古のもの

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古のもの(いにしえのもの、Elder Thing)は、クトゥルフ神話作品に登場する架空の生物。 初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『狂気の山脈にて』。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


太古に宇宙から飛来し、地球の最初の支配者となった種族である。 奴隷、あるいは食糧として(「ネクロノミコン」によれば、ふざけてか、誤ってとも)、地球の生命を創造した。

体長は8フィート(約2.4メートル)ほど。 胞子によって繁殖する半植物的な生物で、形状にも植物のような放射相称性がみられる。 樽状の胴体の上に、球根状の首と五芒星形の頭部がある。 また、胴体の下にも、首に似た球根状のものと頭部に似た五芒星形の擬足がある。 胴体の周りにはそれぞれ等間隔で、5枚の膜状の翼と、5本の海百合のような触手が並んでいる。 翼は扇のように折りたたみ可能だが、広げると7フィート(約2.1メートル)ほどにもなる。

首にえら、頭部に気孔があり、水中でも大気中でも活動が可能である。 頭部の5つの角から短い管が伸びており、先端の球状のふくらみを開くと眼が現れる。 また、5つの窪みからはやや長めの管が伸びているが、こちらは先端が袋状で開くと口があり、鋭い歯が並んでいる。 植物のように無機物から養分を摂取することが可能だが、生物を捕食することも好む。 擬足の5つの窪みからも管が伸びており、ここから老廃物を排出する。

体組織は極めて強靭、かつ柔軟である。 しかし、それ以上に長命であるため、寿命によって死亡するものはまれである。 翼の先端に胞子嚢があるが、死の危険が小さいことから、領土を拡大する場合等を除いて、めったに繁殖はおこなわない。

半植物的な生態のため、家族という概念は持たないが、仲間同士の精神的な結びつきは強く、高度な社会生活を営んでいる。 そして優れた知能と人間とは異なる感性によって、独自の文化、科学を発展させている。 彼らの巨石建造物や彫刻は、人間の目には奇怪なものにも映るが、それでも高度な計算と技法が用いられていることがわかる。 科学技術の水準も高く、現在の人類のものを遥かに上回っているが、必要に迫られなければ、それらを積極的に使用することはない。 基本的に機械を使用することは好まない。 身体の強靭さもあって、機械や道具に頼ることなく、様々な環境に適応する。 しかし、いざ戦いが起これば、未知のエネルギー原理からなる強力な武器を使用する。

自らが創造した生物、ショゴスを使役して、南極を中心に巨大な文明を築いた。 地球に降り立った当初は惑星全体が海に覆われており、海中に都市を築いたが、やがて地殻変動によって大陸が形成されると陸上にも進出した。 最盛期には地球のいたるところに都市を築いている。 しかし、宇宙からの新たな種族の到来によって、争いも発生した。 特にクトゥルフの眷属やミ=ゴとは地上の支配を巡って激しく争うことになった。 時折、イースの大いなる種族との小競り合いもあったようである。

それでも地球上で常に一定以上の勢力を保ち続けたが、長い年月のうちに高度な技術は失われ、種としても退化してしまっていた。 さらに大寒波の到来やショゴスの反乱などもあって、次第に衰退していった(地球から宇宙に飛び立つこともできなくなっていた)。 現在はかつての都市や遺跡で人工的な冬眠等をしている生き残りがほとんどで、活動している個体は少ない。 1931年に南極大陸で遺跡が発見された。

なお、日本語訳では「旧支配者」とするものもあるが[1]、邪神を指す旧支配者(Great Old One)とは異なる。

[編集] 脚注

  1. ^ 「狂気の山脈にて」 『ラヴクラフト全集 4』 大瀧啓裕訳、東京創元社。 作中に両方の呼び名が登場するが、主に「旧支配者」が使われている。

最終更新 2009年11月21日 (土) 06:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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