受刑者

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受刑者(じゅけいしゃ)とは、自由刑、すなわち懲役禁錮刑又は拘留刑の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。なお、広義には仮釈放中の身にある者も含まれる。これは法律上、仮釈放は刑の終了を意味するものではないからである。

以下、特に指定のない場合には、主に日本の受刑者について記述する。

目次

[編集] 概要

日本の場合には、受刑者は衣食住を保障されており、また懲役刑に処されている者は刑務作業を科せられている。刑務作業の種類は、金属製品の加工、木材加工、靴や衣類の制作、印刷などさまざまであるが、大半は単純作業である。また、刑事施設内の営繕保守、清掃、被収容者向け図書の貸出など、刑事施設運営にかかる作業をもすべて受刑者に行わせている。

受刑者の処遇においてもっとも問題となるのが、被害者感情への配慮と受刑者の贖罪意識の醸成である。開放的な処遇を行えば、被害者のおかれた状況に照らして優遇されすぎだとなり、厳しい処遇で怪我人が出ると人権問題となる。また、贖罪意識を植えつけるための指導やカウンセリングには費用がかかる上、手法によってはマインドコントロールだなどという批判も起き得る。

[編集] 待遇

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律によれば、「受刑者の処遇は、その者の資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。」とされている。

受刑者は、定期的に慰問を受けており、「祝祭日には菓子が給与」、「正月にはおせち料理が支給」など、一概に待遇は悪いとは言えない。しかし一方では、刑事施設の規律秩序の維持及び移動時の事故防止等の観点からの「数字を繰り返し叫びながらの行進方法」(ややもすると「軍隊的行進」と呼称されることもある)や、刑務官による法令に基づいた指導による「規律正しい生活」を求められ、24時間行動を監視されて自由行動が制限されることもある。また、日本国籍の男子受刑者に対しては一律に丸刈りが強制されている。

しかし、「刑事施設は罪を償う場所であるから有形力の行使を伴う懲戒(愛の鞭)は許される」ようなことはなく、これらは違法(特別公務員暴行陵虐罪(刑法第195条))である。「日本の刑務官の労働環境は過酷で労働基本権すら認められていないので、仕事上の不満が受刑者に対する違法な対応につながっている」との指摘もあるようだが[要出典]、無論それらにより違法・犯罪性が阻却されるわけではない。

[編集] 作業報奨金

作業に従事している受刑者には作業報奨金が支給されるが、1時間あたり数銭~数円単位で計算される額の低さから、釈放後の更生資金にもなりえないという批判があるようだが、作業報奨金は恩恵的性格を持つものであり、サラリーマンにおける賃金のような労働対価と異なる。反則行為をした受刑者に対する懲罰として、刑事施設の長は報奨金計算額の3分の1以内を削減することができる。

逆に、所得者である家族を失って貧しい生活をしている犯罪被害者がいる一方で、受刑者は慰問やカウンセリングを受け、食事もきちんと与えられているという状況を考えれば作業報奨金などいらないという意見もある。

法務省の外郭団体で、法務省幹部職員の天下り先でもある財団法人矯正協会は、民間企業からの作業委託で不当な利益を上げているのではないかという批判もあるが、真相は不明である。

[編集] 諸外国との比較

[編集] 生活水準

諸外国の刑務所と比べると、日本の刑務所における生活水準は高い。ロシアでは未決囚も既決囚も一緒に、何十人もが一房に詰め込まれている状況がある。タイの刑務所では、強盗で服役している受刑者が看守に賄賂をつかって、昼間だけ塀の外でアルバイトをしていたという不祥事があった。

中南米諸国においては、未決も既決も罪の種類もかまわず詰め込まれた仮監房では、受刑者同士での傷害事件や同性愛の強要、少ない糧食をめぐっての殺し合いにまで発展することさえある。

[編集] 外部交通権

一方で、開放処遇の進み具合や外部交通権という点では、日本は先進国中でも指摘されている点が多い。ドイツにおいては服役態度の優良な受刑者が、通勤刑務所のような形での処遇に浴しており、米国の刑務所では外部との電話連絡が許されているところもある。

日本では最も態度優良な、それも出所前の受刑者だけが、刑務所の庭などの清掃作業、あるいは刑務所付属の農場や伐採場での作業を行っている。

刑事施設の長は、開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認める時は、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる(刑事収容施設被収容者処遇法146条)。

面会時間を制限する場合には30分を下回ってはならないが、面会の申出状況、面会場所その他の事情に照らしてやむを得ないと認める時は、5分を下回らない範囲内で30分を下回る時間に制限することができる。面会できる者は、受刑者の親族、受刑者の身分上、法律上または業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者及び受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者である。たとえば、受刑者本人の事情によっては友人・ジャーナリストとは面会することができ、刑事施設の長の指名する職員は原則として面会に立ち会わないので、外部交通権が保障されていない、事件関係の会話などが許されないということはない(刑事収容施設被収容者処遇法より抜粋)。

[編集] 関連項目


最終更新 2008年12月28日 (日) 12:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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