシュ』(原題は「数字だけを愛した男」、ISBN 4-79-420950-9)が参考文献として挙げられており、エルデシュは「博士」のモデルと言われることもある。
[編集] 書誌情報
- 『博士の愛した数式』 新潮社、2003年、ISBN 9784104013036。
- 『博士の愛した数式』 新潮社〈新潮文庫〉、2005年、ISBN 4-10-121523-5
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
[編集] あらすじ
家政婦紹介組合から『私』が派遣された先は、80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し、他に全く興味を示さない博士に、「私」は少なからず困惑する。ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることに居たたまれなくなり、次の日からは息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら、博士は彼を「ルート」と名付け、その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく・・・。
[編集] 登場人物
- 博士
- 64歳。数学(整数論)専門の元大学教授。数学と子供と阪神タイガース(特に博士が事故に遭った当時、阪神の選手だった江夏豊投手(背番号は2番目に小さい完全数である28))をこよなく愛している。47歳のときに巻き込まれた交通事故により、新しい記憶が80分しか持続しないようになってしまった。大切なことを記したメモ用紙を体中につけている。書斎のクッキー缶の中に、野球カードや思い出の写真等をしまっている。他者と接することが苦手で、何を話して良いか分からなくなったとき、言葉のかわりに数字を持ち出すのが癖。特技は、文章や単語を逆さまから読むことと、一番星を見つけること。ニンジンが嫌い。
- 私
- 28歳。シングルマザーの家政婦。数学にしか興味を示さない博士に初めは困惑するが、博士の優しさやその数学への情熱に触れるうちに、博士に尊敬や親しみを抱くようになる。「私」の誕生日である2月20日(220)と、博士が大学時代に超越数論に関する論文で学長賞を獲った時に貰った腕時計の文字盤の裏の番号No.284(284)は、友愛数の関係にある。博士が投稿している数学の懸賞問題の雑誌『JOURNAL of MATHEMATICS』を、上手く発音する自信がないため、「ジャーナルオブ」と呼んでいる。
- ルート
- 10歳の小学5年生。「私」の息子。頭が「√ 」のように平らだったので、博士に「ルート」と呼ばれるようになる。阪神タイガースのファンで、博士に頼んでラジオを直して貰い、一緒にラジオ観戦をする。大人になったルートは中学校の数学の教師になる。
- 未亡人
- 72歳。博士の義姉(博士の兄の妻)。55歳のときに巻き込まれた交通事故のせいで足が悪い。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 作中に登場する数学用語
- ルート
- 虚数
- 階乗
- 友愛数
- 素数
- 双子素数
- 完全数
- 過剰数
- 不足数
- 三角数
- ルース=アーロン・ペア
- メルセンヌ素数
- サイクロイド曲線
- ネイピア数
- オイラーの公式
- (オイラーの等式)
- フェルマーの最終定理
- アルティン予想(Artin's conjecture) 参考Emil Artin(アルティン)
[編集] 映画
| 博士の愛した数式 The Professor and His Beloved Equation |
|
|---|---|
| 監督 | 小泉堯史 |
| 製作総指揮 | 椎名保 |
| 製作 | 「博士の愛した数式」製作委員会 アスミック・エースエンタテインメント 博報堂DYメディアパートナーズ IMAGICA 住友商事 東急レクリエーション 新潮社 |
| 脚本 | 小泉堯史 |
| 出演者 | 寺尾聰 深津絵里 齋藤隆成 吉岡秀隆 井川比佐志 浅丘ルリ子 |
| 音楽 | 加古隆 |
| 撮影 | 上田正浩、北澤弘之 |
| 編集 | 阿賀英登 |
| 配給 | アスミック・エース |
| 公開 | |
| 上映時間 | 117分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| IMDb | |
2006年1月21日公開。第18回東京国際映画祭特別招待作品、芸術文化振興基金助成事業作品。
「私」の視点で描かれた原作に対し、映画では中学校の数学教師になった29歳のルート(原作に準ずれば教員生活7年目)が、あるクラスの最初の授業で博士との思い出を語るというものになっている。また、原作では深く描かれなかった博士と未亡人の関係についても触れていること(二人が不義の関係にあった事を窺わせる叙述)などの違いはあるが、原作をほぼ忠実に映画化している。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 脚本・監督:小泉堯史
- 撮影:上田正治 北澤弘之
- 録音:紅谷愃一
- 照明:山川英明
- 美術:酒井賢
- 衣装コーディネーター:黒澤和子
- 音楽:加古隆
- プロデューサー:荒木美也子、桜井勉
- エグゼクティブプロデューサー:椎名保
- 製作プロダクション:アスミック・エースエンタテインメント
[編集] 受賞
- 第31回日本アカデミー賞
- 優秀男優賞(寺尾聰)
- 第61回毎日映画コンクール
- 音楽賞(加古隆)
[編集] コミック
映画公開に合わせて、講談社発行の漫画雑誌『BE・LOVE』に2005年12月から全4回で連載された。作画はくりた陸。2006年2月には、講談社コミックスDXとしてまとめられ、出版されている (ISBN 978-4063721300)。
[編集] ラジオドラマ
毎日放送の開局55周年記念企画として、MBSラジオで2006年3月19日の19:30 - 21:00にラジオドラマとして放送された。脚色は倉持裕、出演は柄本明、中嶋朋子、武井証ほか。ラジオドラマ版では、ドラマの鍵となる阪神タイガースのエピソードも織り交ぜる。1992年9月11日の阪神対ヤクルト戦で、直後に二塁打と判定された“代打の神様”こと八木裕選手の“幻の本塁打”のシーン(MBS制作の音源を使用)も登場する。なお、このドラマはTBSラジオでも同年3月25日の19:00~20:30に放送された。
[編集] 外部リンク
| 本屋大賞受賞作 |
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| 前作 | 小泉堯史監督の映画 | 次作 |
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| 阿弥陀堂だより | 明日への遺言 |
最終更新 2009年9月10日 (木) 18:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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