去勢
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去勢(きょせい)とは、人間の男女、または、動物の雄雌の生殖に必要な部位を切除し、種として生殖不能な状態とすること。
手術による去勢は、「去勢術」と呼ばれ、男性(または、動物なら雄)に於いては、睾丸(あるいは、加えて陰茎)の切除、女性(または、動物なら雌)に関しては、卵巣(場合によっては、子宮も)などの切除が、最も一般的である。人間の男性の生殖器全体を切除した場合は、特に「全除精術」という。ただし、医療行為によらずにこれらを切除した場合や、事故などで喪失した場合などには、この表現や語句は用いない。
現在は、家畜・ペット・競走馬などに施されることが多く、雌が不用意に子を産み増やすのを防止したり、特に雄の攻撃的な性質などを喪失させる目的の元に行われることが多い。雄に対しての去勢は、俗に「玉抜き」などと呼ぶ場合もある。去勢された牡の競走馬はとくにせん馬と呼ばれる。
人間に於いては、古代や中世には、刑罰として行われることも少なくなかったが、その後廃止された。また、古代中国などでの宦官や、近代以前のヨーロッパでのカストラートなど、目的や必要条件に応じて、意図的に多くの男性に対して行われたケースもあった。
人間、動物に限らず、第二性徴以前に去勢する場合は「幼去勢」、それ以降に去勢する場合は「熟去勢」と呼んで区別する場合も多い。人間の例に限るなら、前者の例が前述したカストラートであり、今日に至っては、幼少期の特徴を残すための目的や、刑罰で行われることはないといえる。
なお、いわゆる「ニューハーフ」の中にも去勢手術を行った者は存在するが、ニューハーフの全てが去勢手術を受けているわけではない。
近年、性犯罪への社会的注目が強まっているため、男性性犯罪者に対し男性器の切除等の去勢を行う「宮刑」を刑罰に科すことを求める声が出ている。現在では刑罰あるいは犯罪予防措置として強制的に実施している国はないようであるが、アメリカ合衆国の一部の州において、犯罪者の希望により、あるいは懲役刑との自由選択の形で、去勢刑が行われている。実施方法は、多くは薬物注射で睾丸を萎縮させる「化学的去勢」といわれる方法を取るが、テキサス州においては、手術による睾丸摘出が実施されており、1997年と2007年の執行例がある。 2008年現在で化学的去勢を実施しているのは米国の8つの州およびスウェーデン、デンマークであり、導入を検討している国は韓国、ポーランドなどである。 化学的去勢は刑事罰というよりも異常な性的衝動を持つ性的倒錯者に対する治療という面が強く押し出されており、身体刑であるとは考えられていない。

